これね、最初描いた時に出来上がってるなと思ったんだよね。
特に出来上がってるのはキャラクター。
これだけキャラクターが出来ていて、
しかも舞台はもうガチガチに池袋の街に固定してあるじゃん。
そうすると窮屈だけど逆に自由なんだよね。
要するにこれから決めなければいけないのは、
その時代を移したある事件性だったり謎だったりを新しく入れれば、
キャラクターがバッチリすごく良いし、面白いって僕も思ったから。
場所が決まっているとなると、その1個だけでどんどん描けるのよ。
なので最初からシリーズ化しようかなって思ってた。
これ100枚じゃん。100枚だから4本描けば1冊になるんだけど、
ただこうやって1冊で読む時にさ、最終話にちょっとボリュームがあった方が、
中編があると読み応えが出るじゃん、1冊の。
全部そうなってますよね。
1番最後の3本目、4本目、今回だったらこの男女最終戦争っていうのを
ボリューム大体倍ぐらいにしてるわけ。
80枚とか100枚が200枚とか。
これ基本的に秋から始まる感じかな?
いやこれはね、もうバラバラ。
バラバラでしたっけ?
そう、間が抜けたりする時もあるから。
そうですか、どうしても僕もオールユーモアの連載で考えちゃうんで、
この1冊出たらまた次当然イーラさん21作目に取り掛かるわけじゃないですか。
1本書いて2本目を来月書かないといけない。
ってなると年4回だから四半期に1回書いてる?
そうそう。
季節感あるじゃないですか、この作。
それもね、なんかいいんだよ。
毎回ちょっとずつ季節が変わっていくっていう雰囲気が出て。
だからね、なんか面白い。
100枚で決まったっていうのも、その章の上限が100枚だったからっていうのと、
意外とさ、その頃オールユーモアってさ、今でもそうなんだけどおじいさんが読んでる小説誌だったの。
だから若い作家があんまりいなくて。
確かに、うちの母も読んでますから結構高齢ですよね。
そう、だから逆にこういう若々しいものっていうかキレのあるものが全然なかったので、
うわ、面白いねっていう感じで2本目も載せてもらえたっていうのが大きかった。
だいたいその頃短編の小説書って取るんだけど、2本目の短編持っていくと、
いや1本目ショートってやつの方がいいよねって言ってみんな切られていたのよ。
だからショートってもうみんな全然育たなくてプロになれなかったの。
ただ僕の場合はこのキャラクターが超強くて、で世界がちょっとフレッシュだったので、
2本目3本目もすぐに載せてくれたんだよね。
そう考えるとね、こればっかりは僕らが真似とか当然できることじゃないですけど、
なんかやっぱ完成されてるものっていうのは、もう最初からある意味こういう風に完成されてると思いますよ、クリエイターって。
そうだね、てかやっぱデビューの仕方って本当に大事なので、
そこは今これ読んでる、これ見てくれてる人はさ、小説家になりたい人もたくさんいると思うんで、
デビューの仕方は本当によく考えた方がいいね。
あんまりヘンテコな、こう言うと厳しくなるけど、なんか小さな出版社のさ、
なんかわけの分かんないヘンテコなショーとかで、何とか何とかねえ、何とかラブショーとかさ。
あるじゃん。
出版ってそういう意味では夢でもあり、
気をつけないと、なんか僕なんかも散々ね、なんか人脈で一応稼ぐ方法みたいな感じで出したらどうですかみたいに言われて、
結構ほらビジネス界隈が多いから、なんてもったいないじゃん、ブランディングだよみたいに言われて、
それがブランディングじゃねえだろうと思って。
そういうことを言う人は、はっきり言って稼いだことない人ばっかり。
だし、それブランディング逆じゃねえって思って、
まあすいません、生意気言ってここまで引っ張ってきたんです。
要するにYouTubeなんかでさ、そのブランディングみたいなことを口先で言う人多いけど、
実際にはブランドを作るのは客なんだよね。
受け手の方が作るものなので、
それを最初からコントロールして、これをやれば1億円いけますよとかって言っている編集者とかって、
だいたいはクズなんだよ。
仮にそれで1億円いっても、なんか人脈1億円の早川さんって言ったら嫌だよ。
確かにそのレベル離れるからね。
なるほどな、じゃあこの池袋ウエストゲートパークでデビューっていうのはまさにイラさんの代名詞っていう作品になったから。
でもこれさ、出たばっかりの頃は全然売れなかったんだよ。
マジですか?
