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はい、始まりました。佐々木亮の宇宙話。このチャンネルでは1日10分宇宙時間をテーマに、毎日誰でも最新の宇宙が学べる話題をドクター佐々木がお届けしております。
ということで、今日はですね土日ゲスト回の2日目というところで、昨日に引き続きPale BlueのCEO、浅川純さんに来ていただきました。よろしくお願いいたします。
昨日はですね、Pale Blueが実際に展開しているサービス、どんなものなのかとか、あとは注目の水推進というところがどういう特徴を持っているのか、なんていうところのお話をしていただいたんですけど、今回はそんな会社の将来像とか、あとはそもそも浅川さんがなぜそこにたどり着いたのか、なんていうところまで深掘りさせていただこうと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
ではですね、昨日もしかしたら聞き逃した方もいるかもしれないので、簡単に自己紹介いただいてもいいですか。
はい、もちろんです。
皆さん、初めましての方もいらっしゃると思うんですけれども、Pale Blue代表取締役の浅川と申します。
簡単に私、自己紹介させていただきますと、初心工地系の大学から東京に行きましてですね、東京大学の航空宇宙工学科というところで、学部と修士、博士の計6年間、学部の1、2、3年生もいるから10年間くらいですかね、を過ごしておりました。
研究室ではずっと小型衛星用の推進機、エンジンの研究をしておりました。
博士を出た後、1年間同じく東京大学でフォースドク特任助教室を持ち、昨年4月にPale Blueを登場したというような簡単な経歴になっております。
はい、ありがとうございます。
今回は、先日資金調達してこれからいろいろ会社が大きくなっていくっていうタイミングで、ぜひ会社のことだったりサービスの内容を教えていただきたいなと思って来ていただいているわけなんですが、
昨日はこういうサービス今動かしてますってだったり、来年こういう実証実験がスタートしていきますっていうところをお話しいただいたんですが、
水推進のちょっと将来像みたいなところを僕は伺いたくて、
例えば今って小型衛星とか超小型衛星がだんだん普及していくのに合わせて水推進とかスラスターの需要が上がってますっていうところあったと思うんですけど、
今後どういう活用の仕方があるかなっていうのを見込んでるとかってあったりしますか?
そうですね、今後としては大きく3つのステップをイメージしています。
1つ目はシンプルに今我々開発している水エンジンが世の中の小型推進機のスタンダードとして搭載されるような世界をまずは目指していきたいと思っています。
それができれば次のステップとして、今は地上で充填した水を打ち上げて使い切ったらそれでおしまいという状態なんですけれども、
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そこで終わりにせずにですね、宇宙空間で水を補給してあげる。
なんかアストレイムスタンドとか、そういうふうなサービスっていうのをイメージしております。
3つ目としましては、その宇宙空間で補給する際も、補給用の水タンク衛星みたいなものを指導から打ち上げないといけないと思うんですけれども、
もう地球由来の水ではなくてですね、月とか火星とか小惑星とか、
そういうところで取れた水をそのまま推進材として使う。
この3ステップが達成できれば、水の新しい宇宙空間のモビリティインフラができるんじゃないかなと思っております。
僕、人工衛星の開発とかいろいろ話を聞いていると、
推進材がなくなるのが結構人工衛星の寿命の一つって言われてるって伺ったことがあって。
そうなんですよね、本当に。
そうするとガソリンスタンドみたいなのがあると、一気にミッションの期間とかも伸ばせたりするっていう背景あるんですか?
はい、ありますね。
それだとやっぱり材料を水にしてるってものすごい強みになると思うんですけど、やっぱ重要ですか?
