八木 信宏
これは本当に日本が誇る超有名人が、 IBSに来てくれています。
普通は、創薬セッションばっかりに 来てくれている人なんですが、
この有名人がここに集うのは、 なかなかすごいことだなと思いながら、
見ているところでございます。
まずは、企画をご紹介させてあげた上で、
1分程度でまず自己紹介をしていただいて、
ご自身が何をやっている人なのかというところを、 お話をいただきたいと思うんですが、
その前に、どんな人が来ているかというのを、 皆さんにお伺いしたいと思います。
属性、知っている方も知らない方もいるんですけれども、
まず、製薬業界から来ているという人。
製薬業界の業界人。
次に、アカデミアから来ていますという方。
アカデミアがこのぐらい。
創薬の支援をやっています。
CDMOとかそういうところから来られています という方がおられる。
それがパラパラ。
あとは、自分でこのインダストリーでジョインして、
スタートアップとして何らかスタートアップに 噛んでみたいんだと思われている
アントレプレーナーの人。
それもそんなもん。
結構バラバラでつかみどころがないというのが 印象なんですが、
それはそんな感じで、この皆さんにやっていただきたいと思います。
それでは、順番に1分ずつぐらいの自己紹介を お願いしたいと思います。
じゃあ、僕が小柳先生から。
自己紹介。
小栁 智義
いきなりですね。
よろしいですか。
すみません。ちょっとモニターが聞こえにくいので、 ここを上げてもらえると助かります。
京都大学病院の小柳と申します。
もともと研究者として研究をやってたんですけれども、
アメリカでスタンフォード大学というところに留学しまして、
その時のボスが会社を作り、
そしてシリコンバレーで当然ベンチャー盛んなわけですね。
それで本当に薬になっているという現状を見て、
日本に帰ってからベンチャーに参加しました。
ところが、日本の業界は15、6年前ですが、
なかなか成長していないということに気づきまして、
ベンチャーを数社渡り合った後に、
京都大学のほうでベンチャー支援ということを行っております。
領域としては、高橋雅恵先生がされている再生医療ですとか、
あと最近では遺伝子治療、ゲノム医療、
そういうところについてカバーをしております。
今日は、厚生労働省の先日のホワイトペーパーという形で、
スタートアップ支援の政策というのが出ました。
そのプロジェクトチーム、私入ってましたので、
少しその辺りも振りたいと思います。よろしくお願いします。
八木 信宏
よろしくお願いします。
さんづけでいきます。みんな先生だったりするんですけど、
今日はさんづけでいきます。高橋さんよろしくお願いします。
高橋 雅代
高橋と言います。
もともと京大病院で眼科医やってましたけども、
ある日、関細胞を知っている眼科医は私しかいないと気づいたときに、
私が治療を作るんだって突然思って勘違いして、
そこから30年経っております。
ついに治療はだいぶできて、
今、医療として作っています。
そうすると今までの作り方ではできないなと思って、
だんだんシステムぶっ壊さなあかんなという気になってきていて、
今、ほとんど崩壊している医療を何とかするというのを、
それをIPSの力で医療を再生しようみたいな感じですね。
もう世界では、バイオって重要な成長産業なのに、
日本は医療費を補正して抑えつけていますから、
これを外すという保険の仕組みなんかも考えています。
八木 信宏
以上です。
ありがとうございます。
聞こえてます?皆さん大丈夫ですか?
いけてる?
僕ら聞こえてます?スピーカーが多分こっちに向いてるんですよ。
なので、俺の声聞こえるでしょ?
ちょっとマイクを近づけ身にして喋ってください。
はい、こんぐらいでやって。
はい、じゃあ二美さん。
二見 崇史
聞こえている。
よかったです。
ANベンチャーパートナーズの二美と申します。
よろしくお願いいたします。
ANベンチャーは新興のファンドなので、知らない方も多いと思うので、
簡単に説明させていただくと、ちょうど初号のファンドを卒業したところで、
ライフサイエンス特化型のベンチャーキャピタルファンドになります。
200ミリオンUSドラをターゲットとして、
基本的には日本のアカデミアシーズ、もしくは事業会社さんからのスピンアウトを
USでカンパニークリエーションしてシード、もしくはシリーズAをリードするような立場です。
一番大きな特徴としては、アーチベンチャーと一緒にファンドを組成しているというところもあって、
USの資金有力と、あとは経験ノウハウがある人たちというのを一緒に会社を作っていくというところが
八木 信宏
最大的な特徴かと思っております。よろしくお願いいたします。
はい、四番目、沢部さん、自己紹介。
澤邉 岳彦
はい、聞こえてますね。これいいですね。
ビヨンドネクストベンチャーズの沢部と申します。よろしくお願いいたします。
ビヨンドネクストベンチャーズは、爽薬バイを含むディープテックに投資をするベンチャーキャピタルということになります。
私自身は一番初めは製薬企業、明治製薬ファルマというところで、
ケミストから始めまして、事業開発、BDをやって、その後外資系の製薬会社とか、製薬会社の前に医療機器のジョンソン&ジョンソンというところがありまして、
そこにアッピーというところで合計2年ぐらいいて、2014年からは当時産業革新機構、今のINCJという官民ファンドで爽薬とかバイオの投資をしていました。
2022年の12月からビヨンドネクストベンチャーズにジョインして、同じく爽薬バイオを担当しています。
今日は楽しみにしています。よろしくお願いします。
八木 信宏
申し遅れましたが、私ヤギドブヒルと申します。本日のモデレーターを務めさせていただきます。
私もともと、今は京都大学の成長戦略本部のエコシステム統括部門というところで副統括をやっています。
あとは京都大学イノベーションキャピタルという官民ファンドで投資部長をやっていますので、
アカデミアの中から会社を作って投資をして民間に供給を差し上げるというポジションをやっています。
キャリアとしてはもともとケミストで化系学をやっていて、その後製薬会社に入って拡散医薬みたいなのをやって、
アメリカ行ったり何だりしながら最後はBDをやって、あとは京都大学に来たということです。
本日ちょっとノイジーですけどよろしくお願いします。
八木 信宏
それでは改めてですけれども、アカデミアの創薬力、培養経営者、産業育成、世界を取る力ということで、
我々のパネリストの人々に自分のやっていることを5分ぐらいで話していただく。
トピックごとに1人選んで5分ぐらいお話をいただいた後にディスカッションに入っていきたいと思います。
だいたい創薬は今の流れとしてはアカデミアが何かを見つけてスタートアップになって、
その後政府の後押し等を受けて前期後期の臨床試験をやってグローバルに出ていきますという流れを踏みますので、
