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この時間は日替わりコメンテーター が独自の切り口で多様な視点を提案する
Catch Upです。火曜日は神戸さんです。
今年のノーベル文学賞はアジアの女性 として初めて、ハン・ガンさんが受賞して大きなニュースとなりました。
ハン・ガンさんは韓国の生まれの53歳。まだ若いんですよね。
韓国人がノーベル賞に選ばれたのは、2000年に平和賞を受賞したキム・デジュン元大統領に続いて2人目ということで、韓国でも大騒ぎになっているみたいですが、
韓国文学に馴染みのある人ってなかなかいないかなと思いますね。私もそうなんです。
福岡市のブックス・キューブリック・ハコザキ店で一冊だけハン・ガンさんの別れを告げないという本があったので買って読んだんですけど、他の本はどこにもなくてですね。
やっと今、少しずつ入り始めてるんですかね。
そのハン・ガンさんの本も日本語に訳したことのある翻訳家の方がいらっしゃって、古川彩子さんとおっしゃいますけども、受賞から半月経った10月末に福岡市で講演されたんですね。その様子をお聞きください。
韓国の作家のハン・ガンさんがノーベル文学賞を受賞されたということで、数年前から高校の一人に入っているという話は聞いていたんですけれども、
本を作っている側は実は誰も予想していなかったんですね、今年まさか受賞されるとは。今までのノーベル文学賞の関連から言っても、もう少し後になるのかなというふうには思っていたので、
生前の霹靂というかですね、全然予想していなかったことなので、急にすごいあちこちで取り上げていただいたりして、ちょっと忙しくさせていただいているんですけれども、非常に幸せな2週間を過ごしているところです。
ちなみにハン・ガンさんの本、読んだことあるという方いらっしゃいますか。
やっぱり結構たくさんいらっしゃるんです。ありがとうございます。
古川さんは神田外語大学の韓国学科を卒業して、韓国の大学院でも韓国語を勉強して卒業されています。
ハン・ガンさんのそっと静かにという本とか、さまざま韓国の作家さんの本を日本語に訳している第一線の翻訳家ですね。
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その方を九州大学の韓国研究センターがお呼びして、旧大西陣プラザで開いた韓国文学の魅力と題した講演会が10月26日に開かれた、その時の様子です。
また古川さんの声を聞いてみてください。
普通、ノーベル文学賞って選ばれると、今年の作家こういう人なんだ。
じゃあ日本語に翻訳しなきゃということで、そこから翻訳作業って始まることがほとんどなんですね。
そうすると翻訳をして出版の作業を経て、実際に本の形になって販売されるので、最短でも半年とか1年ぐらいかかるんですね。
ただ、私たちこれは自慢というか誇らしい部分でもあるんですけれども、
実は半岸さんの本っていうのはほとんど日本語に訳されていて、ずいぶん前から日本語で読める状態で半岸さんの本っていうのはたくさんあるんですね。
ノーベル文学賞を受賞したっていうのと同時に皆さんにこれだけ半岸さんの作品素晴らしいものになりますよっていうふうに、今お見せできる状況がすでに整っている。
これはすごく私たち翻訳者としては誇らしいことでもありますし、これからも努力を続けていかなきゃいけないのかなというふうに思っています。
ただ最初からこういう環境があったわけではなくて、韓国文学はここ数年ブームっていうふうにいろんなあちこちで取り上げていただけるようになったんですけれども、
我々が手弁当で一つずつ地道な活動をずっと続けていって、いろんなところで少しずつ取り上げていただくようになったという経緯もあります。
以前は韓国文学っていう本屋さんの棚はなくて、アメリカ文学とかある中で、その他の文学っていう感じになったのそうです。
ところが2010年代に入ってから各出版社で韓国文学のシリーズが出されるようになってきたことが大きかったという話をおっしゃっていました。
福岡市の出版社の書士カンカンボウが2016年から刊行を開始したのが、韓国女性文学14冊。
これも例として挙げられてましたけど、こういった出版社の地道な活動、それに翻訳者が作りたいと、訳したいと思って、そういう活動が地道になっていく中で、
今は実はハンガンさんの本はほとんど日本語で読めると。これは珍しいことなんですね、本当。
特に若くて、まだずっとノミネートされて何年も経っているという方ではないですからね。
韓国文学というのはどういう魅力があるのかということなんですけども、まず福岡さん、こんなふうに話しています。
韓国って民主化されたのって1987年ですよね。
この今キラキラした韓国ももちろん韓国なんですけど、民主化されてまだ40年も経っていないっていうのも現実なんですね。
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もっと昔からずっと苦しみの時期ってのがあったわけで、遡れば日本による植民地支配から始まるわけですよね。
