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2025-10-17 21:50

#35 サム・アルトマンの伝記からAIの未来について考える

サム・アルトマン氏の伝記『サム・アルトマン:「生成AI」で世界を手にした起業家の野望』に描かれている、彼の途方もないなスケール感と数々のエピソードを紹介します。そして、AIの未来についていくつかのトピックを軸として、今後どう考えていけばいいのかについてお話ししています。


サム・アルトマン:「生成AI」で世界を手にした起業家の野望

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【栗林健太郎とは】

GMOペパボ株式会社取締役CTO、日本CTO協会理事。博士(情報科学、JAIST)。大学卒業後、市役所勤務を経て、2008年よりIT業界へ。2012年よりGMOペパボ株式会社。現在、取締役CTOとして技術経営、新規事業創出に取り組む。2025年3月、博士号取得。インターネット上では「あんちぽ」として知られる。


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サマリー

このエピソードでは、サム・アルトマンの伝記を通じてAIの未来とその経済的な影響について語られています。オープンAIの成長、計算資源の必要性、サム・アルトマンの魅力についても考察されています。また、サム・アルトマンのビジョンや彼がAIの未来に与える影響について深く考察されています。さらに、子供の発達とAIの関わりや、技術による人類のリスクについても触れられています。

サム・アルトマンの伝記とAIの影響
こんにちは、栗林健太郎です。
このポッドキャスト、情報科学のまわり道では、情報科学の博士号を持つソフトウェアエンジニアの栗林健太郎が、好奇心の赴くままにまわり道をした中で見えてきた風景や考えについて語っていきます。
今日のテーマは、サム・アルトマンの伝記からAIの未来について考える、です。
最近、サム・アルトマンさんの伝記が刊行されまして、早速それを読んでみました。
その感想とか、そこから見えてくるようなAIの未来について、ちょっとお話をしてみたいなと思っております。
今日、2025年の10月16日の日経新聞で、オープンAIを中心とした200兆円のAIの投資に関するニュースが話題になりました。
オープンAIを中心として、オープンAIが投資を受けたり、半導体を発注したり、そんな形で複数の大手の半導体メーカーとかクラウド事業者等々、お金をぐるぐる回して巨大な経済を作り上げている、そういうようなお話です。
そうなってくると、これはバブルなんじゃないか、そういう危険性もあるよね、みたいな話だったんですけれども、それがバブルなのかどうかということに関しては、ちょっと何とも言えないなというところがあるので、置いておきます。
そんなことがなぜ可能になったのか、そういったところの秘密というか、背景みたいなところもこのデンキでは書かれたりしているので、そういう話に興味がある人も読んでみたらいいんじゃないかなというふうに思っております。
情報技術に基づくプロダクトを作って、大きな成果を上げた人のデンキみたいなのが結構出ているわけですけど、このサム・アルトマンさんのデンキによって、
そういう三大ヤバ経営者デンキみたいなものがあるとしたら、その三冊目というのが出たなという感じがしております。
一つ目と二つ目は、ウォルター・アイザックソンという人が書いたスティーブ・ジョブズのデンキとイーロン・マスクさんのデンキですね。
この二つも観光当初に読んだんですけど、ものすごい面白かったなというふうに思います。
そこできて、このサム・アルトマンさんのデンキが出てきたわけなんですけど、
スティーブ・ジョブズさんとかイーロン・マスクさんと比べると、破天荒エピソードみたいなのは結構薄めなのかなというふうに感じました。
スティーブ・ジョブズさんやイーロン・マスクさんは、ものすごい成果を上げたというのは自明のことで、
お世話になっている人もすごく多いんじゃないかなと思うんですけど、自分自身もそうですけどね。
