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2024-04-24 44:06

【第222回】時代はレコード!? 楽譜専門出版社の細谷さんに聞く、楽譜から見る音楽業界の未来

このポッドキャストは、Webニュース編集者のうすだと、ブロガー兼ライターのカイがITの話題から最近のお気に入り、個人的イチ推しなどを雑多に語る番組です。

第222回は、楽譜を取り扱う出版社である合同会社ミューズ・プレス共同代表の細谷滝音さんをゲストに迎え、楽譜を通じた音楽業界についてお話を伺います。

細谷さんのポッドキャストはこちら。

徒然日和 - LISTEN

※うすだは多忙のため1回休み

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取り上げた話題

◇ ミューズ・プレス

細谷さんが共同代表を務める、楽譜に特化した出版社。

運営者概要 | Muse Press, LLC

共同代表である江崎さんのインタビューもどうぞ。

IT x 楽譜出版という人生の不思議な出会いのこと―江崎 昭汰さん1|リープリーパー

◇ ボイジャー

日本における電子書籍のパイオニア。社長のインタビューが歴史を辿るにも面白いのでおすすめ。

株式会社ボイジャー社長 鎌田純子さんに聞いた ――電子書籍の新しい文化を作りたい | スマートワーク総研

◇ リットーミュージック

カイが以前勤めていたインプレスグループで、音楽専門の出版社。

リットーミュージック

◇ 烏龍舎

ミスチルのプロデュースなどで知られる小林武史の会社。社名は「烏でも龍でもない伝説の生き物のように、半端者でも与えられた自由を責任を全うしたい」と社のWebサイトにあるが、Wikipediaだと「小林武史がウーロン茶が好きだったから」らしい。

OORONG-SHA

◇ ヒイズミマサユ機(H ZETT M)

ジャズバンド「PE'Z」のキーボーディストで、東京事変のデビュー曲「群青日和」も手がけるなど幅広く活躍。最近では新しい学校のリーダーズのプロデュースを手がける。

H ZETT Mオフィシャルページ | World apart

◇ 福間洸太朗

世界で活躍するピアニスト。その活躍の歴史はご本人のWebサイトをどうぞ。

ホーム - Kotaro Fukuma - Pianist

◇ 森下唯

ニコニコ動画では「ピアニート公爵」との名前で活躍。ご本人とピアニート公爵との歴史はWebサイトをどうぞ。

ピアニート公爵とわたし | 森下唯オフィシャルサイト

◇ Simply Piano

カイがピアノ練習に使っているアプリ。鍵盤で学習できるのが好み。

Simply | The best apps to set your creativity free

◇ 角野隼斗

幼少期から天才音楽家と言われ、東大も現役合格してンに進むもその後はピアニストとして活動。YouTubeでは「かてぃん」名義で活動して人気に。

角野隼斗 Hayato Sumino Official Website

◇ HMV

音楽ショップ大手のHMV。現在はローソン傘下にあり、いわゆるあなろぐレコードに注力しており、レコード専門オンラインストアやレコード専門ショップを運営。

アナログレコード通販 HMV record shop ONLINE

レコード専門店「HMV record shop」が関西初出店! 2024年3月8日(金)、心斎橋にオープン!|

この話は細谷さんのポッドキャストでも語られているのでそちらもどうぞ。

レコードが売れてるけれどCDも盛り返すかも?、という話 \- 徒然日和 \- LISTEN

◇ CDの寿命は20年

CD全盛期の頃からとうに20年が過ぎており、そろそろ聴けなくなっているCDも多数有りそう。

CD-Rの寿命が20年くらいなんだけど、そろそろ00年代に買った同人CDがやばい→いつのまにか失われてゆくデジタルデータ - Togetter

◇ Spoitifyの楽曲支払い新ルール

年間に1,000再生されていないアーティストには利用料を払わないルール。ただアーティストの締め付けと言うより、AIで機械的に作成した楽曲で収益を得ようとする人を防ぐ目的らしい。

Spotifyが年間再生数1000未満の曲に楽曲利用料を支払わないルールを施行開始→Spotifyにもいるインプレゾンビ対策の一環 - Togetter

◇ ゲーム機の音楽再生環境

PS5はドライブ搭載モデルもCD再生機能なし、SwitchはそもそもCDドライブがない。Xbox Series Xは音楽を再生できる。

実はかなり選択肢豊富! 今どきのCD再生方法と対応機器をまとめてみた - 価格.comマガジン

◇ 友達の番組集めたコンピレーション

2023年冬に開催された「Podcast Weekend」出展時のイベントとしてポッドキャストコンピレーションCDを作りました。

ポッドキャスト・ザ・ギャザリング

◇ 中目黒のカセット専門店

waltzのこと。ITmediaのインタビューでもカセットテープが好調らしい。

waltz | カセットテープ & レコード from 中目黒

CDも苦戦しているのに、なぜ中目黒のカセットテープ店は好調なのか:水曜インタビュー劇場(逆行公演)(1/6 ページ) - ITmedia ビジネスオンライン

◇ 若者にはデジカメより写るんです

そんなエピソードが先日に話題になりました。

ムッスメ、来月修学旅行。娘「写るんです買ってよ」え?(久々に聞いたそれ)デジカメあったと思うけど娘「そんな古臭いの嫌や」 - Togetter

◇ IMAGINARC

番組中で紹介したイベント。東京のほか仙台、福岡、熊本で6月から公演

IMAGINARC 想像力の音楽

編集後記

カイ

録音の時のマイク設定間違ってたかも……。次回以降改善します。

それはさておき自分の知らない業界の話は面白いためになりますね。楽譜買って自分で弾けるようになるくらいピアノ精進したいと思います。

細谷滝音

自分の社会人になってからの経歴を話したことってあまりなかったのですが、改めて見返すと、あれこれ関係ないことを雑多にやっているように見えて、どれも少しずつ今の仕事と繋がっているから面白いですね。あと、エンタメの世界は、テクノロジーだけでなく価値観やライフスタイルの変化などで流行が変わっていきますが、ポッドキャスト収録はその変化の中で何かイノベーションを起こせないかなと考える良い機会にもなりました。