その流れに沿ってまずはアカデミア現状でどんなケイパビリティがあって、どんな現状にあって、
どんな問題があるのか自分がやっていることも含めてお話をいただきたいと思います。
高橋 雅代
まずアカデミアの創薬の5分担当は高下、アカデミア初シーズン創出の現状についてご説明をお願いします。
はい、今アカデミアではないですけれども、皆さんが思うよりはビジネス側に来ているんですけど、
アカデミアの状況をお知らせすると、まず理研に行った時ですね、もうびっくりしました。
臨床側から行ったらですね、なんだこの宝の山は、これも使えるあれも使えるでものすごいシーズンがあったんですけども、
そこが全然出口に向かってなかったっていう、20年前ぐらいですね。
それが今はもう皆さん意識しているので、ずいぶんこの10年15年で変わったと思いますけれども、
やっぱり産学連携のところの問題があったりして、なかなかそれがスムーズにいっていない。
我々の会社、理研ベンチャーにしていただいて、まさにアカデミから出た会社なんですけども、
高橋 雅代
統計を見ますとそういう会社の方が上場率はものすごく高いということで、
政府もアカデミア初のベンチャーにお金出しましょうっていうのが今の状況かなと思っていて、
それは本当に正しいと思いますですね。
その時に私自身会社作っただけじゃなくて、病院も作りました、神戸市と一緒に。
それはなぜかというと、治験だけでやっても再生量とか新しいものはできないし、
遺伝子治療でまさにもうアメリカでは治験一本で会社がやるっていうのは、
モデルとしてうまくいかないっていうのが証明されちゃってるんですよ。
フェーズ3でのきなみ倒れてるっていう感じですね。
それは臨床側から見てると、いやそのデザインじゃちょっとダメでしょっていうのがやっぱりこけてるので、
医療側からも手を伸ばして両方が一緒に作るっていうエコシステムを神戸で作ってるつもりです。
そうなりますと、利益相反まみれなんですね。
利益相反まみれなんだけど、今の感覚としてはもう利益相反万歳です。
っていうのは企業の創薬とかはすごくお金高くなってますけど、
病院に日本はお金が入らないので、やってくれるドクターがもう全然いないんですね。
ですので、私たち普通はバイオベンチャーって10年赤字なんですけども、
もう来年から収益上がるようなモデルにして、どういうことかというと先進医療で行います。
それはちゃんと協力してくれる臨床チームがいるからできるんですけども、
そうしますと細胞代だけじゃなくて病院のドクターの費用、それをちゃんとまともに払うということができるんですね。
そういう保険ではできないことをやって、聞く人たちを患者さんをどんどん作って世界に発信して、
こうやったらうまくできますよっていうビジネスモデルを見せるという、
医療のウーバーになりたいと思ってまして、
さっき言った成長産業にするためには公的保険では成長産業にならなくて質がどんどん落ちてますから、
イノベーティブなところに民間保険を入れて別のポケットを作ります。
それがもう言い出してから1年半ぐらいなんですけど、どんどん大きな流れになっていて、
保険業界も入ってくださって今プランしてますけど、
そのためにIPSってすごいんですね。
IPSが目に入らないかみたいな感じで日本ではね。
すごいシンボルとしていいので、ここでちょっといろんなことを一挙に変えると。
昨日はですね、病院学会っていうのがありまして、私も初めて病院の経営者の自治体の市民病院とか、
そういう先生方の経営者のところでこの話しましたら、
もう熱気すごくってみんな困ってるから、そういう手があったかって、
必ずしも再生量じゃなくても、こういう手もあるのかっていうのに気づきつつあると。
これ結構面白いことになるかなと思う。
そういう新しいビジネスモデルを作っているつもりです。
はい、以上です。
八木 信宏
ありがとうございます。
高橋さんはですね、皆さん知らないかもしれませんが、日本で初めてIPSを人に打った人なんですね。
すごいでしょ、そんな人来てます今日はね。
高橋 雅代
もう若い人は知らないんですよ、10年前だから、大学で講義しても誰も知らない。
八木 信宏
ということなんですね。
多分今もその業界でフロンティーとして活躍されているわけなんだけれども、
やっぱり皆さんの頭の中に巨大するのは、アカデミアで全部やるべきなの、世の中には製薬会社さんあるんですよね。
八木 信宏
じゃあ、なぜ製薬会社がやらなかったのかできなかったのかっていうところを、
薬屋経験者のお二人にお伺いします。
後でそれについて聞きますから、小柳さんには。
なぜ、IPSはアカデミアが先行することになったのか、せざるを得なかったのか、
どういう力がかかったのかっていうお考えをお知らせください。
澤邉 岳彦
製薬会社の立場になって考えてみる。
そうすると製薬会社って上場している会社もあって、
株主に対して利益を上げていって、配当を出すとか株価を上げるとか、そういうことを考えますよね。
そういうビジネスを考えたときに、一定規模感がないと、
あるいは投入したインプットに対して規模感を持って帰ってきてくれないと、
なかなかこれにリソースを割いて取り組みますっていうのが、
一つは語弊を持って言うと、誤解を招くかもしれないですけど、めんどくさい。
しかもめんどくさいし、
彼らの製薬企業の今その時持っているバリューチェーンと全く合わない。
そういうところを新しく作っていて、でも得られるリターン、規模感がそんなにないということになると、
なかなか手を出しにくいっていうのは一つあるかなと思いますね。
八木 信宏
なるほどね。あと多分ポイントとしては、今まで薬っていうのは、
低分子だったりタンパクだったりしたのを細胞が出てきました。
やったことないんだけどっていうのが、社内でどのぐらいハードルになりましたか。
採用店の一緒にいたからね。
二見 崇史
ありがとうございます。僕ももともと製薬会社にいたので、
いろんな理由があるかなと思うんですけど、やってないわけではないなと思います。
単純にリスクベネフィットを踏まえた上で、リスクの大きさに応じたリソースのアロケートをしているだけかなとは思っています。
かつそのアーリーステージのサイエンスに対するリソースの当て方っていうのは、
会社ごとにフィロソフィーが全然違います。
なので、やってる会社さんもいれば、やってない会社さんもいるっていうところがあるのかなと思いますし、
製薬会社ってコンテクストでお話しされたんですけど、
どちらかというと、皆さんご存知の通り、製薬会社がイノベーションを起こすっていう世界観では、
多分今はないのかなと思っています。
今ある既存の臨床に乗っているパイプラインの結構な割合っていうのがスタートアップであったり、
VCがバックしているスタートアップがあるっていうこともあるので、
リスクアペタイトが高く、一発必中というか侵入するリスクと覚悟を持ってやってるっていうのは、
