収録の導入
スピーカー 1
カランコローン、いらっしゃいませ。喫茶クロスロードへようこそ。
この音声配信は、音好きな人たちがフラッと集まり、みんなが友達になれる喫茶店語コンセプトに、メインたちがくままにゆるーく話してまいります。
10月21日、第68回の配信です。
ちょっと最近、私、あるアハ体験があって、今日はちょっとソラヤンにその話を、今日も収録はソラヤンとナッシーなんですが、その話をさせていただきたいと思っておりまして。
話し始めるよ。
スピーカー 2
もうすぐ始めた方がいい。
スピーカー 1
はい、前回のお便りでね、リギーが、「精霊の守り人」をお勧めしてくれたんですけれど、その時にさ、お便りのところのさ、上橋菜穂子さんは文化人類学者だよっていう紹介もしてくれてたんですよね。
で、「え、そうなの?」みたいな。
私、「精霊の守り人」は知ってたし、上橋菜穂子さんも知ってるけど、そこに文化人類学者が全然繋がらなくて、そのお便りをもらってすぐ調べたら、確かにそう書いてあるし。
もうなんかね、ちょっとね、私の中、私すごいこのキサクロラジオでさ、文化人類学が好きでとかハマっててって話を散々皆さんにしてたと思うんですけど、まさかそこが繋がってくるなんてみたいな。
スピーカー 2
いやー、人生の伏線回収をしたね。
スピーカー 1
そうなの。なんか、「え、ここでそれが繋がってくるの?しかもそれはキサクロでわかったの?私?」って思って、もうなんかね、もうちょっとドキドキが止まらなかった。
スピーカー 2
ドキドキが止まらないね、それね。
スピーカー 1
実は止まらなかったんですけど、しかも今日はこの収録、10月10日にやってるんですけれど、
10月9日に上橋直さんが第72回菊池鑑賞というのを受賞されていまして、なんかこう。
スピーカー 2
これは文芸、映画など様々な文化分野において業績を上げた個人や団体を表彰する賞です。
46歳以上の文壇功労者の作家が表彰大賞になるっていう。
スピーカー 1
いやもうなんか、そらやんにこのニュースをもらった時に、「え、今日の収録だしなんでそんなタイムリーなことがあるの?」っていう。
そう、なしはもうドキドキしっぱなしのなんか、こうなんかね、繋がってくる感じが楽しいなっていう、この熱量で喋りたいと思っているんですが。
スピーカー 2
はいはいはい。
物語の背景
スピーカー 1
ちなみに、そういうわけで今日紹介するのは、
精霊の森人という植橋直子さんの本と、そのエッセイとかを紹介したいんですけど。
ちなみにそらやん、精霊の森人って読んだことある?
スピーカー 2
私さ、途中で挫折しました。ごめんなさい。
いや私さ、10巻も出てたことにさ、びっくりした。
スピーカー 1
10巻も出てたんだっていう。
私もね、ごめん、10巻全部は実は読んでなくて、でも神の森人ぐらいまでは多分読んでたっていう、なんかその途中までは確実に追いかけてたはずっていうハマり具合だな。
ここはそらやんとはちょっとあれなんだね、ハマってるポイント違うところなんだね。
スピーカー 2
だから今日はなしのこの熱い思いを受け止めてね、読み直すきっかけを持ちたいなって思って、めっちゃやる気。
スピーカー 1
でも本当に今日はなので、文化人類学的視点からもう一回精霊の森人を読み直してみようっていうのがテーマになりまして、
うん、熱い熱い。
やってみたいと思ってるんですけど、ちなみに私が読んだのも多分一番最初に出たときで、その小学生のときだったと思っていて、
まずその、なんか表紙の絵がすごい印象的だった感じがあって、
ハリーポッターとかファンタジーっていうと、ファンタジーの物語っていうと西洋のものみたいな、結構自動書もさ、なんかその、
スピーカー 2
ユビア物語、ナルニア国物語とかね、そこらへんが。
スピーカー 1
西洋系はさ、もうヨーロッパ系の世界観が多かった中で、あれ?なんかこれは日本っぽいような気もするけど、でも日本じゃない国だしみたいな、
なんかそういう位置づけでの外国の話みたいなイメージで、この本を読み始めたなっていう記憶がすごくあります。
ありますっていうか、なんかそう、私のちょっと小学校時代を振り返っている感じなの。
で、まあちょっとこの精霊の森人は、まあもし読んでない人もいるかもしれないので、冒頭部分の紹介を最初に持ってきますと、
まずこの物語は、ダンソウ図解のバルサという女妖人坊が主人公の物語です。
でそのバルサという主人公は、妖人坊をしながら国から国へと旅をする、
まあ要するにさすらいの旅みたいなのをしている女妖人坊バルサが、
