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スピーカー 2
でもそっか、作者さん、私たちと同世代なんだってことに今気づきました。
スピーカー 1
そうそう。
スピーカー 2
それで余計刺さるっていうのはあるかもしれないと思いつつ、じゃあどんどん進めていきましょう。
スピーカー 1
なるほどね。同じ道を通ってきたからこそ、それはあるかもしれない。
確かに。で、なんでそんな風に思うのかって言うと、早く読みたかった。読んでいたらもっとまともな人間になれたんじゃないかって言うと、
思春期というか、10代から20代前半で人間が通る、処理するのが難しい感情みたいなことに、真正面から切り込む小説を書いているからだなと思ってて、
青春ものとかスポーツものって、爽やかでこんな猛暑を吹き飛ばすような涼しい風が吹いていて、読んでいて、
ああ、すっきりしたな、みたいなものが多いじゃん。
スピーカー 2
多いと思う。
スピーカー 1
それだけじゃないっていうのはそうだけど。でも、実際のところ、スポーツやってるとか部活やってるとか学校生活って、
爽やかで涼しい風だけが吹き続けていたわけじゃないじゃん。
スピーカー 2
ないね。むしろそれは一瞬だね。
スピーカー 1
うん。ドロドロした気持ちもあったし、それをね、あまりにもはっきりと描写してくるから、心がえぐられるっていう。
スピーカー 2
えぐられるんですか。
スピーカー 1
うわーって。ぬかがみお作品は、もちろん立場は違うんだけど、感じているものがすごい身近で、自分ごとにすごい思えてしまう。
スピーカー 2
なるほど。もっと登場人物が身近になるっていう感じの部分が魅力的なんだね。
ああ、理解できました。
スピーカー 1
わかる、この気持ち。わかりすぎるってなるのかな。わかりすぎてつらいな、みたいな感じ。
スピーカー 2
で、えぐられるんだね。
スピーカー 1
そう、えぐられる。
その、えぐられるってなんだよっていう話だと思いますので、
ちょっとこっからは、私の好きな作品を紹介しながら、何にえぐられてきたかっていうことを伝えて、
あーってみんなになってもらおうかなって思うんだけど。
ほいほい。
スピーカー 2
どんな回だよっていう今日。
スピーカー 1
で、まずはね、一作目は、たすき飯シリーズ。カタカナでたすき飯。
で、これ、たすきに飯の話で、
これは駅伝、特に箱根駅伝を物語の中心に据えているお話。
スピーカー 2
おー、たすきね。
スピーカー 1
そうそうそう。でね、これね、4タイトルあるんだよね。
長距離走を志している相馬と春馬っていう2人の兄弟が、物語の中心にはなってるんだけど、その全シリーズの中で。
で、特に相馬、お兄ちゃんの方ね。
お兄ちゃんの方が中心なんだけど、タイトルごとに一応主人公が微妙に変わってて、
たすき飯1は相馬が主人公に見えるんだけど、結構春馬視点の話もあったりとか、全然違う部活の友達の視点とかもあったりっていう感じで、
なんかね、いろんな立ち位置の人がコロコロ変わって、2作目3作目は明確に相馬じゃない子が主人公になって、
でも相馬も出てきて、みたいな感じで。
だから、箱根駅伝とか長距離走を中心としつつ、いろんな立場でそれに関わる人たちが主人公になって、
で、みんなそれぞれエグい感情を経験していくみたいな。
スピーカー 2
なるほど。
スピーカー 1
で、この作品が何がエグいかっていうと、
どんなに頑張っても、自分の力ではもうどうにもならないことに直面した時の辛さみたいなものが書かれていて、
で、このたすき飯シリーズの2作目で、結構衝撃的なセリフがあって、私。
努力はここぞというときに裏切るっていう。
もう、えーって。
いやー、えーってなった。
で、努力はここぞというときに裏切るんだよ。