それに比べると、そんなにめちゃくちゃなエピソードがたくさんあるという感じではなかったかなと思います。
ただやっぱり子供の頃の振動エピソードみたいなのから始まってですね、
2歳でビデオデッキを分解したりとか、3歳で市街局版の仕組みを理解していろいろ話してたりとか、
8歳の誕生日プレゼントでマッキントッシュをもらって、
これって考える機械作れるじゃんみたいなことをその時に思ったんだみたいなそういう話がされていて、
後にAIの開発に携わるその宝画となるような、そういうエピソードもあったりしました。
サムラ・オルタマンさんという人は、大学に入ってすぐに当時のいわゆるガラケ向けのGPSを利用した
位置情報SNSみたいなのを作ってビジネスを始めるんですけど、
そのサービス自体は後々スマホの時代になってきて、
本人が期待してたよりはいかなかったみたいなそういう状況だったみたいなんですが、
僕自身も当時は知らなかったですね。
当時の位置情報アプリといえば、フォースクエアっていうのがありましたよね。
これはiPhoneが出てから出たアプリだと思いますけど、
そういうのは使ってたんですけど、
このサムラ・オルタマンさんのアプリは使ったことがなかった。
知りもしなかったなと思うんですが、
ただその頃から今に繋がるようなすごい人エピソードがいろいろ語られていて、
YコンビネーターっていうVCがありますよね。
それの第一期生として入るんですよね。
そしたらそこでポール・グレアムさんに、
こいつすげえなみたいな感じで思われて、
19歳の時のビル・ゲイツってこんな感じだったんだろうなみたいな、
そういう感想を持たれたみたいな話がされています。
そこからYコンビネーターの社長になって、
シリコンバレーのキングメーカーと言われるような立場になって、
核融合とかAIとかそういうものが重要なんだみたいな感じで、
結構今に繋がるような大きなビジョンを掲げて、
行動するような人になっていったみたいな話が語られていきます。
そしてOpenAIを設立して、
そこからのいろいろ大変なことがありつつも、
発展していくぞみたいな話が語られていて、
AIの未来と経済的な展望
その辺がファン目線というか、
そういう目線では非常に面白いところなわけですけど、
特にこの本でもクライマックスみたいなところで、
あれはちょうど2年ぐらい前ですかね、
アルタマンさんが突然解任されるという事件がありました。
解任されたんだけれども、
数日で社長に復帰するみたいなことがあって、
自分自身もその時リアルタイムで、
これどうなるんだろうなと思いながら見てたんですけど、
外から見てる感じだと、
いろいろ問題はあったんだろうけれども、
いろんな動きが拙速で、
それで社員の人たちも、
サムさんが社長じゃないとダメだみたいな感じで戻ってきたみたいな、
ざっくりと言うとそういう印象を受けていて、
慕われてるんだなあぐらいに思ってたんですけど、
結構裏ではゴシップ的な話も含めて、
いろんなことがあったようで、
その辺は詳しくは本をぜひ読んでいただければなというふうに思うんですけれども、
それはポール・グレーマンさん、
さっきのYコンビネーターのポール・グレーマンさんが、
サム・アルタマンさんについてこんなことを言ってたそうなんですね。
というのは、サム・アルタマンをひと食い人種の島にただ一人落としても、
5年後にはそこで王様になっているだろうみたいなことを言ってたそうなんですけど、
その解眠と復帰の流れっていうところも、
そのフレーズを思い起こさせるような、
ある種の鮮やかさがあったような出来事だったのかなというふうに思ったりしました。
その辺はぶっちゃけ自分自身は全然関係ないんで、
ゴシップ的なというか、
すごい人のすごい話を読んで楽しいぐらいの感じなんですけど、
もうちょっとAIの未来の話みたいなことを考えたときに、
冒頭で話した日経新聞の記事の話っていうのは、
計算資源をどれだけ集めるかっていうところに、
サム・アルタマンさんはやることを集中していて、
というのも、これも何年か前に論文が話題になったスケーリング則っていうのがありますよね。
これはAIっていうのは、
学習するデータの量とか、計算資源の投入量とか、