スピーカー 2
かっこいいよね。
スピーカー 1
そう、かっこいいの。かっこいいの。このバルサが新予防王国っていう国で、その国の第二王子であるチャグムっていう皇太子を、
まあ皇太子というか皇太子ではないね、この時第二王子のチャグムを生きがかり上助けることになるっていうのが一番最初の大きい事件ですね。
で、その夜お礼に招かれた館で、今度チャグムの母である二の妃、一番目じゃなくて二番目の妃だったんですけど、
その妃さんからチャグムは何者かに卵を見つけられてて、
自分の父親である皇帝に暗殺されそうになっているっていうことを明かされます。
そしてその二の妃に、このチャグムを連れて逃げて欲しいっていう風に頼まれるっていうところが物語の始まりになります。
いやもうさ、いきなりさ、チャグムからしてきたらさ、いきなり見ず知らずの女の人によろしくって頼まれてさ、旅に出る感じだから、
すごい、なんか私はその、読んだとはじゃあチャグムに結構感情移入しちゃって。
スピーカー 2
そうだよね。
スピーカー 1
こんな時に母親から離れて、そんな運命を生くのかみたいなことにすごいワーってなったりするんだけど、
この物語進んでいくと、そのチャグムが産みつけられた卵、ちょっとこの言い方すると気持ち悪いかもしれないんですけど、
この卵っていうのは水の守り手って呼ばれる精霊の卵であって、
チャグムはその水の守り手の守り手、だからなんだろうな、精霊の卵に守る人という位置づけの精霊の守り人としての運命を歩むことになったっていう形になります。
この時さ、女幼人房のバルサは30ぐらいなんだよね。
チャグムは11歳から12歳っていった年頃で、いつの間にかチャグムよりもバルサの方に近い年齢になってしまったなっていうところに読んでて、採読してて驚きを隠せなかったんだけどさ。
そこを差し引いても、チャグムが絶対に王室の中にいたら知り得なかったような世界を知って成長するっていう、ある意味王道と言われる物語を読んでいる感じではありつつも、
でもなんかその、日本に近いようだけど全く別の世界みたいなところの作り込みが細かいところが、これこういうファンタジーもあったのかみたいな、全く別世界の、しかもヨーロッパ風ではない、こういう世界観の物語もあるんだみたいなのがすごい私の中で衝撃で、
スピーカー 2
そこの部分が他の本と違って印象的だった分、すごい好きだったんだなっていうのも思っているんですけれど、こういうファンタジーの醍醐味的なところ、ファンタジーの醍醐味っていうのかな、別の世界観を作っている物語のいいところって、そういうとこだよね、そらやーみたいな話をちょっとここで持ってきたかったんだけどさ。
わかるよ、やっぱその世界観にね、惹かれるところだなって、でもね私、私レベルになりますとですね、もう読んでる時もうその世界で生きてるから、NPCとして生きてるから、私だったらもうこの町に住んで、主人公とはこういう関わりをしたいなみたいなことを勝手に考えてる。
私はこの世界だったら、こういう登場人物として生きたいっていうところまで考えるところが、そらやーのファンタジーを楽しむ醍醐味のところだね。
文化人類学的視点
スピーカー 1
私レベルまで行き着くとそうなる。
いや、そこまで行き着いてはなかったなぁ、いやもうなんかすごい。
清く正しく狂っていくとそうなる。
前回も気づいてますね、いやでも本当にそこの部分ね。
そらやーのレベルまで私は行ってなかったかもしれないけど、少なくとも主人公と一緒になって、この世界はきっとこういう世界なんだろうなっていう、結構な解像度で、精霊の森人の世界観を楽しんでいたと思う。
すごい好きだったんだよね、なんか、このご飯おいしそうだなとかさ、こういう荷物の作り方するんだなとか、結構詳細に覚えてたので、そこはすごい好きだなと思っていますし、
スピーカー 2
で、私、その世界観の部分にすごい惹かれたんだよって今力説してたんですけれど、なんかちょっと今、じゃあこれが文化人類学者の上橋さんだからと思って読み直して思うのは、
スピーカー 1
やっぱり知識というか経験も、精霊の森人に盛り込まれていたんだなっていうことに気づいたっていうのが、今回本当に思いまして、というのはその上橋さんはオーストラリアのアボリジニを研究対象にされていたということなので、
先住民とさ、移住してきた人っていう関係性がオーストラリア人とアボリジニは成立しているというか、そういう関係性になっていると思うんだけど、そのままそれがチャグムの父である皇帝が統一する親王国とヤクウっていう民族が出てくるんだけど、
