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2024-03-14 08:51

【朗読】#32 まだ見ぬ「卒業」へ

週も後半。ちょっと疲れたなあ、そんなときこそひとやすみ。喫茶クロスロードでは毎週木曜日、月ごとのテーマに沿ったエッセイ朗読をお届けしています。/今月のテーマは「卒業」。今日は子育てで経験する様々な卒業にまつわるエッセイ「まだ見ぬ「卒業」へ」/ 書き手:虹/語り:虹


▼感想はぜひこちらに

⁠⁠⁠⁠⁠⁠キサクロおたより箱⁠

サマリー

彼女は育休を終え、息子を保育園に入園させ、予想を裏切られた出来事について振り返る。

00:05
スピーカー 2
カランコローン。いらっしゃいませ。喫茶クロスロードへようこそ。
いよいよ週も後半。ちょっと疲れたなぁ。今週もなんだかバタバタしていたなぁ。
そんな気持ちが膨らんでくる頃ではないでしょうか。 そんな時こそ一休み。ここでのんびりしていきませんか。
喫茶クロスロードでは、毎週木曜日、月ごとのテーマに沿ったエッセイ朗読をお届けしています。
今月のテーマは、「卒業」。
今日は虹がお届けします。 それではどうぞ。
まだ見ぬ卒業へ。
息子の成長と育休卒業
スピーカー 2
虹。育児は卒業の連続だ。
もうすぐ二歳になる息子でさえ、たくさんのことを卒業してきた。 生まれて最初に着たサイズ五十センチのガーゼタンハダギはすぐにサイズアウト。
メリーは遊ぶどころがなぎ倒してしまうようになってしまったし、 さんざん使った哺乳瓶はもうおもちゃになっているし、初めて買った靴も小さくなってしまった。
息子はすさまじい速さで成長して卒業というゲートを次々にくぐっていく。 最近また一つ息子と私は大きな卒業を迎えた。
それは育休の卒業。 つまり私は復職し息子は保育園に入ることになった。
先月からパパ、ママと言えるようになった息子はどちらかが少しでも見えないと家の中でも姿を探すようになった。
そんな息子なので保育園に預けた最初の数日間はずっと泣きっぱなしなんだろうなと思っていた。
お迎えに行ってもまだ泣きじゃくり帰り道も自分を置いて一人にするなんて、 と荒ぶる息子をどうにか抱えて帰っているんだろうなという想像をしていた。
息子はこの二年間の育休中一時預かりなどしたことがなくいつもパパとママがいる環境だったのだ。 そしていよいよ今週からならし保育が始まった。
スピーカー 1
保育園初日 朝にセットするものなど説明が終わり
スピーカー 2
準備が全部できたらこちらのゲージを開けてお子さんは教室に入れてください と保育園の先生が教えてくれた
ゲージの向こうには広い教室があり小さいお友達がすでに楽しそうに遊んでいる
保育園の小さなゲージは息子が新しい世界に飛び出す大きなゲートに見えた 息子よ行ってらっしゃい
教室に入ってからは振り向かずにその場を後にした お迎えまでの時間はそわそわしてしまい掃除機をかけたり洗い物をしてあっという間に終わった
ずっと泣いているかもしれないと思うと私はゆっくりする気になれなかった 1時間後再び保育園に迎えに行った
スピーカー 1
保育園のドアを開けると息子が先生に抱っこされてやってきた 全然泣かなくてニッコニコでしたよ
スピーカー 2
お兄ちゃんやお姉ちゃんに手をつながれて遊んでもらってねー コップ飲みもせんべいも上手に食べて
スピーカー 1
まさか息子はニコニコで戻ってきたのだ その後もご機嫌で近くの公園で遊んでいたら預けた保育園のみんながお散歩に出かける
スピーカー 2
ところに遭遇した 先生や子供たちは息子をあだ名で呼んでくれ手を振ってくれた
スピーカー 1
その声の響きはとても明るくまるで黄色や赤の花が咲いているように賑やかだった 息子は嬉しそうにニコニコ笑って
もうその中に混じりたいようだった初日だからかなぁ と思っていたが少しずつ預かり時間を伸ばして昼食を取り
昼寝を挟んでもなお息子は楽しそうに過ごし なんなら保育園から帰りたくない様子だった
こんなことってある 育休が終わり離れ離れになるのが寂しいし長時間一緒にいられないことが申し訳ない
スピーカー 2
と思っていた私は 一気に表紙抜けした
息子は新しい世界にさっさと踏み出していっ パパママがいないことより先生やお友達に囲まれて楽しい方が大きいのだろう
ダンスサークルの卒業公演
スピーカー 1
思いもよらない卒業だった私がもう一つ卒業を通して予想を裏切られた思い出がある 私は大学時代
スピーカー 2
ダンスサークルにすべてを捧げていたような4年間を過ごしていた
スピーカー 1
無我夢中で仲間と練習し毎年舞台を作っていた 4年生の卒業公演が近づくにつれ私はサークルが終わってしまうことを考えると
スピーカー 2
胸が押しつぶされそうになった 自分の人生の生き甲斐がなくなってしまうようで毎日怖かった
スピーカー 1
それでも悔いのないように練習しいざ本番を迎えてすべての演目が終わった時 自分の中に沸き起こったのは
スピーカー 2
信じられないような爽快感だった そこには別れの寂しさはなかった
その爽快感は 4年間やりきったということを証明してくれた
スピーカー 1
この時の発見は私の生きる上での指針の一つとなった 結局生きていくということは何が起こるかわからないし終わってみて初めて感じることがあるんだ
スピーカー 2
ということ だから何も決めつけないでその時感じだことを大切に受け止めようと
これからも私は育児をしていく中で息子とたくさん卒業をしていく その度にいろんなことを味わっていくんだろう
そして予想外のことにたくさん驚きながらもやったからこそ味わえる感情を 全部自分の和達として大切に生きていきたいなぁと思っている
スピーカー 1
いかがでしたか さて名残惜しいですが閉店のお時間です
スピーカー 2
今後も喫茶クロスロードはあなたがほっこりした時間を過ごせるよう 毎週月曜日と木曜日夜21時よりゆるゆる営業していきます
スピーカー 1
また4月からはほどく あなたの心をゆるっとほどくエッセイ朗読という新番組として
6曜日のエッセイ会が独立リニューアルします 4月以降
日桜の番組概要欄に新しい番組へのリンクが紹介されますのでそちらからフォローして いただけると嬉しいです
それでは本日はお越しいただきありがとうございました またお待ちしております
08:51

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