編集者の間ではすごい面白い、最高ですとか言われてて、
その書評もいっぱい出て、評価はどれもすごく高かったの。
なので片川の人に言われたもん。
いやこれだけ面白くて、業界の評価もすごくいいし、もう18かかったんですよって言われて、
え、全然かかってないですよって言ったら、え、それはおかしいって言われて。
え、なんでだろう。
逆にどこがティッピングポイント?
でも全く売れてないのに、もうTBSが来ててすぐドラマ化したいって言われたのよ。
業界人気が本当に高かったってことなんですかね。
それか。
不思議だよね。
だからその辺はありがたいっていうかラッキーだったよね。
でも別にこっちはそれとは関係なく、もう2作目描いてたからね。
さすが。
これも可愛いよね、このハト。
カラスね。あ、ハトか。
ハト。
ハトか、カラスだと思ってたずっと。
これさ、毎回しんつぼさんっていう腕利きカメラマンが撮り下ろしで撮ってくれてるんだけど、
作品を読んで考えて。
あ、作品読んで考えるんだ。
だからこれほら、ストーカーがさ、ハトを潰してドアに塗りたくるじゃない?
くちばしとか目玉とか、そこのシーンなので、石口公園に寝そべってカメラでこうやってずっとハトを撮ったんだよね。
その1枚。
かっこいいですよね、これ。
素敵な写真ですよね。
懐かしいな。
この想定とタイトルとかこういうもう、さっきのギリシャ数字の話もありましたけど、この辺はもうずっと変わってないですよね。
そうだね、でも本当に出来上がってたから逆に本当に楽だったかな。
要するに縛りが多ければ多いほどシリーズって持つんだよ。
これポイントですね、小説家スペシャル的にポイントですね。
要するに不自由で縛られてギチギチになっているほど自由になるっていう。
何でもやってもいいよっていうので好き勝手に書いてると続かないんだよね。
その作品としてのシャープさとかもなくなりそうですね。
だから逆にもし書くんであれば、でも考えてみて。
鬼兵ハンカチョウでもさ、見学商売でも何でもいいけど、だいたいあれ江戸だけじゃん。
登場人物も限られてるじゃん。
で、中で偉くなるみたいなこともなく淡々と生活していくだけじゃない?人物たちは。
ほら、シリーズものって。
確かに。
登場人物もそんな多くないですよね。
さっきキャラクターの話されてて、私がこれをちょっと読むのに、人にも読んでもらった時に言われたのが、
途中から読んでも、例えば池袋ベストゲートパークっていう、最初の巻読んでなくても、
例えば灰色のピーターパンの初めから読めば、まこととたかしの関係性が一発でわかる。
常に独立して楽しめるよね。
って言われて、それって書き方がそうなってるというか、意識されてるのか。
そうだね、でもそれはシリーズものだとそうなるんだよ。
特にこれ一人称でしょ?
一人称だと最初にやっぱり初めての読者のことを想定して、
軽い自己紹介と人物紹介を短くシャープにピッピって入れていけばいいの。
逆に詳しく書かないの。
キャラクターの身長はこうで、二重字でどうのみたいなことを細かく書く人が人物を描くことだってみんな思ってるけど、
それ全く逆で、本当にイメージだけパッと書けばいいの最初に。
その後にそのキャラクターがどんなセリフを言って、どんな風に動くかっていうことを丁寧に書く。
そうするとみんな自分の頭の中でたかしのイメージとかを作ってくれるわけ。
なのでそこら辺で人物描写を細かくルックスで描写するっていうのはダメな手だからやめた方がいいよみんな。
ちょっと有料級の話になっちゃった。
そうですね、でもちょっとまだ聞きたいことあるんですけど、
まずそもそも今回のこの作品の話はしてないんで。
これをちょっと伊田さんどんな感じか簡単にご紹介いただけますか?
