1. IVS2024 KYOTO SESSIONS
  2. 「創薬力」を定義する
2024-09-21 1:29:13

「創薬力」を定義する

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海外では創薬スタートアップが1社で1000億円規模の資金を調達するなど、スタートアップが新しい医薬品を生み出すエコシステムが確立している一方で、日本の創薬マーケットは非常に落ち込んでいる。本セッションでは現環境についての理解を深めるとともに、SNSで話題になっている「創薬力」について徹底議論する。

■IVS2024 KYOTO/IVS Crypto2024 KYOTOについて
2024年7月4日から6日まで、伝統と革新が融合する京都で、IVS2024 KYOTOとIVS Crypto 2024 KYOTOを同時開催します。

IVS2024 KYOTOは、起業家、投資家、事業家、技術者、研究者、そしてスタートアップやオープンイノベーションに関心を持つすべての人々を対象としたカンファレンスです。資金調達や事業成長の機会を求める経営者や投資家、新しい事業アイデアに興味がある人々にとって、新しい未来を築くための貴重な機会を提供します。

IVS Crypto 2024 KYOTOは、クリプトとブロックチェーンに特化したカンファレンスです。この分野のパイオニアたちが、デジタル経済の進化とWeb3の可能性について深く掘り下げます。両カンファレンスは同じ場所で開催され、参加者は自由にどちらのイベントにも参加できます。


名称:IVS2024 KYOTO / IVS Crypto 2024 KYOTO
主催:IVS KYOTO実行委員会(Headline Japan/京都府/京都市)
日時:2024年7月4日(木)~7月6日(土)
会場:京都パルスプラザ他  

・チケットページ:https://www.ivs.events/tickets2024
・HP:https://www.ivs.events/
・X(Twitter):https://twitter.com/IVS_Official

#IVS #IVS2024 #スタートアップ #起業 #経営 #ビジネス

サマリー

本エピソードでは、創薬力の定義や現在の状況、アカデミアとスタートアップの関係性、日本の創薬力向上に向けた議論が行われています。また、パネリストたちの自己紹介を通じて、彼らの取り組みや経験についても触れています。製薬業界におけるイノベーションの重要性やアカデミアとの関係について語られています。iPS細胞を利用した治療法の開発過程での課題やリスクマネジメント、製薬会社のビジネスモデルの変化にも言及されています。「創薬力」をテーマにしたこのエピソードでは、アカデミアと企業の連携の重要性、経営者の役割が探求されています。優れた研究の実用化やともに成長するリーダーシップが求められることに焦点が当てられています。「創薬力」の定義に関して、必要な人材やビジネスモデルの重要性が議論されています。特に、アカデミアとビジネスの橋渡しを行う適切なチームの必要性が強調され、成功には深い理解とコラボレーションが求められます。このポッドキャストエピソードでは、日本における創薬力の重要性と政府の産業育成政策による影響について議論されています。また、医療分野における新しいビジネス機会やヘルスケアスタートアップの支援に関する施策も取り上げられています。このエピソードでは、日本における創薬のエコシステムの現状とグローバル市場への対応が議論されています。特に、政府の支援やベンチャーキャピタルの役割、製薬産業の国際展開に焦点が当てられています。今回は、スタートアップのIPOとM&Aの現状について議論され、日本の製薬産業の特殊性やグローバル展開の必要性が強調されています。また、アメリカのエコシステムにおける人材の重要性や日本企業が海外で成功するための戦略についても触れられています。日本のライフサイエンス産業におけるファンドの設立や資金調達の課題について議論が展開され、国際的な視点から成功事例の重要性が強調されます。また、年金の投資動向や産学連携の強化が求められ、参加者にライフサイエンス分野への関与が促されています。

