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選挙がありましたよね。はい、投票に行きましたですよ。投票はね、毎回必ず行ってますけれども
投票すること、選挙自体にですね、意味があるとか意義があるってことに関しては、もちろん私も同様に思ってるんですが、ただね
ちょっとまあ何というか、選挙制度自体に対しては一線引いていると言いますかですね。やや白けているというか、白けてるって言った言葉悪いですけどね。ちょっと引いているところはありますね。
どういうことか。まず一つには、これはね、イランという国に私住んでて思ったんですけど、イランって選挙あるんですよ。でですね。
あれこれ、前に言いましたっけ。鍵かっこつきの民主制って言われるんですけど、投票はできるんです。誰でもね。女性もできます。
ただ、体制、国のトップの人たちがですね、決めた候補者じゃないと立候補できないんですよね。なんで制限付きなんですよ。
国のトップの人たちでありと言うとイスラム法学者なんですけど、この人はダメだと。この人をもし大統領とか議員してしまったら、私たちの思っているような社会にならなくなると。
私たちの思うような社会っていうのはこの場合ですね。イスラム法に基づくイスラムの教えにのっとった社会ってことなんですけれども。
が実現されない、極端に言うと例えば共産主義制度とかってイランでは絶対に議席を取りようがないんですね。
共産主義っていうのはイスラム教の考え方と相反しますから、共産主義は宗教を認めませんからね。
だから旧ソ連とかね、中国も未だにそういうところありますけど、宗教を認めないんですよね。スタリンとか宗教を認めなくて弾圧して、キリスト教ってロシアはロシア政権がありますけれども長らく弾圧を受けてきましたし、
中国もキリスト教とかちょっと手打ちみたいな動きもありますが、とはいえ基本的には宗教ってあんまり認められてないんですよね。
というのがありますね。とは全く相反するんで、イランにおいて共産主義政党が躍進することはありえないわけです。
その他にも国の体制自体をですね、壊してしまうような人って絶対に選挙には出られないんですよね。
で、選挙行われます。その選挙の時にはものすごい国を挙げての大宣伝。
そもそもイランの場合は地上波テレビ局って全部国のものなんで、国というか体制のものって言ったほうがいいんですけど、
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みんなで選挙行こう、選挙行こう、投票は大事だよっていうことを散々バラに言うわけですよ。
投票日、当日になるとですね、もうこれはですね朝からずっと選挙の話をしていて、しかもですね、投票所が閉まる時間がごめんなさいね。
今ちょっと正確にわかんないですけど、確かに8時とか日本とそんな変わらなかったと思いますけれども、投票所の閉まる時間が延長されるんですよ必ず。
風物詩みたいに何度も延長されるんですね。最初8時だったものがちょっともう本当にあの長打の列で投票を済ませてない人が投票所に押し寄せていると。
なのであの2時間の延長を決断したみたいなこと言って10時になるでしょ。ちょっとごめんなさい正確な時間じゃないですけど。
で、そしたらまたまだ投票したいという人がいるって言ってまたあと1時間延長するみたいなことを5、6回重ねてですね、必ず投票の終了は午前になるっていうのはもうお決まりなんですね。
大統領選においてもですね、国会議員選においても同じですね。
で、その投票日の朝なんかにはですね最高指導者が出てきてですね、極めて珍しいことに外国メディアの前にも出てくるんですよ。
だから私、ハメネイ氏をまあまあ近い距離で見たのって、あれ唯一あの機会だけなんですけれども、最高指導者がですね、この選挙ってのは非常に大事なことだと投票をすることによって、我々の民主主義っていう言い方しなかったかな。
まあとにかくまあこういうね我々の意思を示していくっていうのは大変大事なことだっていう日本でも言ってるようなことを言うんですよ。
だいたい総務大臣がそういうこと言いますよね。今回の投票すごい大事ですよみたいなことをね。同じようなこと言うんですよ。
どういうことなのかなってことなんですよ。なんでイランみたいなある種強権的な国家においてですね、そんな投票率が大事なのか。
イランだけじゃないんですよね。シリアも投票率はすごい気にしてましたね。