その先住民の関係性と何か重ねて考えられていたりだとか、で、この精霊の森人の世界の中だとヤクウが大事にしてきた思想というか、世界は私たちの目に見えるサグと目に見えないけど影響を与えるナイグっていう世界が一緒に存在しているんだよっていう考え方をヤクウという民族はしていて、
今回チャグムが生みつけられた精霊っていうのも、その目に見えない方のナイグの世界の生き物ですっていう風に物語の中で明らかになっていくんですね。
そういう風に一つの民族の中で大事にしている思想みたいなのが物語の主軸になっているっていうところが、精霊の森人という物語の面白いところなんだけど、
なんかやっぱ違う文化を知るとか、民族の思想みたいなところを知っていくっていうのは大事なことというか、大切にしていきたいことなんだよっていうことを、この物語を通して上橋さんは言いたかったのかもしれないなって、今回私は改めて思ったんですよ。
スピーカー 2
あれだよね、みんなもフィールドワークしていこうぜっていうことだよね。
スピーカー 1
フィールドワークしていこうぜってことだし、やっぱりその人の経験とかってこんなに物語に反映されるんだみたいなことに気づいたのかな、どっちかっていうと。
そうそう、なんか今、文化人類学者としての上橋さんだからこういう物語を書いたのかなっていう視点で読んでみると、なんかそこの部分の、昔はさ、ふーんって思ってた設定の部分がさ、なんかすごくちゃんと緻密に考えられてたんだなとか、
きっと意図を持ってちゃんと書き込んでくれたんだろうなっていうところがわかって、また感動したっていう感じ?
小説と作者の人生
スピーカー 2
そのさ、小さい頃はさ、全然気づかなかったけどさ、小説家、小説を書く人って一言で括ることができても、もうみんなさ、人生の背景がさ、違いすぎるよねっていう。
そうね。うん。そうなんだよね。上橋先生のように学者っていう形で学問を志している方もいるし、例えば最近だとお笑い芸人さんも小説を書いたりするし、それぞれのね、人生の背景で紡ぎ出すものが全然違うなーって、なんかそれに気づかなかったからさ、小さい頃は。
もうただ作品を、そう、作品を作品として読んでたっていう。それも楽しかったし、今大人になると、あ、この人はだからこういう作品を書いたんだみたいなところも、思いを発しながら楽しめるっていうのがね、いいなーって。
スピーカー 1
本当にその通り、その通りというか、なんか、そう、なんか二重に感動できたっていうところが、まさにそこの部分なんだろうなーみたいな、なんか物語としてすごい好きだったっていうのに加えて、あ、上橋さんがこういう人だから書いてるっていうことを本当にね、感じられましたっていうのが。
スピーカー 2
感じられました。
あります。
スピーカー 1
あります。
スピーカー 2
感じられました。
スピーカー 1
そう、わかります?感じられたんですよ。
もういいね。
でも、なんかちょっと、だから私もっと上橋さんのこと知りたいって思って。
スピーカー 2
うん、めっちゃいいよね、その気持ちが。
スピーカー 1
上橋さんのじゃあどんな気持ちだったんだろうなーみたいなことを、なんか知れる本ないのかなーって思ったら、物語と歩いてきた道っていう、上橋さんがいろんなところで講演したスピーチとか、寄稿した文章をまとめたエッセイ集が見つかって。
スピーカー 2
まさにの本じゃん。
スピーカー 1
そう、まさにの本でしょ。
スピーカー 2
ドンピシャ、ドンピシャの本あるじゃん。
スピーカー 1
ドンピシャの本あったからさ、私はもっと上橋さんのことを知りたい、あ、そういう本があるんですね、読みます!みたいな気持ちでこの本も読みましたっていうことになって。
いやなんかね、これね、文化人類学者としてどういう経験とか知識盛り込んだよみたいな、さっきのアポリージンの研究をしてたのでっていうところの裏話とかもしっかり入ってるし。
スピーカー 2
で、この上橋さん自身がすごい、本当に本が好きな人なんだなっていうところもこのエッセイの中に書いてあって、
歌って踊れる図書院っていうエピソードがあるんですけれど、上橋さんはすごい仲良くしていた友達と図書院をやっていて、図書院ですよ、学校の図書院をやっていて、
スピーカー 1
で、本の魅力を伝えるのに、自分のすごく面白いと思っている本の魅力を伝えるのが図書院の使命だ!みたいな感じで、
この自分の好きな物語のある一幕を寸劇にしたり、みたいなことをしてたのとか。