スピーカー 2
いや、そう。聞いてる私としては、スポコン小説で出てくるセオリーのさ、努力は必ず報われるみたいなセオリーと違うことを今、そらやんが言い出したから、
私は今ちょっと混乱しているんだけど。
スピーカー 1
だって週刊少年ジャンプもさ、努力、友情、勝利っていう基本方針があるわけじゃん。
スピーカー 2
そうそうそうそう。
スピーカー 1
でもさ、裏切られたらさ、その努力の先に勝利ないやっていう。
スピーカー 2
そうそうそう。なんか、あれみたいな。今まで言われてたことと違うこと言われてる。どうしようって今なってるよ。
スピーカー 1
そう。この本、そういう本なの。
スピーカー 2
なるほど。
スピーカー 1
努力はここぞというときに裏切るっていう、このセリフが、ああって感じる小説で。
で、まあ、織り下げていくと、このシリーズの中心になるソーマとハルマっていう2人の兄弟は、ソーマがお兄ちゃん、ハルマが弟。
で、たしきめし1作目は、2人とも高校生なのね。
2人とも同じ高校で、同じ陸上部。
ソーマは高校生のときに、とあるレースで無理をして怪我をしてしまって、だいたいさ、部活って3年生の夏まではさ、頑張るじゃん。
だいたいそこまではさ、3年生としてやり切る。だけど、それよりちょっと早めに、引退じゃないけど、ちょっともう部活行かなくなるみたいな感じになるのね、ソーマは。
怪我はしてて、それは結構重篤な怪我っていうか、大変な怪我で、感知するのにも時間はかかる。
けど、生死生命を断たれるような怪我では実はなくて。
で、もちろんソーマ自身もわかっているんだけど、そういうときってさ、なんかちょっとさ、部活見学に行くとかさ、みんなのフォローするとかさ、横でこうストレッチするとかさ、
そういう感じになるじゃん。部活のこう、ちょっと怪我でお休みしてるときって。
でもソーマはそれもしなくて、部活にも行かなくて、なんかフラフラってしてるみたいな。
だからみんな、え?みたいな。しかもソーマは、結構その部を支えるぐらい成績優秀なランナーでもあったの。
だから、いや困るよみたいな。ソーマいなかったら勝てないじゃんみたいな。
怪我でショックな気持ちわかるけど、直していけばまた走れるようになるんだし、夏の大会になって間に合うんだし、みたいな。そういう感じ。
だからみんな不思議に思ってるし、ソーマ自身も生死生命を断たれるような怪我をしていないってことはわかってる。
でも部活にはいかないみたいな。フラフラってしてるみたいな。
なんでソーマはフラフラってしてるんだと思います?
スピーカー 2
でも今まで一生懸命一心不乱にさ、練習してきたけど、怪我をしてふっとお休みになって、
大会までの自分の伸びしろを考えたらちょっともう、みたいな。なんでだろうね。
今言っててもちょっとしっくりこなかったな。
スピーカー 1
でもいい線いってるし、自分もさ、ベストなパフォーマンスでさ、最後の大会迎えられないって思ったらさ、モチベーションはそりゃ下がるよね。
スピーカー 2
うん、そうそうそう。
スピーカー 1
もちろんそれもあるんだけど、それよりもっと、もっとあって、弟の春馬の方が陸上の才能があるって、ソーマは気づいてたから。
補足をすると、ソーマ自身も陸上選手としてはかなり素晴らしい選手。
箱根駅で出るような大学に行ったら、箱根駅でも走れるんじゃないかっていうぐらいの伸びしろのある選手で、
陸上にも熱中してるし、自分も真面目に取り組んでいる。
若干怪我が多いっていうところはあるけど、そんな感じ。
そもそも陸上はお兄ちゃんから先に始めたのね。
それを見てた弟の春馬が、お兄ちゃんマジかっけえみたいな。
俺もお兄ちゃんみたいになりたいって言って始めるんだよね。
春馬は純粋にずっとそう思ってる。お兄ちゃんがかっこいい。お兄ちゃんがすごい。
