移住と保育園生活
スピーカー 1
カランコローン、いらっしゃいませ。喫茶クロスロードへようこそ。
この音声配信は、本好きな人たちがふらっと集まる喫茶店をコンセプトに、
店員3人組がゆるーく話してまいります。
ふと一息つきたい時に聞いてくださいね。
5月13日、第46回の配信です。
リスナーのみなさんの中には、4月から新しい生活が始まった人も多いんじゃないでしょうか。
かっく言う私なしも、4月から次女が保育園に行き始め、今日、収録時点では、まだかろうじて復職してないんですけど、
スピーカー 2
たしかに、かろうじてね。
スピーカー 1
そう、かろうじてね。
復職も目前にすまっている状況でして、
日々ががらっと変わった変化に、いつも以上に疲れたりドキドキしたりしている毎日を送っております。
スピーカー 2
おつかれ。
スピーカー 1
もう疲れたよ。いや、まだ始まってないんだけどさ。
で、本の中、今日紹介する本は、パクサラさんのヘルシンキ生活の練習、新生活を迎えている方、
今はまだだけど、近い未来に新生活を迎える予定の方のお守りになる本じゃないかなと思い、紹介したいと思います。
ちなみに、この本は、去年の12月のトークで、そらやんから私におすすめしてもらった本でもあります。
そう、ものの見事にね、私に捧げましたのでね、そらやんありがとうとなっているわけですが、
そらやんは本日のトークでどんな話がしたいですか?
スピーカー 2
あーいや、気に入ってもらえてめっちゃ嬉しいなって、これ好きそうだなって思って紹介したので、
すごいめちゃめちゃ嬉しい。で、確かにこの本今のこの時期にぴったりだなって私も思った。
私が読んだのは全然関係ないとある夏の日だったけど、確かに新生活始まるときに読むといいかな、いいね。
今日はなっしーに、この本のどんなところが刺さったのか聞きたいなって思っておりまするよ。
スピーカー 1
はい、その話をしていきたいと思います。
まずこの本の概要を説明しますと、著者は日本で生まれて日本国籍を持つ大日コリアンであるというふうに冒頭で自己紹介をしてくれています。
この本は、その著者がよその国で働きたいという長年の計画を実行に移し、フィンランドの首都ヘルシンキへ子連れで移住した生活が揺られています。
スピーカー 2
すごいよね。
スピーカー 1
そうそう、著者は社会学者であり、この移住も彼女がヘルシンキの大学の仕事に決まったことから始まるんですよね。
この時点で2人のお子さんはそれぞれ6歳と2歳。
しかも夫は日本で仕事があるので、母1人子2人の移住。母1人子2人ですよ。
スピーカー 2
大人が少ない。
そうそう、大人が少ないの。
スピーカー 1
やばい、彼女は2020年の1月に移住を開始します。
スピーカー 2
すごい。
スピーカー 1
しかもこのタイミング、コロナの流行が始まった時っていうこともあって、彼女の移住生活は想定外の形で始まっていくんですが、
移住したからこそわかるフィンランドの国民性や行政のポリシーなどに触れつつ、
そして、著者は関西の出身なので時々ツッコミも入りつつ、
その移住の様子が淡々と書かれている本です。
スピーカー 2
私もこの本の好きなところ、前回も話したんですけど、
行政ポリシーに突っ込んだ移住本って珍しいなって思ってて、
移植中とか生活とか街の様子だけじゃなくて、
国自体がどういう方針を取っていて、だから国民性がこうとか、だから政府の出している公共サービスがこう、みたいな落とし込み方をされているのが、
パクサラさんの独特の目線というか、社会学者ならではの目線なんだなっていうのが、それがすごい面白いなって思った。
スピーカー 1
私も、ソラヤンに言われるまでそのこと気づかなくて、
スピーカー 2
でも確かに思い返してみると、そういう本ってそんなにないなっていうのは、この本のオリジナリティというか、尖ったところだなっていうところもあると思いました。
スピーカー 1
私、この本の中で好きなのが、移住生活で関わった人々の言葉が、所々で引用されているページっていうのが一つ丸々あったりして、