どちらかというとスタートアップなので、
リスクを乗り越えたものとかを製薬会社がラージスケールだったりとか、
マニファクチャリングとかを取っていく、
そういう橋渡し的な形で動いていくのが今の普通のモデルだと思うので、
一番最初から最後まで製薬会社がやるっていうことは、
ずいぶん前からそれはなくなっているのかなという印象です。
八木 信宏
分かりました。
やっぱり新しいものであればあるほど製薬会社に二の足を踏むようなところがあって、
役割分担が薬屋さんの間でも進んできているってことなんですけれども、
それと同時に出てくるのが薬屋さんサイドじゃなくてアカデミアサイドは、
どこまでやるべきなのか、やらざるを得なかったのかというところをお伺いしたいと思うんですが、
小柳さん、薬屋さん、やっぱりMDの世界、病院の世界って、
薬を分子生物学で見るんじゃなくて、全身でどうなっているんだろうっていう、
お医者さん目線で、人目線で、個体目線で見ることができるっていうのもいいことだったりするんだけれども、
アカデミアでどこまでやったらいいと思ってらっしゃるんですか。
小栁 智義
どこから始めるかっていうのも要因の方はあって、
実は大学病院っていうところは、そういう意味では別に薬を作るための場所ではないんですね。
薬学部ではないので、なのでいろんなベンチャーとか、
場合によっては製薬企業が持ち込んできたものを評価するっていうところに特化しているっていうのはあるんですね。
ただ、実は製薬企業さんもどういう病気があるかっていうのを知らないんですね。
これは病院に行って非常に感じました。
なので、あの治験ってこうダメだったよねっていう意見が病院の中にはわんくさがあると。
高橋先生がさっきおっしゃった、利権には宝の山があったみたいなところが、
私から感じると病院は宝の山だなというふうにちょっと思いました。
もうちょっとした治験の工夫だけで数十億の利益が出るようなプランが病院の中では転がってるんですね。
そういう意味ではできるだけ引っ張った方がいいというふうには思います。
ただ一方でお金がないんですよね、ベンチャーの方は。
先ほど二宮さんおっしゃった、ある程度育ててリスクが取り終わったところから製薬企業が橋渡しで受け取りたいと。
そういう話、他の製薬企業の方からもいっぱい聞くんですが、
日本はそれをやるところのやっぱり金額的なお金の手当てがなかったっていうのが一番大きいかなと思います。
我々は病院の中でも治験をやるところなんですけれども、
正直人件費とかそういうところが逼迫しています。
ほとんどボランティアでMDの先生とか看護師さんとかCRCさんとかがやってるこの状況を変えていかないといけないっていうのが、
4,5年前まではもう構造的に無理だなって苦しいなっていう状況だったんですが、急に変わってきました。
ここから先は多分もうちょっと先のセッションで話があるかなと思いますが、
その辺のお金をブンブン回してるのがヤギさんかなと思ってます。
こんな感じでいかでしょう。
八木 信宏
ありがとうございます。
聞くっていうところまで病院でもしくはアカデミーで確認するっていうのは非常に有用だったと思います。
今重要なお金っていう話が出てきて、
八木 信宏
高橋さんに次はお伺いしたいんですが、
多分誰かに任せたい。
そのiPSでわーって盛り上がってる時なんて薬屋さんがやってきて、やりますっておっしゃったかもしれないんですよね。
基礎研究の研究者としても臨床には当然興味はあるんだけれども、
それにまつわる規制とか全部細かいことをやらされても困るっていうのが大抵のことなんですね。
でも高橋さんはそれをやられた。
それはやりたかったんですか。
やらなきゃならない状況があったんですか。
高橋 雅代
やらないといけない状況だったんですね。
とにかく治療を作りたいっていう気持ちはむちゃくちゃ強いわけですよね。
1例目の時PMDAともちろん相談しました。
だけど細胞のこと全然わかられてないし、
あと手術なんですね。
手術も全然わかっておられないので、
低分子の規制を全部言われて、
これあかんなと、これやってたら日が暮れるわっていうか何でも。
実際NIHが同じことをやってたんですけど、
FDAに足止めされて7年後にやりました、私たちの。
それぐらい時間かかることになって。
だからルールも変えなあかんということで、
それがまざまざと見たのは、
IPSの力で法律が薬事法も変わったし、
再生医療の法律も変わったし、
日本は最も再生医療をやりやすい国になったっていう、
それをまざまざと見たので、
よしここはもう医療も全部変えちゃおうっていう、
そういう感じですね、発想。
八木 信宏
これからビジネス側のセッションにだんだん移っていきたいと思うんですけれども、
またこれ高橋さんにお伺いしようと思うんですが、
さっき企業側としてはデリスクができた段階で手を付けますと。
アカデミア側はデリスクができたって思って、
ライセンスとかをしたりするんだけれども、
必ずしも視点が同じじゃなかったり、
そんなはずじゃなかったみたいなのは、
お互い来ることがあるんですね。
高橋さんと二宮さんにお伺いしたいと思いますが、
薬屋さんとの付き合い方、
最終的にはマーケティングオーソライゼーションホルダーっていう、
DMHを持っている薬屋さんにどっちにしろ打ってもらわなきゃいけない中で、
薬屋さんとの付き合い方、
失敗談を聞くのもどうかと思うんですけれども、
その辺のちょっと言いにくいところも含めてお話がいただければ。
高橋 雅代
そこを触れますか。
冗談ですけど、何でも話せるんですけど、
やっぱりものすごく新しいモダリティなんですよ、細胞。
やっぱりそれが分からない、あるいは手術が分からないと、
それじゃ治療にならないからっていうのが理解されない。
そのやり方ではっていうことですね。
そこがもう大きく開いて、
でも私たち臨床科から見て、それじゃ治療にならないからっていうのをやられても、
それは無理なわけで、
自分でやり方も含めて、
自分たちが納得して臨床科がいい治療だねって言えるところまで臨床研究で回しました。
皆さんいきなり知見しかないと知見原理主義なんですよね。
知見しかないみたいに思ってるけれども、
いろんな道があってですね、
医療機器として開発してますし、
ちょっと考え方が、
創薬っていう言葉自体が私、
さっきも言いましたけど、
ちょっと不満でですね、
創薬って言ってるとダメなんですよ。
今私たちAIロボット使ってるし、
AI使ってるし、
AIと総合的に医療を作るっていう、
そういう感覚が欲しいですよね。
八木 信宏
はい、今すごいキーワードが出てきて、
臨床科はこれでいける、これで治せるでいくんですよね。
でも薬屋さんの側には、これで儲かるんです。
そこに多分ディスキレパンシーがあって、
使用付けしたいわけじゃないけど、
使用付けされてるように見えるシーズもあります。
いう状況です。
なんでそんなことが起こるんですか?