00:01
細谷滝音
カイです。 細谷滝音(ほそやたきお)です。
kai3
今回久々のゲスト回ということで、細谷さんにおいでいただきました。
今日は相方のうすだが仕事が忙しそうで来れないということで、本編でも初めての一人のゲストとホスト一人という会になっております。
では早速なんですけど、細谷さんに自己紹介をお願いしてもよろしいですか。
細谷滝音
私、細谷滝音と言いまして、出版の会社をやっているんですけれども、
2人で始めまして、主に音楽関係の楽譜を出版しているという会社ですね。
今のところほとんどがクラシックピアノの楽譜を出版しています。
kai3
すごいですね。楽譜の出版というのがすごいんですけど、そもそもそれをやる前はどういう経緯だったんですか。
お仕事、社会人としてどういう経緯を。
細谷滝音
なるほど。一番最初に勤めたところというか、バイトで入ったんですけれども、リクルートのゼクシー傘下の『赤ちゃんのためにすぐ使う本』という編集部。
それで実質通販雑誌なんですよね。
通販の掲載する商品とかをサンプルどんどん借りていったりとか、そういう手続きをやるっていうバイトをやってて。
kai3
面白い。
細谷滝音
それを2年3年ぐらいやってた後に、大学の先輩から誘われて、編集部ちょっと人が足らないから来てみないかと言われて行ったところが月刊アスキーだったんですよね。
kai3
一気にテクノロジーに寄ってきましたね。子供雑誌から。
細谷滝音
急に変わったという感じはあるんですけれど、僕自身初めてコンピューターを使ったのが小学校1年生とかそれぐらいで。
父親がプログラマー、アマチュアだったんですよね。
アマチュアからあるときI/Oのゲームコンテストに応募したら、それが入選して。
それで父親の高校の同級生から電話をかかってきたんですよね。
kai3
父親のなんですね。
細谷滝音
父親の高校の同級生がシステムソフトという会社をやってて、社長だったんですよ。
それで父親はシステムソフトに勤め始めて。
そういうわけで子供の頃からコンピューターとゲームがいっぱいあるという、そういう環境でしたね。
kai3
すごい。
なぜそっちに最初から行かなかったのかっていうぐらいの環境ですよね。
細谷滝音
そうですね。
kai3
アスキーはどのくらいやられてるんですか?
細谷滝音
アスキーが多分3年半ぐらいいたんですかね。
きっかけがあって、それまで月刊アスキーというとパソコンを中心とした、どちらかというとコンシューマーに向けたような雑誌だったんですけれども。
あるとき、今の形態の月刊アスキーをやめてビジネス雑誌にするみたいな感じになって。
そこでちょっといい機会だから他の会社に移ってみようかなという感じだったんですよね。
03:04
kai3
なるほど。
細谷滝音
そのとき興味があったのが電子書籍とかなんですよね。
それが僕が30歳ぐらいの、30なる前ですね、28歳ぐらいの頃なので。
だから今僕が48になるので約20年前ですよね。
kai3
その頃電子書籍ってまだ今みたいな環境を整ってない頃ですよね。
細谷滝音
全然ないですね。
出版社が電子書籍みたいなのを、どちらかというともうすごい消極的というかやりたがらないみたいな感じの状況ですよね。
kai3
そうですよね。
すごいな、その中に電子書籍飛び込むって結構な勇気ですよね。
細谷滝音
知り合いの知り合いみたいな感じでmixiで会った人経由で、電子書籍みたいなことも興味あるみたいな編プロ(編集プロダクション)に行ったんですけど、
実際にはそういうことをあまりやる感じじゃなく、本当にただの編プロっていう感じで結構ゴチャゴチャしてて、
これちょっと違うなと思ってそこすぐやめてしまったんですよね。
kai3
そうなんだ。
でも当時の電子書籍って今みたいに大きいプラットフォームがあってっていう感じまで整ってないですよね。
どういうのだったんですか、専用ファイルみたいなのだったのか、PDFでただ売ってたみたいな。
細谷滝音
いやまだそれもこれから考えるみたいなそんな感じの状況で。
kai3
そういうレベル、そのぐらいの時期ですよね、そうだよな。
細谷滝音
そうですね、その当時やったのは多分Voyagerが、Voyagerという会社が画像ファイルじゃないですけど、JPEGとかで電子書籍みたいなそういうのを配布するやつをやってたとか、そんなぐらいのレベルですよね。
kai3
最初そのぐらいですもんね。
細谷滝音
スキャンスナップとかがまだ出始めたとかそれぐらいですよね、きっと多分。
kai3
でもそこはすぐにやめて、今度は次に。
細谷滝音
そうですね、それからちょっとしばらくうだうだしていた、やっぱり版元に戻りたいなと思って、それで音楽系の出版社を受けたんですよね。
それで受かって入ったところがリットーミュージックというところで。
kai3
あー、存じ上げておりました、リットーミュージックさん。
細谷滝音
その時ですね、カイさんと同じ企業グループになった。
kai3
そうですね。
で、リットーミュージックでどういうことされてたんですか。
細谷滝音
リットーミュージックは本当に月刊アスキーと同じように編集記者なんですよね、やってるのが。
自分で取材行ってライブレポートを書くこともあれば、特集とかでライターに頼んだりとか。
とにかく忙しい職場で、編集部員一人一人に担当レーベルみたいなのが持たされるんですよね。
kai3
そうなんだ、レーベルごとなんですね。
細谷滝音
そうですね、僕が担当してたのがユニバーサルと、あと烏龍舎というミスチルとかがいたところと、あといくつかですね。
必ず1個は編集部員メジャーレーベルを持たされるという感じの状況で、
必ず毎月1回見本誌を配って、何かいいアーティストいませんかっていう話を聞きに行くんですよね。
kai3
あー、いやそれちょっと面白そうだな、いいですね。
06:01
細谷滝音
それでなんか自分が興味がない、今まで知らなかったようなジャンルのアーティストとかも少し知れたっていうのは良かったですね。
kai3
それちょっと面白いですね。僕もテクノロジー系で、仕事のやり方に近いと思うんですけど、自分でも書いて編集してっていうのは近いと思うんですけど、
新しい人発掘してくるみたいなのってやっぱりなかったから、そこはちょっと新鮮で面白いですね。
細谷滝音
そうですね。
インタビューとかもやったりして、インタビューした中で今でも結構みんなに話して通じるのが、ヒイズミマサユ機さんで、H ZETT Mですよね。
