ちなみに前職ではどういう立ち位置で、どんなことをしてきたんですか?
前職はマップ経営という会社で経営計画のシミュレーションソフトを開発している会社。
これは会計事務所さんに販売する。
経営計画の作り方とかを会計事務所さんに教育・研修するという会社だったんですけれども、
そこで最初7年間は研修の講師ですね。
会計事務所の方々に対して経営計画の立て方とか、こういうふうにやりますよっていうのを
研修講師という立ち位置で仕事をさせてもらっていて。
研修講師?
そうですね、研修講師。
会計事務所の先生?
そうですよね。
先生たちに向けてシステムの使い方とか、あるいはそもそも経営計画ってどうやって立てるのみたいな話。
そうです。
それを会計事務所の先生に。
やってました。
それは大変ですよね。
最初はやっぱり緊張しましたけど。
新卒でご入社されていた?
新卒に入社しました。
そのどことの若造がこれまでたくさんの企業経営を見てきた先生に向かって話をするわけですね。
それもただ話をするわけじゃなくて、使い方なり推進の仕方っていうのを教えるわけですよね。
そうです。
ちょっと尋常じゃない精神状態になるかなって思いますけど。
緊張は最初はしましたけれども、7年間そんな仕事をさせてもらいました。
その後は今度は営業の仕事ですね。
新規のお客様の開拓もそうですし、今いらっしゃるお客様のところ訪問をして、それで経営計画の推進。
その会計事務所さんで経営計画がお客様に対して提供できるような現場で推進するっていう仕事にスイッチして。
それが5年間ですね。
なるほど。
で、その後は?
その後は会社を辞めて。
あ、そこで辞められたんですね。
そうです。
これその経緯みたいなのをここで伺っておいて大丈夫なんですか?
あのー、まあ。
話せる範囲でいくらにしていきましょうか、じゃあ。
ここはなかなか難しいですね。
確かに難しい。僕内情知ってますけど。
言える範囲であまりにも気になっちゃうと思うんで。
でもあれですか、じゃあ経営者になろうっていう思考がもともとお持ちだったかというと、そういうわけではない?
経営者になりたいっていうのは20代の頃思ってました。
思ってたんだ。
思ってました、はい。
でもそれはどういう経営者っていうか、業種なりどういう会社の形態?
いや、特にはなかったですね。
本当入社して3年4年ぐらいまでは、もう20代のうちに会社辞めて経営者になろうっていうのは思ってました。
なんで経営者になろうって思ったんですか?
何になりたいとかどうなりたいっていうのって全くなくて、今振り返ると漠然と社長になりたいなって思った。
いや、父親が自営業やってたのはそういうことじゃないんですよ。
ないんですよ、ないんです。
ないんですけど、なんかただ漠然と会社やりたいなって思ったんです。
なんでだろう?
わかりません。
これ選んだら良かったのかな?
そうなんだ。
でも大学が商業科じゃん。
そうですそうです。経営学部。
経営学部か。
あと会計の勉強とかもしたりしてたので、会計士にも一種になろうとも思ってました。
じゃあその文脈は少なからず、もしかしたら関係あるかもしれない。
経営の楽しさみたいなのは何か?
大学では色々勉強したつもりだったので、それを活かせるっていうのは頭のどっかにはあったのかもしれません。
人生を送るならば、どっかで経営というものに触れていたいみたいな考え方は多少あった。
ただ、それで経営者になって組織を持ってとか、一人でやってとか、そういうイメージっていうのは全くなかった。
ただただ経営者になりたいって思ってた。
じゃあその6年前か、7年前になるかな?
7年前ですね。
の一社員から経営者に切り替わったじゃないですか。
じゃあ劇的に変わったところ、何が変わったのか聞いてもいいですかね?
さっき紹介した通り、研修講師としての仕事と、あと営業という仕事をやっておりつつも、実際に企業経営者に対してコンサルティングをするという仕事も細々とやってはいたんですね。
それこそ建設業の会社さんだったり、その時家具を販売する会社なんかにもちょっとコンサルティングで入らせてもらっていたんですけれども、
自分が経営者になってみて、社長ってこういうところで悩むんだなとか、こういうことが気になるんだなっていうのを肌で実感できたっていうのは、すごく自分にとって財産です。
じゃあその肌で実感したことと、代表をやる前のこういうことに悩んでるんじゃないかなっていうことは全く違った?
