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kai3
なるほど。
細谷滝音
そのとき興味があったのが電子書籍とかなんですよね。
それが僕が30歳ぐらいの、30なる前ですね、28歳ぐらいの頃なので。
だから今僕が48になるので約20年前ですよね。
kai3
その頃電子書籍ってまだ今みたいな環境を整ってない頃ですよね。
細谷滝音
全然ないですね。
出版社が電子書籍みたいなのを、どちらかというともうすごい消極的というかやりたがらないみたいな感じの状況ですよね。
kai3
そうですよね。
すごいな、その中に電子書籍飛び込むって結構な勇気ですよね。
細谷滝音
知り合いの知り合いみたいな感じでmixiで会った人経由で、電子書籍みたいなことも興味あるみたいな編プロ(編集プロダクション)に行ったんですけど、
実際にはそういうことをあまりやる感じじゃなく、本当にただの編プロっていう感じで結構ゴチャゴチャしてて、
これちょっと違うなと思ってそこすぐやめてしまったんですよね。
kai3
そうなんだ。
でも当時の電子書籍って今みたいに大きいプラットフォームがあってっていう感じまで整ってないですよね。
どういうのだったんですか、専用ファイルみたいなのだったのか、PDFでただ売ってたみたいな。
細谷滝音
いやまだそれもこれから考えるみたいなそんな感じの状況で。
kai3
そういうレベル、そのぐらいの時期ですよね、そうだよな。
細谷滝音
そうですね、その当時やったのは多分Voyagerが、Voyagerという会社が画像ファイルじゃないですけど、JPEGとかで電子書籍みたいなそういうのを配布するやつをやってたとか、そんなぐらいのレベルですよね。
kai3
最初そのぐらいですもんね。
細谷滝音
スキャンスナップとかがまだ出始めたとかそれぐらいですよね、きっと多分。
kai3
でもそこはすぐにやめて、今度は次に。
細谷滝音
そうですね、それからちょっとしばらくうだうだしていた、やっぱり版元に戻りたいなと思って、それで音楽系の出版社を受けたんですよね。
それで受かって入ったところがリットーミュージックというところで。
kai3
あー、存じ上げておりました、リットーミュージックさん。
細谷滝音
その時ですね、カイさんと同じ企業グループになった。
kai3
そうですね。
で、リットーミュージックでどういうことされてたんですか。
細谷滝音
リットーミュージックは本当に月刊アスキーと同じように編集記者なんですよね、やってるのが。
自分で取材行ってライブレポートを書くこともあれば、特集とかでライターに頼んだりとか。
とにかく忙しい職場で、編集部員一人一人に担当レーベルみたいなのが持たされるんですよね。
kai3
そうなんだ、レーベルごとなんですね。
細谷滝音
そうですね、僕が担当してたのがユニバーサルと、あと烏龍舎というミスチルとかがいたところと、あといくつかですね。
必ず1個は編集部員メジャーレーベルを持たされるという感じの状況で、
必ず毎月1回見本誌を配って、何かいいアーティストいませんかっていう話を聞きに行くんですよね。
kai3
あー、いやそれちょっと面白そうだな、いいですね。
細谷滝音
PDFですね。
kai3
PDFで普通に販売して、ビューワーで見る?
細谷滝音
そうですね。
kai3
それってピアノ専用のビューワーとかあったりするんですか?
