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スピーカー 1
まずその文化人類学での事例では、
子どもから大人への履行を変身と捉える社会と成長と捉える社会に大雑把に分けられるというふうにあります。
前者を変身社会、後者を成長社会と名付けた場合に、
日本は後者に属しますが、変身社会の場合は、子どもから大人への履行が急激に起こります。
スピーカー 2
日本は大人に成長するけど、大人に変身するみたいな社会があるってことか。
スピーカー 1
そうそうそうそう。
変身社会っていうふうに、文化人類学ではいろんな社会を見ていく学問でもあるから、
その社会をリスト化していって、じゃあこっちは変身社会だなっていうふうに分けられた部類に関しては、
大人になるっていう成長の段階に来たら、
その養子の変化がまずあって、その日を境に大人とみなすっていう文化があるっていう、
そういう文化がある社会を変身社会ってくぐっているんだよね。
で、日本は今そんなことないじゃん。大人になるから何かをしましょうっていうような養子の変化はないので、
そうすると、日本は子供から大人への成長が起こっている成長社会であるっていうことに、
この分類だとね、分けられるっていう話ですね。
なんか分かるような分からないようなって感じだと思うので、
逆にその変身社会の例を挙げてみると、文化人類学では有名なヌアーという民族がいて、
成人男性の頭にぐるっと一周する3本の線があるっていう養子の変化がある社会です。
で、この社会では男の子は大人になる準備ができた時に、大人になるための儀式を行って、
この3本の線を頭につけてもらうっていう。
おー、そこで変身ってなるんだね。
変身っていうからなった大人です。3本の線がついたら大人ですってなるのがヌアーです。
スピーカー 2
日本はね、分かんないもんね。
スピーカー 1
日本にはそんな線はついてない。成人式とかはあるけどね。
別にそこで養子の変化があるわけではないなっていうところがあるけど、
でも、日本もかつては変身社会だったっていう風に本の中でも続けられていて、
平安時代とかは、成人した女性はファグロで歯を黒くしていたりだとか、
スピーカー 2
男子は原服をして、ご串をあげるみたいなことがさ。
スピーカー 1
分かりやすい。
そうそう。あれはもう本当に日本は変身社会だったんだね、昔は。
大人になるっていう養子の変化があったんだけど、今はそれがなくなっている。
だから日本は成長社会であるっていう風に分類されますけど、
つまりですね、ここで言いたいのは、一つの国の大人のあり方、
大人だよっていう巨別なあり方ですら、
社会とか時代によって変わってしまうっていうことが、
今挙げたエピソードから分かることだと思うんですよね。
スピーカー 2
そうだね。
スピーカー 1
そう。だからさ、今自分たちが持っている気持ちって、
もしかしたら周りの環境がそうさせているっていう側面があるのかもしれないっていうことに、
私たちはここで気づくんですよね。
例えばさ、お歯黒がかっこいいっていう社会だと、
白くて綺麗な歯が素敵っていう価値観を持てないわけですよ。
スピーカー 2
確かにね。
スピーカー 1
でなったら、私たちが気づかないほど気にしている、
痩せていることが一番いいっていう価値観も、
そういう社会だから、痩せてないと自分はダメっていう気持ちにさせられてるかもしれないっていう、
そこで対比させると、あれ痩せたいって本当に自分の気持ちなのかなっていう気づきポイントがあるっていうのが、
この一番最初の問題提起の部分です。
スピーカー 2
おー、そうだね。なんか、こう、飢えてた時代とかは、
けっこうさ、ふくよかな女性のほうが、健康的だからみたいな感じで、
良い養子だと思われてたみたいなの聞いたこともあって、
確かになんだろう、社会の環境とか状況によって、全然価値観違うね。
スピーカー 1
そう、そうなの。本の中でもその話も出てきたなと思ってて、
やっぱり女性だけに限らず、太ってる人って、たくさんの食料にアクセスできるっていうのは、
まさにその特権階級のある意味ステータスだったから、
要するにでっぷり太ってる人は、社会的地位が高いっていうことに結びついて、
要するに太ってる人はかっこいいみたいなこともあるわけですよね。
スピーカー 2
おー、なんか今の価値観だと、にわかに信じがたいけど、そうだもんね。