まさにそこが水を選んでいる理由の一つになりますね。
水っていろいろ僕らメリットしか言わないんですけども、デメリットももちろんちゃんとありましてですね。
他の推進者に比べてやっぱり推進制度はどうしても低くなる。
理論的に低くなるっていうのはデメリットがあったりします。
ただそれを補った有り余るぐらいメリットは大きいと思っていて、
特に将来的にそういった宇宙空間でエネルギー資源として使い得るのは水ぐらいしかないんじゃないかなと思っています。
確かに、いやすごいですね。
エネルギー補給ってどうしても地球からあげたもの全部って考えてたんですけど、
さっきの3点目は結構僕も驚きでしたね。
やっぱ今後10年とか見てた時は、月とか火星とかっていったところってやっぱ行動範囲内になってくるんで、
そこで現地調達できるって相当な強みになるだろうなって。
いやそうなんです。そうなるともう人工衛星が動ける領域が一気に広がるなとは思っています。
そっか、そうすると今まで地球の周りで衛星ぐるぐる回してたのが限界だったのが、
火星周回軌道で人工衛星を動かすっていうのも全然可能になってきたり。
可能になってきますね、はい。
いやーそれすごいですね。
一番地球から出ていくのが一番エネルギーとして大変、人工衛星大変なんですけれども、
一択も宇宙空間を補給さえしてしまえば、あとはかなり動きやすかったりしますね。
いやいいですね、なんかこのポッドキャストでも僕結構やっぱ、
リスナーの方のリアクションとか聞きながら、ネタの選び方とかもするんですけど、
その時にやっぱ太陽系全体を解き明かすっていうような方向性の研究が結構皆さん評判良かったりするんですね。
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あーそうなんですね。へー。
なんか例えば隕石の研究すると、太陽系初期の頃の情報がそこに残っていたりして、
新しくわかってくるっていうのがあったりするんですけど、
そういうのにきっと繋がるなって今お話聞いてて思ってて、
なんか火星を軸にするだけで、火星の探査自体もがっつり進むんだろうし、
できっと地球にいるだけじゃ捕獲できなかったり目指すことできない場所っていうのを、
火星スタートだったらきっとできるんだろうなぁとか思うと、
スタート地点が火星になってなおかつ人工衛星の操作も容易になってくるっていうのは、
本当に5年後10年後がすごい楽しみになる仕事の内容だなっていうのを今感じて聞いてました。
そういうのを実現していきたいですね。エンジンは要は人工衛星の足板と思ってるので、
エンジン技術が発展していけば人工衛星が生きる。人類の領域も広がっていって、
新しいこともどんどんやっていくんじゃないか。
すげーなぁ。僕、そもそもこれって推進機とか、
そういうのの開発を大学院修士の頃からずっとやってたってさっき言われたと思うんですけど、
そこにする選択の理由って何なんですか?
これなんか全然自慢できるような大きな言えるようなエピソードじゃないんですけど、
恥ずかしい側のエピソードなんですけど、まとめると、
かなりいろいろ運が転がって推進機の研究をし始めたっていうところになるんですけれども、
私が行っていた大学の学部3年、4年生かな。3年生か4年生の時に、
コース分けっていうのがありまして、航空宇宙工学科の中でも一つのコースに分かれるんですね。
で、システム制御コースと推進コースに分かれるんですけれども、
もともと私、宇宙系やりたいなと思っていて、
小型衛星で有名なナカスカ・アフナセ研究室に行きたいなと思っていたんですよね。
有名どころですね。
有名どころの研究室はシステム制御コースというコースに行かないといけなかったんですけれども、
私そのコース分けの時にそっちを申し込んだんですけれども、
正直テストの点数があまり良くなくてですね、人気のシステム制御コースは落ちまして、
推進コースに行かないといけなくなりましたと。
その推進コースもジェットエンジンとかも含まれているんですけど、航空機も含まれていたトータルの推進なんですけれども、
その中で唯一宇宙やっている研究室というのが小村崎小泉研究室というところだけだったので、
そこを選ぶしか宇宙やれないというところで消去法的に選んだというか。
なるほどなるほど。
なんか勝手にずっと優秀だったのかなみたいな感じで思ってたんですけど、
研究室選びを自由にできないぐらいのタイミングがあったってことなんですね。
そうですね、はい。
そうなんだ、なんかこれ多分聞いてる方も宇宙やってる人って結構スーパーマンみたいな感じで思ってる人も結構いるっぽくて。
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確かにそういうイメージはあるんだろうなという気がしますね。
ここでじゃあ推進やってるところで宇宙だったらもうそこの研究室しかないっていう話になったところで、
でも大学院に進学するとかも含めで、なんか博士課程とかまで見据えて研究室っての研究ってスタートしました?
全くそういうわけじゃなかったですね。就職までは行きたいなって思いは最初からあったんですけれども、
研究室に配属されて研究始めたらやっぱり楽しいなって思って行き始めて、
でも就職活動も普通にしていまして、私の時は就職1年ぐらい、1年の終わり頃に就職活動もして、
メーカーからコンサルまで幅広く受けて、実際に内定ももらっていたりしましたね。
その中で博士課程まで行こうっていう決断したきっかけとかってありました?