俺もお兄ちゃんみたいになりたいってずっと思っている。
で、実際、相馬がふらふらって部活から離れる。
本当にね、ふらふらしてるの。
ふらふらってなったタイミングでは、相馬の方が圧倒的にまだタイムとしては早くて。
春馬的には、まだまだお兄ちゃんは自分の目標。
すげえかっこいいし、部活を支えてくれているお兄ちゃんみたいな。
なんだけど、でも相馬側から見ると、もう自分の何年生の時のタイム超えてるし、みたいな。
何年生の時の、あの大会の時のタイムより全然早い、春馬は。
だから、絶対にこいつは自分よりも早くなる。
そんな中で、自分は結構おっきめの怪我をして、しばらく陸上から離れなくてはいけない。
その間にも、こいつはもう一心不乱に伸びていく。
で、いつか絶対に抜かれる。
っていうことを結構前から悟ってて、それと怪我が噛み合ってしまって。
スピーカー 2
そういう口実ができてしまってってことね。
スピーカー 1
だから、本人としては、もちろんね、箱根駅で走れるようなランナーになりたいって思いながらずっとやっているし、
陸上のことを嫌いになったわけでもないんだけど、
やっぱり常に弟の影がちらつく中で、何とも言えない気持ちになって。
スピーカー 2
うーん、うーん、なるほど。
でもそうか、後から始めた弟の方が確実に自分より上に行くっていうことも確信してしまったからこそ、
嫉妬もあるし、兄としてのプライドもあるし、その他ドロドロした感情があって、
そういうのが相馬をもうこれ以上頑張れなくしてしまったっていう理解でいいでしょうか。
スピーカー 1
でもさ、やっぱこういうのさ、多いよね。
多いっていうか、やっぱさ、部活でさ、部活じゃなくてもさ、なんか入ってきた後輩の方が圧倒的にできるみたいな。
スピーカー 2
そうね。
スピーカー 1
しかもそれがさ、兄弟だからさ、家に帰っても一緒みたいな。
っていうこの相馬が、どうやって陸上への気持ちとか、弟への感情を受け止めて、
じゃあ自分はこの陸上人生をどうしていこうかっていうことを考えていくっていうのが、このたすき飯シリーズの話なんです。
スピーカー 1
まだある。
まだある。
ぬかがわ作品だいたいこういう感じだから、
まあ駆け足でちょっと申し訳ないんですけど、
もう一作品とそこで対峙するえぐい感情みたいなのを紹介できればと思うんだけど、
次はね、カンパケっていう作品で、これはね、完成の間にカタカナのパケ。
これは映像系の大学の卒業制作で映画を作る大学生の話なんだよね。
でね、これはね、嫉妬テーマに書いていますね、完全に。
で、自分には絶対に埋められない欠けているものがあって、
それを持っている人間は確実に存在するっていう時に、人はすごい嫉妬してしまうと思うんだけど、
それをね、それをただただ書いて。
つらい。
つらいね。
ありますか?嫉妬の心当たり。
スピーカー 2
いや、これはでもすごく心当たりあります。
てか、なんかやっぱ自分にないものにさ、人はなりたいじゃんっていうところもあるじゃん。
スピーカー 1
そうね。
スピーカー 2
正反対の人に惹かれたりするっていうところも、そういうところから来てるなって思うから、
すごく経験があるし、今理解できるなって思って、これから話を聞くのが怖いなって思ってるよ。
続けてください。
スピーカー 1
そうでしょう、そうでしょう。
でね、これはね、主人公は安原と北川っていう2人の男の子で、
2人とも同級生で同じ映像の学科で、2人とも映画監督になりたくて大学に入って、
4年生で卒業政策を控えていますと。
でね、こんな2人はね、経歴も性格も真逆で、
まず安原君は母子家庭で、最初お母さん安心させるために、
全然違う職に就こうと思って、全然違う大学に行ったんだけど、
映画への夢を諦めることができず、その大学を中退して、