二見 崇史
そうですね。
プロフィットビリティとか、
かけ合ってるコストに対してリターンがどれくらいか、
っていうのは当たり前ですけど、
事業会社さんはそれもちろん考えます。
っていうところで、
それがビジネスモデルが合うか合わないかの話であって、
前提条件として製薬会社が全ての、
患者さんに届けるバリューの受け負い人であるかというと、
僕はもうそういう世界ではないと思っていて、
一般的には創薬のスタートアップですと、
Human POCが取れて、
その前後で、
マーケットアピタリティもあると思うんですけど、
そこら辺で誰かがアライアンス組んで
前に進めていくことが多いと思うんですけど、
例えばNO1みたいなタイプだと、
今の現在の製薬会社のビジネスモデルに合わないならば、
スタートアップが最終的な企業体として、
レビニュージェネレーションがきちんとできるところまで、
自分たちでやっていけばいいという風には思っているので、
逆に言うならば、
製薬会社に頼らないモデルっていうのも、
スタートアップ側で最後まで作っていけばいい。
ただそこは、
当局との交渉だったりとか、
マニファクチャリングだったり、
セーフティーだとか、
コマーシャリーを含めた上で、
マーケットも含めた上で、
ケーパビリティを備えなくてはいけないということになってくるので、
ケーパビリティギャップをどうやって埋めていくか、
最終的なゴールまでというだけの話かなと思っています。
答えになっていないと思うんですが。
八木 信宏
はい。
ありがとうございます。
最後、アカデミアの力の中での最後のトピックにしたいと思うんですが、
アカデミアの中にたくさんシーズが埋まってるって、
さっき小柳さんおっしゃってましたけれども、
サーベルさんに聞きます。
サーベルさん、ビヨンドネクストベンチャーズっていうVCさんで、
いろんなアカデミアのシーズを集めて、
これはライフサイエンスだけじゃなくて、
全セクターですけれども、
起業させようっていうプログラムをやってらっしゃいます。
今のアカデミアのサイエンスの実力って、
これライフサイエンスの中で、
ライフサイエンスにフォーカスをして、
良いものってたくさん出てきているのか、
例えばどんなのがあるよっていうのがあればご紹介ください。
澤邉 岳彦
良いものはあります。
たくさんって募集団をどこに取るかわからないですけど、
確かにこれは面白い、あれは面白い、
そういうのいろいろあります。
例えばって言われるとなかなか難しいですけど、
私が今関わっているところだと、
JSTから補助金、スタートってありますよね。
ああいうところか、
あるいはギャップファンドって最近ありますよね。
ああいうところからいただいて、
小栁 智義
なので気をつける。
多分主語が今ヤギさんがおっしゃったところって、
研究者っていうのか、それとも大学っていうのか、
その周辺にいる私みたいな支援者っていうのかで変わってくると思うんですが、
まずは私は頑張っています。
そこにもう少し手厚くすることで、
トップオブトップの研究もそうですが、
そうでないやつもどんどんどんどん世に出していけるというふうに思っていますので、
乗りしろという意味では、
キーワードは海外ともう少し接点を増やしていくという、
その2つで考えています。
八木 信宏
ありがとうございます。
まずはアカデミアの力っていうところを締めたいと思いますけれども、
昔を振り返ってみると、
例えばメバルチンって甲子血症の薬も日本発ですし、
アンジョウテンシン、ARBっていう血圧下げる薬のレセプターを見つけたのも日本人が
サイエンスに出しています。
レセプターを見つけたのも日本人。
本庄先生がガンの世界を変えましたし、
IPSも作っていますということで、
これからも多分これ出てくるんですね。
50億60億のものがたくさん埋まっていますという話をしたので、
皆さんには是非ともそれに注目いただいてということにはなりますけれども、
トピックを移します。
経営者の力。
それを結局そういうシーズが出てきた時に、
どこで誰がどういうふうに実用化をしていくのか。
さっきの仕様付け問題とかを避けながら、
ドライビングフォース強く、
アカデミアの先生がやらなくてもいいような状態に、
優秀なビジネスマンが来てくれるのがベストです。
お金を出す人も、BDの人も、アカデミアもベストなんですよね。
ここはやっぱりアントリプレーナーの力というのは非常に大きいんです。
ただ、今のところ薬屋さんから
エクスペリエンストピーポーが出てこないというのが現状です。
先ほどBeyond Next Ventureさんでは、
経営者のどのものって言いましたけれども、
トピックを移します。
経営者の力ということで、
今の創薬の経営人材の実力。
これは日本人か外人かというのもありますし、
経営者の実力、この業界にいる、
流動性だとかも含めた、
産業のドライブフォーカスのメインになる人の状況について、
将来のフォーキャストも含めて、
澤邉 岳彦
5分程度教えてください。
実力ということで考えると、
私もこの製薬業界、研究の頃から含めると、
あるいは投資に入ってからも含めると、
いろんな方もいらっしゃって、
かつてすごく実力のある方もいらっしゃったと思いますけれど、
総体として、総論として、
確実にその力は上がってきているというふうに思う。
このバイオ企業というので、
創薬のスタートアップみたいなことを考えた時に、
それをドライブしていく経営者に求められる力って、
まずは、
創薬業界の中で、
まずは研究開発、
創薬という言葉に
やや批判めいたこともあったんですけど、
今日は創薬といったときにすると、
薬品開発をしていくわけだから、
それを理解していく力、
自分が全部デザインする必要がないまでも、
理解するということがまず必要。
理解した上で、それを他の人に
伝えていかないといけない。
そうしないと、アドバイザーとかコンサルタントとか、
そういう人もうまく使いこなせないので、
理解する力と伝えていく力、
しかもさっき英語ってありましたけども、
英語でも伝えられないといけない。
そういうのが、ものすごくざっくり言えば、
そういう力が必要なのかなと思っていて、
そういう人たちが増えてきているということだと思うんです。
もちろん、製薬企業の人もいるんだけれども、
私が今までお会いしてきた人たちの中で、
必ずしも製薬企業だけじゃない。
理解する力は製薬企業の方は最初から持っている可能性が高いですけれども、
そこは後から、後付けというか、
しっかり勉強されて追いついていかれる方もいる。
逆に伝える力がすごくある人というのも、
他のインダストリーから入ってくる方でも
いらっしゃるかなというふうに思っています。
増える増えないのとき、
あとは流動性の話がありましたけれども、
もちろんベースとして、そうやって鍛えられている方、
いろいろなインダストリー、金融関係の方もいらっしゃるし、
コンサルタントをやるような方もいらっしゃるし、
あるいは博士課程で研究をやってそのままという方もいらっしゃる。
そういう方もいらっしゃる中で、
一つもちろん製薬企業も大きなソースです。
製薬企業からよく出てくるタイミングというのがあって、
それは製薬企業が早期退職をやるとき。
これは確実に波がビュッと出てくるタイミングだなと私は思っています。
だから、どことは言いませんけどね。
多分これから出てくる会社があるんじゃないかなというふうに思っています。
二見 崇史
言いたいこといっぱいあるんですか?