そうですね、2つぐらいあるかなと思っていて、1つが終始2年の夏に初めて行った国際会議がありましてですね、
これがアメリカで開催されている小型衛星の一番大きい会議だったんですけれども、
そこに行った時に衝撃的だったのが、研究だけじゃなくて産業として盛り上がっているのを本当に肌で感じまして、
学術会議の場にいろんな企業がこぞって展示を出して、商談もその辺でしてるみたいなことをちょっと間近で見まして、
これまで論文でイントロで盛り上がってるって書いてたんですけど、本当に盛り上がってるんだなっていうのを肌で感じました。
なるほどなるほど。これでもアメリカの天文系の学会特有みたいなところ多分あると思ってて、
僕も初めてアメリカの天文学会行った時に結構衝撃受けたというか、リクルーティングとかも結構その場でやってたり。
あーやってますね、確かに確かに。
いやだから、なんか世界観ちょっと違いますよね、日本国内で見てる市場と。
私もなんか展示ブース歩いてたら、プロパラジオン推進系エンジニアどうですか?紙に落とされたことありますね。
いやありますよね、そっか。そこでじゃあ博士課程まで行って、例えば推進の研究ずっと極めておけば、
その先にビジネスっていうところというか、産業として広がる道もあるんだろうなっていうのを実感したのは大きかったんですか?
そうですね、やっぱりこの領域盛り上がってるから、もっとこの領域に身を込んでもいいんじゃないかって思えたっていうのが、一つ博士のきっかけですね。
もう一つきっかけが、やっぱり博士課程なかなかお金が苦しいみたいなところもあったりするので、
それをフォローしてくるようなものに採択してくれたっていうところは、一つ経済的にいけそうだなってメロが立ったっていうのも大きいところでしたね。
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確かに確かに、そこ大事ですもんね。
僕も運良く理科学研究所で雇用してもらうっていうところ行けたので、
だいぶお金には困らないで博士課程の研究進められたのは良かったなと思うんですけど、
その後ろ立てないとやっぱ決断難しいですよね。
難しいですね、あれがなかったら普通に就職してたんじゃないかなとは思ってました。
僕も勝手に優秀な人だと思って想像してたんですけど、
親近感湧くエピソードがポロポロになってきて、
僕がすごい楽しくなってますね。
親近感持っていただいて。
これって、また研究の話ちょっと詳しく聞きたいなと思うんですけど、
水推進をスタートしたのって博士入ってからですか?それとも修士の頃から?
博士入ってからです。博士で研究テーマを水推進に変えました。
そこの前ってどんな感じだったんですか?
その前は水とは本当に全く真逆で火薬をドカンと燃やすような、
結構ド派手な推進機の研究をやってました。
それも人工衛星のですか?
そうですね、小型衛星に搭載する小さい推進機っていうのは同じなんですけど、
水じゃなくて火薬を使っていて、本当に火薬をシンプルに燃やして、
ドカンと爆発させて一気に推進させるっていう推進機でした。
じゃあもう推進力トップクラスのものを作ってやろうみたいな、そのぐらいの。
でも本当に危ない実験だったんで、ヘルメットもちゃんとかぶって、
窓ガラスから離れて、いきます、3、2、1、着火みたいなことをやってました。
おもしろそう。
そんな研究の背景があって、いいですね。
そう考えると、僕はずっと理学の研究だったんで、
もし宇宙の研究1からどんな方向性を選べるかって言われたら、
やっぱり工学の方が色々広がる道は多そうで、おもしろそうに見えてしまいますね。
今の話聞いてみると。
私、逆でずっと工学やってると、たまに理学の方の発表聞いたら、
めちゃめちゃおもしろそうなって感じますね。
そうなんですね。ないものねだりなんだな、きっと。
おもしろい。これからも色々、昨日のお話とかでも聞いたみたいに、
多分会社の提供していくサービスとして、色んなバリエーション出てくると思うので、
これからもPodcastを遊びに来て、色々お話聞かせてください。
ぜひまた遊びに来たいです。呼んでください。
お願いします。
そしたら最後、会社のお知らせとかあればお願いします。
会社のお知らせなんですけれども、この前のプレスリリースに合わせ、
オンラインの会社説明会を11月11日木曜日と12日金曜日に実施する予定です。
これ、現職、今まで考えていない方も、考えている方も、
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どちらも楽しめるようなイベントを企画していますので、
ぜひ気軽に応募を参加していただければと思います。
私のTwitterの一番上にピン止めで申し込みのURLとか、
詳細な情報とか書いているので、ぜひそちらを見ていただければと思います。
はい、ぜひ興味ある方覗きに行ってください。
アクセス先はですね、概要欄に貼っておきますので、
興味ある方はそちらから覗いてみたり、
あと単純にTwitterフォローするだけでも、
今回の話の続きとか色々多分会社の動き見れると思うので、
ぜひチェックしてみてください。
ということで、今回はペールブルーCEOの浅川淳さんに来ていただきました。
今日はありがとうございます。
濱木職人ありがとうございました。
今回の話も面白いなと思ったら、
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それではまた明日お会いしましょう。さよなら。