はい。
主人公の矢口八虎は、学校では高成績だが、タバコや酒もする不良優等生。
仲間とはつるむも味気ない毎日を送っていたが、ある日美術室で見た一枚の絵に惹かれ美術部に入部したことで、美術大学の受験を目指す。
美術大学受験予備校や入学試験での苦悩、美術を学んでいく姿を描いた青春群像劇というわけです。
作者の山口つばささん自身が東京芸大の卒業生なんですよ。
で、一応この人、ポッドキャストの吉田アナウンサーがやってるマンガのラジオっていう番組があるんですけど、そこに出演されてて、
そこでその山口つばささんの人となりっていうのがわかるんで、もし気になったことはそちらちょっとぜひ聞いてみてほしいなと思います。
というわけで、この作品がどれだけすごかったのか、感銘を受けたのかっていうのをネタバレありで喋っていきたいので、
もしもうこの時点で気になるよっていう方は一度ストップして漫画を読んでもらって、そこからここから聞いてもらえたらなと思います。
もう読んで間違いないっていうのは確実なわけね。
というわけで、アニメ第1話からもう俺衝撃受けちまったんだけど、主人公の矢口がタバコを美術室に置き忘れてしまったんよ。
やべっつって、それを取りに行くのよ、美術室に。そしたら天使が描かれた絵画があったんよ、でっかいキャンバスの。
で、その絵の迫力に釘付けになるんよ。で、これ誰が描いたの?なんでこんなに天使が緑がかってるのかっていうので、
もうまじまじと目を見開いて見入ってしまったんよ。
俺これ表現したの素晴らしいなと思って、目を奪われるような衝撃っていうのを表現したんよね、絵で。
この人が何かに捕らわれているリアリティ、その時が、その本人の時が止まってしまっているっていう表現ができるんだっていう。
いや、そこを表現したんだっていうのが、そういえば考えてみれば、俺これちょっと既視感あんなと思ったのが、
ハチミツとクローバーで、その主人公竹本がハグちゃんの絵を見て放信状態になった時。あの時と同じだわと思って。
そのアートっていうものに対して初めてびっくりさせられるっていうのをよくぞ表現したなと思って。
それはちょっと原作よりもアニメで見てほしいなと思った。
ああ、そうなんだ。
うん。この人が止まってるっていうのが表現するって、ただの静止状態とはちょっと違うんだよねっていう。
軽く時の部屋みたいな状態なんよね。それをよくぞ表現したなと思って。
こんな表現できるんだっていうのに、まあびっくりした俺。
で、そこから第2話。これまた衝撃だったんだけど、その美術室でデッサンを始めるんよ。入部して。
八虎は。
で、美術部員の人たちもおる中でデッサンを始めるわけ。ついでにこの八虎っていうのは初めてデッサンする。
というか、絵を描くっていう行為自体が初めてになるんだけど、そこから初めてデッサンする。
で、思うようにいかないわけですよ。当然だけど。
だからどうしようかなっていう中で、その主人公は、その八虎は周りを見渡すんよ。
そしたら先輩の森先輩っていう人がいるんだけど、その森先輩が口をポカーンとして目を見開いたまんま絵を描いてるんよ。
俺そこ描くと思ってさ、人がゾーンに入ってる瞬間を描写してるってなかなかないよねと思って。
俺ゾーンに描く人を漫画に落とし込んでる絵って、それ描けるんだと思って。
さっきも言ったように、漫画だから静止はしてるんだよ、当然。でもその静止とは全然違うんだよっていう。
わからんけど、想像だと弱虫ペダルの選手たちっていうのが、必死にペダル漕いでる様子を描くじゃん、スポーツ漫画だから。
の美術漫画版をやってるってこと?
んー、ではないんだけど、それの逆っていう感じかな。
逆?