僕はどういう考え方ですかね。
創業者とか、今の話ってあれでしたっけ。
経営者の話でしたよね。
経営者の一番大事な力は、
いろいろな形に分散できると思うんですけども、
基本的に最強のチームはどうやって蘇生できるかだと思うんですよね。
SaaSとかと違って、
指標がシンプルではなく相当コンプレックスですし、
モダリティ疾患によってもスペシャリティが全部違う。
本当にグランドブレイキングサイエンスを引き起こすのは、
リサーチなのか、周りによってはマニファクチャリングなのか、
例えばそれがレギュラートリートの交渉、
ハードルの上げ下げなのか、それによっても全部勝ち筋が変わってくる。
本当に素晴らしいと思われるサイエンスにとって、
それをリアライズするために必要なパーツが何なのかを理解して、
そこを最後までドライブできるチームをシームレスにどうやって形成できるのか、
そういうグランドビジョンが分かっている人がまず最初に必要です。
その後その人たちが、私はこれはできないけど、
これだったらこいつがグローバルナンバーワンだというメンバーを連れて来れるのか、
あとはその後に向かって、そういうチームをどうやって組成できるかというのと、
我々にとってはVCと真っ当に交渉できる能力を持っている方とか、
そういう総合力に近いのかなと思っています。
残念ながら、例えば製薬会社で薬何本も作ったことがある人が来たところで、
そこは残念ながらミートしないというので、
一人でどうにかなるというよりかは、ケースバイケースなんですし、
アセットごとに最強のチームを作るためにどうしたらいいのかというところからバックキャストして、
アントレプレーナーというのを規定した方がいいのかなと思っています。
二見 崇史
頭がいいのかもしれないですけど経営者としてはどうかなって思いますし、
そうではなくて足りないところが分かっていて、
その足りないことを埋めてくれる人が誰かを分かっている人だったらば、
ファーストタイムであったとしても僕はすごく信用できるというか、
一緒にやりたいなって思うようなイメージですね。
質問の一つ目はそれ、二つ目は忘れちゃいました。何でしたっけ。
八木 信宏
二つ目、コンサルの使い方。
二見 崇史
コンサルの使い方。そこはどうでしょうね。
言い方悪いですけど、会社に自分の人生を懸けてないということをまず理解した方が良くて、
そういうある種、誠実な人もいると思うんですけど、
自分の意気地にとか会社の意気地にと関係ないっていうところの人のコメントっていうのを
どこまで真剣に捉えるべきかっていうのを分かった上で、
何を中で判断するのか、何を外の力を使って判断するのかっていうのを
きちんと分けた方がいいと思います。
ただ恐ろしいのは、さっきの文献の方もそうだと思うんですけど、
何が中で決めなきゃいけないことなのか、
何が外にアウトソースしていいことなのかっていうところの線引きが分からないと、
多分結構まずいことになるだろうなと思います。
八木 信宏
ありがとうございます。
高橋さん、事業をご自身で始められるときに、
今さっきふたみさんは足りないところを理解して補いましょうみたいな話をされたんですよね。
それでちゃんとしたチームができます。
でも会社始めるときって全部足りないんですよね。
どこから始めるのがいいか、それともあとは足りない中で、
誰に一番最初に相談するのがいいですか。
高橋 雅代
アカデミアにいる間にかなりビジネスを見ました。
私、シスメックスの、今年の6月で8年目で辞めましたけど、
シスメックスの社外取締役にしていただいて、それが大きかったですね。
あのいい会社を中から見たってグローバルな、すごく勉強になったし、
ビジネスだいぶ門前の小僧で勉強してた。
それともう一つは、一つ以前に作ったっていうことと、
それがどうしたらよかったかなっていう経験があって、
そのとき作ってるのも見たんですね。
だからかなりの知識がありました。
今回はもう、うちのビジネスチームも自慢なんですけど、
COは30代の人ばっかりで、40代も一人いるけども、
もう自分で一辺はスタートアップ、成功させて、
もうお金はいいからやりがいとか、公的なことしたいって言ってきてくれてる人が、
信頼できる人たちが固めてくれていて、
それと、あとCOは30代ですけど、ケンブリッジでニューロサイエンスやって、
マッキンゼで5年でパートナーになって、
どこ行こうかなって言って選んでくれたっていう自慢の人がいる。
そういうシスメックスのときに、
私は何が足りないかっていうのはすごくよく分かりましたし、
逆にあんなに何でもあったらいいよなって、
人も物もお金もあったら何でもできるのになって、
私にやらせてみろぐらいの感じで思いました。
で、足りないものを集めていたっていう感じですね。
八木 信宏
シスメックスの社外取り8年ってさらっと言いますけど、
結構すごいですからね、これね。
で、最後小柳さんに聞きます。
やっぱり大学の先生って、
ネズミ聞いたら次人行くぞって言い出すことが多いんですよね。
そこに適切なチームだとか、
適切なパスウェイを一緒に考えるっていうファンクションすごくでかくて、
それが人材だと思うんですが、
今、アカデミアの先生方と一緒にプロジェクトを進めるにおいて、
一番足りない人材のペルソナ像って何ですか?
