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  2. v141-2 SHIP代表・牧野圭太さ..
2025-02-17 22:41

v141-2 SHIP代表・牧野圭太さんに聞く「降りていく方が最先端」

前回に引き続き、SHIBUYA IWAI PARK ・SHIP代表、牧野圭太さんにお話を伺います。
今回はまず、「広告とはなにか?」という問いを出発点に、お話しを伺います。
SHIP:https://shibuya-iwai-park.com/
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ゆいなわさんの聞く人ラジオ。
みなさんこんにちは、ゆいなわさんの聞く人ラジオのお時間です。
前回に引き続き、渋谷いわいパークSHIP代表・牧野圭太さんにお話を伺います。
今回はまず、「広告とは何か?」という問いを出発点にお話を伺います。
広告って何ですか?という問いだったら、きっともういっぱいあるんでしょうけど、何でしょうね。
そうですね。何なんですかね。
広告って意外と文字通り、広く告げるというものじゃないですか。
本当は、良いもので世の中に広まったら社会が良くなるんだけれども、
それがまだ全然伝わっていないものとか、
そういったものを広げるための行為とか活動なんだと思うんですよね。
今どちらかというと、広告というのはデジタルを駆使して、
できるだけ効率的にいろんな人にとにかくアテンションを届けて、
別に本当は必要ないんだけど、無理して売るみたいな、
そういうことになってしまっているというか。
山口周さんという方が本にも書かれていましたけど、
資本主義の延命装置って言ってたりしますよね。
なるほど。
資本主義というか、このマーケットの。
本当はもう必要ない。
別に本当に良いものだったら、大した広告なんかしなくたって、
口コミで広がったりとか、別にそうでもないものだから、
あえて広告にお金を突っ込んで、ちょっと売上が伸ばしてみたいな。
本当は必要ないものを売るための延命装置みたいな言われ方もしていて、
それも本当はそうだなと思うんですよね。
そっか。
きっと生まれた頃とか、広告、例えば何十年も前って、
本当にそういうものだったはずなんですよね。
良いものをより知らせてみんなに届くみたいな。
どっかの時代からそれは変容していきながら、
もちろん良いものもあると思うんですけど。
でもこれ、広告自体の性質が変わったとかっていうよりは、
単純にそんなにものが必要なくなっちゃったんだと思うんですよ。
ああ、そっち側の話。
バブル後とか、30年前、40年前とか、
家にまだ冷蔵庫ありませんみたいな。
それは冷蔵庫あったらいいよねみたいな。
ただ、今はもう基本的にはそのものが行き渡っていて。
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正直、そんなにこれ以上のものって必要ない社会になっているのに、
それでも2年経って新製品ができて、
こっち買い替えた方がいいですよって。
別に前のものでは本当は使えるだろうみたいな。
単純に、みんな昔は無限の経済成長みたいなものを目指したりとか、
常に会社というのは成長するものであるっていう、
理想というか幻想を持ってやってきたけれども、
実際に人間の必要なものっていうのも限界があって、
欲望にも多分限界があって、
どこかでそれが頭打ちしているのに、
それでもまだまだそれをやり続けているっていうのが、
正直今の、これ広告に限らず今の社会全体はそうなんじゃないかなと思っていて。
僕は割と無限の経済成長っていうのは幻想だっていうのをめちゃくちゃ思ってるんですけど、
そんなわけなくない?というシンプルに考えて。
だってこれ以上欲しいものなんてそんなに思いつかないでしょ?
そうなった時に、でも社会を成り立たせるためにどうあるべきなのかとか、
そういうことをもっと議論しなくちゃいけないかなと思っています。
今のお話を聞いていると、
それがやっぱりこのシップにもつながってくるのかなみたいなので、
ちょっと思っちゃいますね、何か。
そうですね。
シップの何か。
牧野さん駆動している何かっていうのは、
広告の時の思いがあって、そして今シップっていうものがあって。
そうですね。でも大きく言うと、やっぱり東京一極集中の、
みんなで一旗揚げようみたいなビジネス感ではなくて、
もっとローカルで、
もう少しのんびり、もう少し豊かに働いたりとか、
生きる道があるんじゃないかっていうのは、
大きな自分の人生を今使いながら検証しているというか、
みたいなことかなとは思っていて。
そうなんですよね。
このシップでいろんな仕事を生み出して、
できるだけ東京で本当はそういう生き方が合っている人とか、
絶対もっといるので、そういう人たちがこっちに来て、
もっと一緒に働いたりしながら、
新しい東京を中心の資本市場主義ではなく、
もっと違う、それぞれに対するオルタナティブな生き方、
働き方みたいなのを実現できるのではないかと。
そういう思いはめちゃくちゃあるんですよね。
そういう思いってずっとありました?