ペダルがその躍動感だとするんだったら、その逆。
あー、静かな感じなんだ。
そうそうそう。だからそういった面では、その精神と時の部屋の方に行ってるっていう感じ。
で、そこを表現してるんだけど、まあ原作もいいけど、アニメでもやっちゃってるから、このアニメでも是非とも見てほしいなと思って。
この人がゾーンに入って、何も見えてるのか見えてないのかわかんないけど、絵に集中してる人の姿を見てほしいなと思って。
だって普通にさ、日中生活を送っててさ、人がゾーンに入ってる瞬間って見ないじゃん。
なかなか見ないわね。
なかなか見ないけど、それ見ちゃったっていう感じ。
その衝撃はね、すごいなと思って。だしそこを切り抜いたんだっていうのが、まあすごいなと思った俺。
本当に徹底して、その表現している人をちゃんと描こうっていうのが伝わった。
で、こっから俺大好きなシーンがあって、授業をさぼって美術室に行くんよ、やたらは。
すると、進学が決まった森先輩が荷物取りにやってくる。
っていうのも、美術室だからでっかい絵描いてるとさ、毎回毎回家に持ち帰るわけにもいかんからさ、そのまま美術室に他の人がしてんのよ。
でもまあ、あの受験も決まったし、進学も決まったから、自分の荷物を家に持ち帰るために戻りにやってきたっていう感じだね、森先輩。
そしたら、そこで八虎と森先輩は鉢合うんだけど、その時に森先輩が最後のお願いだっつって、お互いに絵を描いてそれをプレゼントごっこしようっていうことになるんよ。
で、そこでの会話なんだけど、森先輩が好きだったんだ、矢口くんの絵っつって、それに対して、八虎はドキッとする。
それで、私の絵なんかでごめんねっつって言うんだけど、でもそれに対して、八虎はすぐ制して、いや、俺、先輩いなかったら絵描いてないっすよ。
それくらい先輩の絵が好きなんですって言うのよ。
つまり、この森先輩に出会ってなかったらっていうのは、最初に見た天使の絵っていうのがこの森先輩が描いた絵なんよ。
で、それに対して森先輩が本当? 嬉しいなって言うのよ。
俺、これさらっと描いてるんだけど、作り手の創作意欲の原点を描いてるなと思ってて。
当然の話だけどさ、自分が描いた絵を見てくれてるって、それだけで嬉しいやん。
そこをすんなり描いてるのって、すごく健康的な世界だなって思ったんよね。
だし、それが一番健全な形だなと思って、それをこんな小さい話の中でさらっと描いてるのって素晴らしいなってちょっと思った。
で、そんなことがあって、森先輩は卒業するんだよ。
で、卒業するときに、その絵のプレゼントごっこをするときに、まだ描いてた途中だったのよ、八虎は。
で、描き切った絵を最後に森先輩にプレゼントするの。
で、その絵っていうのがどんな絵を描いてたかっていうと、初めて見たときの先輩の天使の絵。
その絵を描いて、先輩が絵を描いてて、それを天使が見守っている様子の絵を描いたんよ。
これすごく一瞬で過ぎ去ってしまうんだけど、この絵が何が俺すごかったかって、八虎は最初は全然絵が描けてない。
だから写実をメインに勉強してたんよ、ずっと。
で、写実をメインに描く練習をしてた八虎が、その先輩のことを思い浮かべて、その天使が森先輩を見守っているっていう、その想像力で描いたんよ。
八虎の中に初めて想像力で描くっていう成長が見えたんよ。
それが素晴らしいなと思って。
それを絵で、言葉で説明するんじゃなくて、その絵だけでそれを感じさせられるようなことをしてくれたんだと思って、いやーすげーなーってちょっと思ったんだよね。
いきなり演出でもあるんですよね。
そう。っていうことがあって、このアニメの2話が、これまだ2話の話ね。
さらに、俺これが決め手だなと思ったのが、母親に美大に行くっていうのを反対されてる中、絵をプレゼントするの。
森先輩にあげる絵とは全く違って、その絵っていうのが、お母さんを描いた絵なの。
で、それを渡して言うんよ。絵は言葉では伝わらないものが伝わると。
世の中にはその面白いものや考えがたくさんあるって気づける。
見る以上に知れて、描く以上に分かるんだよと。
熱いお湯で食器を洗うからお母さんの手がささくれてるとか、買い物の荷物が重いから意外と腕に筋肉がついてるとか。
食事はいつも肉と魚が1日置きだよとか、一番盛り付けの悪いおかずはいつもお母さんが食べてるなとか。
この人本当に家族のことしか考えてないんだっていうのを絵を描いてなかったら、こんなことにも気づけなかったんだよって。
もう号泣ですよ。
そうだよなと思ってさ、何かを表現しようと思うとさ、どうやったらみんなに伝わるんだろうかっていうのを考えるわけやん。
考えるにあたって参考にするものとか物とかあって、それについて深く見つめると思うんよね。
この話で言うとお母さんの手っていうところがあったりするんだけど、するとそれについて深く理解していくんだよね。
それってさ、別に社会だったり物だったり、他人のことを理解していくことだと思うんよ。
だから俺は美術を学ぶこととか表現することってやった方がいいなって改めてちょっと思ったよね。この話を、このエピソードを見た時に。
それを分かりやすく、そして何より泣ける演出として見せてくれたこのアニメ2話、神変えだなと思った。
