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ゆいなわさんの聞く人ラジオ、みなさんこんにちは。 ゆいなわさんの聞く人ラジオのお時間です。
今回は、着物アーティスト・キサブローさんにお話を伺いました。 ご自身の家が100年以上続く着物の和裁所で、普段は和裁所でのお仕事と、
アーティストとして着物にまつわる面白いことをすべてやっているとおっしゃるキサブローさんに、どのような経緯で今に至ったかから伺いました。
キサブローさんは、仕事は何ですか?
仕事は、着物の軸に着物にまつわる面白いことをすべてやっているという感じですかね。
面白いことといっても、私が着物に何を着物としているかみたいなところがあって、
一体何が着物なのかみたいなのが、私の中でアイデンティティが着物の作りにありまして、
着物の作りにあるっていうのは、家が代々和裁所といって、着物を最終的に縫って組み立てるところなんですよ。
だから、生地とか折ってないし、染めてないし、何だったらお客様へ販売もしてないみたいなところを組み立てる。
販売もしてない?
してないんですよ、この和裁所自体は。
最後に本当に工程として組み立てるというか、縫製するというところで、
私はそこの火おじいちゃんから始めて、ここ100何年だっけ?103年くらいなんですけど、
なので、着物の生地というよりは着物の作り方が面白いなと。
すごいあれなんですよ、あまり知らないですよね、着物の作り方。
僕はわかんないです。
着物の作り方って合理的にできていて、他物はわかりますかね?幅が40cmで、長さは13mくらいあるんですけど、
あれを一番単純な言い方で言うと、8枚の四角い生地に着るんですね。
その時に真っ直ぐしか着らないんですよ。真っ直ぐ。
洋服を思い浮かべると、洋服はパターンというのを見たことがあります。
型紙みたいな。
あれは人間の体が丸みを帯びているじゃないですか、全体的に。首にしろ手にしろ。
それに合わせてカーブさせながら切ってある型紙を生地の上に乗せて縫い代を取って切っていくんですけど、
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着物は縫い代を何センチで切るとかもなく、型紙もなく、ただ真っ直ぐに切るだけなので、
ゴミがまず出にくいんです。出ないんです。
あ、なるほど。余計、余りみたいなのが出ない。
余りが出なくて、縫い代もその人の体に合わせて縫い代の幅が変わって、それ以外の縫い代は切っちゃわないで全部入ってるんです。
それが合理的というか、そんな衣服はあまりないじゃないですか。
長い布を巻くとかはアフリカだったりはありますけど、
そうじゃなくて作るんだけど余りを出さない、四角い生地だけみたいなのがすごく新鮮だったんですよね。
新鮮。
知らなかったんで、着物は昔からあるけど、作りまではさすがに何も思ってなくて、
柄だったりとか刺繍だったりとか、布の質感だったりっていうところは全然すごく目が行くと思うんですけど、
なぜ日本人がこんなのを考えたみたいな。
なるほどね。
すごい面白いなと思って、こんな作り面白いって自分が感じてるのに、ほとんどの人は多分着物の作りなんて知らないで、
知らなくてもいいかもしれないんですよ、着るし。
でも結構エッセンスがいろいろ詰まってるなと思って、
それを見えない職人さんなんで、表にそんな出ていかない存在。
服屋さんがお客さんとやり取りするしなんですけど、そこ面白かったから、
もっと着物を作りから発想する着物の面白さみたいなのを出していけないかなっていうのが始まり。
それ面白いなって気づいたのっていくつぐらいとかあります?覚えてたり。
でも、え?って思った瞬間は、大学生の時に卒業式で、何着ようってなった時に、
じゃあ家に着物あるから着物着よっかなって思って、一緒に相談したら、おじいちゃんの着物があるって言われたんですよ。
で、おじいちゃんかって思ったんですよ。
で、おじいちゃん身長結構違うんですよ。全然低いし。
私170cmだけ、おじいちゃん160cmちょうどいいぐらいみたいな。
でも着物は仕立て直せるみたいな。長さを出せるとか言って。
だから全然身長が違うけど、私でも全然着ることができたし、
なんだったら145cmくらいの、おばあちゃん亡くなってるんですけどの着物も仕立て直して、私が着れるみたいなことが起きて。
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洋服じゃ絶対に無理なので、なんじゃそりゃと思って、びっくりしました。
そういうことですね。
じゃあそれまでは、お家がまさやさんをやってるから、当然触れ合う機会はあったけど、
自分のことを知ったっていうのは大学の時のということで、そこで面白いみたいな感じ。
当たり前にあったものが一つちょっと違う感じに捉えられたっていう。
じゃあ卒業してすぐにこのお仕事していくんですか?