でもそうだよね。
それがたぶんそこまで昔の話じゃないと思うと、価値観ってコロコロ変わるね。
スピーカー 1
ほんとだよね。
うん。
だってきっとそれもさ、何かね、数百年とかまでいかない、たぶん昔の話だとしたらさ、
急激すぎるよね。平安時代とかさっき言ったけどさ。
スピーカー 2
眉毛ないのがたぶんいいんだもんね。平安時代は。
スピーカー 1
そうそうそう。眉毛このちょびんってやつがね、よかったりするもんね。
スピーカー 2
そうそうそうそう。
スピーカー 1
そう、ここまでで痩せたいっていう気持ちは、
その社会においてある程度強制的に持たされているかもしれないということを、
文化人類学の視点から考えて納得してきました。
スピーカー 2
うんうん、納得。
スピーカー 1
で、この本はその前提を設けた上で、
痩せたいっていう気持ちが他者に認められたいということとリンクする話が続けられていきます。
スピーカー 2
いやー、そうだね。
スピーカー 1
こっから先がね、私的にはグサグサ刺さるポイントがめちゃめちゃ多かったから、
ちょっとね、この問題の深掘りの部分は、私めっちゃ語るんですけど、
いろんな事例があったしね。
スピーカー 2
語ってください。
スピーカー 1
いろんな事例があったので、いろんな事例を紹介するんですけど、
まず、その承認欲求を比較的簡単に手っ取り早く満たされるのが、
痩せるっていう行為であって、
スピーカー 2
痩せたら急に周りの評価が変わったっていう経験がある人もいるかもしれないんじゃないかなと思います。
いや、見た目って一番わかりやすいもんね。
そう。
スピーカー 2
例えばさ、なんか成績上がったりとかしても認められたりするけど、
それって見た目じゃわかんないもんね。
スピーカー 1
そうね。こいつの成績、こいつ頭良くなったなっていうバロメーターは出てないけどさ、
こいつの見た目変わったなっていうのはさ、見てすぐわかる。
スピーカー 2
そうだよね。
スピーカー 1
本の中でも紹介されてたのは、
スクールカーストの上位のグループに痩せたら入ることができたとかさ、
今までちょっとぽっちゃりしてたから地味なところのグループに入ってたんだけど、
痩せて、ちょっときれいになったら、カースト上位の男の子だったり女の子だったりに声をかけられるっていうのとかもさ、
理解しやすいというか、よくあるよなみたいなさ。
スピーカー 2
なんかさ、周りからの評価もそうだし、この価値観の中でいると、
痩せると自分に自信が持てて、自分でも大胆に振る舞えるというか、
自己肯定感上がるというか、そういうふうになれるよね。
スピーカー 1
そう、なれちゃうよね。
この本の中で出てくる、仮名で結城さんっていう女性も出てくるんですけど、
さっきまさに言った通り、彼女は3つ上の姉と比べて、
容姿が良くない分、勉強を必死で頑張った。
頑張ったけど、それでも姉の方が勉強ができたよって言ってくる人がいたりとか、
容姿が良くない自分は勉強ができたからって言って、
自分の評価が上がるわけでもないんだなっていうことに気づいたみたいなエピソードが出てきたりだとか、
あとこの本の中で紹介されている調査の中に、
厚生労働省の行う出生動向基本調査の中の結婚相手に求める条件について、
女性は男性の経済力を注視する傾向がありますっていう結果が出ていて、
小さい頃から真面目に勉強することを推奨されるじゃん。
それと経済力は比例するというか相関性があると思うので、そういうのは矛盾しないんですが、
男性は女性の見た目を注視する傾向があって、
女性に関しては経済力と外見のダブルスタンダードが課せられていることを示していると筆者は解釈しています。
スピーカー 2
なんか、私女性として生きてきたから、あんまり男性と比較が難しいけど、
女性の方がこれでいくと、容姿を気にせざるを得ない状況に陥りやすいのかな?
私結構これわかるなって思ってさ、
スピーカー 1
大学受験ぐらいまでは男女平等に一緒に競争させられるというか、競争できる社会にはなっていると思うんだけど、
結婚ってなった時に、あれ?今まで同じ土俵で戦ってきたつもりだけど、どうなんだろう?みたいな。
スピーカー 2
どうなんだろう?っていうと、あれだけど。
男は経済力だけで評価されているのに、なんか私たちは容姿も評価軸に加えられているぞ、みたいな感じがするってこと?