そこから今度は朝鮮戦争、その後は軍団に伴うイデオロギーの闘争、その後は軍事独裁政権っていうふうに続くわけなんで、
そうすると自由を抑圧されたり自由に声を上げられない時期っていうのは実は80年近くあったっていうことなんですね。
そういうずっと自由に声を上げられなかった時期が長かった。
そういう環境の中で育まれた韓国文学のいくつかの特徴というか魅力みたいなものであると思うんですね。
例えばハンガンさんの少年が来るという本は公衆事件を背景にした本。
それから朝鮮戦争を背景にしたのが新女性を生きようというパクワンソさんの本だとか、
最終刀四三事件をモチーフにしているのがスニオーバさんというヒョンギョンさんの本とか、
こういった大きな事件を踏まえた上での小説というのも多いんだそうです。
そのあたりは自由にしゃべれなかった時期が長かったということが背景にもある。
そして今考えられる韓国文学の魅力、古川さん3つ挙げています。
1つ目は風化させないという鎮魂の思い、記憶の記録としての文学、記憶の記録ですね。
こういうふうに話していました。
国民や国家の一大事というのがずいぶん長い間続いたわけですよね。
そういった出来事を前に、作家にできることとは何か、文学にできることは何か、
作家としての使命とは何かというのをすごく常に愚直に追い求めている。
こないだハンガンさんがノーベル文学賞を受賞されたときに、
スウェーデンアカビリーの紹介文に過去のトラウマに立ち向かいという言葉があったんですね。
人間の命の脆さを浮き彫りにするというような表現をされていたんですけれども、
少年が来るとか別れを告げないという作品なんかは、
どれも過去に現実に起こったジェノサイドだったり戦いだったり、
そういったものがモチーフになっているわけなんですね。
今も世界中ではそうした残酷な残虐な出来事は続いているということで、
ノーベル文学賞の選定が一つの理由にもなったのかなというふうに思っています。
この風化させないという鎮魂の思いという作家の意識があるというのを第一に挙げたんですけれども、
二つ目に挙げたのは作家さんのことなんですけれども、
文学は社会の正しさを問う存在であるという使命感があると。
これはほうと思いましたね。
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日本の文学に社会の正しさを問う存在であるという自覚を持っている本がどれだけあるのかな、
やらなければいけないという使命感があって、
照れとか見えとかが一切なくて、
全部ストレートでまっすぐ読み手の上に落ちてくるという感覚が読んだときにあるんだそうです。
そして三つ目が体制批判や社会問題をテーマにしつつ、
個人の物語を積み上げていくという特徴があります。
土台にそういう大きな出来事を作って、
その上に個人の、一人一人の市民の物語を積み上げていくというパターンが多いんですけれども、
これもやっぱり国を揺るがすような出来事とか、
生産の事件というのには必ず名もなき人々、
死刑の人々の犠牲とか、一人一人の物語があったんだという、
個人の痛みを社会全体で共有するというような気持ちはあるのかなというふうに思います。
なのですごく韓国文学を読んでいると、
個人的なことは社会的なことなんだというメッセージがすごく伝わってくるのかなというふうに思います。
個人と社会の関係がいろいろあるみたいですね。
確かに阪元さんの本は、少年が来るは公衆事件をテーマにしていますし、
それから別れを告げないは四三事件がテーマなんですね。
ただそこはノンフィクションではありませんから文学なので、
幻想的な要素もあったり、あまり読んだことのない感覚の本だなと、
私は一冊しか読んでいないけど思いました。
そして今、韓国の文学には多様化がすごく進んでいて、
非常に面白くなっているそうです。
SF、それからハイパーリアリズム、非常に現実をリアルに描いている。
それからヒーリング、癒しですね。それからミステリー。
この分野で、これは面白いと思われるような本がどんどん日本語訳されているそうです。
私もその中で、モーメントアーケードというSFの話は面白いなと思いましたね。
自分の記憶を売るアーケード。SFですから。
私の記憶を買ってください。買いますという。そういうSF。
特に韓国のSFは女性作家がとても多くて、
詩的な文章のSFが多いと。
本を読んだことがないなと思ったので、
ちょっとハンガンさんの本以外にも読んでみたいなと思う本がいくつも上がりました。
非常に私も知らないことばかりで古川さんの話を聞いて勉強になりましたね。
これまで映画、ドラマ、そして音楽と韓国の文化が入ってきて、
日本にも進んでいますから、そこが本も広がっていくといいですよね。
いいですね。ハンガンさんの本もどんどん増殺されて、
今本屋にやっと並ぶようになってきたみたいですから、手に取ってみてください。
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カンベ・カネムミのキャッチアップでした。