えーぐいことしよるなと思って。
これでも2話でそこまで行くんだね。
制作のさ、言ってみれば基本事項じゃんね。
物事を解像度高く見直すというか、見つめ直して自分で考えてっていうところをしっかりやってるんだよっていうのをさ。
それは主人公画っていうのもそうだろうけれど、そういう世界なんだよっていう。
そういう、絵描きになるっていうことは、そういうことをやっていくっていうことなんだよっていうのを感動できるストーリーと共に伝えてるってなんかいいなって思うね。
だからよくぞこんなにも詰め込んだなっていうのはびっくらこいた。
で、ちょっと曲がりなりにも、うちらは作ってるか作ってない側かどっちかかで言うと作り手側なんだけど。
だから強化するポイントがちょっとあまりにも深すぎるっていうのがちょっとあったりするんだよね。
そういう表現についての話とかになってくるという。
で、その中でのあるあるなんだけど、これ読んでてあるあるだなと思うところがあって、好きなことで生きるとは何ぞやっていうところなんだけど、
八虎が考えが浅くて技術も追いつかなくて、絵を描くことがいかに難しいことなのかっていうことに対してへこんでるときに、
両親は楽しそうにお絵かきしてるんだなっていうふうに思っているのよ。
でも八虎としてはへこんでる。
好きなことをやるって、いつでも楽しいって意味じゃないっていうのがある。
この世間とのギャップっていうのかな。
すごくわかりやすく言うと、YouTuberって何かいつも楽しそうにやってるなみたいな。
いや、そんなことはないよと。っていうのがあるかもしれんけど、それに近いような気がしてて。
好きなことで生きていくって本当にできるのかどうなんかっていうのが人によるんだろうけど、
俺個人としてはそうでもないなっていうような気がしてて。
すごく例えるのであれば、彼氏彼女のことをずっと好きでいられる?っていう。
例えば別に家族でもいいのよ。お子さんでもいいよ。ペットでもいいよ。
うざってーって言うときだってあるわけじゃん。
たとえ好きでも。
あー、24時間、常にってことね。
たとえ好きでも、嫌いだっていう瞬間だって当然あるわけよね。
あくまでも好きって瞬発力とかその一瞬のようなものだと思うから、
だからその鮮度を保って好きでい続けることっていうのは大変なんだよっていうのが、
なんか形として見えたなっていうふうに改めてちょっと形としてわかったなっていうのがわかったんだよね。
だからすごくさらにわかりやすく言うと、
例えば抹茶が好きだとしたらずっと抹茶食べ続けてられる?っていう。
それは正しいの?わからんけど。
そういうこと?
うん。ちょっと違うかも。
飽きが出るからちょっと違うかもしれんけど、でもざっくり言うと。
好きなことだったとしても、
それが楽なことではないっていう話なのかなと思っていて、
うん、まあ楽。
別に好きなことをやっててずっと楽しいかって言われると、
もちろん嫌なことやるよりは楽しいかもしれないけれど、
ずうーーっと楽しいかっていうわけではないと。
別に辛いこともあるし、
努力しなくちゃいけないことも当然あるし、
だったら好きだからこそ、
より努力しなきゃいけなかったりもするしね。
だからそういう、
あなた好きなことやってるから毎日楽しくていいわねっていう、
そんな気楽なもんではないよっていう話よね。
うん。っていうのはちょっと、
あーすごく共感できるなーってちょっと思った。
で、さらにあるあるがあったんだけど、
森先輩とお絵かきのプレゼントごっこしてるときの会話で、
さらに話してたのが、
森先輩が天使とか描いてることに対して、
なんで描いてるのかっていうのを尋ねたんよ。
そしたら森先輩が、
私はね、祈りを込めて描いてるんだよと。
絵の起源っていうのは諸説あるけど、
その一つが祈りだよと。
だから私は自分の描いた絵を持つ人が、
いい方向へ行ってくれるよう祈りを込めて描いてるって言ってて、
あーわかるなーと思ってさ、
納品した後にさ、
納品した後ってもう自分の手から離れるよね。
だからその後はもう視聴者に届けっていう感じになるよね。
その届けっていう感情が、
視聴者にとって何かプラスになるものだったらいいなっていう、
ある意味願いを込めて届けっていう感情なんだよね。
それが確かに祈りと似てるなっていう感じがするんよね。
それはなんかすごくわかるなーと思ったんだよね。
作ってる最中とかクライアントにとも確認しながら、
関わってる人たちとも確認しながらやってる最中って、
めちゃくちゃ試行錯誤するけど、
正直それで出来上がったらもう他人事なのよね。
気分的には。
そこで割とすっぱりした気持ちにはなるんだけど、
もうそこから先はもう視聴者のもんだから、
あとは自分たちが作った思いだったりとかっていうのが、
視聴者にも届いてほしいなとかになってくるよね。
もうその辺に関しては本当に祈りだよね、
願いだよねっていう感じなんよね。
っていうのはわかりみふかしだったね。
っていうのは常々思うなと思う。
完パケするものに関しては。
っていうのをよくエピソードにしてくれたなと思った。
この後、
ちょっとめちゃくちゃ具体的な話だったから、
面白いなと思って。
でもそうじゃない?