小栁 智義
そうですね。
ちょっと一つ事例から入ろうと思うんですが、
私前職は筑波大学の病院にいたんですけれども、
筑波大学初ベンチャーで一番有名なのがサイバーラインっていう会社です。
皆さん三海先生ってご存知だと思うんですが、
会社を作ってから上場して、
いまだにCEOであり教授っていう立場であります。
で、筑波に行くとですね、
皆さん言うんですよ。
コミットメントを見せろと。
もう大学辞めてでも会社やるんですか?っていうことを研究者に言い始めると。
これね、これやっぱおかしいと思います。
全部投げ打ってっていうのは、
やっぱりその人の一番持ってる強さを捨てろって言ってることなんで、
これは非常にもったいない。
高橋先生みたいに、
自分でそういうところをずっとキープしながら
生み出し続けてらっしゃるスーパーマンはいいんですけれども、
なかなかそういう方っていらっしゃらないですし、
逆にもう一つ次の段階に行くときに、
ちゃんと上場させるときとかは、
そういうような適切な人材でないといけないっていうところを、
あまり考えずに支援をしていると、
すごく研究者の方が疲弊していくのをよく見ました。
なので、ちょっとそのあたり気になるなというのが一つ。
で、足りない人材なんですが、
小栁 智義
その前にビジネスモデルを作るときにですね、
この特許があります。
で、ビジネスができますっていうふうに皆さんおっしゃるんですが、
そんな簡単なものではないんですね。
その研究者が持っている立体的な、
その後ろにある特許には書いていないことの方が実は価値があるのに、
研究をやっているとそこに気づけないっていうのがあるんですね。
で、その人が悪いんではなくて、
ちゃんと壁打ちをして、そこの解像度を上げて、
立体的なところを作っていくと、
ビジネスモデルっていうのが、
絵に描いたもちなと本当に平面でしかないところが、
そこが立体的になると、
当たるマーケットがちょっと増えていくんですよね。
こういうのをやってあげるようなチーム構成っていうのが、
一番足りないなと思っています。
で、必要な人材っていうタイプで、
一言で言いにくいんですが、
どちらかというと我慢強く、
ほぼ私、今でも3つぐらいやってますけど、
夜10時からミーティングとか、
週末に毎週毎週ミーティングをするとか、
そうやってどんどんずっと付き合い続けていくと、
突然そのビジネスモデルが面白いね、
じゃあこれでビジネスやろうって変わってたりします。
こういうのができるような仕組みと、
そこに募ってくれるような、
最初はボランティアかもしれないですけれども、
興味を持つようなスタートアップの周辺に来てくれる、
若手のビジネスパーソンが欲しいなと思っています。
八木 信宏
ありがとうございます。
聞きました?平面から立体的に捉える。
なかなか何十回何百回もこういうセッションに出てないとですね、
そんな良いこと言えませんからね。
さすがに良いこと言えねえと思いながら聞いてましたけれども、
この辺で人のセッションを締めたい。
質問に答える的な感じでしたよね。
質問パカッと、これで半分ぐらいなので、何回行こう。
2個ぐらい行きましょう。
世界は後で行くんで、この2番目いいですね。
先ほどの質問の続きですが、
ニッチな領域しかカバーできないとすると、
結局IPO規模の小さなスタートアップしか生まれにくい。
のが日本の実情ではないかと思われます。
その通りですね。
規模が大きいIPOを行えるユニコーン。
消えちゃった。
規模の大きいユニコーンのIPOに行けるには、
必要な要素は何でしょうか。
これ後でまた話してるかもしれないですけど。
二見 崇史
じゃあふたみさん。
2番目、ニッチの話。
マーケットだけが、
多分僕これマクロな見方としてはそうかもしれないんですけど、
もっとアメリカルニーズとかテクノロジーニーズってそこにないんですよね。
例えばわかりやすく言うと、
肥満症ってもう20年前みんな散々やってみんなやめて、
でもご存知の通り今爆上げしてる会社さんって最後まで頑張ってやってたってだけであって、
あとは例えばブレスキャンサーとかでも、
もうアメリカルニーズないよねってマクロでみんな思ってるかもしれないんですけど、
いやまだまだありますよねと。
だから疾患の定義とかで見るのではなくて、
今ある医療のボトルネックは一体何なのか。
今プロバイトしているテクノロジーのボトルネックは何なのか。
ADCが全てを凌駕するなんてそんなはずないわけですよね。
どこら辺が欠けているのか、
その欠けている部分は一体どの技術でカバーできるのかっていうところを見ていけば、
空いているところを埋めるんじゃなくて、
今ある市場を全部ひっくり返せっていう話もなってくるので、
そこは表面的に見るのではなくて、
せっかくサイエンスわかっている皆さんだったならば、
こことこことここさえあれば今のスタックしている状況を全部ひっくり返せる、
そういうところを探していけばいいだけであって、
そこが調査というか、
現状のマーケットの在り方っていうところが、
もっと表面的なものではなくて、
2段3段4段深くなくてはいけない。
そこは例えば臨床にこそ答えがあるかもしれないですし、
だからこそトップを走っている人たちが、
今若者側で走っているかもしれないけど、
本当にグラグラなところでやってて、
ここを抑えてくれる何かっていうのは自分で言うわけがないので、
そういうところはあなたたちは絶対あそこで転ぶよねってわかってたら、
その技術を持っていくとか、
そういうところはあるのかなと。
だからこういう考え方はなるべくしてほしくないと個人的には思います。
本当の技術やマーケットのボトルニックをしっかり掴むことが最初であって、
空いてるから入るよねっていうのは、
ディープテクの考え方ではないのではないかなと思います。
八木 信宏
以上です。
次行きます。後半です。
次は政府の産業育成力。
結局そうやってアントリプレーナーがついて、
先生方が研究をしてっていうものが、
世界に出てくる時に今、なかなか資金が集まらない中で政府の育成、
これはどんな産業でもそうですけれども、
政府の産業育成の政策がないと進まないようなところがあります。
今日、小柳さん来てます。
これ、厚生労働省から出た、
ヘルスケアスタートアップの振興支援に関するホワイトペーパーというのが出てきて、
僕から見るとなんかすごい色んなことがペロンと書いてある気がするんですけれども、
これも含めてですね、
5分程度で、
今まで今進んでいる政府の産業育成政策の最新動向についてお話をいただけますでしょうか。