あと北朝鮮ね。シリアのアサル大統領って人は9割ぐらいの投票を取っていって、北朝鮮に関して言っても100%近くですよね。
キムジョンさんが取っていくっていう。この北朝鮮とかシリアみたいな例、こういう国って他にもあるんですけど。
のような例っていうのは要するにトップにいる人、強権的な支配をしている人の権威づけっていうのを行うために選挙制度が利用されてるんですよね。
イランもだいたいそんな感じですよ。
すがに例えばハメネイシって選挙で選ばれるタイプの人じゃないんですよね。選挙で選ばれるのは大統領までなんで、大統領は行政府の長にすぎませんから。
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イランにも3県ってあって、司法権、立法権、行政権、それぞれ日本以上にですね3県の分立ってちゃんとしてますので。
最高指導者は違うんですよ。イスラム法学者たちが決めるんですけれども、あれ就寝制なんで変わんないんですよね。
もうだいぶ前に決まっちゃって全然変わってないですね。ハメネイさんが亡くなるまで変わらんでしょう。
ということはどういうことなのかというとですね、結局イランのような強権的な国において、今の体制というものの正当性を示すために投票っていうものが大事ですね。
さっきも言いましたが、自分の国のあり方っていうの。
だって別にイランが必ずしもイスラム法の体系に基づく、イスラムに基づく統治じゃなくたっていいじゃないですか。
なかったんですよね。昔はね1979年までは王が統治してたんでシャーって言いますけどね。イランではね。
王様が統治してたんですよ。今のサウジアラビアとかそんな変わんない感じですよね。
っていう国のあり方はダメだと。そうじゃなくて、イスラム法学者たちが集団統治体制になってるんですよね。
最高指導者はいるけど、その最高指導者もイスラム法学者たちに選ばれるし、終身制だけど。
あとそもそも最高指導者って政治に直接的な口出しってあんましないんですよね。
彼はバランサーで、イランっていう国が今の体制に基づいて永続するようにいろんなバランスを取るっていうことに不信している人で、マイクロマネジメントみたいなこと。
例えば核政策とかに関してもああやれこうやれっていうことはなんかうっすらぼんやりとは言うんですけど、別に具体的なことは言わないんですよね。
でどういうふうにも解釈できる感じになってるんで、例えば英雄的な柔軟性を認めるっていう発言がね前にあったんですけど。
英雄的であれっていうのはイスラムの価値観に対してですね、ちゃんとこうしろって言いますね。
柔軟であれっていうのはまあでもイスラムの価値観にそんなに合わないことでも柔軟に取り入れてていいよっていう。
これに対反したことを言ってるわけですよ。
っていうのがイランの国のあり方なんですよね。
なので朝露大統領とかキブジョン総書記とかとは違うんですよね。
国の行き先っていうのは結構その時々の政権によって変わるんですよ。
とはいえその一番根っこのところにあるイスラム法に基づくイスラムという思想をよりどころとする大気自体を絶対壊してもらっちゃ困るっていうことなんですね。
これが選挙によって事実上正当化されてるんですよ。
日本だって同じじゃないですか。
日本だけじゃないんですけど結局その投票行動によって今の国のあり方っていうものが支持されているっていう証明に使われるわけですよね。
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よく個人の政治家のレベルでもみそぎだとかって言いますよね。
有権者が投票してくれたんだかなんか悪いことをしたりスキャンダルしてこの間も裏金ありましたけど裏金やったけど有権者が当選させてくれたんだからその話は一旦いいよね。
ってことになりますよね。
国のシステム全体で見てもそうなんです。
今の国のシステムっていうのは間違ってないよねっていうことが投票によって証明されるわけですよ。
理想の支持される。
それは有権者がそんな気持ちなくったってそういうもんなんです。
民主主義っていうのはね。
で私は別に現行の日本の民主主義に特に不満はないです。
だけど変えなくていいとは全然思ってないんですよね。
やっぱり直すべきところは全然直した方がいいと思っていて。
そしてあると思って直すべきところはね。
なので必ずしも投票に行くことが前みたいには全く思ってないっていうところが一番大きい理由になります。