kai3
そこはでも結構リットーどのくらい?
細谷滝音
結構実は短くて。
kai3
あ、そこも短いんだ。
細谷滝音
で、その後しばらくはライターみたいなことを並行してやりながら、途中でまた誘われて、携帯のコンテンツを作る会社に入ったんですよね。
kai3
マルチにいろいろやってますね、すごいな。
細谷滝音
携帯コンテンツ作る会社は最初はプロジェクトマネジメント的なことをやってたんですけれども、外部スタッフとして。
あるとき電話がかかってきて、細谷さん、入社したことになってるんで早く書類提出してくださいとか言われて、本人の同意なしに社員にされるというすごいことになって。
kai3
すごい時代だな。
でもそのくらい優秀というか、必要な人材なってことではあるんでしょうけど。
携帯コンテンツ、それがどのくらいの時期ですか?それももう10年くらい前ですか?
細谷滝音
それが10年くらい前ですね。2012年くらいまでいたので。
kai3
そうするとちょっとスマホが出てきて、スマホがもう市民権5つあるくらいですかね。2008年でiPhone、3GSとかだと思うんで。
細谷滝音
そうですね。当時そこの会社はiモードとズブズブというか、iモードにどっしり携帯公式サイトにバッチリコミットしてる感じで、まだスマートフォンの方に目が行っていないみたいな感じで、今その遅れがだいぶ響いちゃってるみたいなんですけどね。
kai3
これはもうどこでもしょうがないですよね。大きいところと一緒に仕事してたらね。次の波に乗るのってやっぱ難しいですからね。
細谷滝音
そうですね。
kai3
そこでまた新しい仕事に就かれるんですか。すごいな、経歴がすごい充実してる。
細谷滝音
そうですね。そこからですね、また辞めた後にちょっとしばらくしてたら、知人からプログラミングとかできそうだよねとか言われて、ちょっとやることになって個人で受けてたら、そういうプログラミングとかできる人を欲しがっている会社があるといって福岡に呼ばれたんですよね。
kai3
すごい。今までの仕事の経歴にはプログラミング出てきてないじゃないですか。
細谷滝音
出てきてないですね。
kai3
ただ個人でできたから、それでっていうことなんですか。すごい流れだ。
細谷滝音
そうですね。プログラミング自体は実は小学1年生とかぐらいでやってたんですよね。こんにちはマイコンとか見ながら。ある程度簡単なことは分かってたので、基本的なところは。
福岡に行ってその会社が保険代理店ではあるんですけれど、独自の保険商品を作ってるという会社だったんですよね。
09:05
kai3
なかなかユニークですね。
細谷滝音
保険の係数とかの管理でデータベースを使ってて、前のスタッフが突然辞めてしまってよく分からないっていうので、そこの人が70歳ぐらいのおじいちゃんで、それで呼ばれていろいろやって、SQLとか見て。
kai3
助けてくださいっていう感じなんですね。誰でもいいからとりあえずっていう。
細谷滝音
最初は3日間ぐらいって話だったのが、ついた日に1週間ぐらいいてくれと言われて、1週間経ったら1ヶ月と言われて、1ヶ月経ったら社員っていうことでいい? とか言われて、また社員にさせられたんですよ。
kai3
すごい。まあでもね、保険とか考えたら社員なのはありがたく思うけど、いつの間にかだったらちょっと怖いは怖いですね。そして?
細谷滝音
そこを3年半ぐらいいて、結局そこの会社つぶれてしまったんですよ。いろいろあって。それで福岡、ちょっと長くいたいかなとは思ってたんですけど、うまく仕事もパッと見つからなかったので、一旦こっちの神奈川に戻ってこようかなと思って戻ってきたんですよね。
その頃にですね、ツイッターでいろいろやりとりしてたら、ツイッターで趣味のこととか音楽のこととか書いてたんですけど、割とマニアックなクラシック音楽が好きで、そういうツイートしてたら、なんか反応してくる人がいて、その人と話してたら、その彼はベルギーに留学してて、ピアノを習っていると。
ベルギーの音大で。
kai3
すごい。
細谷滝音
で、こういう楽譜があるので出したいと思っているんですみたいなことを、僕が出版系だという、(出版系に)いたという話をしたら言われて、それでそれじゃあちょっと出してみますかと思って出したんですよね。
それがですね、自費出版に近い形なんですけれど、福間洸太朗さんという今結構人気のピアニストなんですけど、その人のモルダウという曲をピアノ、彼がピアノ編曲した曲なんですよね。有名な曲のオーケストラの曲を。
それを出したところ、なんかバッと売れて、すごいこんな売れるならこれ商売になるかもと思って、その売り上げ金を、その後のことは特に何も考えずに、ちょっと会社にしませんかと言って会社にしたんですよね。
で、僕が日本にいて、まだそのもう一人の方が江崎って言うんですけども、まだベルギーの音大にいて、というリモート環境で起業したという。
kai3
すごい。それがでも何年くらい前ですか?
細谷滝音
2018年ですね。楽譜を出したのが2017年の12月なんですけど。
kai3
まだいわゆるコロナ禍の前だからリモートワークの環境自体は全然あったけど、まだ社会として当たり前じゃないぐらいの感じですよね。
細谷滝音
そうですね。
kai3
仕組みとしてはあったけど、今もずっとリモートでやってるんですか?そうすると。
細谷滝音
そうですね。その彼は戻ってきてこっちで神保町にある会社に勤めてるんですけど、彼自身の職場というか住んでるところは佐賀なんですよね。
12:09
kai3
ちょっとすごいややこしいぞ。
細谷滝音
佐賀で福岡オフィスに通っているという。通うこともあるという感じですかね。
kai3
なるほど。会社は神保町にあるんですか?
細谷滝音
そうです。
kai3
すごい。
細谷滝音
福岡支店に所属ということになるんですかね。
kai3
パートナーの方は別の会社に所属もしてるってことなんですね。
細谷滝音
そうですね。
kai3
細谷さんは今の会社にフルコミット。
細谷滝音
そうです。
kai3
なるほど。すごい面白い。
細谷滝音
以前はちょっと頼まれてプログラミング仕事とかもやってたんですけど、その頼んでた会社がそこも結構高齢の方がやってる会社で、
コロナにかかってさらに怪我をしてとかで、ちょっと続けられなくなっちゃったんで。
kai3
なるほど。つらい。
細谷滝音
それでそこは会社を畳んで、今のところプログラミング仕事はあんまり来ないという感じですかね。
kai3