モデルの大きさっていうのが大きくなればなるほど予測可能に性能が上がるんだみたいな、
そういう法則みたいなものが見出されたよって話なんですけど、
ざっくり何かすごい学習させれば書きそうになるよねみたいな、
訂正的な直感みたいなもちろん、それまでもあったんだと思うんですけど、
これが予測可能にスケーリングできるっていうのは、
結構全然違う話だっていうのも本書でも書かれていて、
お金をこれだけ集めてこれだけ投資すれば、
AIがこれぐらい賢くなるんですっていうモデルを作れる。
モデルっていうのは、これだけ入力があればこれだけ出力がありますよねみたいな、
そういうような方程式みたいな話ですけど、
そういうことができるようになる。
そうすると、サム・アルトマンさんがいろいろ多分夢を語るんだと思うんですけど、
そこにも結構定量的な根拠っていうのができてきて、
そのこともあって、これだけ巨額の投資っていうのが膨らんでいくんだろうなというふうに思うわけです。
そういうお金をたくさん集める能力っていうのが、彼はすごく強みがあって、
この本の中でもたびたび何かちょっと話しただけで、
最初は何かよくわかんない若者きたなぐらいの感じだったのが、
話を聞いている人がどんどん魅力にとらわれていて、
じゃあお金出そうみたいな、そういうふうになっちゃうんだみたいな話がされていてですね、
ぶっちゃけ本を読んでいるだけでは何がそんなにすごいのかが全然わからないんですけど、
何かすごいらしいんですよね。
サム・アルトマンさんは、Xとかのポストを見ている感じだと、
何ですかね、何か良い人感がありますよね。
何て言うんでしょう、スティーブ・ジョブスとかイーロン・マスクさんみたいに、
ものすごい振り切った感じっていうよりは、
何かすごい賢くて良い人みたいな感じがするんですけど、
実際のところはちょっとどうなのかわかりませんが、
何かそういう人を惹きつける魅力みたいなのがある人であることは間違いないようです。
そうやって経産資源をどんどんお金を投じて集めていった先には、
当然経産資源というのは電力がないと動かないですから、
それだけの莫大な経産資源にどうやって電力を供給するのかというところが問題になってくるんだと思うわけです。
日経の記事にはその辺のエネルギー関連の投資については触れられていなかったので、
サム・アルトマンのビジョン
そこはどういう構造でどれぐらいの規模になっているのかというのはあまりよくわかんないんですけど、
サマー・アルトマンさんはちょっと前のブログで、
1GW級のデータセンターを毎週作るんだみたいな話をされていたので、
それだけの電力を賄うような何かビジョンを持っているんじゃないかなというふうに予測されるわけですね。
それで原発の会社に投資したりとかそういうこともやっているみたいなので、
今後はそういうエネルギーの供給が逼迫してきて、
どうやってそういうものを作っていけばいいのかみたいなところにも問題がシフトしていくのかなというふうに思ったりしています。
AIがどういうふうに使われていくのかっていうところって、
大きいところから身近なところまでいろいろあると思うんですけど、
例えば身近なところの話でいくと、
ドローンみたいなのが街中をいっぱい飛ぶようになって、
それで配達とかもドローンでしてくれたりとか、
輸送がドローンでどんどんされてすごい効率的になるんだみたいな、
例えばそういう未来予想みたいなのがあると思うんですけど、
例えば東京に住んでいると、東京の僕とかは普通に賃貸マンションに住んでいるので、
ドローンが飛んできて荷物を置かれても困るというか、
多分入ってこれないんじゃないかなと思うんで、
結構ラストワンマイルみたいなところを解決するのは大変なんじゃないかなと思うんですよね。
それにたくさんのドローンが飛ぶような、それをコントロールできるようなインフラを作るっていうのも結構、
いろんな問題があって大変なんじゃないかなと思ってたんですけど、
最近のAIによって制御されたロボットの発展みたいなのを見ていると、
そういうドローンのインフラとかよりもむしろロボットが普通に来て荷物運んでくれるとか、