普通に仕事しててもそうじゃない?
一つ仕事して納品したものに関しては、
もうあとは他の人たちがどう使ってもらうか、
もうその人たちに託すっていう感じじゃない?
そうね。
俺はウェブ屋だからさ、
ウェブサイトをキャンペーン打つとかやってさ、
企画立てて、
企画立てるのは俺じゃなかったりもするけど、
企画もらって、
じゃあこういう風にやりましょうかみたいな提案して、
ページ作って出すわけよ。
で、出した後にテレビで言う視聴率みたいな感じでさ、
どれくらい人が来たかとかが見えるように仕込んでおくのね。
で、人がそれでちゃんと来てれば嬉しいし、
思ったように来なかったりすると、
なんかちょっといけなかったのかなとか思ったりするのよ。
で、それはアートの世界とはまた違うかもしれないけど、
やっぱり自分が思い描いていたようなところに対して、
お客さん、クライアントもそうだし、
見てる人たち、最後に見る人たちっていうのかな。
もう思ったような反応がしてくれたら嬉しいし、
何だったら思った以上に、
自分が考えてたこと以上のところまで考えてくれたりしたら、
めちゃくちゃ嬉しいな。
なんかそういうの、ツイッターとかでさ、
つぶやかれてたりするからの絵を刺したりするんだけどさ、
キャンペーン名とかでね。
で、そうするとやっぱ反応があると嬉しかったりするから、
だからそういうところの気持ちはわかるなっていう感じ。
その祈り、祈るところもなんか理解できるなっていう気がする。
そういうところまで、
言うてこれはまだ高校生の時の話なんよ。
八虎が高校生の時のエピソードとして盛り込んでて、
で、それが何だったら思う。
ある意味のアーティストが表現することの意味っていう、
何を喜びとして感じているのかみたいなのを表現してるのを、
いやもうこの早い段階で描いてるのすげえなとかちょっと思ったんだよね。
何も失わないし、何も得られないと。
大学でしかできないこと、できない経験は必ずあると。
その音楽家しかわからないことも、
その寿司屋でしかできないことも、
そのロシア人しか知れないこともあるように、
大事なのはそこで何を感じて、何をやるのかってことじゃないのかなと。
それは全ては自分のためにと言ってて、
俺これ25の時に気づいたんだよなと思って。
くっそーと思って。
っていうのも、何のために俺は学校行ってたんだろうと。
っていうのをもっと深く考えたら良かったなと。
そしたら、大学校でしかできなかったことを
もっと考えられたなって思ったんだよね。
だからノーノーと言ったら、ノーノーと生きてたなと思って。
学校生活、それをもっと言ったら、
もっと有意義に過ごせたんじゃないかなと思ったんだよね。
で、これと似たような話があって、
東京都の美術館に行くことになったんよ。
大学生全員で。
最初興味なかったんよ、その八虎は。
でもそんな中、ボランティアの案内で、
当時の江戸文化を学ぶんよ。
歌舞伎っていうのが、もともとダンスがメインの舞台だったのが、
エッチ寄りだったんよ。
だから幕府の命令で、
成人男性だけでやる、やろう歌舞伎になったんよ。
1枚目が主役で、2枚目が色男。
3枚目がお調子者っていうように、
2枚目俳優っていうのが歌舞伎陽子だったんだよとか、
歌舞伎役者っていうのは、その当時はファッションリーダーだった。
今では高尚な伝統芸能のイメージがあるかもしれんけど、
当時としては庶民のエンターテインメントだったんだよっていうのを、
知ることになる。
だからさ、これ自分に置き換えた時にさ、
修学旅行とか、課外学習とか、
社会科見学に興味なかったんだけど、
興味持っていけばよかったなってちょっと思ったんだよね。
興味があればさ、
面白いとか感動とかを発見できるからさ、
それを見逃してたんだなと思うと、
後悔がすごいんだよね。
っていうことはだよ、
興味を持たせようと、
努力することも教育の一つだったんじゃないかなと思う。
いうならば、教育陣に対しての投げかけよ。
何のために修学旅行へ行くのと、
それをどう子供たちに感じてほしいのかっていうのを、
今一度私は問いたいです。
っていうところで、