なるほどね。やっと本題にたどり着いた感じですけど、
細谷滝音
長かったです。
kai3
実際、楽譜の出版社ってなんとなくのイメージはつくんですけど、どんな場所で売ってたりとか、どういうものを売ってたりするんですか。
細谷滝音
基本的にはピアノ曲が多いんですよね。クラシックのフォーマットの。中にはアニメの編曲とかもあるんですけれど、
アニメの曲をクラシックピアノ流儀でアレンジしたみたいなのがあって、
一時話題になった、ニコニコ動画で話題になったピアニート公爵という人がいて、本名は森下唯さんという人なんですけど、
結構今アニメの劇伴とか、久石譲さんがステージコンサートをあちこちでやってた時にピアノパートを受け持ったりとかもしたことがあるんですけど、
その人は芸大卒でバリバリの本当にピアニストとしての訓練を受けた人で、その人のアレンジとかも出したりしてて、売ってる場所は基本的に通販かあるいは楽器店という感じですね。
kai3
デジタルっていうよりはちゃんと印刷物として販売するんですね。
細谷滝音
そうですね。最初は印刷物として出してたんですけど、2018年当初はそうでしたけど、その後徐々にiPad Proが出てから以降、iPad Proを見て楽譜を演奏するということが割と一般的になってきたんですよね、プロフェッショナルでもアマチュアでも。
というのは例えばベートーベンのピアノソナタとかを買おうとすると、今1曲ごとバラにってほとんど売ってないんですよね。
kai3
へー。
細谷滝音
まとめた32曲を1冊にするのはさすがにきついので、3分冊とかしても結構分厚いんですよね。
kai3
そうかそうですよね。楽譜だもんな。
細谷滝音
そうですね。それをプロの人が持ち歩いてあちこちツアーするとかっていうのは荷物が増えてすごい現実的じゃないということで、プロの人ほど本当にデジタルで使うという感じになってて。
15:04
細谷滝音
そうか。
それまでもちょこちょこっとデジタルで出してたんですけれど、コロナを機に紙の楽譜がなかなか売れないという感じになってきてしまったので。
kai3
そうなるんですね。
細谷滝音
そうですね。今はちょっと結構回復しましたけれど、コロナ当初は物流がすごい大混乱しているので、それで電子楽譜をちょっと増やして、そしたら電子で買うというのがすごい増えましたね。
kai3
そうなんだ。そうか。コロナでダメになるってことは、通販よりやっぱりみんなお店で買ってたってことなんですかね。
細谷滝音
通販でも送るのに。
kai3
あ、そうか。物流がそうか。
細谷滝音
そうそう。結構うちのお客さんって海外の人が多くて。
kai3
あ、海外にも出してるんですね。
細谷滝音
そうですね。海外用ホームページも用意して、英語とフランス語。フランス語は結構疎かになっちゃってるんで、ちゃんとしなきゃなと思ってるんですけど。
kai3
そうか。確かに言われてみたら、楽譜ってもちろん作曲者とかそういう言語があれど、楽譜自体は全世界共通ですもんね。
細谷滝音
ですね。だから今また海外が復活して、円安のおかげですかね。
kai3
あ、そっか。いいですね。円安が嬉しい人を久々に見た。素晴らしい。
細谷滝音
だから今多分注文は半分ぐらい海外になってるかもしれないですね。
kai3
それ楽譜買う方っていうのはプロの方なんですか?それともピアノ練習したいから買うみたいな、初心者というか家でピアノ練習しますとか、ピアノ教室で習ってますみたいな。どういう層が買ってるのかなと思ったんですけど。
細谷滝音
購入層としては結構ばらつきはあって、プロの人が買うっていうのもあるんですよね。今まで名前はあまり出さない方がいいと思うんですけれど、
誰でも知ってるみたいな、結構かなり有名なピアニストが買っていったりとかっていうこともあったんですけど、海外とかですね、世界的に知られてる人が買うこともあったり、
アマチュアでも割とレベルの高い人とか、多分この人はピアノ教室やってるんだろうなーみたいな人とか、結構弾けなくても買う人っていうのは多いんですよね。
kai3
それ弾けなくて買うってどういうことなんですか?
細谷滝音
それがですね、最近の傾向なんですけれど、人気のピアニストが定番のベートーベンとかショパンとか、そういう弾くだけじゃなくて、
1曲ぐらい自分が編曲した曲っていうのを弾くっていうのは結構流行になってて、そういうのうち結構出版してるので、そのピアニストのファンが買うっていうパターンが多いんですよね。
kai3
ファンが買うんだ。なるほど。ファンアイテムなんだ。
細谷滝音
そうですね。
kai3
面白い。
細谷滝音
演奏会とかでその人がその曲を演奏して、楽譜を買ってサイン会でサインしてもらうみたいな、そういう流れが一番売れる。
kai3
あーなるほど。推し活グッズなんだ。楽譜が。面白い。
電子の方が僕すごい興味あるんですけど、電子で買う場合って、例えばiPadで見るときってPDFとかなんですか?それとも専用の電子フォーマットみたいなのがあるんですか?
18:09
細谷滝音
PDFですね。
kai3
PDFで普通に販売して、ビューワーで見る?
細谷滝音
そうですね。
kai3
それってピアノ専用のビューワーとかあったりするんですか?
細谷滝音
ピアノ専用ではないんですけれども、そういう楽譜をまとめて見れるそういうビューワーソフトとかはいくつか出てますね。
kai3
だってめくるのとか普通の本と違いますもんね、きっとね。
細谷滝音
そうですね。
kai3
求めてる操作みたいなものは。そういうのがやっぱりあるんだ。
細谷滝音
そういうのを使っている人はBluetoothとフットペダルとか使って、足で譜めくりをするということをやってて。
kai3
正しいですよね。やっぱり手でいちいちめくっているのね。見た目的には当たり前だけど、よく考えたら結構効率悪い作業ですもんね。
細谷滝音
そうですね。
kai3
がんばってピアノめちゃめちゃ手元で弾いているのに、それだったら足使った方がいいっていうのは。
確かに。
僕も最近ピアノ四十の手習いで細々と始めてるんですけど。
細谷滝音
そうなんですね。
kai3
そうなんですよ。全然弾けない。まだ1オクターブちょっとぐらいしか弾けないんですけど。
で、ちょっと弾けなくてくると楽譜とか興味出てくるんですけど、どう買っていいかわからなくて。
細谷滝音
なるほど。そういう意味で言うと日本の楽譜出版社ってあんまりデジタル出してないんですよね、大手のところは。
kai3