スピーカー 1
うん、そうした。すごくした。
同じ経済力があったら、きっと容姿がいい方が選ばれるな、みたいなさ。
もちろんそれは男性でもあるのかもしれないけど、逆もあるじゃん。
スピーカー 2
女性の方はもしかしたら容姿が良かったら、経済力が低くても選ばれる可能性はあるとかさ。
スピーカー 1
ありそう。
むしろ経済力は低い方が望ましい、みたいな状況もあるなって。
スピーカー 2
ありえそう。
スピーカー 1
これは私の本当に個人的な考えだし、でもそういうことを思った瞬間が確実に過去にあったなっていう。
あるある。私もある。みんなあるかも。どうなんだろうね。
あーみたいなさ、ぐさぐさポイントね。
スピーカー 2
ほんとだね、ぐさぐさくる。
スピーカー 1
あと、かわいいのダークサイドっていう言葉もこの本の中に出てきてます。
かわいいにはどんな要素が含まれるのかっていうことを分解しています。
この時には何があったらかわいくないのかという逆の問いを立てて、かわいくなくなる要素を挙げていきます。
スピーカー 2
で、この本の中では、かわいいは子供っぽさと高い親和性があって、しかも自分を傷つけない従順さや素直さがあるという条件付きの子供っぽさを、私たちはかわいいと言っているのではないでしょうかと、フィッシャーは結論づけてるんですよね。
いや、かわいいってダークサイドを考えたことなかったけど、そう言われてみれば、なんかかわいいって言う時に、なんか上下関係が発生してるような気がしてきた。
スピーカー 1
でしょ。
スピーカー 2
かわいいって言う側が上で、上、上というか、さっきの話でいくと、
女性は経済力がない方がかわいいって言われそうみたいな気がした。
いや、それなんだよね。そこにつながってくるよね。かわいい、自分よりも明らかに下のものだから、みたいな要素がかわいいには含まれてるんじゃないのかっていう、まさにね。
スピーカー 1
ああ、そうかもしれない。
スピーカー 2
いや、なんか純粋にかわいいって言われることに喜びを感じてた自分がなんかいるけど。
スピーカー 1
でもさ、じゅうじゅんさんみたいな子供っぽさとか、じゅうじゅんさんがかわいいっていう場合もあるんじゃないですかっていうさ、なんかフィッシャーの意見ではあると思ってて、それが全部ではないと私も思うんだけど。
スピーカー 2
ああ、まあそうだね。
スピーカー 1
でもそういう面は確実にある。確実にあるっていうか、ここで納得できる部分は確実にあるなと私は思ったんだよね。
スピーカー 2
いや、確かに。かわいいっていう存在が自分を傷つけないっていうのは確かになと思って、かわいい存在って自分の脅威にはならないなと思って。
かわいい人は私を傷つけないってことですね。
そんな気がした。
スピーカー 1
さらに女性が選ばれるせいであるという話も出てきて、男性という選ぶ側の人に選ばれる人とそうでない人がいた時に、選ばれる組とそうでない組で対立が起こったりとか、
その間に競争が生まれたりする様子っていうのは、いつの時代も女の戦いとして描かれることもあるほど、女性としては意味覚えのある経験かと思うんですけど。
この原因は、女性が愛される立場を未だに捨て切れず、そこに甘んじているという指摘も含みながら、やはり女性は歴史的に見ても選ばれるせいであったことが紹介されています。
スピーカー 2
ここがナッシー的に刺さったポイントを一気にご紹介した次第なんですけど。
歴史的に見ても選ばれるせいっていうのは、女性って経済力がなかったじゃん。
それがゆえに、経済力のある男性に選ばれようとするのかな。
スピーカー 1
そうだと思う。だって選んでもらわないと、自分は生活できないから、経済力のある男性に選んでもらって、配偶者なのに妻なりの位置を獲得すれば、一生が安泰ですよねっていう価値観もあると思うんだよね。
スピーカー 2
そうだよね。昔はきっと生存に直結してたんだね。たぶんね。選ばれることが。
そうだよね。そうだね。
ただ今は、そこまででもないにしろ、確かに選ばれるっていう感覚はわかる気する。
スピーカー 1
わかる気するように。
スピーカー 2
なんかさ、高校時代とかって、なんか彼氏いる子とかって、なんかちょっと選ばれたんだなみたいなイメージで見てたかも、私。
あるね。なんか選ばれた彼氏持ち組と、選ばれてない彼氏いない組みたいなね。
でね、彼氏いない組にいた私もさ、なんか彼氏いる組に行くことを憧れてた。
スピーカー 1
憧れるよね。純粋に彼氏欲しいっていう気持ちもあったと思うけど、その中にはきっと、あの子選ばれたんだな、いいなっていう気持ちもきっとあった。
そうそうそうそう。あったあったと思う。
はい、というわけでここまで、なぜ痩せることや愛されることにこだわっていくのかっていう原因を、このように、
著者はいろいろな例を挙げて覚えてくれた後、本の中では、著者の主論が展開されていく形になります。