すごくない?なんかその、本に対する熱量とさ、愛とさ、行動力とさ、
でもなんかちょっと、やってることは私たちと似てるような気がして、
本が好きだから、それをもっと誰かに知ってほしくて、でも劇にしちゃうんだってところに、
やっぱそういうふうに創作性のある行動に行くんだなっていうところがちょっと面白かった。
スピーカー 2
そこがルーツ。
スピーカー 1
面白かったし、あと好きな本屋がありましたとか、そこで本屋さんのバイトしてましたとか、
スピーカー 2
結構そらやにも通じるとかあるんじゃない?この人って。
スピーカー 1
中高生の時にこんなに自由な発想を持って表現できてたことが、すごい素敵だよね。
そうね。
スピーカー 2
図書院でさ、歌って踊ろうなんて、学校で思えたかなっていうと。
スピーカー 1
だからその環境を持ってきたよね。
でも一緒にやってくれる仲間がいたのも大きかったんじゃないかなとは個人的には思うけど、
でもなんか、やっぱ図書院のイメージって言うとさ、どうしても図書館でさ、本の整理をするとかさ、
スピーカー 1
本を、傷んだ本を直すとかさ、そういうイメージだったからさ。
そういうイメージ。
なるほど、結構アウトプット型の図書院なんですねっていうところもね。
スピーカー 2
めっちゃ素敵。やっぱ歌って踊れる図書院を増やしていきたいですね。
私も歌って踊れる図書院としてのマインドを持ってやっていきたいなって今思った。
スピーカー 1
少なくともそらや踊れる図書院だもんね。
スピーカー 2
あ、そうね。次歌ね。
次歌ね。
スピーカー 1
なるほどね。
だからそこで、そのエッセイを読むことで、すごい上橋さんに若干の親近感も感じる。
スピーカー 2
そうね、確かに。
スピーカー 1
すごいこの人、ちょっと本好きとしては近いものを感じるみたいなところも、話的にはすごく熱いポイントでしたっていうところがあります。
物語の力と共感
スピーカー 1
で、最後ちょっとまとめというか、そのエッセイの中で一番良かったなっていう部分を話したいんだけど、
そのエッセイの中で、IBBY、これは国際児童図書評議会という場所での基調講演スピーチがすごい、
ちょっと長いんですけど、とっても印象的だったので、ここの部分を紹介したいと思います。
で、心に残ったポイントでまとめていきますと、
上橋さんはこのスピーチの中で、世界は分断に満ちていて、言語の壁とかはとても分かりやすい壁の一つではありますよねっていう、
ちょっとこれ英語でしたスピーチなんだけど、それをさらに同時通訳してもらってみたいなことをしてて、
そういう意味でも言葉が通じないというか、言葉が分からないからお互いに分かり合えないってことがすごく生まれてしまうよねってことで、
その話をしてたっていうことがあるんですけど。
で、上橋さんは物語、特に森人シリーズとかの中で、想像上の民族っていうのを描くようにしていて、
これは一度私たちが自由になるために、そういうふうに描いていますっていうふうに描いてくれています。
上橋さんはその物語の中で、すごい厳しい分断を、様子を描くこともあるんですけれど、
この分断を越えることの難しさと、それを越えたいと夢見ることを、我がこととして感じてもらえる力が物語にはあります。
だから文化が違っても、生まれた時代が違っても、いかに私たちは同じであるかっていうのを伝える手段が物語なんですっていうことを言っていて、
この部分にナッシーはとても胸が熱くなったんだっていうことを伝えたかったんです。
物語に共感するっていうのはさ、本を読む人だったら誰しも経験することだと思うんだけど、
想像上の世界だからこそ、今の現実とは切り離して一旦考えることができるし、
その中で想像することで、もっと本を読んで共感するっていう力にもできることがもっとあるのかもしれないなって思っていて。
大橋さんは文化人類学者であって、異なる文化があることによって起こることとか、それがどんな影響を人々に与えるかっていうところも見て知ってきた上で、
さらにこの物語を書くことで伝わってくる言葉が、やっぱり今だと重みが違うなみたいな、
そういうふうに思って書いてくれてたんだなっていうところがずしんときたっていうのもあって。
自動書なんで、精霊の森人も結構サクッと読めるんですけれど、読めるんだけど、
ぜひ文化人類学者としての上橋さんを知った上で、ぜひもう一回読んでみてくださいっていう、
もし読んだことがある方はみたいなところを、今回死んでいたかったっていう結びになりますよ、そらやん。
なんか言いたいことある?
