因果認知の基礎
おはようございます。心理学者のじんぺーです。心理学に触れる一日一語のお時間です。
この番組では心理学の専門用語を毎日一つずつ、論文と合わせて紹介しています。
今日の一語は、因果認知という言葉です。
子どもが因果関係をどういうふうに認知しているかということを調べた論文、
Nature Human Behaviorの論文を紹介したいと思います。
因果認知というのは、そのままなんですけど、
出来事の原因をどう理解し、推論し、説明するか、そんな心の仕組みのことを言います。
この研究、4歳から子どもが参加しているんですけど、
4歳くらいの子どもが因果関係を言葉からどうやって推し量っているのかということを気になるじゃないですか。
気になるので調べています。
とてもインパクトのあるNature系列の雑誌に載っているので、
なかなか興味深い結果が出ているかなというふうにも思います。
方法のところから簡単に紹介していきますね。
4歳から9歳の子ども690名くらいが参加しています。
やっていることがとても面白いんですけど、シナリオを読ませます。
英語です。
アンディがスージーにぶつかる。
スージーがフェンスにぶつかる。
フェンスが壊れる。
よくあるじゃないですか。こういうこと。
アンディにぶつかられて、
フェンスにぶつかってフェンスが壊れちゃう。
これは因果関係、原因が連鎖している状況というふうに言えます。
ここで4歳から9歳の子ども、あとは大人にも同じような実験をしているんですけど、
英語なのでちょっと変やこしいんですけど、
causeという言葉を使う。
何々の原因であるみたいな。
Who caused the fence to break?と聞くパターン。
あとは、もっと直接的にですね。
Who broke the fence?と聞く。
誰がフェンス壊したの?と聞く。
ブロークを使う。
その中間ぐらいに、
Who made the fence break?という聞き方もする。
Makeの過去形ですね。
ちょっとは言語の勉強ですね。
それに答えるということですよ。
皆さんはどうですかね。
フェンスが壊れた原因は何ですか?って聞かれる。
何によって引き起こされたかって訳してもいいかもしれないですね。
日本語だったらね。
誰がフェンスが壊れるのを引き起こしたのですか?と聞かれるときと、
誰がフェンスを壊したの?と聞かれるとき。
どうでしょうね。
アンディが数字にぶつかって、数字がフェンスにぶつかって、フェンスが壊れたので、
数字が壊したって答えられるだろうし、
アンディが数字にぶつかったっていう風にも答えられる。
何が違うかというと、近因、近くの原因と遠因、遠い原因がどっちもあるっていう。
質問するときの使っている単語、言葉によって子供の回答がどう変わるか。
あとは子供の中でも4歳から9歳で参加しているので、年齢によってどう違うのか。
あと大人と比べてどうなのかみたいなことを調べていますという研究になっています。
因果関係の実験
これがそもそも面白い、どうなるんだろうというところで。
これの結果からいきましょうかね。
他にもいろいろやっているので、ちょっとプラスで紹介しようと思うんですが、
この一つ目の結果でいうと、ブロークを使ったときには近い原因。
アンディが数字にぶつかって、数字がフェンスにぶつかったので近い方は数字。
誰がフェンスを壊したのか、ブロークしたのかと聞くと数字だと答える。近い方を答える。
これは実は子供もそうだし成人もそうだし一貫している結果だったそうです。
一方で構図、何がそれを引き起こしたのかというふうに聞くと、
4歳からすでに構図を使うと連鎖の最初に行動した人、遠い人ですよね。
こういうとアンディを選ぶ傾向が強いという結果のようです。
面白いですね。
メイク、メイドはその中間ぐらいだそうです。
少しずつ差はあるとはいえ、年齢による違いはとても小さいと。
4歳から成人に至るまで、このブレークを使うと近い人を原因だと思う。
構図を使うと遠い人を原因だと思う。
このパターンは結構一貫していると。
つまり4歳でも因果関係の認知の仕方は因果認知ですね。
因果認知は大人とあまり変わらないんじゃないかと。
そのぐらいから育ってくるんじゃないかというのが、
一つの面白い発見だなと思います。
もう一つだけ紹介したいので言うと、
2つ目の実験では別なシナリオがあってですね、
ここでもスージーが出てきます。
スージーはビーチに行く。
日焼け止めを塗り忘れる。
太陽にあたって日焼けする。
ここでもまた構図は似てますよね。
3段階で因果関係が繋がっていると。
今の日焼け止めの例ですけど、
もう一個の例はアンディがこっちで出てきますね。
アンディが地下室の窓を開けたままにしておく。
地下室の窓を開けたままにしておく。
地下室があるんですね。
その後雨が降る。
雨水が地下室に流れ込み浸水する。
というストーリー、シナリオが出される。
これ先ほどと何が違うかというと、
欠如原因という概念がまたここで出てきまして、
日焼け止めを塗り忘れるとか、