細谷滝音
ピアノ専用ではないんですけれども、そういう楽譜をまとめて見れるそういうビューワーソフトとかはいくつか出てますね。
kai3
だってめくるのとか普通の本と違いますもんね、きっとね。
細谷滝音
そうですね。
kai3
求めてる操作みたいなものは。そういうのがやっぱりあるんだ。
細谷滝音
そういうのを使っている人はBluetoothとフットペダルとか使って、足で譜めくりをするということをやってて。
kai3
正しいですよね。やっぱり手でいちいちめくっているのね。見た目的には当たり前だけど、よく考えたら結構効率悪い作業ですもんね。
細谷滝音
そうですね。
kai3
がんばってピアノめちゃめちゃ手元で弾いているのに、それだったら足使った方がいいっていうのは。
確かに。
僕も最近ピアノ四十の手習いで細々と始めてるんですけど。
細谷滝音
そうなんですね。
kai3
そうなんですよ。全然弾けない。まだ1オクターブちょっとぐらいしか弾けないんですけど。
で、ちょっと弾けなくてくると楽譜とか興味出てくるんですけど、どう買っていいかわからなくて。
細谷滝音
なるほど。そういう意味で言うと日本の楽譜出版社ってあんまりデジタル出してないんですよね、大手のところは。
kai3
やっぱりそうなんだ。
細谷滝音
全音も音友も、春秋社、この3つが、あとヤマハか、4つが割とメインの楽譜出版社ですけど、どれも電子をほとんど出してないですね。
kai3
へー。これだけ電子普及してきて、で、先ほどの話みたいにプロの方ほど電子iPadで弾くっていう流れになってもあんまり出ないんですね。
細谷滝音
そうですね。ポピュラー系でもないのがすごい不思議なんですよね。バンドスコアとかって買ったことあります?
kai3
全然ないです。まだそこまで弾けないところもない。
細谷滝音
バンドスコアとか買うとですね、綴じが普通の平綴じなので、譜面台とか置くと勝手に閉じちゃうんですよね。
kai3
あー、なるほど。
細谷滝音
で、例えばベースの人だったらベースパートだけ、あとガイドとして歌だけ見れりゃいいのにとかっていうのに全部パートが書いてあって、
いちいち数小節ごとにめくらなきゃいけないみたいなのがめんどくさかったりするから、そういうのを電子でパート譜別にまとめて売ったりしたらいいのにとか思うんですけど、やってるところはまだ見たことないですね。
kai3
へー。すごいニーズありそうですけどね。僕なんかも、練習は今iPadのアプリとかで練習してるんで、
すっかり楽譜iPadで、僕の場合勝手に楽譜が流れてくれるやつを使ってるから、めくる必要すらないんですけど。
細谷滝音
それは何かそのアプリっていうのは楽譜専用アプリみたいな感じなんですか?
kai3
いや、楽譜専用じゃなくて練習アプリ。たしかシンプリーピアノ?シンプルピアノだったかな。あれを使って練習してるんですけど。
kai3
なので、まだページをめくるっていうスキルがないんですよ。流れてくるものを正しくしかできないんですけど。
へー、面白い。すごいな。でもこれで普通に紙の方も出してるってことですもんね。
細谷滝音
そうですね。
kai3
両方全部できて、これ実際ビジネス的には今っていい流れなんですか?今の話聞いてるとコロナもちょっと回復してきて世界中に売れるって話を聞いてると、すごくいい流れが来てるのかなと思ったりしたんですけど。
細谷滝音
うーん、それは結構微妙なものがあって、やっぱりバカ売れする感じではないですよね。
というのは、うちが出してるのは結構難易度が高いものが多くて。
kai3
そうなんだ。
細谷滝音
上級者ぐらいでないと弾けないんじゃないかみたいなのもあったりするんですよね。
kai3
これってその楽譜の権利みたいなものってあるんですか?
細谷滝音
ありますね。編曲を出してるものが多いので、編曲の中には元曲があったりするので、先ほど言った森下さんが編曲してるのはアニメの曲が多かったりするので、
そうすると元曲はJASRAC登録されてたりするので、それをJASRACに申請して許諾をもらってっていう感じですね。
kai3
そうか。じゃあ逆にJASRACに登録されてさえいれば楽譜を出すのは普通にできるってことなんですね。
細谷滝音
JASRACに登録されてない場合は作曲者本人に直談判とかそういう形になりますね。
kai3
やっぱそうなるんだ。
それって結構みんなしてるものなんですか?JASRAC登録って。あんまりしてないものなんです?