その中の言葉で私が好きな言葉は、適切な服装をすれば天気が悪いなどということはない、っていう言葉があったんですね。
フィンランドはヨーロッパの中でも北の方で気温は低く、雨や雪が多い国なので、
なのですが、そのフィンランドの保育園ではほとんど毎日外で遊びます。
だから、雨具はしっかり防水性、手袋は2種類、靴は3種類、帽子も2種類という具合で、装備を揃えるのがすごい大変だった、みたいなことが書いてあるんだけれど、
逆にそれだけ揃っていれば、毎日外に出られるよねっていうスタンスって、これちょっと面白いなって思いました。
スピーカー 2
いや、これめっちゃ面白い。ここめっちゃ面白い。
あと、ここもそうだし、あと私もう一個、フィンランド本当に夜真っ暗だから、服が光に反射するかどうかで、
著者自身のパクサラさん自身がお洋服の指摘を受けてるシーンあるんだよね。
スピーカー 1
そこもすごい面白い。
スピーカー 2
あなたの服は反射がちょっと、みたいな。
反射って、反射について指摘されることないじゃん、日常生活で日本の。
スピーカー 1
ないない。
国民性とスキルの捉え方
スピーカー 2
それがすごい面白くて、ただそれだけ過酷な自然環境で、それを受け入れて乗り越えることで、
フィンランドの温かい暮らしとか、フィンランドでの自由な生活っていうものを手にしてるんだなっていうふうに思うと、
フィンランド人の皆さんのしたたかさを感じるよね。
スピーカー 1
感じるね。
結構さ、寒いしさ、雨も雪も降ってさ、夜も暗くてさ、みたいなさ、
わりとこう、太平洋気候で暮らしている私からしたらさ、
いやー、そりゃちょっとうつうつとした気分にもなるんじゃないかって思っちゃうけど、
なんかそこをね、いやだって装備揃えれば大丈夫っしょ?
スピーカー 2
そうそうそうそう。
スピーカー 1
もうちょっと反射させれば大丈夫でしょ?みたいなさ。
スピーカー 2
すごいよね。
スピーカー 1
そういうね、しかもみんながそういう国民性で、そういう意識でいるから、
そうじゃない?みたいなふうに言われるっていうのが、
フィンランド人ってそういう考え方なんだっていうのが、すごいおもしろかったなって。
スピーカー 2
おもしろいこれ、すごいおもしろい。
スピーカー 1
で、私もそらやんもいいなっていう話で盛り上がったのが、
この技術の問題っていう章があって、そこでのエピソードです。
パクサラさんの2人の子供たちは保育園に行くことになるんですけれど、
特に上の子、ユキという名前の子なんですが、
この子は小学校に入学する前の年ということで、
修学前教育というものを受けることになったそうです。
そこで何をするのかといえば、
1週目は友達の作り方のスキルを勉強するとのこと。
また下の子、下の子はクマといいますが、
そのクマも通っている保育園の早期教育面談で、
英語名で言うと、
see the goodというカードを使って、
クマがもう練習できているスキルは何でしょうね?と話すことがあったそうです。
このカードに書かれているのは、
我慢強い、思いやりがある、好奇心が強い、協調性があるなど、
いわゆる日本では、その子の生まれ持った性質とか性格とかで考えられている部分が、
すべてスキルとして考えられていて、
スピーカー 2
練習が足りているところと、練習が足りていないところがあるだけという考え方です。
ここめっちゃ面白いよね。
私は自分の性格がパラメーターみたいになっていて、
我慢強さ10、優しさ20、身長差50みたいな、ポケモンみたいになっているものを想像しちゃって。
スピーカー 1
あのレーダーチャートみたいなやつね。
スピーカー 2
そうそう。そらやんは我慢強さが足りていないから、今日は我慢強さを鍛える遊びをやりましょうみたいな。
それ完了すると、そらやんは我慢強さがプラス1されたてれてーみたいな感じのものを想像した。
スピーカー 1
そう。その項目がさ、日本だとさ、そこ項目になっちゃうんだみたいな感じで出てくるのが面白いし、