できてきたというか。
そうですね。
もともと傾向としては、そういうことが好きだったんだと思うんですけど、
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でもやっぱり20代の時とかはそんな思考全然なくて、
俺も東京で広告業界で一肌あげればっていう、
僕よく言ってるんですけど、資本主義が上っていく思想。
最近すごくよく比喩で例えてるんですけど、
みんな東京に行って、まず東京に行くって上るって言うじゃないですか。
都会に行って上っていくっていうことだとか、
資本主義も基本的には上っている思想で、
タワーマンションとかも象徴の一つかもしれないし、
役職を上っていくとか。
だから資本主義とかで頑張るって上る行為だと思うんですけど、
そうじゃなくて、やっぱり最近は降りるっていう、
降りていく行為みたいなことをもっと注目したいなと思って。
これすごい雑なメタファーなんですけど、
上るって山の構造じゃないですか、基本的には。
山って上っていったらみんな同じところにたどり着くじゃないですか。
頂上を目指すっていう。
実は同じ方向に集約している。
これ結構資本主義ってそうだなと思って。
結局同じようなビルが立ち並んでいって、
同じようなものが生まれていくみたいなのって、
上っていく思想って実は収束していく構造だと。
それに加えて降りる行為って、
方向で言うともう無限に損なそうじゃないですか。
バラバラに行きますよね。
バラバラに行って、
そっちの方が固有的で多様な社会とか生き方が、
本当は降りる方向に存在しているはずだと。
これは本当にメタファーなんですけど。
メタファーなんですけど、すごいしっくりきてて。
それぞれが別に一回東京を登ってみて、
頑張ってみるみたいなのもすごくいいと思うんですけど、
そこから下っていった時に、
本当は自分の生き方とか、
そういうものを見つけられるのではないか、
みたいなふうに思っていて。
その一つの場所として、
このSHIPだったりとか、
南暴走とか岩井とかで、
そういう世界観が作れたらいいなと思っているという。
割と自分のモチベーションは、
アンチ資本市場主義みたいな。
そういうものと抗っていくにはどうしたらいいかな。
もちろんお金を稼がないと、
なかなか生きていくのも難しいので、
ある程度は必要だと思うんですけど。
いまだに日本全部では人口がめちゃくちゃ減っているのに、
東京はちょっと増えていたりとか。
そうですよね。
例えば田舎に来ると、
僕はこっちの方が可能性を感じるんですよ。
例えばこの学校とかだって、
僕が借りるなんて絶対ありえないと思うんですよ。
でも5年間ぐらい放置されていて、
誰も使っていなかったから、
たまたま僕が借りているんですけど、
こんな資産が使えるんだっていうのが。
あと空き家とかもいっぱいあるじゃないですか。
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たまに普通にいろいろ不動産とか見てても、
1軒屋300万とか売ってるじゃないですか。
ありますね。
東京で1軒屋だったら3,000万じゃ済まないし、
たまにあるマンションとかも500万とかで売ってて、
それも東京だったら絶対ゼロもう一個増えて、
5,000万とかになってて。
東京でそんな高い家賃とか、
場所にお金を使うぐらいだったら、
全然こっちに来て、そこのコスト下げて、
その分仕事で稼がなくちゃいけない分、
お金ももちろん下がって、
もう少しそういう生き方を肯定できる社会になったらいいなと。
今それって負け組みみたいに見えるというか、
本当は全然そんなことないのに、
降りたら負けだというか。
僕は最近、降りていく方がむしろ最先端だと思ってて。
個人的には自分で思おうとしているのかもしれないですけど。
何が最先端かというと、
人間としての豊かさという指標において先を行っているというか、
分かりやすいお金を稼ぐとか、有名になるとか、
そういうのって実は別にそれをやったところで
そんなに豊かにならないというか、人間として。
人間としての生き方とかで豊かさを求めるという意味では、
降りていく思想の方が、僕は先を行っていると思っているので。
そういうのをもっと啓発してきている。
面白い、すごい。
そういうことは今、尚負けのさん的には最先端をやっている状態ですよね?
自分の考えとか自分のできることでいうと、
そういう道を歩んでいるなと。
そういう意味で不安がないというか、
迷いみたいなものが全然ないんですよ。
もちろん事業的にうまくいくかとか、
そういう心配はありつつも、
全然自分は割と正しく、正しい道を歩んでいるなという気持ちではいたり。
心は充実している感じに?