しないんですよ、全然。
全然しないんですか?
全然しないですよ。美術大学出て行って、そこでメディアートっていう、
結構今時な音とか光とか空間を扱うような芸術を学び、そのまま明和電機っていう。
知ってます。
結構大学の延長線上にあるような感じだったんですけど、そこでありがたくお仕事させていただいて、
工房で結構アルミとかを主に作品に扱うアーティストさんなので、金属の加工とかをしているので、
布と全然関係ないんですけど、
そこでちょっと布と金属の違いにも気づくんですけど、
金属って結構動かしたりアルミを使って動くアート作品を作ってたので、
0コンマ何ミリみたいなのがめちゃくちゃ大事なんですね。穴を開けるにしても削るにしても。
コンマ何ミリっていう世界結構神経使うっていうかもちろんですけど、すごいなとかって思ってたら、
布ってちょっとでも動かすとぐにゃぐにゃ動いて、
今使っているものさしも尺差しとかセンチもあるんですけど、
ミリとかあんまり見ないというか、2ミリとかはもちろん使うんですけど、コンマ何ミリはあんまり気にしないことがないんですね、縫製のときは。
生地にする、折ったりするときあるかもしれないですけど、結構緩やかな世界観っていうか、金属と比べると。
融通が効いたりとか伸びたり縮めたり。
それがなんかすごく有機的で面白いなと思って。
そこから、なんか布面白いなと思うんですけど、急にそこでいきなり行くわけじゃなくて、その後にテレビの製作会社に挟んでるんですよ。
明和電機を辞めて、テレビの製作会社になるんですか?
そこの会社は割と音楽系のミュージックビデオとか撮ってるような会社だったんですね。
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私はアニメが結構得意っていうか、いっぱい知ってたんです、その会社内では。
アニメ作品をいっぱい知ってる?
テレビアニメの作品を知ってるというだけです。ただ詳しかっただけなんですけど。
そしたらなんか声優さんのお仕事を主にやるようになり。
声優さんのお仕事、喋るってことですか?
いやいや、私じゃなくて、声優さんを撮影する仕事ですね。
へー、はいはい。
声優さんって今すごいね、テレビで。
前に出てくる感じ。
活躍されてて、たぶん結構そういう時期だったんですよ。もうジャンジャン出て、海外にも行って活躍するみたいな。
もちろん私も一緒に海外に行って撮影してみたいなことが多くて。
割と同い年くらいの方たちを目の前に仕事するんですけど。
結構なんだろうな、ディレクターとかAD業って撮影するだけじゃなくて、いろんなお水あげたりとかバビったりとか雑用めちゃくちゃあるじゃないですか。
いろんなことありますよね。ある日突然、あれ私何やってんだろうみたいな。
やってる時にね。
やってる時に同い年くらいの人たちがめちゃくちゃキラキラ輝いてて、あれ?みたいなことを思って。
でもやりたくてやってた仕事なんですけど、もう一回ちょっと自分のやりたいことを見直そうと思って。
海外に結構行ってたんで、家にある着物を持って行って着るみたいなことも勝手にやってたんですよ。
仕事の隙間時間とかですごい反応が良くて、何か作ってみたいなって思ったんで、思い切ってシフトチェンジしたっていう。
制作会社を辞めてってこと?
いきなり辞めちゃうと何もできないんで、やりつつ着物の縫い方を家で習い、和裁所で習い、だんだんこっちに。
和裁の仕事に?
そうですね。着物関係の仕事を少しずつ増やしていって。
そういうことですね。
例えば幼い頃とか学生時代とかっていうのは、お家はここだから当然知ってはいるし、生徒さんが来たりとか、見てはいたりとかくれたりはしてたけど、やったりはしてなかったってこと?
全くしてないです。
全くしてないの?
全くしてない。
興味もそんななくて。
ないですね。
やってるなぐらいな感じ?
