1. 神田大介の経験
  2. 民主主義と中東
2024-10-16 10:11

民主主義と中東

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私はですね、中東のイランという国に3年7ヶ月住んでいました。この国もですね、民主主義国ではあるんですよ。
カギカッコつきの民主主義だって言われることが多いですけどね。何でカギカッコがつくのかっていうと、例えば大統領選挙、これは直接投票なんですけど、
何百人と候補が出てくるんですよ。その中で事前審査があるんですよね。
イランという国はどういう国なのかっていうと、まずイスラム教のシリア派の国だっていうのは、皆さんご存知かと思いますが、
イスラム法学者、たぶん頭に巻いた人たちですよね。黒かったり白かったりするんですけど、そのイスラム法学者が集団統治体制を作ってるんですね。
最高指導者というのが一人いるんですけれども、その人の中心として周りにいろんな人がいて、
とりわけそのイスラム法学者、イスラム法学者って何かっていうと、イスラム法っていうものがあるわけですね。
これはだから、預言者マハンマドの教え等に基づいて、だから聖典のコーランとか、それに混ざるハディースっていうのがあるんですけど、
に基づいて法律が作られていて、それを解釈運用していくっていうのが、イスラム法学者の仕事になるんですが、その人の中から最高指導者っていう国のトップは選ばれますし、また補佐するのもイスラム法学者なんですね。
イスラム法学者だけじゃないんですけれども、中心になっていくのはその人たちです。
この体制をベレアティファギーフって言って、これが1979年のイラン・イスラム革命において実現された、それまではイスラム教じゃなくてシャアって王様が治める王国だったんですよ。
で、それが打倒されまして、イスラム法学者が集団で治める国になりました。それが今のイランですね。
なので大統領選の時にも、この人が大統領選に出てもいいですよっていうのは、そういうイスラム法学者たちは決めるんですよね。
普通の弁護士とかも入ってくるんですけど、そういう組織があるんですよ。
その中で審査して決めると。ただ当然そこには最高指導者、今はハメネイ氏の意向というのは非常に影響されるというふうに言われていて、それはそうですよね。
で、ベリアティファギフという、今のイランという国の体制を壊しちゃう恐れのあるような人は選挙に出られないんですよ。
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だからイランにおいては政治調理というのがあって、保守強硬派、保守恩恵派と改革派というのをめちゃくちゃ簡単に言うと3つに分かれるんですけど。
強硬派というのはイスラム法に基づいて厳格な統治をしていこうという人ですね。日本で言えば、普通の国で言えば右翼に当たります。
恩恵派は中道ですね。イスラム法に基づく統治が必要なんだけれども、緩やかでいいんじゃないのかと。そんなゴリゴリじゃなくてもいいんじゃないのかという人たちですね。
改革派というのは、もうちょっと自由を重んじようよと。人の権利であるとか、集団の統治、統制みたいなことよりも、個々の生きやすい自由な生活みたいなのを重視しようと。
ただ別に改革派って言っても、政権を打倒しようとか、政権というか体制を打倒しようとは思ってないというか、思ってたら選挙に出られないんですよね。
とはいえ、改革派の中からそういう思想が生まれてきてもおかしくないというふうに、ベラディパー・ギーフとしては常に警戒感を持っていて、なので、あんまり伸ばしたくないという気持ちは持ってました。
なので、大統領選挙にも改革派から候補が出てくるってことはあんまないんですね。ほぼない。
難しいところで、イスラム法学者の中にも改革派の人もいるんですよ。
全体としてはやっぱり少ないですね。
さて、そういうような体制下にあって、選挙はしかし、私、取材しましたけれども、私が取材したのは、いわゆる日本における衆院選ですね。
国会議員選挙。今やってるやつですよ。
それを取材したんですよね。
もちろん日本とは全然違います。いろいろとね。
例えば、選挙区ごとに定数が全然違っていて、テヘラン諸島は30人となっているんですよね。