そうですね。めちゃくちゃしてますね。
素晴らしい。
大きな会社に行った時よりも、その後会社を辞めて、
自分たちで会社を東京でどうしようという時よりも、
今の方が自分の人生的にはすごく正しく迷うことが少ない。
でもこれをちゃんとやりきったりしなくちゃなとか、
やっぱり日本の社会自体を少しでもよくできたなと思うので、
自分たちがやることを通して、社会にインパクトを作るとか、
そういうことにはまだまだチャレンジしたいなと。
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そっか。なるほど。
してます。
めっちゃ面白いですね。
そっか、すごい。
日々やっている行動、当然具体的にあるわけですから、やりながら。
それとして大きなところで構想を持ちながら。
そうですね。
無限の経済成長という幻想から離れ、
東京中心の資本主義的な価値観ではない、
オルタナティブな生き方、働き方を模索する中で生まれた、
降りるという思想。
資本主義的な上る行為ではなく、
多様な方向に向かう降りる選択こそが、
これからの時代における豊かさや可能性を切り開く最先端である、
と牧野さんは語ります。
牧野さん、好きなことは何ですか?
そうですよね。
割と僕は好きなことと仕事が結びついちゃうタイプだったりするので、
今このSHIPでやっていることは仕事なんですけど、
本当に好きなことだなと思っているんですけど、
この1年で、さっき言っていたことにもつながるんですけど、
物理的に何かを作るということをもっとやっていきたいなと思っていて。
これは半分仕事でもあるんですけど、
この1年であそこのヤギ小屋とかもDIYで自分たちで作ったりしていて、
1年前よりは全く作れなかったものが、
この1年結構いろんな人の話を聞いたりとか、
大工さんと一緒にやったりとかで、
あれとか全然ダメなんですけど、
でもああいうのとかも自分たちで作れるんだということが分かったりとか、
家具を作り始めたりとか、
それは正直この場所で使うものなので、
仕事っちゃ仕事なんですけど、
本当だったら自分で作る必要は多分ないじゃないですか。
誰かに頼んで作ってもらうものできるっちゃできる。
お金を動かすのもあるんですけど、
でもやっぱり自分たちで手を動かして物を作るみたいな。
物作りっていうと、割とデジタルってプログラミングで何か作るとかも、
物作りっちゃ物作りだと思うし、
僕も実はもともと理系なので、
そういうことの楽しさも分かるんですけど、
物理、人間が触れるとか、そこにいられるとかっていう、
物理的なものを作るっていうのが、
実は人間の豊かさにすごく影響があるんじゃないかと思ってて、
これは最近僕が思ってるのは、
基本的には仕事って結果だって言うじゃないですか。
みんな結果結果言い過ぎだなと思ってて、
ビジネス上とか社会的なとか会社的には結果って大事なんですけど、
個人で見たら、プロセスこそがその人間の一つの結果じゃないですか。
常に結果を得まくってる。
そういう時に、何かやってる途中で得られる人間の豊かさってめちゃくちゃ多分あって、
それがデジタルでパソコンと向き合ったりとか、
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スマホで何かやってる時よりも、
物理的に何かを生み出す方が、
その人間のプロセスから得られる達成感とか、
ウェルビングとか、なんか桁違いだなと思ってて。
これは最近僕が大好きな、宇野恒博さんという評価を出した、
庭の話っていうのにも同じようなことがあります。
読みました?
読んでないですけど、見ました。
最初にものすごいざっくり言うと、いろんな話があるんですけど、
人間は政策に回帰するべきだっていう、作るっていう。
それが庭っていうのがメタフォーなんですよね。
庭でいろんな、庭だといろんなものづくりしたりとか、
例えば花壇を作るとか、花壇を育てるとか、
それは半分自分でやるけど、半分は自分で支配できないというか、
世界の営みとしてやって。
そういうものをやることが、世界とつながる行為であると。
今の社会はSNSとかで、デジタル上で、
誰かからの承認を得ることで世界とつながろうとするけど、
これって実はめちゃくちゃ不毛な行為であると。
そっかそっかそっか。
結局他者の評価はコントロールできないし、
こんなSNS社会もぐちゃぐちゃだし、
そこで何かを求めても最終的に幸せになかなかなれない中で、
世界とつながる行為として、その庭という場所で何ができるかみたいな。
僕は物理的に何かものを生み出すって、
それは世界を変える行為じゃないですか。
机を一つ作るのも、でも作ったら間違いなくその世界は変わっていって、
それを通して実は自分は世界に存在しているのであるっていう感覚を得てるんじゃないかと思ってて。
実際それはすごい自分のこの1年の活動の中でも実感をしてるんですよ。
新聞で言うと草を刈るとかだけでも、世界とつながってるというか。
そういうことをすごく大事にしたいなと思ってて。
最近好きなことで言うと、DIYでいろんなものをこの先作っていきたいなとか、
そういうものの中で一番分かりやすいのは料理だと思ってて。
自分で世界にある食材を集めてきて料理して食べるっていう、
めちゃくちゃ世界とつながるクリエーションだなと思ってて。
昔からそういう料理をするのも好きなんですけど、
今年はできるだけ自分で料理をしてやっていこうかなみたいな。
そういう物理的創作っていうのがすごい。
今まではそんなにやってきてない?