やっぱりそうなんだ。
細谷滝音
全音も音友も、春秋社、この3つが、あとヤマハか、4つが割とメインの楽譜出版社ですけど、どれも電子をほとんど出してないですね。
kai3
へー。これだけ電子普及してきて、で、先ほどの話みたいにプロの方ほど電子iPadで弾くっていう流れになってもあんまり出ないんですね。
細谷滝音
そうですね。ポピュラー系でもないのがすごい不思議なんですよね。バンドスコアとかって買ったことあります?
kai3
全然ないです。まだそこまで弾けないところもない。
細谷滝音
バンドスコアとか買うとですね、綴じが普通の平綴じなので、譜面台とか置くと勝手に閉じちゃうんですよね。
kai3
あー、なるほど。
細谷滝音
で、例えばベースの人だったらベースパートだけ、あとガイドとして歌だけ見れりゃいいのにとかっていうのに全部パートが書いてあって、
いちいち数小節ごとにめくらなきゃいけないみたいなのがめんどくさかったりするから、そういうのを電子でパート譜別にまとめて売ったりしたらいいのにとか思うんですけど、やってるところはまだ見たことないですね。
kai3
へー。すごいニーズありそうですけどね。僕なんかも、練習は今iPadのアプリとかで練習してるんで、
すっかり楽譜iPadで、僕の場合勝手に楽譜が流れてくれるやつを使ってるから、めくる必要すらないんですけど。
細谷滝音
それは何かそのアプリっていうのは楽譜専用アプリみたいな感じなんですか?
kai3
いや、楽譜専用じゃなくて練習アプリ。たしかシンプリーピアノ?シンプルピアノだったかな。あれを使って練習してるんですけど。
21:06
kai3
なので、まだページをめくるっていうスキルがないんですよ。流れてくるものを正しくしかできないんですけど。
へー、面白い。すごいな。でもこれで普通に紙の方も出してるってことですもんね。
細谷滝音
そうですね。
kai3
両方全部できて、これ実際ビジネス的には今っていい流れなんですか?今の話聞いてるとコロナもちょっと回復してきて世界中に売れるって話を聞いてると、すごくいい流れが来てるのかなと思ったりしたんですけど。
細谷滝音
うーん、それは結構微妙なものがあって、やっぱりバカ売れする感じではないですよね。
というのは、うちが出してるのは結構難易度が高いものが多くて。
kai3
そうなんだ。
細谷滝音
上級者ぐらいでないと弾けないんじゃないかみたいなのもあったりするんですよね。
kai3
これってその楽譜の権利みたいなものってあるんですか?
細谷滝音
ありますね。編曲を出してるものが多いので、編曲の中には元曲があったりするので、先ほど言った森下さんが編曲してるのはアニメの曲が多かったりするので、
そうすると元曲はJASRAC登録されてたりするので、それをJASRACに申請して許諾をもらってっていう感じですね。
kai3
そうか。じゃあ逆にJASRACに登録されてさえいれば楽譜を出すのは普通にできるってことなんですね。
細谷滝音
JASRACに登録されてない場合は作曲者本人に直談判とかそういう形になりますね。
kai3
やっぱそうなるんだ。
それって結構みんなしてるものなんですか?JASRAC登録って。あんまりしてないものなんです?
細谷滝音
アニメとかの曲ですと、やっぱりアニメで放送されるたびに著作権料が発生するので、そういうのは絶対登録してますね、まず。
ゲーム音楽とかはいろんな都合で登録してないのが多いと思います。
kai3
あーゲーム音楽。ゲーム音楽欲しいんですよね。僕もゲーム音楽聴きたいなと思ってたから探したりしたんですけど、ゲーム音楽ってなかなかないですよね。
ドラクエとかファイナルファンタジーみたいなものだと本が出てたりするんですけど楽譜の。
もうちょっとこうマニアックなゲームなんてさすがに残ってないんで耳コピするしかないなって思ってるんですけど。
細谷滝音
ゲーム音楽でJASRACに登録してないものを出した例としては、角野隼斗さんという、お名前聞いたことはありますか?
YouTubeでも150万フォロワーぐらいいるのかな。テレビのCMとかにも出たりするような人で、紅白にも出たんですよね。
kai3
かてぃんさんか。
細谷滝音
そうです、かてぃんさん。
kai3
かてぃんさん、はいはいはい、お名前は知ってます知ってます。
細谷滝音
その人の蠍火という編曲、元がコナミのビートマニアックスの。
それをうちで出して、コナミさんと交渉して。
kai3
すごいですね、コナミと交渉ってもうそれだけで、すごい勇者感があるけど。
細谷滝音
結構皆さんそう言いますよね。なかなかゲーム会社ってそういう、結構そういう使用に対して厳しいところが多かったりとかっていう話は聞きますね。
24:07
kai3
でも素人考えからすると、そういう音楽聞いて懐かしくなってゲームやりたくなったりとかするんですけどね。
古いゲーム今更できないから、公開しても意味ないのかもしれないけど。
細谷滝音
でも最近は結構人気のゲームをリメイクとかもあるわけで。
kai3
もっとゲーム音楽なんて僕らからしたら、本当J-POPの音楽で身近な存在だったりするから、それで楽譜で弾けたりしたらすごい嬉しいんですけどね。
あと音もファミコン時代とかだったら単調じゃないですか。僕でも弾けそうかなっていう。
それもあってゲーム音楽弾いてみたいですよね。
すごい難しい指使いしなくても弾けそうだなっていう。
ファミコンの単音くらいのやつだと。
それもあってゲーム音楽挑戦したかったんですけど。
あとこれが前にも少しお伺いしたいんですけど、
前に一緒にご飯した時に、最近もHMVって見ないよねみたいな話をしてたじゃないですか。
実際レコード店として僕はもう最近タワレコぐらいしか生き残ってないって認識だったんですけど、
いやなんかHMVが実はすごいんだっていうお話されてて。
その辺りちょっとお伺いしたいんですけど。
細谷滝音
HMV今レコードに力を入れてて、レコードの売上が復活してるみたいな話って多分皆さん知ってる人は知ってると思うんですけど。
kai3
聞きますね。
細谷滝音
コロナ前の2018年、19年ぐらいからですかね、中古レコード屋さんで外国人をすごい見るようになって。
kai3
外国人なんだ。
細谷滝音
そうなんですね。いわゆるシティポップと呼ばれる70年代、80年代ぐらいの日本の歌謡曲やポップソングとかの中で、
ちょっとジャズっぽいテイストというかフュージョンっぽいテイストがあるそういうものが、