スピーカー 2
精霊の森人を読んで感じたものを日常生活にどうやって持って帰れるかみたいなところも考えて読むと、うわーってなるものがあるってことだよね。
あーそうだね、そういうことになります。
やっぱそういうなんだろうな、創作の世界の中でいろんな登場人物に思いを馳せてみたりとか、いろんなシーンとか状況とかのことを考えてみるっていうことは、
創作の世界の中で完結するだけのことではないっていう、もっとすごいものを我々に与えてくれているのではないでしょうかっていうか、
まあそれを信じているってことだよね、上橋先生はね。
スピーカー 1
上橋先生はそこを信じてくださっているし、物語を物語として楽しむのはそれでいいと思うんだよね。
もちろん。
でもなんかさ、子供の頃読んだ本が大人になってから読むと、さらにそこの部分も理解できるから本当に、じゃあ私たちが今度できることなんだろうなって考えられるっていうのは、
すごいこれを私が小学生の時に読める本にしてくれてありがとうっていう気持ちになったんだよな。
あの時に理解できて感動できる物語だった頃こそもう一回読もうと思ったし、
それをもう一度読んだからこそ、じゃあ私は日常で物語の中でない分断について考えることとか、
その分断をどうしていこうかって思えるようなきっかけにはなったと思うので、
スピーカー 2
なるほどね。
スピーカー 1
すごいよ。
スピーカー 2
まあでもたぶん小学生のナッシーもたぶん無意識には受け止めてたと思うよ。
植橋先生イズムの何かしらを。
スピーカー 1
それで大人になっていったからなんだと思う。
スピーカー 2
なんかちょっと話変わるんだけど、私最近ラストマイルって映画を見たんだけど、めっちゃよかったんだけど、
スピーカー 1
ドハマリしたやつね。
スピーカー 2
すごいよかったんだけど、何がよかったって、今の日本社会のありとあらゆる社会問題みたいなところを細かに描写しつつも、
エンターテインメントとしてはものすごい歓声してて、作品としてすごい満足感があって、
ストーリーも面白いし、登場人物もユニークだし、どうなっちゃうんだろうどうなっちゃうんだろうっていうドキドキワクワクもありながら、
でもずっと、今の社会ってこういう問題あるよねみたいなシーンも散見されてて、
でもあなたはこの社会の問題に目をそらせてはいませんか?みたいな圧はないんだけど、
でも見終わった後に、絶対にそこで描写されていたことについて思いを馳せてしまうっていうバランスがすごいなって思ったんだよね。
パンフレット買って読んで、キャストさんとか制作前のコメントとかも読んで、すごいそれも感じたんだけど、
物語っていう誰でも手に取って、取ることができて、
でもその奥にある作った人の思いとか狙いとかに、物語によって触れやすくなる、考えが及びやすくなるっていうことって、
物語のすごい良い点なんだなっていうのを、ラストマイルを見た時にすごい思って、
今日ナッシーの話を聞いて全く同じことを思ったっていうか。
スピーカー 1
なるほどね。トライアンはラストマイルを見て、その作品の奥にあるものに気づいたみたいな、そういう話。
スピーカー 2
そうそうそうそう。そうだったんじゃないかなっていうところに考えを馳せられたっていうのが、
良い体験だったなっていうふうに思ってて、
上橋菜穂子の作品の魅力
スピーカー 2
でもそれってやっぱり、作品がすごい面白くなければそうはならないっていう、難しさっていうか。
スピーカー 1
そうだよね、いやわかる。
スピーカー 2
人間の怠惰な部分ではあるんだけど、やっぱそこでなんかこう、
今日ナッシーの話を聞いて、私もこの上橋先生の思いを受け止めて、
挫折した、挫折していくところから立ち上がりたいと思う。
スピーカー 1
挫折ってシリーズの全部を読み切ってないっていう意味での挫折だよね。
スピーカー 2
そうそうそうそう。
スピーカー 1
まあそうだね。しっかり全部覚えてるかって言われたら、そこはちょっとあれなので、