やってるなーでしたね。なんならそんなに好きじゃなかったっていうか、なんで着ないからなんでだろうみたいな。
そうですよね。
なんでだろうって思ってたし、なんて思ってたんだろうなもっと着物について。あんまりいいイメージがなかったですね。
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でも今はもうそれは中心にして、着物というものが中心にしてお仕事、活動をしているっていう感じなんですね。
だいたいシフトチェンジして、ほぼほぼ着物が中心の仕事?
今ですか?もうそうです。完全に。
もうそんな感じ?もうそうなってどんぐらい経つんですか?
あ、何年だろう?ちょっと待ってください。2017?でも8年ぐらいかな?7,7年ぐらいですかね。
そっかそっか。じゃあ本格的に着物の人になってから、じゃあその7年8年ってなると、やっぱり本格的にやってくると当然着物の知らないこと、今まで知らないこととかも当然自分にとって明らかになってたりとか、こうなってんだとかっていうのはありますよね?
そうですね。形から入ってますけど、やっぱり着物って布、いろんな折りだとか染めだとか、日本全国いろんなところがあるんで、最初はちょっと布に対しての知識がなかったので、それをまずは産地とか行ったりして。
あ、なるほどなるほど。実際現地で見て。
そうですね。作り方とか。
なるほど。勉強して、でも勉強するだけではアーティストに行かないんですよね。
そうですね。
そこはただやっぱり勉強してるという、もともとお好きで美術大学とか行かれてると思うんですけど、やっぱりそういうところをつなげていくっていうのに行くっていう感じ。
そうですね。何なんでしょうね。だからそういう美術大学とか出てたりして、なんか単純に着物を作って売るみたいなことにはすっごい興味があったわけじゃないんですけど、どっちかって言ったら着物の今の現代ではどう荒れるのかとか。
あーそうか。
どうやったら面白さが伝わるかとか、今私が着物があんまり好きじゃなかったとか固定概念があったとか、そういうのをどうやったらひっくり返せるかとか、そういうところに興味があって。
なるほどね。そういうことか、そういうことですね。だからやっぱり、もともとじゃあなんで美大に行ったのかっていうのもあるじゃないですか。
なんで美大に行ったか。
そうそうそうそう。だって選択肢はいろいろある中で、やっぱり何かが美大がいいなって思ったことがある。美大って入学するのに試験とかも特殊じゃないですか。
そうですね。
何で行ったんですか?
何で行ったか、そうですね。美大、もともとそれで行ったら、小学生とかの時って小学校と家、行ってる人は塾とか。
あーそうですね、生活範囲とか。
そう、生活範囲そんなもんじゃないですか。もちろん人間関係なんて小学校だけだしみたいな。結構そういう窮屈だなって私ずっと思っていて。
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なるほど。
何だろう、逃げ場がないじゃないですか。学校で嫌なことあったら、家には逃げれるけど、家でも嫌なことあったら、どっちももう終わりみたいな。
確かに。
小学生なんてどこも行けやしないんで、逃げ場がないって思っていて。そういう時に、近くのお寺が工作教室をやってたんですよ。
原っぱっていう名前で。そこの先生がすごくユーモアを持っている人で、そこも工作教室なんで、何でもありだったんですよ、割と。
素材も何でも使っていいし、絶対絵描かなきゃダメとかそういうわけじゃなくて、かなり昔ですけど、その頃からコマ撮りアニメーション一緒に撮ったりとか。
面白い。
面白くて、そういう場所があったから、救われたというか。
なるほど。窮屈さじゃないところ。第三の場所みたいなところ。
かつ、ものづくりとか、ユーモアさとかで人を見てくれるみたいな。
勉強とか、点数とか、いい子にしてるとか、そういうところじゃないところで見てくれるっていうのがすごくいいなと思って。
そこ行くとみんなはすごく楽しさ、自由だし、先生もなんか、私の知ってる学校とかの大人じゃないみたいな大人みたいな。
ちょっと不思議なというか、変と言ったらあれだけど、個性的な。
個性的で、子供として接するっていうよりは普通に人間として接してくれるっていうのがすごくありがたいっていうか、いいなと思って。
だからずっと好きだったんですよ。ものづくりとか、美術とかが。
ずっと好きで、だからあんまりそんな勉強はできなかったんで、ただ美術は好きだから、美術の成績だけは常に良かったんですよね。
それこそ家庭科とかは縫い物とか全然できなくて。
10段階の2とかだったんですよ。
だいぶそれは。
だいぶ下なんだ。
だいぶそうですね。
で、高校とか行って、結局私は美術ぐらいしかできないなみたいな。
そうかそうか。
まあ、理大かな?