で、今の映像系の大学に再入学して、で、バイトをして学費を稼ぎながら大学に通っている。
っていう経歴からちょっと伝わるように、ちょっとね、不器用な性格なんですね。
容量も悪くて、コミュニケーションもそんなに得意な方ではない。
でも、映画にかける情熱とか妥協のなさみたいなところは、他の追随を許さぬ。
天才肌系のタイプっていう安原君。
で、次北川君。北川君は、まずお父さんが映画のプロデューサーの仕事をしていて、めちゃくちゃ理解ある。
で、映画のプロデューサーをしているお父さんのお家だから、家も裕福で、
北川君本人も何でも器用にこなせるし、コミュニケーションも上手で、人望も厚い。
成績も優秀。
だから、みんな北川君を頼りにしてるし、本人もこの卒業年度を引っ張っていくのは俺だ、みたいな気持ちにちょっとなっている。
で、この大学の卒業政策何するかっていうと、映像系の大学で2人とも映画監督になりたいっていうことで、映画作る。
で、映画作りたい人たちっていっぱいいるんだけど、その卒業政策の中でも。
ノンフィクションとフィクションで1本ずつ作れる。卒業政策として。
で、なると卒業政策で監督をやれる人は2人だけになる。ノンフィクションで1人。フィクションで1人。
安原も北川もフィクションを希望している。
スピーカー 2
あー、被っちゃったんだ、希望は。
スピーカー 1
で、誰が監督をやるかっていうのは、自分の撮りたいもの、自分の撮りたい作品をプレゼンして、先生と生徒に対してプレゼンして、一番票を集めた人っていう感じで決める。
だから撮りたいものを監督としてやれるのは、その卒業年度1人だけ。フィクション部門。
みんなやるんだけど、安原と北川のどっちかが監督になるんですけど、どっちだと思いますか?
スピーカー 2
天才の安原と秀才の北川でしょ?やっぱ物語的には安原かな。
スピーカー 1
まあそうね、そうなんだよ。安原がやることになる。
結構みんな北川だと思ってたし、お前ネタバレすんなよって話なんだけど、これ超超超序盤で、こっからが根幹なんで、もうはっきり言ってしまうんだけど、みんな北川だと思ってたし、北川自身も自分だと思ってた。
けど、安原に決まるのね。
しかもその後びっくりなのが、安原は北川に向けて頭を下げて、申し訳ないんだけど、自分は監督をやるこの卒業制作のプロデューサーになってほしいってお願いする。
この卒業制作でそれぞれ人集めしなくちゃいけなくて、それも結構生徒に委ねられてるっていう。
そこはね、先生はタッチしてくれないっていう仕組みになってるらしくて。
スピーカー 2
なんでこった。
スピーカー 1
自分でこの人にカメラマンお願いするとか、この人に音響お願いするとか、キャストも自分で引っ張ってこなきゃいけないみたいな。
結構ね、大変。
大変だね。
大変なんだよ。
そうするとさ、その容量悪くてコミュ障の安原とってはさ、人集めるってほんと大変じゃん。
スピーカー 2
そうだね。
スピーカー 1
っていうことで、だから2人は自分と真逆の存在っていうことを認識しながら、監督とプロデューサーっていう、もうおのすごい密な関係で、この卒業制作に挑まなければならないっていう。
スピーカー 2
ちなみに確認しておきたいんだけど、監督とプロデューサーだと、やっぱり監督の方が上で決定権があるっていうことでいいんだよね。
スピーカー 1
だから、撮りたいものを撮れるのは安原だよね。
なるほどね。
作品に関しての決定権は監督にあるから。
スピーカー 2
そうか。じゃあ自分のやりたいことが全部できるのは安原の方なんだ。
スピーカー 1
本来その映画監督やりたい、卒業制作で監督やりたいっていうところでやりたいことができるのは安原。
プロデューサーにもいっぱい仕事があるよ。
スピーカー 2
そうだよね。