そういう感じで割と直接的に人間とコンパチブルな存在がどんどん社会に浸透していくみたいな、
そういうことが普通に何年後かに起こり得るんじゃないかなみたいな、
その裏側にタマー・アルタマーさんとかそういう人たちが巨額を投じたAIが使われていくっていうのはありそうな話かなと思ったりもしたりします。
もっとなんか必見な話で言うと、例えば今子育てをしているんで、今子供2歳なんですけど、
YouTubeとかすごいよく見てるんですよね。
それで自分でマウスとかを操作して、マウスを操作して音声入力で好きな見たいものの単語を言って検索をして自分で見たりみたいなことをしてるんですよ。
2歳でそれできるんだと思ってすごいなと思うんですけど、
YouTubeを見るとかは割と序の口というか、
そこから例えばChatGPTみたいなのを使うとか、
あるいはChatGPTみたいなのがもっと直感的に扱えるようなそういうAIになって、
そういうものが普通に使われるようになったときに、
子供の発達ってどうなるんだろうなとか、そういうことをちょっと思ったりするわけです。
AIを当たり前にして育つみたいなことって今までなかったんで、
それがどうなるかって多分誰にもわからないと思うんですけど、
ただやってみてちょっとあかんかったなみたいになってもどうしようもないんで、
自分に関わるところは若干保守的になるかもしれないなみたいなことを今のところは思ったりしています。
そういう自分に関係するところはもとより、
例えばAIがどんどん発展していって、
よく言われているシンゲラリティみたいなことが起こったときに、
人類が滅亡するリスクがあるんじゃないかみたいな、
そういう話があったりもしますけれども、
実際にそういうことが起こるかどうかっていうのはちょっとわからないんですが、
例えば核兵器みたいなものでもそういう人類滅亡リスクっていうのがあって、
これまでも核兵器によって世界が大変なことになりそうな危険性っていうのがあったわけですよね。
例えば急爆危機であるとか。
なので、分かり間違ったら一発マジでやばいのが来る可能性があるという意味では、
AIっていうのも起こるかどうかわからないけど、
もしワーストシナリオが起こるとそういうこともあり得るよねみたいな技術であることは間違いないのかなとは思ったりするので、
最悪のリスクっていうところもやっぱり考えていくっていうのはやっぱり必要なのかなというふうに思ったりするわけです。
そういうことをそうだよねと思ってたんですけど、
さすがに200兆円がどうのとかそういうのを見ると結構いよいよ、
見積もするかどうかともかく大きな変化っていうのが近づいてきてるのかなというようなことを考えたりせざるを得ない。
そのためにはその中心にいるサム・アルトマンさんっていうのがどういう人なのかっていうのを知るっていうのは結構重要なことなのかなというふうに思ったりします。
このサム・アルトマンさんの電気っていうのは単なる成功物語っていうのでは全然なくて、
そのものすごく楽観主義的なビジョンがすごく強くある人がその力を使って世界を変えるようなそういうことをやりつつあるっていうことに対して、
我々としてどういうふうに考えたらいいのかなみたいなことの一条になるようなそういう本なのかなというふうに思ってます。
AIのリスクと未来
この本でも最初の方にある問いが書かれていて、それはAGIとかそういうものができるとして、それを託すに足る人物なのかっていうような問いがあるんですけど、
サム・アルトマンさんがそういう託すに足る人なのかどうかっていうのは奥として、そういう問いってことについてそれぞれがいろんなことを考えるきっかけになるといいんじゃないかなというふうに思っております。
何にせよ面白いんでぜひ読んでみたらどうかなという本でした。
はい、今回も情報科学の回り道をお聞きいただきありがとうございました。
ご感想やご質問、次に話してほしいテーマなどがあれば概要欄に記載している質問フォーム、またXやDiscordサーバーも運営していますので、ぜひそちらにお寄せください。
ではまた次の回り道でお会いしましょう。さよなら。
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