でも本当にレーダーチャートで自分の性格を考えた時にこういう風になるんだよなみたいな。
スピーカー 2
我慢強さとか思いやりとか好奇心が強いて、日本だと性質とか性格って捉えられてるから、
普遍の場所として、定数だと思ってたのが、ここ変数なんだみたいな。変わるんだみたいな。変えられるんだみたいな。
スピーカー 1
なんかね、練習すればいけるっていうね、感じなのは。
理解されっていう風にフィンランドでは考えられているっていうところが面白い。
で、私もいいなって思う一方で、ここで前提として持っておきたいのは、そういう考え方の国もあるっていうスタンスで聞いてほしいっていうことです。
ちょっと私がそれを一つ言っておきたいのは、すごいいいなって思う一方で、全てをスキルで片付ける思考の場合、
仮に他の人よりも練習が必要なスキルっていうものが、私は我慢強さが実は他の人よりも練習しないと身につかないってなったときに、
スキルが足りてないでしょって言われたら、その言葉はすごくわかりやすいけど、ちょっとクールすぎるなみたいなことも一方で思ったりはして、
とはいえ、なんか主張者が主張するように、その部分を、逆にできている部分をやたら褒められるとか、できてないところを、
あなたはそういうところがダメだよね、そういう性質がダメだよねって言われる状況とか、自分の性格だって思ってた部分に対して、
そこは今足りてないから、じゃあ練習が必要だねって言われて見守られるって、すごく言われた人が救われるというか、気が楽になるだろうなっていうのがすごくいいなと思ったという感じです。
スピーカー 2
そう、そうなんだよね。
例えばさ、自己主張がはっきりしているっていう性格があるとして、
自己主張度合いって人それぞれだから、めっちゃ自己主張100の人と自己主張10ぐらいの人と、それがどれぐらい出るかは、出るか出ないかは個人の性質なんだと思うんだけど、
その自己主張がはっきりしているっていうことを自分の意見をはっきり伝えるっていうスキルまで落とし込むと、
新生活の練習と意見の表明
スピーカー 2
どんなに自己主張がないとか控えめな人でも、でも生活でどうしても自分の意見をはっきり伝えなきゃいけないっていう場面って、やっぱどうしても必要な場面ってあるから、
そのスキル自体は0よりは1の方がいいよねみたいな、っていう感じなのかなって思って。
でもその自分の意見をはっきり伝えることを、普段からめっちゃやりたいかやりたくないかは人それぞれだよなっていうふうにも思って、
そうだからなんかこれを、私も思ってそのスキルっていうふうに、スキル足りないでしょっていう練習足りないだけでしょみたいな感じで、
っていうクールさと、練習すれば大丈夫だよねみたいな温かさと同様に、その性質を、てかそのスキルをいっぱい使いたいかいっぱい使いたくないかは人それぞれであっていいし、
でもやっぱそのできるとしないというか、そのパラメーターが1か0かはやっぱ運命の差だから、
スピーカー 1
私はすごいこの考え方には共感したなっていうふうに思ったかなぁ、なんか。
スピーカー 2
いや私もその一人の親として、なんかそこはこう育児で見守りたいポイント、私の娘のこのスキルは0なのか1なのかみたいな、
で彼女はこれを50ぐらいに持ってくと私らしく生きてるって思うのか、それとも30ぐらいが私らしいと思ってるのかみたいな、なんかそういうレーダーチャットをこう。
スピーカー 1
でも確かにそのそこの部分できるとしないっていうのはすごい全然違うなっていうのは本当にそう思って、
しかもなんかそうだね、自分がその力を使いたいかどうかっていう意思のところは絶対になんか尊重されるべきだし、
このスキル求められてるけど、私はそのスキルを使いたいかどうかみたいなところもさ、の話だもんね今の話はね。
スピーカー 2
スキルを持っているとその選択ができるから自由さが生まれるよねっていう。
スピーカー 1
そうだね、私なんかそうスキルの話ばっかり行くとそういうところはそういう側面あるんだよなっていうところに魅力を感じつつ、
