ようこそ、自己理解を深める心理学ラジオへ。このポッドキャストは、個性の裏表を認めて味わう人を増やすために、株式会社自己理解で自己理解コーチとして活動する配信者が、自身やクライアントの自己理解を深めるべく探求し始めた心理学をテーマにお話をする番組です。
テーマに興味のある方や、同じく対人支援をされている方、自己理解を深めたいと感じている方の参考になれば幸いです。
はい、今日も聞いていただいてありがとうございます。 今日のテーマはですね、フロムさんという方が提唱された社会的性格というテーマをお話ししていきたいと思います。
引き続き、参考書籍は図解心理学養護大全から、大分類の9つ目社会心理学のテーマからお話をしていきたいと思います。
エイリヒ・フロムさん、1900年から1980年、ドイツ出身の社会心理学者が提唱された社会的性格という概念ですね。
一体どんな概念なのかと言いますと、特定の社会集団や文化の中で形成される性格的な傾向のことを社会的性格と呼んでいます。
そして、この社会的性格には生産的性格と非生産的性格があるというふうにフロムさんは考えました。
というのも、もともと人は生産的な性格を持っている。本来積極的に自分の役割に向き合い、創造的生産的な仕事をするといった生産的な性格を持っていて、
そんな人間は他者に対しては愛情と信頼を持って成長を助けようとするという、そんな本来のポジティブな性格を人は持っているというふうにフロムさんは考えたんですけれども、
所属する社会の政治や経済の仕組みに影響されて、非生産的性格というのが出来上がってしまうんじゃないか、そんなふうに考えたんですね。
生産的性格というのは一つなんですけれども、非生産的性格を4つの類型に分けてフロムさんは整理をしています。
ぜひ自己理解を深めるという観点で、ご自身はどの非生産的性格がどんな時に出てきてしまいやすいのか、みたいなことも聞きながら一緒に考えてみてください。
もちろん非生産的性格、どれも当てはまらないよという方もいらっしゃると思うんですけれども、その方は生産的な性格をメインで生きられているということかなと思いますので、
どれかに当てはまらなくても気にしなくて大丈夫なんですけれども、複数に当てはまるということもあり得ます。
非生産的性格も一つではないし、どれが強いかな、みたいな形で考えてみていただけたらと思います。
では改めて生産的性格の説明ですけれども、積極的に自分の役割に向き合い、創造的、生産的な仕事をする。
そして他者に対しては愛情と信頼を持って彼らの成長を助けようとする。これが生産的な性格です。
そして非生産的性格の一つ目、受動的な性格。自分が求めるものは全て他者から与えられるものだと感じている。
常に愛されることを求め、他者の判断に頼ろうとするという性格です。
よく言えば献身的という形なんですけれども、人の考えをそのまま受け入れてしまったり、
愛というのは愛することではなくて愛されること、非常に受動的で受け身な構えの性格のことを受動的な性格と呼びました。
そして非生産的性格の二つ目、搾取的な性格。自分が欲しいと思うものは全て他者から奪うものだと感じている性格のことです。
例えばお寝た物勝ち的な発想ですね。これ壊れたぞ、倍にして返せみたいなこととか、他者を羨んで奪い取りたいっていうふうに考えていたり、
他者のものを過剰評価したりですね。あとは労働者に対してみんなしっかり働けよっていう労働搾取的な考えだったりですね。
こういう自分が欲しいものを他者から奪うことで実現するっていうそんな構えのことを搾取的な性格とフロムさん呼びました。
そして非生産的性格の三つ目、貯蔵的な性格。これは他者を信用することができず、自分の周りに壁を作って大事なものを守ろうとする性格のことです。
例えば基本的にケッチなので、自分の方がたくさん飲み会で飲んでても今日は割り勘でみたいなこととか、これお金を守ろうとしてるんですかね。
よく言えば奸約的ですよね。あとはものに囲まれて私の好きなものがいっぱい。愛とは与えるものではなく所有するものみたいなふうに考えている。
あとは目の前に好きなものに囲まれて素晴らしい僕だけの世界だみたいな形で、他者を信用するというよりは自分の世界に入り込んで壁を作って大事なものだけに執着してしまうようなそんな構えであり性格のことかなと。
そして非生産的性格の4つ目。市場的な性格。自分や他人を含むあらゆる物事を経済的にもしくは量的な価値に置き換えて評価する構えです。
現代においては最も多い類型であるとされています。
例えば人と付き合いするときにこの人と付き合えば得をしそうだというふうに考えたり、料理を食べているときにこの料理のカロリーはいくらだというふうに考えたり、自分の恋人の評価価値を他人の評価で決めていたり、
例えば外見的なステータスで美人だとか内面的な学歴のところで頭がいいみたいな他人の評価で市場的に考えてどの評価を決めてしまったりですね。
こういった構えのことを市場的な性格というふうにフロムさんは考えました。