SF小説「競馬の終わり」の紹介
みなさん、こんにちは。競馬けんぶんろくへようこそ。 ダルマー競馬場です。
この番組では、競馬にまつわる様々な小説や音楽、映画を紹介して、 競馬に関する知識を深めるだけでなく、
競馬カルチャーにも視野を広げていこうという番組です。 改めまして、こんにちは。ダルマー競馬場です。
みなさんって、本や映画とか、あとは音楽聴くときって、お供にする飲み物って、何か決めてたりとかってしますかね?
僕結構、本を読むときだと、
紅茶とかコーヒー、音楽聴くときはもうお酒ですね。 映画見るときもお酒かなーっていう感じなんですけど、
結構本読んでるときだと、お酒飲んでると、お酒飲むペースがほぼ変わらないんで、
だんだん時間が経つにつれて目が滑っていくんですよね。 なんで、最後の方、あれちょっと何回かこの文章読んでるな、みたいな感じになっちゃって、
目で開業ができなくなっていくっていう感じになるので、 本読むときはだいたい、
そうですね、紅茶かコーヒーにするようにしてるって感じですかね。 みなさんお好きな飲み物あると思うんですけど、
お茶だったり、炭酸、コーラとかジンジャーエールとか、 そういう炭酸だったりとか、あと普通にオレンジジュースとかグレープフルーツジュースとか、
そういうジュースっていう方もいらっしゃるかもしれないですね。 お好きなやつがあるっていうのはいいと思いますね、それだけでも気持ちが全然変わってきますからね。
はい、ということで第5回競馬研文録を始めたいと思います。 今回紹介する作品ですけども、
こちらはSF好きのみなさんいらっしゃーいっていう感じですね。 もう時代が埋もれることを許さなかった問題作。
競馬文学の入り口にしてSFの入り口となる衝撃作でございます。 この本をきっかけにいろいろな方向に鼻先を向けることができて、いろんなところに視野が広がっていくと思います。
それがこちら。 杉山敏彦著
競馬の終わり。 競馬の終わり、衝撃的なタイトルですけども。
森山直太郎は夏の終わり。 トランシーバーで歌いだすのが世界の終わりっていう感じですけどもね。
時代設定がですね、こちら近未来の22世紀、 ロシアの東地下に置かれた日本が舞台となっておりますね。もうSFっぽいっすね、これね。
馬の進化っていうのはスピードに比例していくと思うんです。走るスピードですね。
っていうのは比例していくと思うんですけど、今の競馬って結構そのスピードが求められることが多いんですね。
どれだけ速く走れるか。もちろんスタミナやパワー、どれだけタフに走れるかっていうところも重要なんですけども、スピードがどれだけ速いかっていうところが最重要視されているという中で、
競馬界の問題と競馬とSFの結びつき
スピードを追い求めていくとどうしても怪我のリスクっていうのが上がってしまうんですよ。
馬の足ってご存知の通り細いですからね。速く走ろうとするとそれだけ衝撃が加わってしまって、怪我をしやすくなってしまうというところで、その結果、
競争馬を細胞具にしてしまおうという結論になりまして、それが決定してしまうんですね。もう衝撃、もはや競馬って呼んでいいのかみたいなところまで
なってきますけどね。馬が争うと書いて競馬ですけどもね。こうやって呼んでいいのかっていうふうに思ってしまいますけど。
そんな中、ロシアの高官イリッチがですね、ナガミの競争馬で行われる最後の日本ダービーに勝つために、
霊才牧場の城城笹田の最高傑作、悪魔的強さを持っているとされるボグロムという馬を購入します。
この馬でダービーを勝ってみせると。 そこに立ちはだかるもちろんライバルもいます。
世界最大の牧場が生み出した、禁断の配合論によって生み出された、病的な速さを持つエビメテウス。
こちらの馬との対決、どちらも日本ダービー、ナマミの競争馬で行われる最後の日本ダービーを勝ちたいというところで、
そこに向かって、右洋曲説物語が進んでいくわけなんですけども、こちらの本、第10回日本SF新人賞の受賞作となっております。