行きたいなっていうことを相談して。
はいはいはい。
じゃあそれで、受験。
受験しました。
理大受験で行ってっていう感じなんですね。
じゃあ原点としてはそのやっぱり工作教室がひとつ木澤浦さんの中であったというのが。
そうですね。
今あるっていう意味では。
へえ、そうなんだ。
やっぱりそういうのは好きっちゃ好きなんですよね。
きっと何か作るとか。
そうです。好きなんです。
だから今は着物アーティストとして、だから普通に着物を作るってこともする?
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普通の時もあります。普通のも。
いわゆる例えばここ和裁教室で、教室で何かもしたりもしてるんですか?
教室では私は割と初心者の方に縫い方を教えていて。
じゃあ先生みたいなこともしたりとか。
もしてます。
あとはやっぱり普通って言ったらあれですけど、いわゆるオーソドックスなクラシックな着物のスタイリングだったり、制作もやります。
それは勉強をしていって積み重ねても普通にできるようになって、それを教えるようになって。
アーティストになるとまたちょっと違うじゃないですか、やることって。どういう感じなんですか?
もともとは着物への興味はなかったとおっしゃる岸黒さん。
近くのお寺でやっている工作教室が今のアーティスト活動の原点だそうです。
そんな岸黒さんに最近の作品についても伺っていきます。
こういう感じ?
依頼があるのか、自分で作ったのかとか、多分いろんなやり方方法はルートは違うと思うんだけど。
例えば最近こんなことやったとかとか、何でしょうね。それは出会いなのかもしれないけど。
そうですね、最近は出会いもあったんですけど、大学時代の先生。
先生といっても研究室の教授で直にやってる先生じゃなくて、ある授業の先生だったんですけど。
その方と久しぶりにお会いする機会がたまたまなんですがあって、
そしたら最近はAIをやっているみたいな話を聞いて、ちょうど私は気になっているけどやってはいなかったです。
本格的にちょっと調べ物とか、それぐらいでしか触ってこなくて。
でも先生はもうAIが友達だみたいな、パートナーみたいな感じになってて。
すごい面白いっていうか、そんなにAIって友達、人間なの?みたいな。
もっと自分に近い存在になれるというか、なれるんじゃなくて自分がどう思うかなんでしょうけど。
それが結構面白いって思って。
で、それ一緒に制作とかできるのかなみたいな。
AIとってことですね。
そしたら意外と馬が会ってきて、対話する中で。
やっぱり人に相談ごとってしますけど、いつでもできるわけじゃないじゃないですか。
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あるシチュエーションとか機会を選ぶというか。
AIで別にいつでも連絡してもいいんですけど、一応は遠慮する時もあるじゃないですか。夜中とか。
こんな非人道的なこと聞いてみようかみたいな時とか。
そうね、ありますね。
全部聞けるじゃないですか。
自分のタイミングで聞けますね。
すっごいは否定してこないんですよ。
人間の倫理観の範囲を超えるとそれはみたいな時あるんですけど。
心の安定にもなるんですよね、制作していく中で。
そうなんだ。制作過程で迷ったりとか、問いが出てきた時に聞くっていう感じ。
そうですね、不安要素とか。
素朴な疑問とかもあるんですけどね、素材がどうしたらいいんだみたいな作り方とか。
とにかく自分と一緒に並走してくれる人が増えたみたいな状態で。
そんな中でいろんな疑問を常に話しながら画像生成をしてたんですね。
それが今年の春ぐらいで。
いろんな画像生成していく中で、つい最近作ったのがビニールの神様。
プラスチックの神様だったり。
着物をやってると全国各地に織りの神様だったり、絹の神様。
着物にまつわる神様みたいな。
そうですね、いろんな神様がいて。
金属の神様とかもいるんですよ、木材とか。
それは日本初期とか古事期から。
あるんだ。
あるんです。
だからこそ神様として祀られていて、その地域の産業なので収穫とか豊穣を願ってお祭りがあったりするんですけど。
今ってプラスチックすごいお世話になっているのに、ないよな、そういうのって思ったんですよ。