でも北川はその監督をやりたかったわけだから、面白くない感情があるっていうのは絶対そうだよね。
スピーカー 1
しかも自分の方が優秀だってわかってるし、安原は人集めできない、でも自分はできるとか。
安原側もそれはわかってるわけ。北川の方がよっぽど一つの作品をまとめるために必要なスキルセットがあるっていうこともわかってるけど、
自分が今回は監督になった。
安原も北川になりたいと思ってるわけだから、今回は監督っていう部分で自分がやりたいものを得られた側ではあるんだけど、
でも本来こいつの方がいいものを取れるんじゃないかとか、そういうことは考えながらずっとやってる。
スピーカー 2
そうか。
スピーカー 1
うん、ある。
で、北川はもうシンプルに面白くないよね。なんでこっちなんだろうみたいな。
で、物語の最中でも本当にお互いがお互いのこと嫉妬してて、相手の持ってるものが眩しすぎて自分に嫌気がさすみたいな。
北川はさ、映画を撮るために人集めはしなきゃいけないけど、スケジュールとかさ、すごい細かいこととかもやっていかなきゃいけなくて、
そこをすごいきちっとやってくれるんだよね。
もうそのスタッフさんも、安原くんはあんな感じだから北川くんに頼るよね、みたいな評価。
それさ、安原つらいじゃん。
スピーカー 2
つらいね。
スピーカー 1
つらいし、でもさ、それでも北川は自分は監督やれてないって言うから、もうつらいじゃん。
スピーカー 2
つらいね。
スピーカー 1
俺こんなに頑張ってて評価されてる分野があるのに、なんで自分の撮りたいもの撮れなかったんだろう、みたいな。
でも安原は逆に作品への妥協一切しないから、時間はかかるけど、すごい確実にいいカットも撮っていくし、キャスティングとかでもぴったりの人を見つけてくる。
みんなが、え、あの子やるの?みたいに。え、あの子、そんなに演技できなくない?みたいな感じだけど、実際にこの現場で撮り始めたら、
いや、安原の言う通り、もうあの役はあの子にしかできなかったねっていう。
へー。
それを目の当たりにするとさ、やっぱさ、他のみんなもさ、安原にしか見えてない世界があるんだっていうことで結構衝撃を受けるというか。
でもさ、そのカット、めっちゃだから撮影スケジュールめっちゃ押し押しなんだよね。
スピーカー 2
妥協しないしね。
スピーカー 1
しかもさ、押し押しだし、コミュニケーションがそんなに得意じゃないから、その役者さんへとかへの、なんていうの、フィードバックみたいなのもちょっとあんまり言語化が、
何言ってるかわかんないよみたいな感じで言われるみたいな。
でも、撮るべきものは見えているみたいな。
っていう、もうスキルセットの違いみたいなところで、どっちもどっちもものが欲しいみたいなのもあるんだけど、
あとは極めつけで、なんで自分が今回監督なれなかったんだろうってことを北川はずーっと考えてるんだけど、作品中にね。
安原の姿を見てて、安原の持つ映画への切実さみたいなものが、作品の良さをどんどん上げていくんだって。
その安原が卒業制作で撮りたいっていうふうに思った作品って、ちょっと安原の人生にリンクしてるような部分があって、
すごい気持ちが、本人としても気持ちが入りやすいっていうか、こういう作品を作りたい、こういうふうに観客に思ってほしいみたいなことがすごい明確みたい。
でもそれって安原の苦労してきた家庭環境とか、途中まで大学別のとこ行ってたんだけど、やっぱ諦められなくて中退してみたいな。
ずっとバイトしながら狭いお家で暮らしててみたいな。
スピーカー 1
なんか人間さ、ある部分では器用で、ある部分では不器用で、みたいなのもあるし、
ある部分には恵まれてて、ある部分には恵まれてないっていうのもあるから、
どっちの気持ちもわからんでもないなっていうふうに思って、どうですか?