小栁 智義
なんか政府を代表しろみたいな。
八木 信宏
代表してよ。書いたんでしょ。
小栁 智義
書いたというか、僕が手を動かしたわけじゃなくて、
いろいろ、私がちょっと一言言うとですね、
後ろにいるワーキンググループがブワーッと調べて、
いろいろ動いているみたいで、すごいなと思いました。
やっぱり官僚、官僚っていうか、官僚プラスそこの下にいるコンサルの方々すごく優秀で、
今回はびっくりしました。
今回のセッション自体がですね、
SNSで話題になっていると言われている内閣府がやった、
創薬力の向上により国民の最新の医薬品を迅速に届けるための構想会議というものがあったと。
そこで言われている創薬力って何なんだとか、
若干炎上してるんじゃねみたいな話がきっかけだったと思うんですけれども、
この会議自体、いろんなところから噂を聞き、
私もここで発表する人から意見を聞かれたりとか、
逆にそっちからの資料が先ほどの厚労省の方に流れてきたりとか、
そういうインタラクションがありつつ、創薬っていうところのディスカッションが進んでいます。
一つ大きな流れとしては、
日本に最新の医薬品が入ってきていない、
アメリカでアプローブされている、承認されている医薬品のうちの50%は日本に入ってきていませんっていうファクトがあります。
これを何とかしましょう。
実際いろんな理由があるんですね。
高すぎるとか、日本の医療環境に合わないとか、いろんなことがあるんですが、
一つ大きいのは、日本の市場が小さいから入ってこないっていうのがあります。
だったら日本の創薬力、基礎研究力ですとか、病院の力、こういうものを見せながら、
日本はアジアに入っていくためのボトルネックとして機能することによって、
我々の国を通すことがメリットがあるよっていうふうなことを見せていこうっていうような考え方を持っています。
それの一つになるだろうと思われるのは、
先ほどのホワイトペーパーなかなか行かないんですが、
岸田首相がG7で前回の広島の時にインパクト投資を加速するというのを発表しました。
これでヘルスケアのところも日本国内ですごく動いています。
ただ具体的なところがあまりいないですね。
作業の上流にあるところにお金を入れたら、その下流がどんどんどんどん膨らんでいくよねっていうのがあるっていうのが構想です。
少なくとも製薬メーカーって非常にお金が儲かるって言いつつも、そこにインボルブされている人数としてはそんなに多くないですね。
ただ進むとしては実は結構広い。
さらに医療っていうふうになると、40兆円って言われている日本の医療費、
ここの周辺にいるような環境はありますし、
さらにそこで健康医療を提供することによって他のインダストリーにも影響があるよねっていうところを、
もう少し見える化をしないといけないというふうなことが言われています。
インパクト投資と表裏のところなんですけれども、経済安全保障っていうキーワードも出てきています。
これも今までの装薬とは全然違うんですけれども、
コロナの時に皆さん、ちなみにモデルナのワクチンを打たれた方、ファイザーの方、
大体皆さんそうですね、これアメリカの製品ですよね。
アメリカとの貿易がダメだったら、じゃあ中国のワクチンが入ってきたかもしれないし、他の国から来たかもしれない。
こういうところをどうやって克服するのか、その上で装薬力を持つっていうことが国の力として必要だよね。
場合によってはミサイルとか飛行機より重要だよねっていうような話がありますので、
それもあって日本の装薬力を上げようという話が出てきています。
ようやくホワイトペーパーの方に行くんですが、
提言が25個あります。めっちゃ多いです。
医療DXとか介護とかそういうところも含めてになっているんですが、
私は相論のところとバイオ再生医療と医療機器のところに関わったんですけれども、
全体の前に介護の方が結構手が足りていない、サポートが足りていないということで、
メディソーと言われているベンチャーの支援の介護版を作ろうというのが入っています。
これ結構面白いなと思っています。
やっぱり我々どんなに良い薬を届けても、認知症の方に対してどういうふうなケアをするんですかといったら、
やっぱり普通に介護をするというのは非常に重要なので、そういうところもあります。
最後に3つだけご紹介します。
小栁 智義
今回のホワイトペーパーの中で一番上で目玉になっています、メディソーの拡充というのがあります。
あまり有名じゃないんですけれども、厚労省がやっているベンチャー育成の取り組みとして、
メディソーというコンサルを紹介するような仕組みがあります。
そこでスタートアップのサポートというのを行ってきたんですが、
どうしても日本語で日本で製品化するためのサポートになっていますので、
これを変えていこうということで、まずは英語対応をします。
海外から来た人も対応します。
そして海外に行くためにFDAの対応をします。
こういうのが出てきました。
もう一つ強調したいのがヘルステックチャレンジというのが入っております。
これはアメリカでは国防総省DARPAが持っているマイルストーン型のグラントというのがあります。
マイルストーン型はどういうことかというと、特定の疾患に対して製品を開発してください。
そのためのベンチャーにシードラウンドからかなり臨床開発のところまで行くまでのお金を出してあげますよというようなグラントがアメリカにあります。
これの日本版をやろうというのがあります。
かなり意欲的です。
それの対象が難病、多剤体制菌への薬品の開発、そして伸縮性のある医療機器というようになっています。
かなり日本が弱かったところに対してそういうのをやろうというようなところが進んでいるというのがあります。
他にも言いたいことがいっぱいあるのですが、25個もあって本当にできるのかというところがかなり話題になりました。
通常はこういう白書で書いて終わりというのが言われているらしいのですが、
今回は本当にギリギリのギリギリまでいわゆる短冊と呼ばれている1個1個の提言にどういう制作がひも付くかというところまでの、
誰がやるのかというところまでかなり詰めた話になっています。
それがあまり表からは見えないのですが、実は再来週これの打ち上げがあるので、そこでちょっとぐいぐいと実際誰がやるのかという情報も集めていきたいと思います。
すみません、ちょっと長くなりました。
八木 信宏
今あった本当にできるのかを今ちょっと炙り出してみたいと思うんですが、