そうですね。例えば税金を払うのがすごい嫌だから節税しようっていうふうに思われる経営者さん。
たぶん聞いていただいている方の中にもいらっしゃると思うんですよね。で、サラミンマンだった時は、なんで税金払うの嫌なんだろうっていうのを思ってたんです。
いや、義務じゃん。納税の義務。それは日本人の義務でしょ?って思ってたんです。
ただ、これいざ経営者になってみた時に、もちろんその納税をするっていうのは頭の中ではわかっている。
もちろんそれをしなきゃいけないっていうことも義務だっていうのは理解している。
ただ、やっぱり、いざその納付額いくらですっていうのを見た時に、これだけ支払うのかっていうのを感じたんですよね。
これかと経営者の皆さんが感じることってこれなのかっていうのを。
なんですかね、それは数字がバッと見えるから?
見えるからなのか、お金がそれだけ出ていくっていうことに対する恐怖感ももしかしたらあるかもしれない。
まさしく文字通り自分事になった。
そうですね。
そうか。
それはすごく感じました。
あと、お金、資金繰りの部分に言っても、ちゃんと先々見えてるんだから大丈夫じゃんって思ってたんですよ。
まさに経営計画を立てて、その計画がちゃんとその通り実行されているかっていうことを提供させていただいた側。
それを経営者は見てるわけですから、どのタイミングでどれだけお金が必要になるか。
分かるじゃん。
このタイミングはお金があるっていうのはもう分かってる。
分かります。もうここでキャッシュフローもうつくなというのは、田中さん散々それ作ってきた、指導してきたわけですよね。
分かる。
その手法ももう散々知ってるわけです。
分かってる。
なのに。
ただ、それが経営者の立場になってみるとすごく不安になるんですよ。
今でも覚えてる。時々話したりもするんですけど、
超入金予定とか全くないのに帰りの電車の中でスマートフォン開いて会計ソフト開いて、
それで入金がない、出金がないっていうのを確認してアンとしてる。
あ、今日は支払えなかった。あ、今日入金あった。
毎日見てるんですか?
その時は毎日見てました。特に創業当時。
今はそんなに?
今はそんなにです。
数は減った?
数は減りました。その時は無意識的に開いてました。
SNS状態ですか?
SNS状態です。
電車乗ってつり革捕まろうと思ったらスマートフォン出して会計ソフト開いてっていうのを無意識的にやってました。
TikTok見るかのように財務省が見えるように。
そうです。しかもさっきも言った通り、今日入金がある。
今日は入金ないっていうのが分かってる。
今日出金もないっていうのは分かってる。
分かってるのも関わらず、無意識的に会計ソフト開いてるんですよ。
これかと。
これかと思いました。
頭では分かってるのに、体が動いてしまうってのはどういうことなのかっていうのをすごく感じました。
僕もそこをすごい共感するところがあって。
やっぱり数字、普段の管理会計って皆さんご存知かどうか分からないですけど。
管理会計っていうその普通の会計、普通の会計。
何ですか?あっちの会計は。
決算書とか。
過去会計。
過去会計っていうのか。
管理会計。
普通の会計が聞いていただいている皆さんは。
分かるかな。
分かると思う。
表に一般社員と見えている数字と社長が見えている数字って結構介入しやすいじゃないですか。
しょうがないんですよ、これは。
その管理会計っていうのは皆さんが見えるような状態になっている。
ちょっと読みやすいようにしている数字ってあると思うんですけど。
それだけ見ているのと、内側で見ている数字ってやっぱり違うんだなって実感しますし。
ダイレクトにその数字、裏側の数字っていうのが見えると、これは特に立ち上げ当初っていうのがドキドキします。
どの辺でそれを感じました?
実際にキャッシュフローを持つかどうかなっていう話ですよ。
やっぱそこですか。
でしょ?