この概要を聞いただけでも、すごい作品だっていうのはわかるんですけど、この驚くべきはですね、
この日本SF新人賞の先行員の中に競馬好きな人はいなかったらしいんですね。
ということはですよ、単純にSF小説として評価されたということになります。
なので競馬好きでなくても楽しめる内容となってるんですね。
で、ここから、ここからちょっとダルマ的にね、あの面白かったポイントがあるんですけど、
メインで登場する馬、今紹介したエピメテスだったりとか、ポグロムという馬、こういう馬たちはしっかりと意味を持って名前が付けられてるんですけど、
結構このメインで登場する競争馬とか、あとは日本ダービーだったりとか、キッカ賞とかサツキ賞、そういう名前のものがあったりするんですけども、
そのレース名以外が、結構名前がふざけ倒してるところが面白いなと思って、いやこれ、いい意味です。いい意味で、すごいなぁと思って、
これ多分著者が競馬好きだから出てくる名前なんですよね。
ここをふざけることによって、すごいシリアスな内容の中にも楽しさ、まあ僕がよく言う好きな欲望ってやつですね。
これが付けられるところがあります。
一つ例えて言うと、中山競馬場がなくなって、22世紀の日本が舞台なんですけど、ロシアの統治下ということで、
戦争によって中山競馬場がなくなってしまったと。
で、その代わりに岡山に競馬場ができたそうなんですね。
で、岡山の競馬場で開催されるG1のレース名、G1っていうのは一番格式高いレースなんですけど、そのレース名がなんと、
岡山きび団子ステークスです。
いや、有名ですよ。有名なんです。
岡山はきび団子が特産物の中で一番有名かもしれないですけど、もう少しあったんじゃないかなとはやっぱ思いますよね。
例えば、例えばですけども、岡山県だと、倉敷市があるんで、デニムの名産地じゃないですか、ジーンズで使うデニム生地ですね。
そのデニムの名産地なんで、デニム&ルビーっていう馬が近年走ってたんですけど、
その馬の名前を関して、デニム&ルビー版でみたいな感じにしてもよかったでしょうにって、これを話すにあたって結構読み返しながら思ってたんですけど、
よくよく調べたら、この本が発行された当時、まだデニム&ルビー走ってなかったですね。
面白い名前と競馬文学の新たな視点
なんでその名前はつけられなかったというオチなんですけども、結構それ以外にもいろいろと面白い名前出てくるんで、
競争馬の名前ってカタカナで表記されるんで、最初ちょっと読みづらいんですけど、
その名前をしっかり読むと、口の中で笑いが出てしまって、その空気圧で目がちょっと前に飛び出るぐらい、
数ミリ飛び出るぐらいちょこちょこ笑えてしまいます。
やっぱりこの本の面白いところはSFなんで、結構今ある競馬文学と言われるものの視点とはまたちょっと違うんですね。
なんで競馬好きでこの本を取られた方は、SFっていう普段は見ないようなジャンルの本に出会えますし、
逆にSFが好きでこの本を手に取ったという方は、競馬という新しいエンタメに出会えると思います。
いやー、これ改めて読み直したんですけども、すごい設定が、やっぱSFって裏の方まで考えられてて、
僕はもうそうだよね、このまんまの問題、今抱えている日本競馬界が抱えている問題がそのまんま22世紀まで持ち越された場合は、
もしかしたらこういう風になってしまうかもしれないというところまで書かれているんで、
今競馬が好きな方、これから競馬を見る方っていうのは、ぜひ手に取っていただきたい一冊になっております。
ということで、ちょっとテンション上がりすぎてしまって早口でお話しさせていただいたんですけども、いかがでしたでしょうか。
番組の感想などございましたら、ハッシュタグ競馬見聞録でツイートしていただければと思います。
今はポストって言うんですかね。ポストしていただければと思います。競馬見聞録は競馬が漢字、見聞録がひらがなとなっておりますので、よろしくお願いいたします。
それではまた次回の競馬見聞録でお会いしましょう。 さよなら。