やってきてないですね。
東京で仕事してるときなんてすごい狭い家に住んで、
基本的にはずっと会社にいて、家帰って寝るだけみたいな。
ご飯も会食がコンビニで食べて生活してたんで、
そう全くなかったんですよね。
すごいこの1年、そういう意味で自分の生き方としてもだいぶ変わった。
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やっぱり外で物理的に物を作るっていう、
そんなに気持ちいいことなのかって。
だからやっぱり日本の社会とかの仕事も
もっとそういうリアルに回帰するっていうことが
行われるべきなんじゃないかなって。
やっぱりパソコンと向き合ってやってる仕事とかって、
それ自体で達成感を得るのはすごく難しい気がする。
実体がないというか。
物理的にそこに存在しないで。
物理とか、最近よく言うことは手触りとか。
僕はここにいて、SNSとかでもこういうことやってますって発信してるんで、
東京でバリバリ仕事してるんだけど、
こっちに来て興味を持って一緒にやってくれる人だとか、
やっぱりすごく多かったりするんで。
仕事がデジタルに寄り過ぎちゃってるような。
ああ、そういうことか。
それがだいぶ行き過ぎちゃってるから、
そこの反動というか、やっぱり手触りみたいなものだよねっていうところが。
やっぱりそういう仕事にもっと社会全体が、
そういう仕事の大切さとか。
今、大工さんとかもすごい減っちゃってるって。
東京とかでもビル建てられなくなってるって言いますもんね。
作り手が見つからないっていうので。
でも本当だったら、そこに重要と供給が合ってないんだとしたら、
高い給料も高くなって、
でもこういうものづくりする人たちの仕事ってかっこいいんだっていう、
意識がもっと芽生えたらいいなと。
僕、この1年で大工さんと一緒に現場にいるみたいなことが増えたんで、
大工さんとかめちゃくちゃかっこいいなって思いますよ。
かっこいいし、僕が見ている限りではすごくみんな楽しそうに仕事してる。
日中は汗かきながら何かものを作って、
日が落ちたらお酒飲み始めてみたいな。
自然な感じがしますよね。
本当に尊い仕事だなと思うので。
今年は、このSHIP自体もそうなんですけど、
できるだけ自分たちで作るっていうのはやりたくて。
それが半分、趣味。
なるほど。大工仕事だったりとか料理を作ったりとか。
ピザ家もあるんで、みんなでイベントとかでピザ焼いてやるんですけど。
それとか別に、生地作ることもあるんですけど、生地買ってきて、
自分たちでトッピングして、ピザ屋で焼いてみるみたいな。
この経験だけでもみんなすごい貴重だし楽しんでくれてた。
結構ここも釣りイベントやったりとか。
釣りイベント?
岩井で釣りをして。
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で、釣って。
食べれるほどのものが釣れるかっていうのがあるんですけど。
自分で捌いたりとかもして。
そういう経験って、僕も正直こっち来るまで釣って、
自分で捌くなんてやったことなくて。
やっぱりすごい楽しいというか、貴重な経験なんで。
みんなすごい楽しんでくれるんですよ。
真木野さん自身が楽しいっていう思いがあるから、
やったことがそれまで今までないわけだから、
すごく新しい経験じゃないですか。
そうですね。
自分自身それを楽しめるということ自体が、また世界が広がっていくし。
そうですね。
本当にいろんな人に自信を持って伝えられるというか、
どんどんみんな来たらいいよって思うんですよ。
好きなことと仕事が結びつくこと、そして物理的なものを作るプロセスにこそ、
人間の豊かさが宿るのではないかという視点。
料理や大工仕事といった、手触りのあるリアルな世界への回帰が
仕事を含めたこれからの生き方に必要なのではないかという考えなど、
多岐にわたる、そして資産に富んだお話をたっぷりとお聞かせいただきました。
真木野さん、ありがとうございました。
それではまた次回、ユイナワさんの聞く人ラジオでお会いしましょう。
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