美術教養について、
ここから私ちょっと思うことが、
この漫画を読んだ上でちょっと感じたことがあるんだけど、
第1話のナレーション、
一番最初の冒頭で、
俺はピカソの絵の良さがわからないから、
それが一番すごいとされる、
その美術のことは理解できない。
よくわからない。
俺でも描きそうじゃないって。
俺これ最初の冒頭としては、
ぶちかましてるなと思ってて。
だってそう思って当然だよねっていう。
でも、じゃあ何で最初にそれをナレーションで入れたかっていうところを考えてみると、
その感覚の正体を暴いてやろうっていう意気込みと、
その上でアートの本質を見ていこうっていう、
その挑戦が伺えるなと思った。
みんなが共感できるようなポイントを、
じゃあ追求していこうじゃねえかっていう。
その上でピカソってよくわかんないっていうの先についてなんだけど、
じゃあみなさん想像してみてください。
俺は思うんで。
俺も正直思ったよ。
ピカソ見たとき。
これ子供の絵じゃんって思ったけど、
じゃあ実際描いているのを自分で想像してみてと。
その上でこのピカソの絵描ける?みんな。
どうしてピカソは本でもって、
いい大人が、子供っぽい絵をいい大人のピカソがその絵を描いたと思う。
その芸術にとって大事なこととか、
その美術教育にとって大事なことは、
その先のことを考えることっていうのが大事なんじゃないの?
っていうふうに思ったよね。
だからよくある美術の授業で、
私の好きな風景を描いてもらいますみたいな授業あるやん。
でもこの…
私の風景?
自分の好きな風景を描いてきてくださいみたいな。
この課題の本当の真意っていうところはさ、
何かっていうと、
このブルーピリオードでも言ってるんだけど、
その世間的な価値じゃなくて、
君にとって価値のあるものが知りたいんですと。
谷口さん、八虎のことね。
八虎がみんなに言いたい景色を教えてくださいっていうこと。
その答えを見出すことが課題なの。
だからそもそもお絵かきだっていうふうに思ってる人には、
そんなのわかりっこないよね。
この真意っていうところが。
だからその課題を出す側も、
どうしたらその生徒さんが考えてもらえるかっていうところを、
もっと考えなきゃダメだなっていうふうに思ったんや。
山口、山口じゃない。
山田五郎さん。
博識なタレントさんって言っていいのかな。
YouTubeチャンネル、山口五郎さんのチャンネルで、
オリエントラジオのあっちゃんとコラボしてた回で、
ブルーピリオードについて話してる回があるんですよ。
山田五郎さんかな。
山田五郎さん。
高校までの美術教養って、
絵描いたり物作ったり、
何か作ることばかりで、
その実技だけなんよ。
美術史の教育がなってないよと。
つまりは見る行為が少ないって言う。
その見る力をもっと与えると、
もっと面白さがわかるのにって言う。
だからその上で描きたいやつだけ描けばいいのになって、
いうことをおっしゃってる。
で、俺も分かるなと思ったのが、
俺大学に会ってやっと、
いろんな作品を見たなと思って。
いろんな作品を見たし、
それがどういった背景のもとを作られたのかとか、
その作者が何を表現したかったのかっていうのを、
そこで知ったんよね。
で、その上でアートについて考えるきっかけにもなったし、
アートがそんなに難しいものじゃなくて楽しいものなんだなっていうのにも気づけたんよね。
これとちょっと似たような話があるなって思ってて、
吉本社長さんがノンスタイルの石田に、
吉本の養成所NSCをどうにかしてほしいと頼み込んだらしいんよ。
それに対して石田は思ってたことがあってそれを言ったんよ。
お笑いを教えてないですよねと。
名のこっちゃと思うんだけど、
NSC、養成所は作ってきたネタを見て採点することばかりしてて、
どうしてお笑いが起きるのかっていうメカニズム、
その論立てた抗議をしていないですよねと。
だからまずはお笑いの勉強を教えてあげないといけないですよと。
それに対して社長はなるほどと。
っていうことがあって、
お笑いってどういう風になってんのかっていう勉強と、
その実際の実践、採点をしたりだとか、
