母親たちの不安と影響
みなさんこんにちは、マルジナリア書店の小林えみです。
今日オススメする本は、ちょっとセンシティブな本なんですけれども、
多くの人に読んでもらいたいなという本です。
ママ友は自然の人、原作が山田のじるさん、作画がすじえさんで、
エッセイコミックのような形になっております。
出版社は竹書房さんです。
これはですね、タイトルとか山田のじるさんのお名前を聞いて、
ピンと来た方もいらっしゃるかもしれないんですけれども、
そのお母さんですね、ちっちゃい子のお母さんが、
ママ友から勧められて、科学的に怪しい自然派の情報だとか、
そういう対応にハマっていく様子を描いたものになります。
今、特にいろんな政治活動なんかも通して、
そういう自然と向き合うみたいなものをテーマにしている。
それを推しにしていたり、それでこうみんなで集ったりということを
する場合があると思うんですけれども、
そういったものの中のそのご情報だとか、過剰にやりすぎる場合とかに
関してのことを警告しているんですね。
ただ、この漫画がすごくよくできているのは、
何人かのお母さんが登場人物として出てくるんですけれども、
皆さんやっぱり子供のためにとか、そういったところが出発点になって始まるんですね。
それって本当に誰でもあることで、家族を大事にしたいとか、
その時にあれこれって安全なのかなっていう疑問だとか、
この方が体にいいんだったらこっちの方がいいかなという選択って、
自分たちもすることがあると思うんです。
ただそれがご情報がどこかで混じっていったりだとかして、
よくないものになっていってしまう、
そういうことって誰にでも本当に起こりうる話だなと思って見ていました。
しかも本当に子供を育てるってすごく不安も大きい、大変なお仕事で、
その中でここに出てくるお母さんたちも、なかなか周りの協力が得られなくて、
一人になってしまったところに、
そういう優しく子供の情報を教えてくれる仲間たちができて、
それでそういった方面にどんどんはまっていくというようなプロセスも描かれています。
これはフィクションではあるんですけれども、
おそらく実際にもありうるパターンだなと思っていて、
こういったものにハマった人だとか、結果なんかを見たときに、
あの人はっていう言い方だとか、ああいう人はっていう言い方ってできるかと思うんですけれども、
やっぱりあんまり私はそこを責めたくないなというふうに思っています。
なので、私も多分そういうふうになった可能性って、
コミュニティの重要性
本当にゼロじゃないと思っているんですね。
ただ、こういった扇動みたいなことって、
それをビジネスにしていて不安を煽ったりだとか、
そういった首謀者的な人たちがいる場合もあります。
そういった中核になって、
人の不安につけ込むようなことをしている人っていうのは、
やっぱり厳しく追及をしていくべきかなとは思うんですけれども、
こういうところにハマらされてしまった人であるだとか、
たまたまハマってしまった人っていうのを
責めていっても解決はしないなというふうに思います。
この漫画の中でもですね、
ちょっとお母さんがおかしいなっていうことを感じたお友達とかが、
お友達2人とそのお母さんと出会うんですけれども、
お友達の1人が、え、それは?みたいなふうに反論をしそうになったときに、
もう1人のお友達がとりあえず話を聞くようにしようというふうに止めるんですね。
それは何でかっていうと、
やっぱり孤立して孤立してこういう状況になってしまっているので、
そこでまた否定されればどんどん内側の方にこもっていってしまうということを、
そのお友達が心配したという描写ですね。
なので、実際やっぱりそれ違うんじゃないってどうしても言いたくなりますし、
時にはそれをきちんと伝えないとまずい場面もあるとは思うんですけれども、
SNSとかで人からげにして、この人は?みたいな形での嘲笑だとか、
あるいは本当に追い詰めるようなことっていうのは、
避けながらきちんと間違いがない方へというと、
完璧に正しい道っていうのもないかなとは思うんですけれども、
少なくともご情報で例えばすごくお金を使ってしまっていたりだとか、
健康被害があるような状況からは抜け出せるように寄り添っていくっていうことが大事なのかなというふうに思いました。
漫画なのですごくサクサク読めますし、文量も短いので、
これは特に今回の選挙などを通じてちょっと極端なことを言っている人たちってどうなのかなというふうに思った人たちにも、
ぜひ読んでもらいたい本だなと思っています。
なので自分は育児関係ないとか、今子どもいないからなとかそういうことではなくて、
こういう考え方の作られ方っていうのがある、こういう考え方にはまる人たちがいる、
そういったところの実態を見つめる本としていいのではないかなというふうに思いました。
今日のおすすめの本は、
ママトモは自然の人 原作 山田信さん 作画 辻江さん 竹書房から刊行されている本です。
皆さんも健康とか不安いろいろあるかもしれないですけれども、
まずよく食べて、よく寝て、それで健やかにお過ごしいただければと思います。
それではまた。