こんにちは、栗林健太郎です。このポッドキャスト、情報科学のまわり道では、情報科学の博士号を持つドクターエンジニアの栗林健太郎が、好奇心の赴くままにまわり道をした中で見えてきた、風景や考えについて語っていきます。
今日のテーマは、宇宙キャリアを可視化する―宇宙スキル標準と24の質問から始める次の一歩、です。
内閣府が公開した宇宙スキル標準試作版というものがあるんですけれども、これをもとにウェブから誰でも宇宙スキルについてセルフアセスメントできるようにしたサービス、キャリアインスペースというものを公開しました。
今日はそのサービスについて、何で作ったのか、どういう狙いがあったのか、そういう話をしていきたいと思っております。
宇宙というと、ロケットとか人工衛星とか、そういったハードウェア的なものを想像しがちなんですけど、宇宙関連市場では宇宙ビジネスという本があるんですけど、この本によると7割は人工衛星のデータを扱うことにまつわるような、
衛星に関するサービスが市場の大きな部分を占めているということらしいです。
いろんなキャリアがあり得るんですけど、具体的にどういうものがあるのかなというのは、なかなか分かりにくいんだと思うんですよね。
自分自身も全然知らないんですけど、それで内閣府が宇宙スキル標準を公開しているということを知りまして、それを見てみたんですね。
そうしたら非常に細かくいろんな宇宙に関連する触手とか、あるいはそういった触手につくにはどういうスキルを身につけている必要があるかみたいな話が書かれていました。
すごく便利な資料で、とってもありがたいなというふうに思います。
そのスキル標準というのがExcelのスプレッドシートで作られていたので、そしていろいろ細かく書いてあるのはいいんですけど、すごくたくさん情報があって、
最初にパッと見たときには、宇宙の仕事でどういうのがあるのかなと思った人が見るにはちょっと難しい資料なのかなというふうに思ったので、
じゃあこれをWebから誰もが簡単に使えて、それでこんな仕事があるんだなみたいなことがわかるようなものにできるといいなと思ってWebアプリにしました。
今回作ったWebアプリでは、まず2つというかターゲットとして大人向けと子ども向けという言い口を用意しました。
大人向けは普通に宇宙スキル標準に書かれている文言をほとんどそのまま使う形で提示していくというものですが、
子ども向けのモードはその文言がやっぱりちょっと難しいと思うので、もうちょっと子どもにもわかりやすい形で提示するというようなモードです。
もう一つ、宇宙スキルについて細かく分かれているので、それを一つ一つ細かく評価していくというモードもあるんですけど、
それだと結構時間がかかるというか、よくわからないだろう項目がたくさんあるので、自分自身も全然わからない、なんだこれっていう内容がいっぱいあるんですけど、
なので、ざっくり24個の質問に回答していくと、これが向いてるんじゃないみたいな、そんな提案の仕方をするような簡単診断モードみたいな、こういうものを作りました。
これはMBTIってありますよね、性格診断みたいな、簡単な質問に答えていくと、16個だっけな、そういう性格分類を提示してくれるみたいなのがあると思うんですけど、
宇宙の触手もそんな感じで、まずはこういうのがあるんだよみたいな感じで、簡単に提示できるといいのかなというふうに思ってやってみました。
そんなわけで、大人向け、子ども向け、さらには簡単に診断できるモードと詳細に診断できるモードというのを分けることで、とつけやすいものに少しはなったんじゃないかなというふうに思っております。
なので、ぜひ概要欄にリンクがありますので、ちょっと使ってみていただければいいのかなというふうに思います。
正確に診断できるというようなものになっているかどうかはちょっと分からないんですけど、でも仮にそんなに当たってなかったとしても、こんな仕事あるんだなみたいに、偶然の出会いみたいな、そういうものがあれば、それだけでもいいんじゃないかなというふうに思っています。
宇宙スキル標準というのを自分が知って、最初の一本みたいなのは半日ぐらい作って、そこからちょこちょこいろんな改善をして、正式にドメインを取ってリリースしたりしたんですけど、
そもそもこのポッドキャストでも宇宙の話をよくしてますけど、何でそういうことを言い出したのかというのをちょっとこの機会に振り返ってみたんですね。
というのは、このサービスを作って、そら畑さんという宇宙の関連の開発とかビジネスとか、そういうことに関する記事をいっぱい上げているメディアさんに、こういうサービスを作りましたってメールを送ったんですよ。
そしたら、お取材をいただいて、記事にしていただいたんですね。
その取材の中で聞かれたところで、ちょっと自分自身持っているんですけど、作った背景には3つほど動機がありまして、
まず一つには、前のポッドキャストでもそういう話をしたんですが、新規事情開発の担当を仕事でしているので、いろんな市場を見ていて、
宇宙産業というのは明らかに今後すごく大きくなっていく。
遠い市場であるのは間違いないなと思ったので、それで調査を進めてきたというのがまずあります。
二つ目は、今年の3月に情報科学の博士号を取ったんですけど、せっかくなんで、そういうある種の専門性をベースに、
もうちょっと大きい問題解決みたいなことを考えていきたいなというふうに思い始めまして、
大きい問題解決は例えばどういうことかというと、環境問題であるとか、エネルギーの問題だとか、
あれは宇宙開発とか、ということですよ。
それに対して情報科学という専門性かけるその領域みたいな感じで、
何か違う形でアプローチできるんじゃないかな、みたいなことを思って、そんなことを考えたりしています。
三つ目は、子供が今2歳なんですけど、虫探しとかすごく好きなんですよね。
それで一緒に図鑑を見たり、虫を探しに行ったりしてるんですけど、
最近は宇宙の図鑑とか見たり、ロケットの打ち上げをライブ配信で見たりして、結構宇宙好きになってきたんですよ。
そんなこともあって、子供と自分自身がサイエンスを学び直すみたいな、そういうことが多くなってきて、
その過程でサイエンスの一分野として、宇宙というのに改めて興味を持ち始めたというか、興味が再燃してきたということがあったりします。
それで宇宙のことをあれこれ最近知っていて、その中で出会った宇宙スキル標準というのを、
さっき話したようにウェーバーアプリにするという活動をしているわけです。
それも一種の情報科学、情報科学ってことじゃないですけど、プログラミングとかそういったことと宇宙という分野を掛け合わせることで、
何かしら違う価値を出せればなみたいな取り組みの一つでもあります。
僕がやったこと自体はそんなに大したことではないんですけど、そういうことをいろいろやっていく中で何か面白いことができてくるんじゃないかなというふうに思っております。
そんなわけで宇宙というと、あるいは宇宙開発というと、すごいこういう話みたいな感じになるんですけど、
足元でもできることがいろいろあるんじゃないかなというふうに思っておりまして、
その中で自分はプログラミングをするとかそういうことはできるので、宇宙とプログラミング、あるいは情報科学みたいな掛け合わせで、
まずは宇宙のキャリアって何があるのかなみたいなところに対してできるだけ簡単にアプローチできるよう、そういう試みをしてみましたというお話です。
はい、では今回も情報科学の回り道をお聞きいただきありがとうございました。
ご感想やご質問、次に話してほしいテーマなど、ぜひお寄せください。
概要欄に記載している質問フォームから、またXやDiscordサーバーも運営していますので、お気軽にお願いいたします。
ではまた次の回り道でお会いしましょう。さようなら。