っていうので、あれを描いた、そういう可能性、
その絵画の可能性を探って、
そういう手法を確立させたって、
すごいことだなって思っていて。
それはピカソに限らず、いろんな、
画法がわかりやすいと思うんだけど、
点描画法だったり、
それまでの常識を覆すような、
別にこういうやり方ってあるよねっていうのを、
歴史のポイントポイントで出していってると思うのよ。
それは現代でもそうだと思っていて、
今はこれが常識とみんな思ってるかもしれないけれど、
別にこういうものあってもいいんじゃないっていうのを、
各アーティストが出してきたときに、
実際に出てきたものを見て、
確かにこういう捉え方あったわって納得できるものもあるわけよね。
それって、それまでになかった価値観を生み出してるというか、
そのアーティストがこういうものっていうのを出したことで、
この世には存在しなかったものの見方っていうのが、
新しく増えてると思うのよ。
そこがアートの面白さの一つだと思っていて。
だから、ピカソの絵が出た後に、
ピカソみたいな絵で俺だったら描けるよっていうのは、
あんまり意味がなくて、
これに似せたものを作ってくださいっていうのは、
ちょっとアート的な行為ではないんじゃないかなって思うのよ。
アウトプットが欲しいっていう話、
結果が似たものが欲しいっていう話だから。
じゃなくて、それまでの常識とかを思ってたものが、
別にそれって常識じゃないよね、
こういう可能性もあるよねっていうのを、
いろいろ提示してくれるのが、
なんか面白いなって思っている感じっていうのかな。
別に全く違うことじゃなくてもいいんだけどね。
これとこれって今まで別々のものだと思ってたけど、
組み合わせられるよね、みたいなのでも全然いいと思うんだけど。
今までやってこなかったこととか、
やってこれてたけどバランスが良くなかったものを、
めっちゃバランス良くできたとか、
そういう新しい、その時代時代の価値を前に進めているものっていうのに、
面白さだったり、その作品が何億で売れましたみたいなのって、
そういう部分にみんなの評価がされているから、
アート界の評価がされているから、
価値がついていってるっていうことだと思うのよ。
だから、そういう意味で歴史の流れ、
その時代までは写実的な絵を描くこと自体が絵画の価値とされていたんだけれど、
写真の登場によって写真の方が断然上手い絵を描くというか、
見たまんま出力できるから、
その絵画の価値ってどうしようってなっちゃったところで模索をしてたから、
こういう手法が生まれましたとか、聞いた方が多分、
そうかってなると思うんだよね。
っていうところを知っておくとより面白いし、
逆にそういう部分を知らずに作品を見てたらちょっともったいないから、
合わせて知っておくとより作品の理解度が増して、
そういう思いで描いてたんだなとかっていうところまで
想像しながら見ると楽しいんじゃないかなって思うかな。
そういった面白いというものがたくさん増えれば増えるほど、
今度は自分が作るっていうことになった時の場合に、
さらに自分にとっての表現の幅が増えるっていう方向にもベクトリー行ったりするから、
っていうことを考えると、
共有予定そこまでしない。
共有予定いうのがあるんだとしたら、
そこまで広げるべきなんじゃないかなとか思ったんだよね。
山手五郎さんの話を聞いてて。
本当はそうなんですね。
っていうのはちょっと感じたいよね。
っていうところまでもしかしたら、
作者の山口さんも考えていたのかわからないけど、
でもこの中で山口さんもすごくトライしてるなっていう、
挑戦してるなと思ったのが、
美術専攻の人だからピーク時の物語の、
ピーク時の絵が絵画としても成立するくらい美しい一枚で描くんよ。
それがアート寄りの一枚だったりするのよ。
どっちかっていうと。
だからワンピースみたいな一枚より、
どちらかというとアート寄りの方なんだよ。
ポップさっていうよりは、
もうちょっと描き込みがあるっていう感じなのかな。
描き込みではないかな。
どちらかというと創作的な感じかな。
だったりするんだけど、
大衆娯楽の漫画っていうのと、