スピーカー 2
私は結構北側サイドで話は聞いてしまったけれど、
うんうんうん。
安原にすごい嫉妬する気持ちと、でも自分に足りないものを築いてしまったショックっていうのは本当に大きかっただろうなって思うし、
いやーでも安原は安原で、すごいやっぱり人望で人を集めてこれる能力にも思うところはあっただろうなと思うけど、
ごめんでもだいぶ北側寄りで聞いちゃったかも今。
スピーカー 1
うんうんうん。
スピーカー 2
そっちかっていうとそっちに感情移入したかな。
スピーカー 1
そうだよね。だって自分がいなかったらさ、かんぱけしない。
本当だよね。
みんなわかってる。
まあだからこの作品はこの卒業制作を通じて、
2人とも自分にないものを持ちまくっている眩しい相手と真正面から向き合って、
それこそが映画監督になるために必要な修行って受け入れていくんだよね。
そこで2人はすっごい成長するから。
まず持ってる感情複雑だから仲良くするの難しいよね。
そうだね。
北側はずっと俺がやるべきだと思ってるって思ってるからさ。
スピーカー 2
そうだね。
スピーカー 1
すごい仲良しにはなれないんだけど、でも監督とプロデューサーがちゃんと信頼関係を結んでないと、
他のスタッフにどんどん負担とか迷惑がかかってしまうし、
結局撮りたいものがクオリティの高い作品は作れないから、
っていうところで相手を認めて、相手を信頼してっていうところに向き合っていく中で、
自分の良さを発揮できるようになったりしていくんだけど、
本当にすごいなって思って。
だって普通にもう俺すっごいお前に嫉妬してるみたいなことを言うんだもん。
スピーカー 2
あ、言うんだ。
スピーカー 1
互いに。互いに、互いに言うし、
これ何とかしないと自分が映画監督になりたいっていうふうに思った時に、
前に進めなくなっちゃうってことも2人はよく分かってて、
じゃあそれに真摯に向き合おうみたいな。
それできるかっていう。
できますかっていう。
嫌じゃんだって。
スピーカー 2
そうだね。嫌だし、
私これのソラヤンへの返しで、
良いパートナーになったんだなっていうふうに返しを考えてたんだけど、
良いパートナーっていう関係で、
言葉で片付けちゃいけないなそれって今ちょっと思ってて、
そうそうそうそう。
何だろうね、ライバルとか、
でもライバルの方がちょっとしっくりくるけど、
でもそれでもまだ言い表せてないような、
でも本当に良い映画を作るっていう目的のために、
お互いをある意味認めて、
でもすごく嫉妬して一緒にやってくる人たちなんだもんね。
スピーカー 1
そういうことなんだよね。
タスキメシのソーマは陸上人生どうなっていくかっていうのと、
カンパケのヤスハラと北川の卒業政策はどうなっていくのかっていうのは、
ぜひね読んでもらえたらと思っているんだけど、
ぬかがみよ作品は、
それぞれが描写している感情とか人間関係って、
全く同じものは経験してなくても、
いろんな人が台無しを乗り通ってきたものかなっていうふうに思ってて、
でもそれをなんかこんなに真正面から受け止めてきたかなみたいな、
ソーマみたいに、北川ヤスハラみたいに。
っていうと、私はそれはできてなかったなっていうふうに思ったんだよね。
なんかごまかしごまかしやったなみたいな。
だから私これ読んだ、ぬかが作品を読んだ時に、
私が若い頃見ないふりをしてやってきてしまった感情がここにあるって思って。
スピーカー 2
いやでもなんか、現実問題さ、その感情に向き合うっていうのはさ、
結構難しいことだなって、
私は思ってもいって、自分の高校生活を振り返った時に。