究極はお金ですからね。
お金ですよ。
お金が尽きてしまえばゲームオーバー。
僕今第5期目に入ったのか、5年生になろうとなったところですけど、
昔から言われてるんですけど、服部さんサイコパスだって言われることあるんですけど、
最近ね加速度的に言われるようになったなと。
サイコパスはまたちょっと違うような気がしますけど、それはどのシチュエーション見て皆さんそういうふうに教えてるんですか?
よく言われるのが、顔は笑ってるんだけど目が笑ってないって言われる。
僕ね全力で笑ってるつもりなんですけどね。
目が笑ってないって言われるんですか?
目の奥が笑ってないって言われるんですよ。もうこれどうしようもないんですけどね。
それは経営者だからとかそういうことですか?
僕のパーソナリティの話。
それは上段差って大きい。
でもその普段やっている業務だったりとかっていうのも、プレイヤーとして動いている部分もあるんですけど、
そういうところがありつつも堅いな。
ドライにすごいジャッジするとかっていうのは特に数字のところにあるんだよね。
数字側がドライなので、ドライに付き合わざるを得ないっていう瞬間はどうしてもあるんだろうな。
そういうところが言葉になるとサイコパスっていう言い方になるかもしれないし、
どちらかというと僕クレイジーにならなきゃいけない部分があるなっていうふうに言葉としては思います。
あとはお給料を払うっていうこともすごく経営者になってみて実感するところがあるんですけれども、
今まではサラリーマンの場合はもらう側だったわけじゃないですか。
経営者になって、自分もそうですけど、従業員に対してスタッフに対してお金を払う立場になるわけですよね。
払うときに1回送金っていうボタンを押すときにちょっとためらうんですよ。
ためらうっていうのは何かというとすんなり押す。
1回ちょっと自分もそうですし、スタッフの1ヶ月の活動を振り返るわけです。
振り返るんだ。
振り返ります。
すんなりとボタンが押せない自分がいる。
自分はこういう活動をこの1ヶ月したなとか、スタッフはこういうところを頑張ったな、こういうところをもうちょっと頑張ってもらうといかんなとか。
振り返ると同時にかみしめる。
かみしめる。
このワンクリックにかみしめる何かを載せてワンクリックするんですね。
スムーズにポンポンとは押せない自分が。
これ今でもそうなんですけど、スムーズに押せない自分がいて。
確かにそれは社員の頃には想像はつかない。
そうですね。
なのでお金をもらうありがたみっていうのを経営者になってより実感したっていうのはありますね。
今までもサラリーマンでももちろんお金がもらえなければ生活はできないので、それはそれでありがたかったんですけれども、
それを払う側になったときによりそれを実感したということですね。
だからもうちょっと頑張らなきゃいけないなっていう気持ちにもなってます。
ご自身もね。
自分が。
会社全体としても。
会社全体としてもそうです。
ということですね。
なるほどね。
っていうのを経営者になってみて実感できたっていうのは自分にとってはプラスだったなっていうのは感じるところ。
僕よく田中さんからお伺いするのは、ご自身が経営をなさっているというこの実感こそが今のクライアントの皆さんへのサービスの根源になっている。
そこのレベル上げに向かっていると思うんですけど、自信を持って言えるようになったみたいなことはよく田中さんから聞くので、
そこの人たちにしかわからない苦悩だったりとか喜びも含めてあるんだなっていうのは思ったりしますけどね。
その提供していること、経営計画を立てるとか立てた計画に対してきちんとその通り実行できているかどうかっていうその提供しているものというのはサラリーマンだったときにやっていたことと経営者と同じなんですよ。
同じなんですけど、やっぱりその経営者という立場で提供しているって自分も体験した事柄を自分から言うっていうのもあるんですけど、
そうするとその気持ちわかるっていう反応だったりとか、プラスアルファーでこういうことも悩んでいるんですけど、
どう思います?という相談がサラリーマンだった時と比べると圧倒的に増えたなっていうのは感じますね。
共感ができるっていうことが多いのでしょうね。
ここだけの話っていう話をしていただけるっていうのはすごくやっぱりその経営者の方との近さを感じるので。
田中さんならわかってくれるかなって思う、僕も。