交渉的なアートっていうのをどう融合させるかっていうところを、
すごく表現してる感じがしてて、
常に挑戦誌っていうのを燃やしながら描いてるっていうのが、
すごく見てていいなって思うんだよね。
だから一見その絵だけ見てみるとわからないんだけど、
その物語の中で見ていくと、
すごく深みのある絵になってんだよね。
その一枚絵が。
っていうのはやっぱりぜひとも、
アニメではなく漫画、
それも紙で読んでもらった方が、
さらに面白さが増すんだよね。
っていうのはぜひとも、
漫画を読んでの体験をしてほしいなっていうのを感じた。
っていうところで、
俺も一応最終話まで読んでみて、
思ったのが、
高校の先生が言ってたことで、
作った本人が好きで楽しんで、
情熱を込めて作ったものってね、
それを見た人も楽しくなっちゃうものなんですよ。
これってアートの不思議だなって思ってて、
なんでだろうねっていう。
本人も楽しいって思ったものが、
なんで見てる人も楽しいと思えるのかって不思議じゃない?
でもそうなんだよな。
だからアートって、
もしかしたら自分を見つめる行為だし、
大事なものが詰まってて、
手数学もあったりするから、
不思議なもんだけど、
アートって面白いなって思ったんだよね。
ということで、この後になってくるんだけど、
ヤトロが2年生になって進学すると、
新しい教授、イヌカイさんという方が登場してくる。
このイヌカイ先生の作品は、
主に絵画とインスタレーション担当なんです。
インスタレーションっていうのは、
空間全体を作品として体験させる芸術のことなんだけど、
インスタレーションっていうのは、
空間全体を作品として体験させる芸術のことなんだけど、
ここに居たかと思って。
俺は正直、大学生活でこれでちょっと考え方が変わったんよね。
考え方っていうものについてを知ったんだよね。
インスタレーションの授業を一緒に受けたけどさ、
それこそ頭ぶん殴られるみたいなさ、
これどういうことだっていうのを、
自分で咀嚼しないと前に進めないみたいな感覚はあったよね。
何かって言ったら、
物の本質を知る行為だなっていうふうに、
俺はすごく感じてて、
それってもう全部じゃんっていう。
っていう世界があるんだなっていうのを感じた時に、
いろんなものが楽しく見えたんだよねっていうところがあって、
そこにこれから踏み込むんだろうなっていうことを思うと、
このブルーピリオド、今後が楽しみだなっていうふうに思いました。
いい引きだね。なるほど。
もうこっから楽しみでしょうがない、俺は個人的に。
このインスタレーションがどれだけすごいのかっていうのは、
ちょっとみんなとリア帯で行っていきたいので、
ちょっとこの辺でストップします。
といった感じです。いかがでしたでしょうか。
いいね。読みたくなった。
やっぱいいよねと思って。
こんなにも、でもすごくわかりやすく、
あくまでも表現者の立場で、
それをかつ、表現者じゃない人たちにもわかりやすいように伝えてくれてるっていうのが、
何よりもこの漫画の素敵なところだなっていうふうに思うので、
もっと皆さんにとってアートっていうものが身近に感じられる、
ピカソっていうものが身近に感じられるものだなっていうふうに思うので、
ぜひともたくさんの人に手に取ってもらいたい作品だなと思いました。
というところで、今回の【ピカソのスゴさが分かりたいから
漫画「ブルーピリオド」を読んでみた】でした。
ここで、我々ピカピカFMから大事なお知らせがございます。
我々ピカピカFMはですね、本日をもって休憩に入らせていただけたらと思います。
というのもですね、相方のカズキが子供が生まれまして、
子供が生まれると子育てが大変になります。
子育てでさすがにちょっと忙しくなると、
ちょっとピカピカの収録をするのもっと厳しくなると思うんで、
それだったらここは一時、ピカピカFMの配信をお休みしようというふうに決めました。
おーしろとカズキのまずそもそもの大前提として、
ピカピカFMをやるにあたって絶対無理なことはしないと。
わざわざしんどい思いをしてまではやりたくないというのがあるよね。