DJの文脈とまたちょっと違うのかもしれないですけど、なんかウケるようになってて。
それでなくても元々日本って結構いいレコードを海外から買い付けてたっていうそういう歴史があるんですよね。
出回っているものも質が良くて。日本人って素手でレコードの溝を触らないじゃないですか。
kai3
そうっすね。
なるほど。そっか。
細谷滝音
でもいい加減な国の人だと素手で触るのが当たり前とかみたいな。
kai3
あれ触っちゃうんだ。そうか。確かに。フチを持って丁寧に扱ってましたね。質がいいんだ。日本のレコードは。中古でも。
細谷滝音
多分サブスクが世界的に普及したぐらいからですかね。
なんかアーティストが自分の新譜をレコードでも出すということが結構増えてきて。
kai3
最近いますよね。
細谷滝音
そうですね。で、それが結構枚数はたくさん作ってないと思うんですよね。
だからある種限定アイテムみたいになってて。
ファンの人が一種の推し活なのかもしれないけど、そういうレコードを買っておくみたいな感じの流れになってて。
それでもう一気にレコード需要が上がってきたのが、2020年になる前ぐらいの話ですかね。
27:04
細谷滝音
で、HMVはそっちの方に舵を切って、レコード、中古も含めて販売する店とか作ったんですよね。
kai3
そうなんだ。そういうふうにもうレコードに振り切ったんですね。
細谷滝音
そうですね。
kai3
すごい。
細谷滝音
で、これ海外のニュースなのでまだ僕もちゃんと確かめてないんですけど、
イギリスのHMVで、HMVってもともとイギリス発祥なんですけど、
なんかオーナーが変わって、なんか経営の仕方を変えて、
店舗ですごいレコメンとかをうまくやるようにしたら、お客が増えて、CDの売上も上がったみたいなニュースを見たんですよね。
kai3
へー。でも確かにな。
結局今サブスクになって、音楽が1000円くらい出したらいっぱいいけるわけじゃないですか。
細谷滝音
はい。
kai3
で、すごいいっぱい音楽聴ける時代なんだけど、音楽の出会いが極端に減ったなと思ってて。
細谷滝音
それはすごい感じますね。
kai3
結局機械的なリコメンドだとやっぱり乗らないんですよね。
細谷滝音
そうですね。
kai3
わざわざ聴きにならない。
で、どっちかといえば街で流れてる曲とか、テレビで見たとか、友達の家で聴いたとかが、
僕なんか音楽聴きたくなるモチベーションだったんだけど、そういう機会が本当に減っているから、
お店に行ってこれをリコメンドしてもらうっていうのは一番王道ですよね。
音楽店がレコードを売るんじゃなくて音楽を売ってるっていう視点から言ったら、すごい正しいですよね。
細谷滝音
そうですね。
kai3
いや、昔聴きに行ってたもんな。タワレコとかのCD3枚切り替えられる。
細谷滝音
あー、ありましたね。
kai3
ヘッドホンを聴いて、それ片っ端から聴いて好きな曲探すとか。
確かにお店でプロの詳しい人のレコメンドを聞いた方が確かにいいもんな。
でもちょっと不思議なのが、レコードちょっと人気が出てるなっていうのは何となく印象あるんですけど、
とはいえそれだけで上向くぐらい人気なんですね。
僕本当にごく一部でお仕事的に使うとか、クラブでDJが使うとか、そのぐらいのイメージだったんですけど、
今レコードに全部方向転換して、それでやっていけるぐらい今レコードじゃなくてそこまで大きくなってるんだっていうのが結構驚きでした。
細谷滝音
確かに売れてることは売れてるんですけど、やっぱり売り上げとしてはサブスクの方が大きいんですよね。
サブスクの方が10倍ぐらい大きくて。
kai3
その10倍っていうのはアーティストにとってってことですか?
細谷滝音
レコードの売り上げの約10倍ぐらいですかね。
kai3
あ、レコードのか。はいはいはい。
細谷滝音
もっとあるかもしれないですね。
kai3
逆に言えば10分の1もすごい気がしますけどね。
細谷滝音
ここまでいったら相当すごいと思いますね。
kai3
10人に1人レコードって身の回りの人数比から考えたら結構すごい比率な気がしますね。
細谷滝音
そうですね。
kai3
それをみんな聴いてるんですかね。でも最近ちょっと出てますもんね。
今レコードプレイヤーとか売ってますもんね。ちょっとおしゃれなやつが。
細谷滝音
ありますね。
kai3
あれは何なんだろう。音の良さなわけではないんですよね。きっとね。
30:01
kai3
様式美なんですかね。レコードを今みんな聴くっていうのは。
細谷滝音
結構いろんな人がいろんなことを言ってるんですけど、音質が良いからっていう人はあんまりいないかもしれないですね。
商品としての持っている所有欲を満たせるみたいな部分がやっぱり大きいのかなとは思うんですよね。
kai3
それはすごいわかる。やっぱりあのジャケットが良いんですよね。
CDになった時ですらちょっとちゃっちく感じちゃったから、あの大きさを。
細谷滝音
そうですね。
kai3
それがさらにストリーミングになって何も持ちなくなった時に、あの大きさとあの絵で、全部絵で表現してくれるから、それは確かにな。
細谷滝音
サブスクになると、ある時突然消えたりもするんですよね。
kai3
消えますね。ちょっといろいろ問題を起こして消えるとかね。著作権的に問題があったとかで、
もうちょこちょこ消えた曲を知ってるので、やっぱCD買っとかなきゃなと思いますけど。
細谷滝音
そうですね。
kai3
CDもCDでね、そろそろ我々が若い頃買ったCDとかもう寿命ですもんね。
なんか20年くらいとか言われてるから。
細谷滝音
そうですね。でも聴けなくなったCDは……普通に放置してて、ないかもしれないですね。今のところは。
kai3
僕もね、あの大量のCDがもう聴かないから思い出にとっといてCDがあるんですけど、
あの中の何個か聴けなくなってるのがちょっとドキドキしますね。
大丈夫なんじゃないかなと思ってるけど。
細谷滝音
昔の2枚組のCDとかにあったウレタンのスポンジが入ってたりするの、あれがやばいらしくて。
kai3
あ、あれ逆にやばいんだ。
細谷滝音
あのウレタンが過水分解してCDの表面を溶かしてしまって、それで聴けなくなるというパターンがあって。
kai3
CDは悪くないわけですね。
細谷滝音
そうです。
kai3
2枚組のが悪いんだ。2枚組あった気がする。もうでも今更掘り越えせないとこに置いてある。
難しいですよね。CDで持っている曲全部、ほぼほぼがサブスクで聴けちゃうので、