細谷滝音
アニメとかの曲ですと、やっぱりアニメで放送されるたびに著作権料が発生するので、そういうのは絶対登録してますね、まず。
ゲーム音楽とかはいろんな都合で登録してないのが多いと思います。
kai3
あーゲーム音楽。ゲーム音楽欲しいんですよね。僕もゲーム音楽聴きたいなと思ってたから探したりしたんですけど、ゲーム音楽ってなかなかないですよね。
ドラクエとかファイナルファンタジーみたいなものだと本が出てたりするんですけど楽譜の。
もうちょっとこうマニアックなゲームなんてさすがに残ってないんで耳コピするしかないなって思ってるんですけど。
細谷滝音
ゲーム音楽でJASRACに登録してないものを出した例としては、角野隼斗さんという、お名前聞いたことはありますか?
YouTubeでも150万フォロワーぐらいいるのかな。テレビのCMとかにも出たりするような人で、紅白にも出たんですよね。
kai3
かてぃんさんか。
細谷滝音
そうです、かてぃんさん。
kai3
かてぃんさん、はいはいはい、お名前は知ってます知ってます。
細谷滝音
その人の蠍火という編曲、元がコナミのビートマニアックスの。
それをうちで出して、コナミさんと交渉して。
kai3
すごいですね、コナミと交渉ってもうそれだけで、すごい勇者感があるけど。
細谷滝音
結構皆さんそう言いますよね。なかなかゲーム会社ってそういう、結構そういう使用に対して厳しいところが多かったりとかっていう話は聞きますね。
kai3
でも素人考えからすると、そういう音楽聞いて懐かしくなってゲームやりたくなったりとかするんですけどね。
古いゲーム今更できないから、公開しても意味ないのかもしれないけど。
細谷滝音
でも最近は結構人気のゲームをリメイクとかもあるわけで。
kai3
もっとゲーム音楽なんて僕らからしたら、本当J-POPの音楽で身近な存在だったりするから、それで楽譜で弾けたりしたらすごい嬉しいんですけどね。
あと音もファミコン時代とかだったら単調じゃないですか。僕でも弾けそうかなっていう。
それもあってゲーム音楽弾いてみたいですよね。
すごい難しい指使いしなくても弾けそうだなっていう。
ファミコンの単音くらいのやつだと。
それもあってゲーム音楽挑戦したかったんですけど。
あとこれが前にも少しお伺いしたいんですけど、
前に一緒にご飯した時に、最近もHMVって見ないよねみたいな話をしてたじゃないですか。
実際レコード店として僕はもう最近タワレコぐらいしか生き残ってないって認識だったんですけど、
いやなんかHMVが実はすごいんだっていうお話されてて。
その辺りちょっとお伺いしたいんですけど。
細谷滝音
HMV今レコードに力を入れてて、レコードの売上が復活してるみたいな話って多分皆さん知ってる人は知ってると思うんですけど。
kai3
聞きますね。
細谷滝音
コロナ前の2018年、19年ぐらいからですかね、中古レコード屋さんで外国人をすごい見るようになって。
kai3
外国人なんだ。
細谷滝音
そうなんですね。いわゆるシティポップと呼ばれる70年代、80年代ぐらいの日本の歌謡曲やポップソングとかの中で、
ちょっとジャズっぽいテイストというかフュージョンっぽいテイストがあるそういうものが、
DJの文脈とまたちょっと違うのかもしれないですけど、なんかウケるようになってて。
それでなくても元々日本って結構いいレコードを海外から買い付けてたっていうそういう歴史があるんですよね。
出回っているものも質が良くて。日本人って素手でレコードの溝を触らないじゃないですか。
kai3
そうっすね。
なるほど。そっか。
細谷滝音
でもいい加減な国の人だと素手で触るのが当たり前とかみたいな。
kai3
あれ触っちゃうんだ。そうか。確かに。フチを持って丁寧に扱ってましたね。質がいいんだ。日本のレコードは。中古でも。
細谷滝音
多分サブスクが世界的に普及したぐらいからですかね。
なんかアーティストが自分の新譜をレコードでも出すということが結構増えてきて。
kai3
最近いますよね。
細谷滝音
そうですね。で、それが結構枚数はたくさん作ってないと思うんですよね。