私このセッションを受けるときに90分ですよ。平場で受けろって言われたんですね。
プレゼンテーションもなく、この猛獣みたいな人たちを90分どうやってファジリすんねんと思ってましたけれども、
主催者さんは何をおっしゃったかというと、ここに呼んできた4人は1人で90分喋るから全然大丈夫ですって言ったんですけれども、
その通りのことが今起きているので、タイムコントロールをちゃんとしようと思います。
1個1個ちょっと聞いていきたいと思います。
トピックスに分けて、じゃあ高橋さんから。
提言さん、ヘルスケアスタートアップ関係者からの診療報酬改定等の要望を受け、
検討を行う新たな一元窓口を設置する。
岩盤規制の中で新しいモダリティを新しい診療報酬制度をですね、
作っていこうっていうことが提言さんに書いてあるんですけど、
今のご経験がまさにハマると思うんですが、できますかこんなこと。
高橋 雅代
もう大きな流れになってきてると思います。
骨太の方針に入って、私骨太の方針ってよく聞くけど何の意味があるのかなと思ってたら、
あれやっぱりすごいらしいですね。
あそこに文言が入ったら、全省庁が言うこと聞かないといけないんですって。
去年は再生医療という言葉がもうさすがにいらんやろうって言われそうになって、
必死で入れたとか、そんな攻防があそこにあるらしい。
そこにちゃんと、私いろんな委員会で言ったことでもあるんですけど、
イノベーティブなところに民間保険をとか診療報酬考えるっていうことは、
しっかりと入りました。
先定療養という新しい、先進医療っていうのがありますけど、
先定医療でそういうイノベーティブな枠みたいな、
そこには民間保険を入れるっていうのがちゃんと骨太の方針に入りまして、
これは全く画期的、今まで民間保険って言っただけで医師会から袋叩きでしたので、
すごく変わってくると思います。
八木 信宏
ありがとうございます。
これが示すところは、たぶん今までのクラシックな薬屋さんだけではなくて、
医療機器との組み合わせとかサービスとの組み合わせで、
ヘルスケア、薬っていうんじゃなくて、
ヘルスケアの業界に変わっていくってことだと思いますので、
非常に大きなオポチュニティだというふうに思います。
次、ふたみさん。
提言後、ヘルスケア分野でトップクラスのグローバルVCを日本に誘致する。
日本だけではお金がまかないきれないので、
海外のVC、海外のお金も入っています。
を呼んでくるってことなんですが、
呼んでくる良さ悪さ。
世の中ではオールジャパンっていう古い言葉がありますけども、
それに対する考え方について教えてください。
二見 崇史
そうですね。おっしゃる通りで、
オールジャパンって考え方は正直意味がなくて、
薬を作るとか、患者さんに医療を届けるっていうことをみんな目標にしているときに、
日本の人だけ救いたいんですか?って考え方になる。
もちろんノーだと思うので、
基本的にはグローバルのスタンダードに合わせ、
経営であれ、臨床試験であれ、マニュファクチャリングであれ、
グローバルで最適な人、物、金っていうのを含めた上で、
動くのが当たり前なのかなというふうには思っています。
低減にあたる部分にもあると思うんですけど、
どうやって海外のVCを呼び込むのか。
大きく分けると2つあるかなと思っていて、
海外のVCが日本に拠点を作るかっていうクエスチョンが1つと、
2つ目はじゃあいなくてもいいから、
呼び寄せられるのかっていう考え方があって、
2つ目の観点に関しては認定VC制度で、
我々もNVも海外のファンドですけども、
認めてくださっていて、
そこで日本のアセットをインキュベートしてくれる。
我々だけではなくてフェデリティ系の皆さんも入ってくださっているし、
そこは一部成功しているし、
これからどんどん拡張していくでしょうと思います。
一方で、
じゃあ日本に拠点を置くようなVCさんがいらっしゃいますかっていうことに関しては、
残念ながら税制優遇の観点で、
二見 崇史
日本に置いた瞬間にファンドとしてのリターンが激減することが分かっているので、
ほとんどのVCさん、海外のVCさんは日本に置くことは岸すると思います。
ここの部分は散々政府でも議論しているところだと思いますし、
国家的な税制のバランスとの判断の中でやっていくんだと思うんですけども、
それが一番目のアイテムが不可能ならば、
二番目のアイテムでどれだけ多くの人たちを引き寄せられるかだと思います。
ただ、日本で日本にお金を落としたりとか、
日本に向かってIPOをするっていうことではなくて、
繰り返しになるんですけども、
日本の素晴らしいシーズを海外、グローバルにきちんと届けるって考え方をしたときには、
いいシーズを適切なランゲージっていうか言葉、ストーリーで、
それがドライブできる人にきちんと伝えていく。
まさにおっしゃっていただいた通りのことをすればよい。
そのタッチポイントを増やすべく、
政府の皆さんも頑張っていらっしゃるという理解です。
八木 信宏
今回のアルツハイマーの抗体薬が承認になりましたけども、
一施設には5000億円とか3500億円とか5000億円とかそのくらいかかるんですよね。
日本のインダストリーだけではまかないきれない。どの道。
なので、やはりそれはグローバル製品なんだから、
グローバルのステークホルダーからお金を出してもらって、
グローバルに供給していくっていうのは、
これからの当たり前の話になっていくだろうなというふうに思っています。
で、あと最後にこれ行こう。
定限11、AMEDの創薬ベンチャーエコシステム強化事業において、
非臨床ステージも投資対象となるよう要件を見直す。
これはいいんじゃないかと思うんですけれども、
そもそもその制度知ってます?
ベンチャーキャピタルは10億円出したら、
政府が20億円出して合計30億円で開発してください。
30億出したら、マックス30億だっけ?
30プラス30で差算が90億円ぐらいで、
二見 崇史
政府60億円出して1品目、
八木 信宏
1つの会社に対してそれをサポートしますって言ってます。
インクJに前におられた沢部さん、
またベンチャーキャピタルである沢部さんですけれども、
これって大きな政府、小さな政府の話もそうですけど、
そこまでやるべきなんですか?税金の使い方として。
澤邉 岳彦
やりすぎじゃない?
私はそこまでやるべき。
そこまでやらないと先に進まないから、
今そうなってるという政策だと思ってるんですよね。
だからさっき二美さんが、
外外のVC、日本にブランチ作るの?って話があって、
作るところももしかしたらあるかもしれないけれども、