わざわざCDで聴かないんだけど、思い出が詰まりすぎて捨てられないというだけなんですけどね。
細谷滝音
僕はレコードじゃなくてこれから先CDも復活してくるんじゃないかと思ってて。
kai3
お、それ面白い。そこはどういう視点なんですか?
細谷滝音
えっとですね、まずサブスクだと消えちゃうとかっていうのがあると思うんですけど、
中古でCD流通してて、そういうものがだいぶ割安で買えるっていうことをやっぱり来日してる外国人が気づいたらしくて。
kai3
あ、今度はそっちなんだ。なるほど。
細谷滝音
日本のCDって海外のアーティストでもボーナストラックとか入ってたりとかして、
kai3
しますね。
細谷滝音
それがなんか海外で流通してないラフミックスとかだったりとかすると、日本盤でしか聴けないみたいなのがあったりするんですよね。
あと帯とかついてたりするのもコレクターの対象とかになってたりとかして。
kai3
あ、そういうことか。
シンプルじゃなくてやっぱり中古ってことなんですかね、そういう意味では。
細谷滝音
中古からだんだんまたCDが買われるようになるんじゃないかなっていう気がするんですよね。
売る方のアーティストとしては、サブスクでの儲けってよほどのことがない限りはあんまり儲かってないと思うんですよね。
33:06
細谷滝音
特に若手のアーティストほど知名度がないから再生回数が少ないということがあって、
この間ニュースにもなりましたけど、Spotifyが再生回数1000回以下のものに対してはお金払わないとか言い出して。
kai3
ひどいですね、あれ。
細谷滝音
そうするとインディーズとかでやってるようなアーティストにとってはお金が回ってこないなんてことになっちゃうわけですよね。
とあるインディーズレーベルの人と話した時に、
ストリーミングで稼ごうとするよりもライブ会場でCD1枚売る方が儲けが大きいとか言ってて。
kai3
いやーでもそれは現実だよなー、そうですよね。
細谷滝音
地下アイドルとかもきっとそういう感じだと思うんですよね。
ストリーミングは言ってみれば、お試しで聴いてくださいみたいな感じで、現場来てCD買ってくださいみたいな。
多分普通にロックとかジャズとかの人もそういう感じの感覚だと思いますね。
kai3
でも今度はCDはいいとして、CDプレイヤーが意外ともうみんな持ってないじゃないですか。
細谷滝音
そうですね。
kai3
そこがまた復権してくるんですかね、そうなると。
細谷滝音
意外とCDプレイヤーが聴ける機材ってあって、
例えばプレステって今はもう光学ドライブないんでしたっけ?
kai3
プレステ5はありますね、音楽CDは。
細谷滝音
ブルーレイがあるからかな。
kai3
ブルーレイは見れますね。
音楽が聴けた、いや音楽だけ聴けなかった気がする、確か。
そういうのがあった気がします。
確か。
この間前にポッドキャストのイベントに出て、
その時に友達の番組みんな集めてコンピレーションを作るっていう、
MAXみたいなのを作ったんですよ。
それを無料で配ろうとして、もうネタだったんで、
別にもう原価かかってないし、みんなJASRACのお金もかかんないから。
CDのね、CDRの代金だけだから無料で配ろうぜって言って100枚くらい作ったのかな。
配ってたんですけど、みんな面白がってもらってくれるんだけど、
うちCD聴くものないんですよねっていう人が、過半数で。
確かに今時のパソコンみんなCDドライブないし、
家でもね、コンポとかみんな無くなっちゃってるから。
細谷滝音
そうですね。
kai3
なんかCDを聴くプレイヤーとかもね、もしかしたら復権してくるかもしれないですね。
レコードもね、レコードが人気出てきて、
今すごいおしゃれなレコードプレイヤーとかあるわけじゃないですか。
細谷滝音
はい。
kai3
今時っぽい。
CDもそこに出てくるのかもしれないですね。
実際な僕も、これは良いのかどうかちょっと悩みどころなんですけど、
僕も推し活やってると、
CD買わないと応募できないライブとかあるんですよね。
細谷滝音
なるほど。
kai3
結局買って、でも買ったまま再生しないっていうことがほとんどで。
唯一、それもCDの特典ではないんだけど、
だいたいそういうCD買うとライブのDVDとかブルーレイが付いてくるんで、
それに関してはネットでは見れないから、
ブルーレイ買うためならいいかと思って買ってるんですけど、
CDはほぼ聴かないっていう悲しいことになってるんで。
36:02
kai3
確かにCD聴く環境がもっとちゃんとあったら、
ストリーミングだと味がないところはありますからね。
細谷滝音
そうですね。
Dolby Atmosとかいろいろやってますけども、
でもDolby Atmos分かってる人ってどれくらいいるのかなとか結構思いますよね。
kai3
僕もね、
名前に惹かれていろいろ家のスピーカーとかやってみたんですけど、
よく分からんってことになりました。
そんなことこだわる日もあったらヘッドフォンでちゃんと聴いた方がいいなっていう。
悔いになっちゃったんで。
そうか、レコードそうやって復元してるの面白いですね。
レコードもCDも。
細谷滝音
そうですね。流行ですよね、言ってみれば。
kai3
確かにストリーミングが当たり前になっちゃうと、
逆にCDとかレコードの方が体験として面白いとかいうことが出てくるのかもしれないですね。
細谷滝音
そうですね。
レコードが流行りだしたぐらいと同時期にぐらいですかね、
カセットテープでリリースするっていうのも結構流行ってた時期があって。
kai3
カセットも来たのか、すごい。
細谷滝音
中目黒にカセットテープ専門店みたいなのがあったんですよね。
今はそこカセットテープだけっていうのをやめてCDも置くようになったみたいですけど。
kai3
すごいな、どんどん一周回ってくるにも程がありますね。
最近若い子たちがスマホじゃなくてデジカメ、
さらにデジカメの先のフィルムカメラがいいとか出してる。
細谷滝音
ありますね。
kai3
カメラが映るんです欲しいって言ってきた子供に、
デジカメあるじゃんって言ったら、デジカメなんて古いよって言われて唖然としたっていうネタがこの間バズってたんですけど。
逆にもう映るんですが新しいとかいう時代になってきてるのがちょっと面白いですね。
細谷滝音
それもう少ししたら多分初期のデジカメのあんまり画質が良くないのがいいとかっていうような話も出てくるじゃないですかね。
kai3