だからある種限定アイテムみたいになってて。
ファンの人が一種の推し活なのかもしれないけど、そういうレコードを買っておくみたいな感じの流れになってて。
それでもう一気にレコード需要が上がってきたのが、2020年になる前ぐらいの話ですかね。
細谷滝音
で、HMVはそっちの方に舵を切って、レコード、中古も含めて販売する店とか作ったんですよね。
kai3
そうなんだ。そういうふうにもうレコードに振り切ったんですね。
細谷滝音
そうですね。
kai3
すごい。
細谷滝音
で、これ海外のニュースなのでまだ僕もちゃんと確かめてないんですけど、
イギリスのHMVで、HMVってもともとイギリス発祥なんですけど、
なんかオーナーが変わって、なんか経営の仕方を変えて、
店舗ですごいレコメンとかをうまくやるようにしたら、お客が増えて、CDの売上も上がったみたいなニュースを見たんですよね。
kai3
へー。でも確かにな。
結局今サブスクになって、音楽が1000円くらい出したらいっぱいいけるわけじゃないですか。
細谷滝音
はい。
kai3
で、すごいいっぱい音楽聴ける時代なんだけど、音楽の出会いが極端に減ったなと思ってて。
細谷滝音
それはすごい感じますね。
kai3
結局機械的なリコメンドだとやっぱり乗らないんですよね。
細谷滝音
そうですね。
kai3
わざわざ聴きにならない。
で、どっちかといえば街で流れてる曲とか、テレビで見たとか、友達の家で聴いたとかが、
僕なんか音楽聴きたくなるモチベーションだったんだけど、そういう機会が本当に減っているから、
お店に行ってこれをリコメンドしてもらうっていうのは一番王道ですよね。
音楽店がレコードを売るんじゃなくて音楽を売ってるっていう視点から言ったら、すごい正しいですよね。
細谷滝音
そうですね。
kai3
いや、昔聴きに行ってたもんな。タワレコとかのCD3枚切り替えられる。
細谷滝音
あー、ありましたね。
kai3
ヘッドホンを聴いて、それ片っ端から聴いて好きな曲探すとか。
確かにお店でプロの詳しい人のレコメンドを聞いた方が確かにいいもんな。
でもちょっと不思議なのが、レコードちょっと人気が出てるなっていうのは何となく印象あるんですけど、
とはいえそれだけで上向くぐらい人気なんですね。
僕本当にごく一部でお仕事的に使うとか、クラブでDJが使うとか、そのぐらいのイメージだったんですけど、
今レコードに全部方向転換して、それでやっていけるぐらい今レコードじゃなくてそこまで大きくなってるんだっていうのが結構驚きでした。
細谷滝音
確かに売れてることは売れてるんですけど、やっぱり売り上げとしてはサブスクの方が大きいんですよね。
サブスクの方が10倍ぐらい大きくて。
kai3
その10倍っていうのはアーティストにとってってことですか?
細谷滝音
レコードの売り上げの約10倍ぐらいですかね。
kai3
あ、レコードのか。はいはいはい。
細谷滝音
もっとあるかもしれないですね。
kai3
逆に言えば10分の1もすごい気がしますけどね。
細谷滝音
ここまでいったら相当すごいと思いますね。
kai3
10人に1人レコードって身の回りの人数比から考えたら結構すごい比率な気がしますね。
細谷滝音
そうですね。
kai3
それをみんな聴いてるんですかね。でも最近ちょっと出てますもんね。
今レコードプレイヤーとか売ってますもんね。ちょっとおしゃれなやつが。
細谷滝音
ありますね。
kai3
あれは何なんだろう。音の良さなわけではないんですよね。きっとね。
kai3
様式美なんですかね。レコードを今みんな聴くっていうのは。
細谷滝音
結構いろんな人がいろんなことを言ってるんですけど、音質が良いからっていう人はあんまりいないかもしれないですね。
商品としての持っている所有欲を満たせるみたいな部分がやっぱり大きいのかなとは思うんですよね。
kai3
それはすごいわかる。やっぱりあのジャケットが良いんですよね。
CDになった時ですらちょっとちゃっちく感じちゃったから、あの大きさを。
細谷滝音
そうですね。
kai3