やっぱさ、すごい嫌な気持ちになったらさ、
ちょっとその場から離れるとかさ、その輪に入らないとかさ、
そういうことも学生だったらできるじゃん。
その自分の付き合う人を選ぶとかもできるわけだし。
でもだからこそ、ちゃんと向き合ったこの2作品には、
それだけの意味があってっていうところも伝わってくるし、
スピーカー 2
いやまだ確かに、そこで向き合ってたらもっと違う人生だったかもしれないなっていうのも、
今なしを思ってる感じかな。
スピーカー 1
そうし、やっぱさ、一人じゃやっぱこの感情って処理できないから、
いや難しいし、そのね、一人でそれを受け止めるってことはできないけど、
でも小説っていう、ちょっとこう他人事として捉えることができる状態にすることで、
自分自身の感情ももうちょっと処理しやすくなったんじゃないかなって思ったんだよね。
あー。
私も、私みたいな同じ感情を抱いている人がいるんだっていうふうに思うとさ、
なんかそのこう、それを追体験しながら自分の気持ちも処理していくみたいな。
だってね、なんかさ、いつでもこう理解のある人が近くにいて、
自分のこういう気持ちを話すと、的確な返しをくれるみたいなことはないわけじゃん。
だいたいみんな一人で悶々としてるわけじゃん。
こういう感情って言いづらいし、あの人が羨ましいなってさ、死んでも言えねえみたいなさ。
でもそのさ、作品を読んで、
あー私ってそういうふうに思ってるところもあるよね、みたいなところを感じながら、
それぞれの登場人物の取り組みを見ながら、
私はじゃあ似たように受け取ってるこの感情をどういうふうに処理していこうかっていうふうに考えられるかなって。
それずっとさ、もやもやしたその嫉妬とかさ、そのなんとかみたいなのってさ、
まあごまかしごまかしやっているけどさ、それずっともやもや持ち続けてるとさ、
だんだんこじらせていくわけじゃん。
スピーカー 2
こじらせていくんですね。
スピーカー 1
こじらせて、こじらせて、わかんない。こじらせていかない?
スピーカー 2
いや、まそうか。
可能性としてはあるじゃん。
スピーカー 1
可能性としてはあるか。
なんかその、いやどうせ私このぐらいしかできないし、みたいな。
スピーカー 2
あーそういうふうな諦めが入っちゃうとか?
スピーカー 1
そうそうそうそう。
とかなんかこう、どんなに、いやもうすごいあの人みたいになりたいって思ってても、
それをふたをして、なんでもないっていうふりをし続け、
でもずっとここにさ、心に物は溜まってて、それどんどんどんどんどんなってたらさ、
ちょっとこじらせるかもしれないじゃん。
スピーカー 2
そうね、そうかもね。
スピーカー 1
そう、それよりはもう潔くこの感情に一回精神を殺されて、
立ち直ったほうが、人生をこじらせることはないかな。
そこにはさ、折り合いはつけられるからさ、もやもやはさ、一回減るっていうか、
その先が苦しいか苦しくないかわからないけど。
そういう意味で人生をこじらせる前に、ちょっと作品に触れてほしいっていうのがあって、
もうなるべく早いうちにね、若いうちに読めるといいなって。
そうするとさ、なんかこう、いやもう俺はもう高校生も卒業して、
はるか何十年とかさ、
私はもうだいぶ年も取りましたしみたいな、
だからもう読めないかなみたいな、
もう賞味期限切れかなみたいに思う人もいるかもしれないんだけど、
それは違っていて、今が一番人生の中では若いから、
今読むべき。
知った時点で読んで、
自分が置き去りにしてきた感情とやっぱ向き合っていくっていうのは、