全部投票しなきゃいけないんですよ。30人分名前を書かなきゃいけないんですけど、大変ですよね。
みんな隠す様子もなくて、テーブルの上に広げて、しかも30人分って各陣営が名前のリストを配っているんですよね。
それを引き写しにしているという、そういう不思議な光景でしたけど、それは国会議員選挙ですね。
大統領選は一人しか選べませんもんね。分かりやすいですね。
いずれにしても、そうやって投票をするわけなんですが、そこで不正があるとか、
誰かに緊張感の中でやっているという感じは全然なかったですね。
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まあそうですよね。それを前に奮いにかけられちゃっているわけだから、
体制から見た時にですね、本当にこいつはやばいっていう人はそもそも選挙に出られませんので、
そこは安心なわけですよ。
投票率を見ても、不正はないだろうな、そこに不正はないだろうなと思います。
ただね、イランという国は、ゆえにというところもあるんですけれども、
体制が安定しないですね。
だから、すごく強権的な国に見えて、案外そうでもないというところもある。
国民があんまり言うことを聞かないんですよね。
全然一万岩でもなんでもないし。
本当の強権的な国もありますよね。
北朝鮮とか、中東で言うとシリアとかそうですね。
シリアと北朝鮮はだいぶ違いますけど、雑にまとめさせてもらいますけれども。
一方で、他にも強権的な国ってあって、
サウジアラビアとか、アラブ主張国連邦とか、日本にもお馴染みの、
大体王様が治めている国であって、
北朝鮮的な息許しさがあるかというと、あんまり感じられないようにも思いますが、
強権的であることは間違いないですね。
サウジアラビアに関して言うと、あれは王様の持ち物ですからね。
国家に持ち物を持っていない。
国家に持ち物を持っていない。
国家に持ち物を持っていない。
なかなか信じ難いものがありますけれども、国会もあるんですけど、
定数200いくつだったかな。
全然ね、あそこに有権者って一人しかいないんですよ。
王様。全部王様が決めるんですよ。
あなた、国会議員になってね。
選挙はありません。
投票を国民がするということは、
選挙はありません。
選挙はありません。
あなた、国会議員になってね。
選挙はありません。
投票を国民がするということはありません。
これなんですよね。
強権的でしょ、やっぱり。
民主主義では全くないですよね。
カギかっこつきですらないですよね。
だって投票ないんだもん。
ただですね、
イランとサウジで、
どっちが豊かかっつったらサウジです。
サウジはもちろんね、
世界でも極めて稀なですね、
良質な原油がたっぷり出るという国なんですよね。
埋蔵量とかで見ると、
世界一は確かベネズエラですよ。
南米のベネズエラ。
ただ、重質油とか超重質油って言って、
原油としてはですね、
使い勝手が悪い原油なんですよね。
原油ってかなりいろんな種類あって、
中にフルーツが入っていて、
その硫黄みたいなね、
原油の主成分としては使えないものが、
どんだけ入っているかとかですね、
全然性質が違うんですけど、
比重とかね。
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サウジとかね、
あとUAEとかの原油って、
いいんですよ。
使いやすい原油なんですよ。
イランはサウジほどではないけど、
まあまあみたいな感じですね。
ベネズエラとかの原油は使いにくい原油。
生成にすごく技術がいる原油なんですよね。
お金もかかる。
そうやって見ると、
確かにサウジっていうのは、
お金になりやすい原油を持っているっていう強みはあるんですが、
それだけでは全然ないと思いますね。
イランとの最大の違いは、
どう考えてもアメリカとの距離感ですね。
UAE、アラビア諸国連邦もそうなんですけど、
よりサウジはそうかな。
だから別に、
民主主義で言えば、
あるかどうかって関係ないんじゃないんですよ。
その国の豊かさとか、
人の自由さと。
これは中東にいる間に、
ずっと何というか、
私が考えていたことですね。
これはどう捉えていけばいいんだろうな、
っていうのがね。
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