それがさらにストリーミングになって何も持ちなくなった時に、あの大きさとあの絵で、全部絵で表現してくれるから、それは確かにな。
細谷滝音
サブスクになると、ある時突然消えたりもするんですよね。
kai3
消えますね。ちょっといろいろ問題を起こして消えるとかね。著作権的に問題があったとかで、
もうちょこちょこ消えた曲を知ってるので、やっぱCD買っとかなきゃなと思いますけど。
細谷滝音
そうですね。
kai3
CDもCDでね、そろそろ我々が若い頃買ったCDとかもう寿命ですもんね。
なんか20年くらいとか言われてるから。
細谷滝音
そうですね。でも聴けなくなったCDは……普通に放置してて、ないかもしれないですね。今のところは。
kai3
僕もね、あの大量のCDがもう聴かないから思い出にとっといてCDがあるんですけど、
あの中の何個か聴けなくなってるのがちょっとドキドキしますね。
大丈夫なんじゃないかなと思ってるけど。
細谷滝音
昔の2枚組のCDとかにあったウレタンのスポンジが入ってたりするの、あれがやばいらしくて。
kai3
あ、あれ逆にやばいんだ。
細谷滝音
あのウレタンが過水分解してCDの表面を溶かしてしまって、それで聴けなくなるというパターンがあって。
kai3
CDは悪くないわけですね。
細谷滝音
そうです。
kai3
2枚組のが悪いんだ。2枚組あった気がする。もうでも今更掘り越えせないとこに置いてある。
難しいですよね。CDで持っている曲全部、ほぼほぼがサブスクで聴けちゃうので、
わざわざCDで聴かないんだけど、思い出が詰まりすぎて捨てられないというだけなんですけどね。
細谷滝音
僕はレコードじゃなくてこれから先CDも復活してくるんじゃないかと思ってて。
kai3
お、それ面白い。そこはどういう視点なんですか?
細谷滝音
えっとですね、まずサブスクだと消えちゃうとかっていうのがあると思うんですけど、
中古でCD流通してて、そういうものがだいぶ割安で買えるっていうことをやっぱり来日してる外国人が気づいたらしくて。
kai3
あ、今度はそっちなんだ。なるほど。
細谷滝音
日本のCDって海外のアーティストでもボーナストラックとか入ってたりとかして、
kai3
しますね。
細谷滝音
それがなんか海外で流通してないラフミックスとかだったりとかすると、日本盤でしか聴けないみたいなのがあったりするんですよね。
あと帯とかついてたりするのもコレクターの対象とかになってたりとかして。
kai3
あ、そういうことか。
シンプルじゃなくてやっぱり中古ってことなんですかね、そういう意味では。
細谷滝音
中古からだんだんまたCDが買われるようになるんじゃないかなっていう気がするんですよね。
売る方のアーティストとしては、サブスクでの儲けってよほどのことがない限りはあんまり儲かってないと思うんですよね。
細谷滝音
特に若手のアーティストほど知名度がないから再生回数が少ないということがあって、
この間ニュースにもなりましたけど、Spotifyが再生回数1000回以下のものに対してはお金払わないとか言い出して。
kai3
ひどいですね、あれ。
細谷滝音
そうするとインディーズとかでやってるようなアーティストにとってはお金が回ってこないなんてことになっちゃうわけですよね。
とあるインディーズレーベルの人と話した時に、
ストリーミングで稼ごうとするよりもライブ会場でCD1枚売る方が儲けが大きいとか言ってて。
kai3
いやーでもそれは現実だよなー、そうですよね。
細谷滝音
地下アイドルとかもきっとそういう感じだと思うんですよね。
ストリーミングは言ってみれば、お試しで聴いてくださいみたいな感じで、現場来てCD買ってくださいみたいな。
多分普通にロックとかジャズとかの人もそういう感じの感覚だと思いますね。
kai3
でも今度はCDはいいとして、CDプレイヤーが意外ともうみんな持ってないじゃないですか。
細谷滝音
そうですね。
kai3
そこがまた復権してくるんですかね、そうなると。
細谷滝音
意外とCDプレイヤーが聴ける機材ってあって、
例えばプレステって今はもう光学ドライブないんでしたっけ?