そうですね。あるときふとそれが浮かんだときとね。
それは洋参の神社にいたときにふと浮かんで。
でも豊穣とかないしみたいな。
まあまあそうですね。
そうですね。収穫もない。
地域性がない。
もちろんそうだけど、プラスチックは削減削減で、ちょっと悪い存在として扱われているけど。
それはもしかすると神様がいないからなのかな、みたいなことを考えて。
ありがたみがなかったり、使い捨てしていいとか。
あと素材自体が別に悪いわけじゃないじゃないですか。
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人の扱い方というか、相対し方はということで。
悪いだけなんで、やっぱりこれは神様がいた方がいいんじゃないか。
対プラスチックの関係性をもう一回問い直すという意味で。
なので、そういうのいた方がいいんじゃないかとAIにぶつけたところ、
あっちからそれはポリ様ですとか。
もうネーミングというか名前が向こうからやってきたんですね。
そうなんですよ。
最初に名前から来て、ポリ様は人類の存続を願っているんだけど、
それにはやっぱりプラスチックは削減すべきだと思っていると、神様として。
だけどプラスチックの神様なので、完全になくなっては自分も消滅してしまうという葛藤の中にいる神様です、みたいなことが聞かれてきて。
面白い。
すごい面白いじゃないですか。
神様も悩むんだ、みたいな葛藤してるとかっていうところも、
人間っぽいというか、全知天皇ではないみたいな、ちょっと欠陥性があるじゃないですけど、
それがすごく面白かったので、さらに突っ込んでいって、AIに。
ポリ様っていうコンセプトを2人で作り上げて、さらに画像生成もさせて、
ビニール袋でできた神様を具現化させる、とやって。
そこまでで結構、1週間もかかってないのかな?結構なスピードでそこまでいけて。
せっかくなんで、現実世界でも私は手で何か作れるんで作ってみようと思って、
夏にレジ袋をいっぱい集めて、家にたまったやつを集めて、歯衣を作って。
ほうのさせるっていう意味で作ったんですけど、それを空に飛ばしたんですよ。
空に飛ばしたんです?
新宿御苑に持って行って、こうやってふわっと。
どこに持って行って?
新宿御苑です。
新宿御苑に持って行って。
持って行って、空に浮かんでると綺麗かなと思って。神様っぽいっていうか。
で、こうやってふわっとやって、写真を撮ったんですよ。
そしたら結構いい感じだったんで、それをもとに、とあるコンペに出し。
次はポリ様、布教のために像が必要かなって思って。
ビニール袋で、つい最近ポリ様像っていうのを作ったという。
そっか、そういうことなんですね。
だから僕がこの間伺って見せていただいた作品っていうものは、それっていう。
そうですね。
ああ、そういうストーリーがあるんですね、あそこには。
なるほどね。
だからそう、あれ見せていただいた時に、下に石油の元となる化石とかそういうのがいろいろ置かれていてというか。
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で、その上にビニールでできたポリ様がいるっていうのは、そういうメッセージっていうことが。
もともとはそういうものだったっていうところから今神様が出ているけど、
今人にとってはちょっとよろしくないイメージを持っているけど、ポリ様としては思いがあるよみたいな。
すごくいろんなメッセージが含まれた作品だなって思ったんですけど、そういうことがあったんですね。
だからいくつかのキサブロさんの中でのひらめきとか出会いとか思いが一応無限化しているみたいな。
あれが作品とですよね。
そうですね。
着物アーティスト、キサブロとしての一つの作品みたいな感じ。
そういうことか、なるほどね。
実際着物を作る工程を使っているというか、ポリ様には使っていましたかね?
そうですね。ポリ様には着物を、ビニールを折っているんですけど、
普段生地のどうやって折るかみたいなのが出てきているから、
折れるんじゃないかって思ったことがないんですけど。
そうなんだ、はいはい。
なんか、やれるかなみたいな。
昔から先折りって言って、
先折り?