今回はですね、男女最終戦争ってことなんですけど、ネタは4本。
1つ目がバッテリー武器ね。バッテリー盗難。電動自転車についているバッテリーってさ、結構高いのよ。
新品だともう2万3万するんだけど、それを盗んで、それをちゃんと回収して買い上げをしてくれている企業、ハングレーみたいな奴らがいて、そこにお金に困った高校生がバッテリーを盗んで売るっていう話なんだよね。
これがね、まだ実によくできていて、実は自転車には盗難防止の番号が付いてるじゃん、結晶の。
ところが自転車に積まれているバッテリーには番号も何もないの。
それ簡単に外れるものなんですか、バッテリーって。
意外と簡単に外れちゃうのよ。
鍵はいつもかけてあるんだけど、すぐ破れるし、チェーンとかで止めてあってもボルトカッターとかですぐ切れるから。
一時期このバッテリー盗難は話題になってたんだよね。
なってた気がする。
これ中古品で1万円とか1万5千円、2万円で売る。
元の値段が3万円とかだったらみんなこっち買うじゃん。
ここに盗んだバッテリーを流している、ネットで売っている奴らがいるっていうのはね。
しかも足がつかないじゃん、全く。
そうですよね。
となると、これは面白い、1本かけるよなバッテリーでっていう感じでこの話ができるわけ。
これ高橋と誠の高校の先生、中野先生が出てきて、なんかこうしんみりしちゃったんですけど。
中野先生はね、僕の中学の時の技術の先生。
あ、そうなんですか。
中野先生なんだ。
その先生のあだ名がブル中野っていう。
本当にね、ちょっと小柄でがっしりした体型で、ちょっとブルドックっぽい顔だった。
なので、その中野先生のイメージで描いたって感じ。
この中野先生の真面目なんだけど、悪のが緊張、面倒見るっていう温かい心もあって。
その主役の男の子いたじゃん、金髪の、単髪の。
あれはニューヨークのシマさんのイメージなんだよね。
そうなんですね。
ちょっと頭が足りないけどいいやつっていう。
イメージが。
なんか仲間を守る系でしたよね。
なんか熱い男でしたね。
次が?
次がこのフェイクニュースライターね。
僕はこの話が一番好きでしたね。
これね。
これね、実はこういう人いるの。
いるんだ。
言わせるに、自分は別に愛国でもなんでもなく、自分の考えはリベラルなんだけど、
ネットでブログを書くには、もう本当にさ、単純に愛国で書くと、愛国おじいさんとか愛国おばさんみたいなのが寄ってくるのよ。
数を稼ぐためだけに、全く自分では思ったよりいないことを書くと、割り切って。
今回このストーリーの中で、四季島には別に、四季島っていうライターなんですけど、
四季島には何の報復もなかったっていうか、結局助かってるじゃないですか。
なんかそれはちょっと気に入らなかったんですけど。
え、なんで?
だってフェイクニュース流して、個人的にフェイクニュース流して、みんなを混乱させといて。
混乱させてないよ。
好きな人に向けて書いているファンブログだと思えば。
声優さんがファンブログ書いて、みんな幸せじゃん、読んで。
で、お金も集まるけど。
ファンさんなんだ。
でもさ、逆に言えば声優さんもさ、本当はもうファンとかウザいなとかさ、仕事だけで対応してるみたいな人いっぱいいるじゃん。
報復ある?
ないかな。
そっか、でもなんか読んでて、この四季島があまりにもひょうひょうとしてて。
でもこういう人って本当にいっぱいいるから、今。
鼻クソピーみたいなタイプだったから、すごい鼻にかかるやつ。
でもさ、これyoutubeじゃん。
youtubeでもさ、ビジネスネタを読み出していっぱいいるじゃん。
そうなんですか。
でもさ、それこそネタバレになっちゃうけど、やっぱり俺この話良かったな。
その上ででもこの四季島自体が、気持ちとしてはわかるけど、そういう風に割り切ってると見せかけて本人も割り切れずに、自分で本当に別の好きなことを書いてるとかさ。
あ、ね、ありましたよね。
インタビューもしたりとか。
でもオチが渋くない?
あのゴリ先生ね。ゴリラかわかんないけど先生ですよね。
何でしたっけ名前?
相沢?
いや、そいつよりは。
え、そいつじゃない?
別に。
違った。
魅力系の記事もまあやるけど、これからちょっとスタンスを移して、保護猫をyoutubeに上げるとか言ってるじゃん。
言ってる言ってる。
保護猫をyoutubeに上げてさ、カウント稼いでるやつ山ねーやん。
いろいろいろいろ。だからそういう。
youtube保護猫とか保護犬大好きだから。
だから下品なやつですよね四季島ってなんか。
でもyoutubeって下品な人いっぱいいるよね。
逆にある意味そこまで割り切れて、なんか俺なんかちょっといいなとは違う。
本当ですか?
やっぱりさっきも昼飯食ってた時言いましたけど、好きと稼ぐっていうのはなかなか二律背反のもんだからさ。
その葛藤をクリエイターアーティストの表現してるからすごく僕は良かったです。
そうだね。だから今お笑い芸人がさ、ちょっとやってることってちょっとやばいの多いよね。
そうなんですか?
古いパチスロ買ってきて家で遊ぶとかさ。
何それ?
で、客々が遊べるとパチンコとかパチスロってやっぱ一定のファンがいるから、
あと保護犬もそうだし、
ネトウヨ的なことをあげると数が集まるみたいなのがあるから、
その辺を狙ってやっている心なき人は山のようにいるよっていう気持ちでは書いてるんだよね。
なるほどね。でもその下品な感じがすごい出てて良かったですね。