kai3
プレステ5はありますね、音楽CDは。
細谷滝音
ブルーレイがあるからかな。
kai3
ブルーレイは見れますね。
音楽が聴けた、いや音楽だけ聴けなかった気がする、確か。
そういうのがあった気がします。
確か。
この間前にポッドキャストのイベントに出て、
その時に友達の番組みんな集めてコンピレーションを作るっていう、
MAXみたいなのを作ったんですよ。
それを無料で配ろうとして、もうネタだったんで、
別にもう原価かかってないし、みんなJASRACのお金もかかんないから。
CDのね、CDRの代金だけだから無料で配ろうぜって言って100枚くらい作ったのかな。
配ってたんですけど、みんな面白がってもらってくれるんだけど、
うちCD聴くものないんですよねっていう人が、過半数で。
確かに今時のパソコンみんなCDドライブないし、
家でもね、コンポとかみんな無くなっちゃってるから。
細谷滝音
そうですね。
kai3
なんかCDを聴くプレイヤーとかもね、もしかしたら復権してくるかもしれないですね。
レコードもね、レコードが人気出てきて、
今すごいおしゃれなレコードプレイヤーとかあるわけじゃないですか。
細谷滝音
はい。
kai3
今時っぽい。
CDもそこに出てくるのかもしれないですね。
実際な僕も、これは良いのかどうかちょっと悩みどころなんですけど、
僕も推し活やってると、
CD買わないと応募できないライブとかあるんですよね。
細谷滝音
なるほど。
kai3
結局買って、でも買ったまま再生しないっていうことがほとんどで。
唯一、それもCDの特典ではないんだけど、
だいたいそういうCD買うとライブのDVDとかブルーレイが付いてくるんで、
それに関してはネットでは見れないから、
ブルーレイ買うためならいいかと思って買ってるんですけど、
CDはほぼ聴かないっていう悲しいことになってるんで。
kai3
確かにCD聴く環境がもっとちゃんとあったら、
ストリーミングだと味がないところはありますからね。
細谷滝音
そうですね。
Dolby Atmosとかいろいろやってますけども、
でもDolby Atmos分かってる人ってどれくらいいるのかなとか結構思いますよね。
kai3
僕もね、
名前に惹かれていろいろ家のスピーカーとかやってみたんですけど、
よく分からんってことになりました。
そんなことこだわる日もあったらヘッドフォンでちゃんと聴いた方がいいなっていう。
悔いになっちゃったんで。
そうか、レコードそうやって復元してるの面白いですね。
レコードもCDも。
細谷滝音
そうですね。流行ですよね、言ってみれば。
kai3
確かにストリーミングが当たり前になっちゃうと、
逆にCDとかレコードの方が体験として面白いとかいうことが出てくるのかもしれないですね。
細谷滝音
そうですね。
レコードが流行りだしたぐらいと同時期にぐらいですかね、
カセットテープでリリースするっていうのも結構流行ってた時期があって。
kai3
カセットも来たのか、すごい。
細谷滝音
中目黒にカセットテープ専門店みたいなのがあったんですよね。
今はそこカセットテープだけっていうのをやめてCDも置くようになったみたいですけど。
kai3
すごいな、どんどん一周回ってくるにも程がありますね。
最近若い子たちがスマホじゃなくてデジカメ、
さらにデジカメの先のフィルムカメラがいいとか出してる。
細谷滝音
ありますね。
kai3
カメラが映るんです欲しいって言ってきた子供に、
デジカメあるじゃんって言ったら、デジカメなんて古いよって言われて唖然としたっていうネタがこの間バズってたんですけど。
逆にもう映るんですが新しいとかいう時代になってきてるのがちょっと面白いですね。
細谷滝音
それもう少ししたら多分初期のデジカメのあんまり画質が良くないのがいいとかっていうような話も出てくるじゃないですかね。
kai3
これがどこまでニッチのままいくのか、ちゃんとシェアを取っていくのかちょっと面白いですけど、