窓を開けっぱにして閉め忘れるということですよね。
そこのやらなかったことという
欠如している原因をちゃんと言い当てられるか
みたいなところを調べているのが
ここの面白いところかなと思います。
どうなったかと言いますと、
4歳から6歳の子供の中でも
今回の実験では若いですね。
若年児はどの動詞でもほぼ必ず直接原因を答えるそうです。
構図を使ってもメイドを使っても直接原因。
つまり日焼け止めをしたのは何が原因かと聞くと
太陽と答えるということですね。
もしくは2つ目のアンディの方で言うと
雨のせいであるというふうに答えるそうです。
成人では明確ですね。
日焼け止めを何が引き起こしたんだと聞くと
血中原因を言うことが多いということです。
日焼け止め塗らなかったって答える。
What burned Susie?と聞く。
このburnedという直接的な動詞を使うと
大人はほぼ全員が太陽と答える。
何が焼いたんだと聞くと
太陽と答える。
大人では血中原因と直接原因の使い分けが
ほとんど動詞を使う言葉によって明確なんだけども
4歳から6歳はどの動詞でも直接原因を答えるという
血与原因に結びつけるということが難しいというのが
とても面白いところだなと思います。
年齢が上がると
コーズとかメイドとかを使っても
血与原因を答える割合が増えていくそうなので
この辺りが因果認知の発達を示唆するような
結果だなと思ってとても面白いなと思っています。
言語と因果関係
ちょっとややこしかったと思うので
これくらいしたいと思うんですけど
最後補足的に実験の3つ目が
ホワイで聞くというパターンがあって
なぜ日焼けしたの?
何が日焼けを引き起こしたの?
そういう聞き方じゃなくて
なぜスウジは日焼けしたの?というふうに聞くと
4歳でも血与原因、日焼け止め寝らなかったからだよ
というふうに答えるんですって。
それは面白いですね。
言葉の使い業で出てくる
その因果関係の導かれ方も違うのが
とても興味深いなと思って読んでました。
日本語でどう対応するんだろうね。
引き起こすとかあんまり使うか。
なんかこういう因果関係とかは
やっぱり英語とかの方が明確なんじゃないのかな。
すごいロジカルな言語だなと思うので
アカデミックライティングとか文本とか書いてても
思いますけど
何があってこういう結果になったと。
それはなぜなら何々だからみたいな。
そういう文章においてはやっぱり
英語のクリアな感じ、明確な感じっていうのは
日本語のそれよりはあるなというのは
日本語が曖昧なのかもしれないですけどね。
それこそ思いますかね。
とても興味深い研究だなと思いますし
こういうシナリオとか
共有する話させてもらうことによって
こんな風に実験してるんだなと思ってもらえたら
嬉しいなと思います。
とてもハイインパクトな学術差しに乗った結果なので
こういうのを参考にして
研究頑張りたいなと思いました。
いつか乗せたいんですよ。
Nature Human Behaviorとかね。
頑張ります。
最後まで聞いてくださってありがとうございました。
今日もいい一日にしていきましょう。
陳平でした。
心を込めて
論文とは関係ない話をしようと思うんですが
今12月の8日のドイツは
夜の8時に撮ってます。
もう結構眠たいんですけど
これぐらいの時間にいつも撮ってます。
地元近くで
本当に近くで大きな地震があって
こちらの3時ぐらいかな
15時とか16時だったと思います。
結構騒々しましたね。
でもすぐに親と連絡取れたりとか
本当はね
親だけじゃなくて本当にたくさんの人が
八戸とか岩手の北部とかに
友達が住んでたりとか
親族が住んでたりするので
操作は今でもちょっとしてるんですけど
一旦大丈夫そうで良かったなと思ってます。
まだ全容が明らかになってないんですけど
今のところ結構YouTubeとかでも
ニュースをずっとやっていて
パートナーがむしろ自分よりも
気にかけてくれている感じがするんですけど
今のところ亡くなった方とかの
情報は入っていないので
この地震の規模で
ひとまずそういう
第三次
難しいですね。言葉選びがね。
亡くなってないことが
何よりですね
家の物が壊れたりとかね
道路が陥没したりとか
たくさんある明日の朝
もしかしたらこれが流れてる頃とかには
明らかになりつつあるかもしれませんが
誰も亡くならないことを祈るって言った方がいいね
まだわからないね
結構こういう地震があると
数日はもっと大きい予診があるんじゃないかと
というかそっちが本心なんじゃないかということとかもね
我々はここ十数年
本当はずっとそうだったと思うんですけど
日本の大震災があったりとか
熊本もそうでしたよね
だったので油断ならないと思いますけど
これ以上被害が広がらなければいいなという風に
遠くの力ですけど
祈ってますね
遠く離れてるとむしろソワソワするんだよな
京都とか住んでる時もあったし
奈良にも住んでたし
だけど離れてるとむしろ気になっちゃうのは
結構あるかもしれないですね
皆さんもどうかご無事で
過ごしていただければなと思います
ご視聴ありがとうございました