リスクの生態学の紹介
おはようございます。心理学者のじんぺーです。心理学に触れる一日一語のお時間です。この番組では心理学の専門用語を毎日一つずつ論文と合わせて紹介しています。
今日の一語、リスクの生態学という言葉にしようかなと思います。
エコロジー・オブ・リスクという言葉ですね。どういうことかというと、人が日常の中でどんなリスク、リスキーなことと出会って、どんな環境でそれを選んでいるのかを調べる。
学問領域というと少し大げさなんですけど、そういう考え方というか思考の枠組みみたいなことをここではリスクの生態学というふうに呼んでいて、論文のタイトルにもなっていたりとかします。
やっこしい言葉なんですけど、今日は何の一言にしようかなと思ってやや迷ったんですけど、論文が面白くて、これを紹介したくて今日は話をしています。
どういうことをしているかというと、人が出会うリスクを100個並べましたよと、リストを作りましたよというふうな論文になっています。
人が出会うリスクというのは、まず考えてみましょうか。皆さんの方で一回考えていただいて、それをこの論文と照らし合わせる方がいいのかなと思うんですけど、どうでしょうか。
仕事をしていて、家族関係、恋愛関係、友人関係、将来の老後の話とか子供の話もあるかもしれません。家族かそれは。生活、遊びのリスクもあるかもしれませんねとか、いろいろあるかもしれません。
それをどんなふうなものが上がって、どんなものがより選択頻度が高いのかということを調べた論文です。こういう研究というのは実は前々から行われていて、この論文、本当に昨日お届けしていたばかりの論文なんですけど、最新版を作ろうという試みになっています。
まずやったことが自由記述で、皆さんが今思い浮かんだようなリスクを書いてもらおうということをしています。そうすると何千という風なリスクの項目が出てくるわけです。
それを研究者たちが分類分けとかしてカテゴリ化して、それを新しい研究でまた別の人たちにこれどれぐらい遭遇しますかということとか、どれぐらいそのリスクに遭遇したときにリスクの方をとるかという。
面白いのがリスクじゃない方と合わせて聞いているわけです。例えば仕事を辞めるというのがリスクだとすると、仕事を続けるというのがリスクじゃない方になります。
新しい研究の方でまた別の人たちにどっちをとりますかということを聞くということをしています。
せっかく100のリストができたので紹介していこうと思いますし、どのリスクが多く選ばれたかということをできる限り紹介していきたいなと思います。
まず現代のリスク第1位。第1位は何かと言いますと新しい仕事を受けるだそうです。面白いですね。リスクなのか。とても楽しそうだなと聞いて思うんですけど、確かにリスクかもしれない。リスクに思う人が多いかもしれないなとも思います。
第2位。仕事を新たな当てなく辞めることだそうです。なるほど。これも自分はそんなにリスクに思わないけど、リスクの人が多いのも納得します。
もう言わないでおこう。これ以上。僕はあんまりリスクだと思うことないかもしれない。それで言うと。
第3位。投資をすること。これはだから貯金とか投資をしないということとの対比にすると投資の方がリスクがあるというふうに選ばれやすい。
ちなみにこれ数も言った方がいいのか。研究の3つ目でそれを聞いているんですけど、1000人ぐらいですね。933人に対して選んだところ、まず第1位だったのは新しい仕事を受けるのは229人の人がリスクだと思った。
3位の投資は148人が選んだそうです。
第4位。車を運転する。
急に日常っぽいのが来ましたけど、これ確かにリスクあるなと思いますね。
よかった、ちゃんと自分もリスクを感じれる思考というか、あれを持っててよかったなと思うんですけど。
全部リスクを感じなくなってしまったら早死にしそうなので、リスクを感じるところもあっていいなと思いますが、いかがでしょうか。
第5位。自営業になる。
これも仕事関連かもしれませんね。
第6位は家を買うということのようです。いかがでしょうか。
リスクだったらやらないのかと言われるとそうではないですよね。
リスクだと思ってるかどうかということでこういうのを選ぶ人が多かったということです。
100位まであって全部は紹介しないんですけど、上位はそんな感じでしたね。
6つの分野に分かれていたということもせっかくなので紹介したいなと思うんですけど、6つの分野でそれがどういうパーセンテージで上げられていたかというところを紹介しますと、
一番多かったのが職業に関すること。
これはさっきのランキングの中でも結構入っていたのでよかったかなと思います。
32%。だいたい3割ぐらいの人がリスクの中での3割ぐらいが職業に関することだったということです。
リスクの分類と時代の変化
次が健康に関すること18%。
金融17%。
社会的関係13%。
交通12%。
最後レジャーが9%だそうです。
いかがですかね。
レジャーとかっていうのはどういうことを書いていたかというと、
スカイダイビングとか登山とか、リスクだねこれは。
あとは高額な趣味とか、ギャンブル、競馬、夜間に外出するとかもリスクにも一応入っているそうですね。
交通はわかりやすいか。
社会的関係でいうと、恋人に自分の気持ちを打ち分けるリスクだね。
離婚や別居を決断することもリスク。
新しい関係を始めることもリスクだそうですね。
これも深いですね。
恋愛にせよ、友情にせよ。
というふうなこととか、あと何か気になるのありますかね。
金融もわかりやすいですよね。
投資のほかでいうと、事業資金を借りる。
これも借金ですよね。
大きなローンを組むとかね。
健康は予防接種を受ける受けないもリスクだったりとか、
食事制限ダイエットを始める、医療手術を受ける決断をするリスクだね。
そんな感じだそうです。
皆さんが想像したのも入ってましたでしょうか。
入ってないこととかあればぜひ教えてほしいなと思いますけども、
職業に関することが多かったというのも興味深い結果かなと思います。
あとは挙げられていたこととしては、
コロナ禍とコロナ前のデータを2つ持っていたみたいで、
それを比べるとそんなに差がなかったということとか、
一方で結構前からこういう研究があったという話をしていたんですけど、
例えば1990年とかの調査と比べてみますと、
ちょっと変わっているという話でしたね。
90年どころか60年代とかからやっていたみたいなんですけど、
そういう課題だと例えばスキーに行く、
新しい商品を買う、宝くじにお金をかける、
医師の勧める治療を受けるかどうか、
やや時代の古い限定的なリスク効果が多かったと書いているけど、
あんまり変わっていない気もするけどね。
ちょっと言葉選びとかはもしかしたらアップデートがあったかもしれませんが、
ということとか、
あとは古いリストだと年間平均でその行動に遭遇する回数が26回だったみたいなんですけど、
この新しい100項目のリストにすると45回になるというところなので、
より後半に日常で出会うリスクを扱えているという強みとかも挙げられてますね。
そんな感じでリスクの100項目、
それを考えてみると確かに面白いなと思うし、
改めて自分たちがリスク、日々どういうリスクに遭遇しているかということを考えるきっかけにもなるしね。
あとは個人差も面白いですよね。
自分も途中でバレたかもしれませんが、
リスクをあまり感じにくいタイプなのかなと思うし、
リスクを選択しやすいタイプじゃないとドイツとか来ないと思うしね。
研究者の中では、
2年後というか来年の契約がありませんみたいな仕事を30歳になって選ぶ人とかってリスクを取っていると思いますよ、それなりにね。
リスクだと思います、この仕事自体もね。
そう言わない世界観を望むんですけど、
それも別の話で、そんな感じでございました。
皆さんいかがだったでしょうか。
最後まで聞いてくださってありがとうございました。
今日も一日にしていきました。
人平でした。心を込めて。