そういう意味では音楽だけじゃないのかもしれないですね。
全てが聴き放題、使い放題、撮り放題の時代に、もうちょっと手に取る形とかそういうものが出てくるのかもしれない。
細谷滝音
そうですね、そういうのって結構ライフスタイルとか価値観とかに基づいているのかなという気がしますよね。
綺麗なレコードジャケットを飾りたいみたいな、そういうのって。
言ってみれば自己満足で、効率で言ったらストリーミングの方がいいのかもしれないですけれど、
そういうのをわざわざ選ぶっていうのが一つのライフスタイルみたいな。
kai3
その視点は面白いですね。
もともとストリーミングが当たり前じゃなかった頃ってCD選ぶのが自分の中の価値観の表現だったりしたわけじゃないですか。
細谷滝音
そうですね。
kai3
俺はこの音楽が好きなんだぜっていうのが。
ストリーミングでやっぱりちょっとそこが落ち着いて当たり前になりすぎた結果、
やっぱり自分の中のライフスタイルとしてCDとかレコードで形として選んでいくようになるっていうのは、
時代は結局何しもするとか言うけど、確かに面白いですね。
今自分の好きなアーティストの表現の仕様がないですもんね、昔に比べると。
細谷滝音
確かにそうですね。
kai3
聞いちゃってるから。
本題からちょっと離れてしまって会社のお話を受けていけないんですけど、
ちょっとだいぶお話もしてきたんで、最後にぜひ会社の宣伝というかここが面白いぜというところを、
特にピアノとか楽譜が好きそうで聴いている方に向けて。
細谷滝音
そうですね。今の話題ですと、当社が主催ではないんですけど、
もう一人の方がですね、
7月ぐらいにツアーをやることになりまして、いろんなピアニストを集めて、
さっきほど申し上げた森下さんも入ってて、
小説とピアノ、ピアノ2台で演奏するんですけど、
小説と音楽を合わせたイベントとかをやらせて、中には芥川賞作家がそういうのがいて、
イベント名としてはイマジンアークっていう、読み方はちょっと分からないですけど、
イマジナークなのかな。
kai3
それは面白そうですね。
細谷滝音
それが全国何都市かはちょっと忘れたんですけど、
5、6箇所ぐらい回って、作曲家にも曲を依頼していて、
中には新垣隆さん、佐村河内の事件で話題になった方とか、
ファイナルファンタジーシリーズで有名な浜渦さんとか。
kai3
これかな、イマジンアーク。
東京公演、ありました。
これって小説とのことは、朗読みたいなのも入るってことですか?
細谷滝音
朗読は入らなくて、会場で冊子を配るか売るかするらしいんですよ。
kai3
それ読みながら聴くみたいな?
細谷滝音
そうですね。そういうと結構際物っぽく聞こえるんですけど、
僕それ見て、アニメとか結構今そういうマルチメディア展開の中であるじゃないですか。
例えばYOASOBIとかも、曲が先じゃなくて先に物語みたいなのがあって、
それにインスパイアされて曲を作るみたいな感じになってるじゃないですか。
アニメとプロモーションビデオと合同して何かやるみたいな、
そういうのアニメで結構起こってたりするものを、
そういうのを森下さんが結構発案したと思うんですけれど、
アニメ業界の劇番とか担当してるので、そういうところで発想したのかなと思ってて。
kai3
これはちょっと面白そう。どうやるんだろう。
手元のやつだと動機できないじゃないですか。
手元に読んでしまうスピードがあるから。
細谷滝音
そうですね。
kai3
そことかもどうやってやるんだろう。面白そうですね。
細谷滝音
そうですね。結構いろんな人が、ピアニストの方も人気の人が出演してて。
kai3
曲がなんかすごいですね。すごいクラシカルな曲がある中にアクエリオンがいたりとか。
細谷滝音
そうなんですよ。
kai3
風の谷のナウシカがいたりするから。
細谷滝音
そうなんですよ。
kai3
面白いな、このラインナップ。
細谷滝音
表テーマか裏テーマか分からないんですけど、
森下さん、アニメの劇伴とか映画とかも多分やってると思うんですけど、