先折り。
先折り、はい。
削く、切り削く。
切り削くの削く、はいはい。先折り。
切り削く折りって書くんですけど、
それは生地があって、汚れたりとか、もうこの生地使わないなとかってなった時に、
全部テープ状に削くんです。
それをもう一回折り直すっていう折り物があって、
江戸時代ぐらいからあるみたいなんですけど、
その先折りって、ビニール袋で、ベージュ袋でやったみたいな感じです。
全部割いてもう一回折り直すっていう。
そっかそっかそっか。
だから結構手がかかってるというか、時間もかかってるというか。
そうですね、時間がすごいかかって。
折ってみたいなと思ったのは、
最初に作ったレジ袋の砲脳する時の羽衣っていうのは、
結構レジ袋感が強かったんですよ。
なんか、飛ばして綺麗に写真撮ったらいいんですけど、
結構なゴミっぽさがあったんですよね。
はいはいはい。
なんかゴミ袋だなみたいな、くちゃくちゃの。
でももうちょっと服っぽさが欲しいなって思って、
もう一回バラバラにして折り直したらどうなるかなと思って。
そっかそっか。
結構、アーティスト、アートとしてどうなるか分からないっていうところには行ってる。
それは何でもそうだと思うんですけど、
制作過程において、完成形はもちろんイメージはできてるけど、
変わっていくじゃないですか。
それはそれとして受け入れながら作り上げていくっていう。
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それをアーティストとしての作品もしたり、
普段は教えたりする仕事もしたりとか、
結構いろんな活動というか仕事をやってる感じですか?
そうですね。
衣装も作ります。
そっか、衣装もしますもんね。
そういうのが当然一個ずつ走ってるわけじゃなくて、
同時並行的に走りながらっていう感じで。
そうですね。
だから忙しい時期はバタバタといろいろやってたりとか、
落ち着く時もあったりとかそんな感じ。
そうですね。
へぇー。
そっか。
それ自体は着物に関わるようになってから、
今の自分っていうのは想像できてましたか?
あー、できて…。
いや、もうちょっと違いましたね。
なんかもっと…。
もうちょっと?
もっとファッション寄りの仕事をするかなって思ったんですよ。
おー、着物というものを使ったファッション。
ファッションというか、いわゆるファッション産業みたいな。
はいはいはい。
年にAWサマーがあって、
はいはいはい、シーズンごとの…。
シーズンがあって、そういう感じかなみたいな。
ってイメージしてたの?
うん。
でもどうやらそうじゃない?
そうじゃない。
なんででしょうね。
へぇー、なんなんでしょうね。
なんか、やった時はあったんですよ。
あー、そうなんだ。
浴衣作ったりとか、販売とかもあったんですけど、
結局、私のその、たくさんの人に着物を着てもらいたいと思いつつ、
着てもらう商品を作るんじゃなくって、
違う角度から、私自身が着物を捉え直したいし、
なんかその、着ながらっていうよりは思想を変えていきたいじゃないですけど、
思想は変えちゃダメだな。
なんか着物に対してのみんなの思いみたいなところなんですかね。
それが直接流通しているものに手をつけるというよりも、
キサブロさんなりの別のアプローチみたいな感じにいってるっていう。
いっちゃったっていう感じ。
いっちゃった。
でも、何か意図しているところもあるんじゃないですかね、それは。
あと、ご縁もあるじゃないですか。人との縁というか、
そういう人に出会うっていうのもあるんだろうから、
どうなるかわかんないですけど、今のところはそういう感じ。
そうですね。自分がやっぱり面白いと思うものしか作れない。
なんかわがままなんですけど。
はいはいはいはい。そっか。
そうなんです。ダメだなって思うところでもあるんですけど、
やっぱり面白くなきゃやってられないというか、
面白いことにどんどん行っちゃうんで。
そうなると面白い依頼が来るんじゃないですか。
それはそうですね。なんか面白いことやれそうとか。
やれそうとか、この人ならできるんじゃないかみたいな。
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やっぱりそれが、いわゆる着物としての、
僕は詳しく知らないですけど、こういうのが着物の仕事っていう、
型に入っている仕事は当然あるじゃないですか、いろいろな。
それをずっとやっていると、やっぱりその人はその人だから、
そっちのお仕事がいっぱい来るっていうのはよくわかるし。
例えば和洋をちょっと混ぜたようなのも、
人もいればそこに来るけど、
それでもないところにいる岸袋さんに、
この人だったらなんかできるんじゃないかなみたいな、
ちょっと変な仕事みたいな、面白い仕事みたいなのが来たりして、
岸袋さんもちょっとできるかわかんないけど、
まあやれんじゃね?みたいな。
そうですね。
なるほどね。面白い、そうか。
着てもらう商品を作るのではなくて、
着物というものを捉え直したいという思いを持っているというお話。
そして、面白いと思うものしか作れないという岸袋さんのお話は、
次回に続きます。