ちょっとなんかこうこれってでもって思っていて、でもやっぱりさそのできる、できるけどやらないっていう選択を取るのと、
できなくてできないのさ、できないとできないからさ、
ゼロはどんなに何をかけてもゼロですからみたいな感じになっちゃうよりは、できる上でやるかやらないかを選択できるの方がやっぱりそれはいいんだよなっていうのはすごく今の話聞いて納得したかな。
スピーカー 2
難しいけどね。
スピーカー 1
まあでもそこを、まあでもさ、とりあえず1にしてみようって思うのも大事だよね。
スピーカー 2
そうそう、1さえあればいいからさ、1さえあればいいんだよ。
スピーカー 1
そうだね、やっぱり今そらやんも言ってくれたけど、見守るポイントとしても大事だし、自分自身も今練習中っていう心構えでいたら、
できてないからできるようになろうっていう意識っていうのは、これからできるようになればいいみたいな前向きな思考だし、
自分自身にもそう言いたいし、周りにも、周りとか自分の子供とか周りの人にもそういうふうに言いたいなって思ったのが、
私のこの本を読み終わった後の1番の感動かなって思っていました。
スピーカー 2
リスキリングですよ。
スピーカー 1
そうですね、日々ね、なんかちょっとそう言っちゃうとね、なんかそう言っちゃうとちょっとなんか、
まあでも、この本の中で出てくる練習できるスキルっていうのは、1歳から死ぬまで練習できると本の中に書いてありましたので、
私もまだまだ我慢強さとかは練習中かな。
スピーカー 2
この春からの新生活を練習することを楽しんでいきたいと思います。
じゃあ、なっしーには新生活を楽しむというスキルを身につけて、
あと体調に気をつけるというスキルをこう爆上げしていただいて、
いやもう多分体調気をつけてると思うんだけど、
新しい生活でいろいろなことが起きると思うので、
体調に気をつけるというスキルをググっと上げて、
毎日を謳歌してもらえたらなと一友人としては思っています。
この本やっぱいいね。
いいよね、なんかすごい。
これ以外の部分でも、自分のその生活、
日本にいると、なんか当たり前に思っていたものを異国に行くと、
あ、そっか、これ当たり前じゃないんだみたいな感じで、
自分の生活を見直せるから、他のいろんな章も読んでもらえたらなって思った。
スピーカー 1
本当はね、ちょっと今この本はギグッと1点だけに絞って今回は紹介したけどね、
もうちょっといろんな気づきも得られる本なので、
ぜひペルシンキの人たちの思考を知りたいと思った人は、
読んでもらったら楽しいんじゃないかなと思います。
はい、次回はユーコリンの哲学テーマが始まるよということで、
ユーコリンから意気込みをもらっております。
じわじわと深みのある楽しさを感じてもらえるものにしておきたいと思っております。
ごめん、ちょっとユーコリンぽく言おうと思ったんだけど、ちょっとうまくいかなかった。
スピーカー 2
哲学的なテーマを本を通じてちょっと考えてみようかなっていうような感じだよね。
普段考えない、あまり考えないような。
でも結構大事なことを本を通じてちょっと考えてみませんかみたいなシリーズになるらしい。
スピーカー 1
聞いてみたら違うかもしれない。
でもとりあえず聞いてみてほしい。
という感じで久黒はチャレンジしてきますんで。
スピーカー 2
久黒は面白いトークをするっていうスキルを絶賛向上に向けて練習しておりますので。
スピーカー 1
いいこと言った、今のとりあえず。
練習中です。頑張ってます。
はい、ここまででトークテーマは終了ですが、
久黒ではいつでもお便りを大募集しています。
トークのご感想や本にまつわるお悩みなど、ぜひご投稿ください。
ポッドキャストやノートにお便り投稿フォームのリンクをご用意しておりますので、
そちらからご投稿いただけると嬉しいです。
今後も喫茶クロスロードは、毎週月曜日夜21時よりゆるゆる営業していきます。
本日はお越しいただきありがとうございました。
またお待ちしております。
バイバーイ。