これからもう一回巡礼を始めようと思ってるんだけど。
スピーカー 2
巡礼をね。
スピーカー 1
巡礼をね、ちょっとね。上橋さんに思いを馳せる巡礼を始めようと思ってるんだけど。
なんかその、物語を作る。
すごいね、今ソラヤンの話を聞いてね、こういうことそうだよね。
創作っていうかなんか、ちょっと自分の金銭に触れるものだからこそ、
なんか人に進めたくなるしさ。
なんか、え、見た?とかさ、共感した?みたいな、何だろう、話もしたくなるしさ。
でもだからこそ、作品の奥に込められた思いとかも、
多分もっとたくさんの人と共有できるっていうところがやっぱり、
物語とか、創作したものの良さというか。
皆さん、セレナモリ人もなしは語りたく思っているので、ぜひ読んでみてください。
お便りの紹介と今後の展望
スピーカー 2
大丈夫だね、お便り来たら嬉しいね。
スピーカー 1
絶対読んでる人いると思うんだよね、小学校の時に。
読んでる人いるんだもん、いるでしょ。
スピーカー 2
めっちゃいるよ、大丈夫だよ。
スピーカー 1
いるよね、じゃあもう楽しく語らせていただきましたか。
次週はソラヤン、何の本ですか?
スピーカー 2
次週はお便りの紹介をしたいなっていうふうに思っているんですけど、
そのお便りの中でも私ずっと気になってた、
どんぐりさんのお父様の読書ブログ教えてもらえたから、
その話、どんぐりさんのお父様の読書ブログを通じて、
本当にすごいブログだったから、
そこでこの本の熱い気持ちを語れたらなっていうふうに思っていますと。
どんぐりさんのパパブログ。
めっちゃすごい。
スピーカー 1
お便りって言えば、ソラヤン、何かお便り?お便りっていうかいい?
スピーカー 2
いいふりしてくれるね。
ありがとう。
いいふりしてくれますね。
なんか66回のカゴいっぱいに詰め込んで、
マスタミコト先生のカゴいっぱいに詰め込んでがめっちゃよかったっていうのを
だらだらと喋っている回を、
まさかのマスタミコト先生が聞いてくれてて、
スピーカー 1
ほんとそれ。
スピーカー 2
マスタミコト先生が元ツイッターのXでコメントくれて。
スピーカー 1
やばかったよ。すごい嬉しかった。
これが双方向性かって思って。
寒無量でした。
本当に現代に生きててよかったって思って。
スピーカー 2
本当に嬉しかった。
これ撮ったの結構前だったから、
改めて配信聞き直して、
めっちゃいいって言いつつも、
良さを全然伝えきれてないって、
結局私は反省するしかないっていう。
もっと上手く喋れたなって、
スピーカー 1
マスタ先生ごめんなさいって気持ちの方が強くなったっていう。
そんな反省モードにならないで。
スピーカー 2
精進していくから。
スピーカー 1
ナッシーのツッコミちょっと面白くないなとか、
反省モードは若干入ったけど。
スピーカー 2
あれだから、スキルだから、練習だから。
我々はヘルシンキに生きてるから。
練習だから。全ては練習です。
スピーカー 1
練習はしていますが、
でも本当にそんなことも起こる奇策のラジオを、
これからもよろしくお願いいたします。
スピーカー 2
よろしくお願いしますという感じで。
スピーカー 1
どうしようベハシさんからお便り来たら。
スピーカー 2
やばいでしょ。
涙超えて。
スピーカー 1
ナッシーはちょっとその回どうお便りを読めるかわからないな。
というわけで、よしここで切るぞ。
ここまででトークテーマは終了しますが、
キサクロではいつでもお便りを大募集しています。
トークのご感想や本にまつわるお悩みなどをぜひご投稿ください。
ポッドキャストやノートにお便り投稿フォームのリンクをご用意しておりますので、
そちらからご投稿いただけると嬉しいです。
今後もキッサクロスオードは、
毎週月曜日夜21時よりゆるゆる営業していきます。
本日はお越しいただきありがとうございました。
またお待ちしております。
バイバイ。
ウイハシさんに届け。