これがどこまでニッチのままいくのか、ちゃんとシェアを取っていくのかちょっと面白いですけど、
そういう意味では音楽だけじゃないのかもしれないですね。
全てが聴き放題、使い放題、撮り放題の時代に、もうちょっと手に取る形とかそういうものが出てくるのかもしれない。
細谷滝音
そうですね、そういうのって結構ライフスタイルとか価値観とかに基づいているのかなという気がしますよね。
綺麗なレコードジャケットを飾りたいみたいな、そういうのって。
言ってみれば自己満足で、効率で言ったらストリーミングの方がいいのかもしれないですけれど、
そういうのをわざわざ選ぶっていうのが一つのライフスタイルみたいな。
kai3
その視点は面白いですね。
もともとストリーミングが当たり前じゃなかった頃ってCD選ぶのが自分の中の価値観の表現だったりしたわけじゃないですか。
細谷滝音
そうですね。
kai3
俺はこの音楽が好きなんだぜっていうのが。
ストリーミングでやっぱりちょっとそこが落ち着いて当たり前になりすぎた結果、
やっぱり自分の中のライフスタイルとしてCDとかレコードで形として選んでいくようになるっていうのは、
時代は結局何しもするとか言うけど、確かに面白いですね。
今自分の好きなアーティストの表現の仕様がないですもんね、昔に比べると。
39:03
細谷滝音
確かにそうですね。
kai3
聞いちゃってるから。
本題からちょっと離れてしまって会社のお話を受けていけないんですけど、
ちょっとだいぶお話もしてきたんで、最後にぜひ会社の宣伝というかここが面白いぜというところを、
特にピアノとか楽譜が好きそうで聴いている方に向けて。
細谷滝音
そうですね。今の話題ですと、当社が主催ではないんですけど、
もう一人の方がですね、
7月ぐらいにツアーをやることになりまして、いろんなピアニストを集めて、
さっきほど申し上げた森下さんも入ってて、
小説とピアノ、ピアノ2台で演奏するんですけど、
小説と音楽を合わせたイベントとかをやらせて、中には芥川賞作家がそういうのがいて、
イベント名としてはイマジンアークっていう、読み方はちょっと分からないですけど、
イマジナークなのかな。
kai3
それは面白そうですね。
細谷滝音
それが全国何都市かはちょっと忘れたんですけど、
5、6箇所ぐらい回って、作曲家にも曲を依頼していて、
中には新垣隆さん、佐村河内の事件で話題になった方とか、
ファイナルファンタジーシリーズで有名な浜渦さんとか。
kai3
これかな、イマジンアーク。
東京公演、ありました。
これって小説とのことは、朗読みたいなのも入るってことですか?
細谷滝音
朗読は入らなくて、会場で冊子を配るか売るかするらしいんですよ。
kai3
それ読みながら聴くみたいな?
細谷滝音
そうですね。そういうと結構際物っぽく聞こえるんですけど、
僕それ見て、アニメとか結構今そういうマルチメディア展開の中であるじゃないですか。
例えばYOASOBIとかも、曲が先じゃなくて先に物語みたいなのがあって、
それにインスパイアされて曲を作るみたいな感じになってるじゃないですか。
アニメとプロモーションビデオと合同して何かやるみたいな、
そういうのアニメで結構起こってたりするものを、
そういうのを森下さんが結構発案したと思うんですけれど、
アニメ業界の劇番とか担当してるので、そういうところで発想したのかなと思ってて。
kai3
これはちょっと面白そう。どうやるんだろう。
手元のやつだと動機できないじゃないですか。
手元に読んでしまうスピードがあるから。
細谷滝音
そうですね。
kai3
そことかもどうやってやるんだろう。面白そうですね。
細谷滝音
そうですね。結構いろんな人が、ピアニストの方も人気の人が出演してて。
kai3
曲がなんかすごいですね。すごいクラシカルな曲がある中にアクエリオンがいたりとか。
細谷滝音
そうなんですよ。
kai3
風の谷のナウシカがいたりするから。
細谷滝音
そうなんですよ。
kai3
面白いな、このラインナップ。
細谷滝音
表テーマか裏テーマか分からないんですけど、
森下さん、アニメの劇伴とか映画とかも多分やってると思うんですけど、
42:00
細谷滝音
劇伴ってあんまりクラシックの世界じゃ、ちゃんと評価されていなかったんですよね。
お金のためにやってる仕事みたいな感じで、
元の作品の付属物みたいな、そういう扱いを受けてたのを、
ちゃんとした評価の俎上に上げましょうよ、みたいな感じの意図があると思うんですよね。
kai3
ちょっと興味あります。
細谷滝音
SF交響ファンタジーという、
伊福部昭の曲を2台ピアノで編曲したのをやる予定なんですけど、
これって、例のゴジラの曲ですよね。
kai3
はい、ですよね。伊福部さんっていったらゴジラですもんね。
面白い。そこにストーリーが乗ってくるのか。どうなるんだろう。ちょっと興味深いですね。
細谷滝音
そのうちのいくつかが後に、うちの会社から多分出版されるだろうっていう感じですね。
kai3
なるほど、すごい。そこまでマルチメディアになってくるんだ。
それは楽譜として出るってことですか?
細谷滝音
そうですね、楽譜としてですね。
kai3
面白い。
細谷滝音
音源の方はちょっとどうなるかわからないですけれども、
東京公演に関しては、ちゃんとしたレコーディングエンジニアの方に取ってもらう予定で、
それは多分何かしらストリーミングとかそういうのでリリースされるかなと思うんですけど。
kai3
せっかくのマルチメディアだし、アーカイブで聞けたら嬉しいですよね。
面白いですね。知らない人から聞くと楽譜って古いイメージがあるかもしれないけど、
実はやりようによったら最先端なことがいろいろできてるわけですね。
iPadに向けて最適化したり、こういうライブに連携したりとか。面白い。
細谷滝音
結構YouTubeとかでも楽譜と音源を一緒に見せてこんな風になってるみたいな、
そういう見せる動画が結構流行ってるんですよね。
あとロックとかの名曲とかをクラシックアレンジして弾くみたいなYouTuberが何人か海外にいて、
そういうポピュラーミュージック系をクラシックアレンジっていうのは結構需要があるみたいなんですよね。
kai3
面白い。ちょっと僕もね、今ピアノ頑張って練習してるので、
こういうのもちょっと興味が出てくるとこなんで、このイベントをチェックしています。
44:06
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