自分のパーソナリティーの部分もあるのかもしれないですけど、でも僕自身は経営者として、
まあでも経営者としてって言うとちょっとまた距離感がね、それがあるからくっついてられるのっていうふうに思われているのも嫌なんですよ。
ただこの立場だからお客様のその気持ちがわかるっていうところもあるし、実体験で同じですよっていう話もできるし。
っていうのこともあるので、やっぱりこの立場でお客様と接することができているっていうのはプラスになっているなって思います。
難しいなって思うのは、確かにその経営者、経営をしたことで見える景色ってあると思うんですけど、
でも実際社員はね、社員の立場のままサービスの提供しなきゃいけないし、
じゃあ全部田中さんに出てきてもらいたいとか、田中さんに全部相談してからなんかするって、
まあ現実的にはあり得ないじゃないですか。
で、その時にね、社員がどう立ち回るかっていうのは、これは会社経営としても永遠の課題になるんだろうなと思ったりしますけどね。
そうですね。なので経営者マインドを持てとか経営者視点を持てっていうのはよく言われる。
僕もそれはある意味必要だとは思うんですけれども、
それよりも、僕はその経営者というある種、肩書きを使ってお客様と接することによっていろいろ近い距離を得ることができた。
経営者という肩書きがなかったとしても、ちゃんとその人が経営者に寄り添いながら、
その悩みを少し共感できる立ち位置に登り詰めてくれたら、経営者という肩書きがなくてもいいサポートができる。
実際そうやってやってらっしゃったんですか?
と思ってはいいな。
間違いなくそうですよ。
ってなると、やっぱり自分で目標を持つってすごく大事だなと思っていて、
その目標に対して自分が頑張ってる、努力してる、アクションしてるっていうことを少なくとも私生活の中でもいいのでやっていれば、
経営者が目標を掲げてそれに対して頑張っているというところに対して、自分もこういう目標を掲げてこういうことを頑張ってるんですよっていうステージ違うかもしれないけれども、
でも近いステージで話をすることができるんだろうと思うので、そこは求めていきたいなって思うんですね。
自分のなりたい姿だったりどうなりたいかっていうのをちゃんと持った上で経営者と話をしないと、ただ惰性で生きている人が経営者のサポートができると僕は思えない。
なるほどね。
っていうのはやってみて感じるところですかね。
今までもやってましたけど、経営者というポジションになってそこにより自分は拍車をかけることができたっていうのはプラスだったなって思いますね。
いいですね。
鳩さんなんかそういうありますか?
そういう?経営したことで見えたことか。
はい、経営したことで見えた。
でも今おっしゃってた数字の部分については、もうね、田中さんに僕すごい頼っている分大きい。今となってはね、大きいですし。
すごくサポートしていただいているので、ある意味安心してね、経営できる環境になったのは幸せだなと思っている分。
確かに立ち上がり当初、同じようにキャッシュフローで、これどうなるんだろう。
1年のペースがわかんないんですよね。お金の増減なり、それと合わせてスタッフみんなの許容できる範囲。
その許容っていうのは仕事の強度だったりとかっていうのもバランス感覚っていうのは自分の中でストックが、経営者という目線からでは持ち合わせていなかったので、そういう部分では悩んだところはありますね。
3期目ぐらいまではそんな感じでふわふわした感じはあったかなって今お話聞いてて思いましたね。お金の面で言えばね。
ブランディングの観点から、ただデザインをするだけじゃないじゃないですか、セルワーディングさんの企業さんに対してのサポートっていうところで言うと、
そのブランディングっていう観点から見たときに、今の経営者というポジションでよかったな、経営してよかったなって感じられること、ブランディングっていう観点はありますか?
ブランディングっていう観点でジャストで言えるかどうかわかんないですけど、今思ってたことを言うと、
この経営者という立場の前は、僕も取締役も経営者という立場ですけど、もう一個前で言えば社員という立場をしていたときで言えば、自分の周りの関係者の範囲で仕事をするんですよね。
当たり前なんですけどね。その範囲でいろんな人がいるんだな、いろんな考え方の人がいるんだなっていうのを実感してやっていたんですけど、
こういう立場になると、関係する人っていうのが広がっていくな、線が広がっていく、線が多くなる。