創薬力の定義と現状
八木 信宏
はい、皆さんこんにちは。IVSにお越しいただきまして、 ありがとうございます。
本セッションは、名前として創薬力を定義する、 書いてないですね、創薬力を定義する、
創薬力を定義するということでですね、
今、創薬力を定義すると言ってもですね、
IPOマーケットに行った時には、100円均一、 100均と言われるような状態で、
IPOに行く時には、日本で100億円ぐらいしか、
どんな良い会社でもプラスがつかない、 というふうに言われている中で、
一方で、日本は稀有な創薬力を誇っている会社です。
世の中で、世界の国を見渡しても、 薬を作れるような国というのは、
いくつもない中で、日本が今、どのように 方向に向かうべきなのかということに関して、
今、皆さんの中で見ていただいている、 この4つのトピック、
創薬の力の中でも、アカデミアの創薬力、バイオファーマー、
我々がやるようなスタートアップの経営者、 人の力をどうするかというところ。
3つ目としては、政府。 投資をたくさんいただいていますので、
政府の産業育成力というのを、 どういうふうに使っていったらいいのか。
4つ目は、我々が見ていくマーケットって、 日本のドメスティックマーケットではなくて、
世界グローバルなんですよね。
これを世界をどうやって取っていくかということを、 今日の4人のパネリスト。
パネリストの自己紹介
八木 信宏
これは本当に日本が誇る超有名人が、 IBSに来てくれています。
普通は、創薬セッションばっかりに 来てくれている人なんですが、
この有名人がここに集うのは、 なかなかすごいことだなと思いながら、
見ているところでございます。
まずは、企画をご紹介させてあげた上で、
1分程度でまず自己紹介をしていただいて、
ご自身が何をやっている人なのかというところを、 お話をいただきたいと思うんですが、
その前に、どんな人が来ているかというのを、 皆さんにお伺いしたいと思います。
属性、知っている方も知らない方もいるんですけれども、
まず、製薬業界から来ているという人。
製薬業界の業界人。
次に、アカデミアから来ていますという方。
アカデミアがこのぐらい。
創薬の支援をやっています。
CDMOとかそういうところから来られています という方がおられる。
それがパラパラ。
あとは、自分でこのインダストリーでジョインして、
スタートアップとして何らかスタートアップに 噛んでみたいんだと思われている
アントレプレーナーの人。
それもそんなもん。
結構バラバラでつかみどころがないというのが 印象なんですが、
それはそんな感じで、この皆さんにやっていただきたいと思います。
それでは、順番に1分ずつぐらいの自己紹介を お願いしたいと思います。
じゃあ、僕が小柳先生から。
自己紹介。
小栁 智義
いきなりですね。
よろしいですか。
すみません。ちょっとモニターが聞こえにくいので、 ここを上げてもらえると助かります。
京都大学病院の小柳と申します。
もともと研究者として研究をやってたんですけれども、
アメリカでスタンフォード大学というところに留学しまして、
その時のボスが会社を作り、
そしてシリコンバレーで当然ベンチャー盛んなわけですね。
それで本当に薬になっているという現状を見て、
日本に帰ってからベンチャーに参加しました。
ところが、日本の業界は15、6年前ですが、
なかなか成長していないということに気づきまして、
ベンチャーを数社渡り合った後に、
京都大学のほうでベンチャー支援ということを行っております。
領域としては、高橋雅恵先生がされている再生医療ですとか、
あと最近では遺伝子治療、ゲノム医療、
そういうところについてカバーをしております。
今日は、厚生労働省の先日のホワイトペーパーという形で、
スタートアップ支援の政策というのが出ました。
そのプロジェクトチーム、私入ってましたので、
少しその辺りも振りたいと思います。よろしくお願いします。
八木 信宏
よろしくお願いします。
さんづけでいきます。みんな先生だったりするんですけど、
今日はさんづけでいきます。高橋さんよろしくお願いします。
高橋 雅代
高橋と言います。
もともと京大病院で眼科医やってましたけども、
ある日、関細胞を知っている眼科医は私しかいないと気づいたときに、
私が治療を作るんだって突然思って勘違いして、
そこから30年経っております。
ついに治療はだいぶできて、
今、医療として作っています。
そうすると今までの作り方ではできないなと思って、
だんだんシステムぶっ壊さなあかんなという気になってきていて、
今、ほとんど崩壊している医療を何とかするというのを、
それをIPSの力で医療を再生しようみたいな感じですね。
もう世界では、バイオって重要な成長産業なのに、
日本は医療費を補正して抑えつけていますから、
これを外すという保険の仕組みなんかも考えています。
八木 信宏
以上です。
ありがとうございます。
聞こえてます?皆さん大丈夫ですか?
いけてる?
僕ら聞こえてます?スピーカーが多分こっちに向いてるんですよ。
なので、俺の声聞こえるでしょ?
ちょっとマイクを近づけ身にして喋ってください。
はい、こんぐらいでやって。
はい、じゃあ二美さん。
二見 崇史
聞こえている。
よかったです。
ANベンチャーパートナーズの二美と申します。
よろしくお願いいたします。
ANベンチャーは新興のファンドなので、知らない方も多いと思うので、
簡単に説明させていただくと、ちょうど初号のファンドを卒業したところで、
ライフサイエンス特化型のベンチャーキャピタルファンドになります。
200ミリオンUSドラをターゲットとして、
基本的には日本のアカデミアシーズ、もしくは事業会社さんからのスピンアウトを
USでカンパニークリエーションしてシード、もしくはシリーズAをリードするような立場です。
一番大きな特徴としては、アーチベンチャーと一緒にファンドを組成しているというところもあって、
USの資金有力と、あとは経験ノウハウがある人たちというのを一緒に会社を作っていくというところが
八木 信宏
最大的な特徴かと思っております。よろしくお願いいたします。
はい、四番目、沢部さん、自己紹介。
澤邉 岳彦
はい、聞こえてますね。これいいですね。
ビヨンドネクストベンチャーズの沢部と申します。よろしくお願いいたします。
ビヨンドネクストベンチャーズは、爽薬バイを含むディープテックに投資をするベンチャーキャピタルということになります。
私自身は一番初めは製薬企業、明治製薬ファルマというところで、
ケミストから始めまして、事業開発、BDをやって、その後外資系の製薬会社とか、製薬会社の前に医療機器のジョンソン&ジョンソンというところがありまして、
そこにアッピーというところで合計2年ぐらいいて、2014年からは当時産業革新機構、今のINCJという官民ファンドで爽薬とかバイオの投資をしていました。
2022年の12月からビヨンドネクストベンチャーズにジョインして、同じく爽薬バイオを担当しています。
今日は楽しみにしています。よろしくお願いします。
八木 信宏
申し遅れましたが、私ヤギドブヒルと申します。本日のモデレーターを務めさせていただきます。
私もともと、今は京都大学の成長戦略本部のエコシステム統括部門というところで副統括をやっています。
あとは京都大学イノベーションキャピタルという官民ファンドで投資部長をやっていますので、
アカデミアの中から会社を作って投資をして民間に供給を差し上げるというポジションをやっています。
キャリアとしてはもともとケミストで化系学をやっていて、その後製薬会社に入って拡散医薬みたいなのをやって、
アメリカ行ったり何だりしながら最後はBDをやって、あとは京都大学に来たということです。
本日ちょっとノイジーですけどよろしくお願いします。
新しいビジネスモデルの提案
八木 信宏
それでは改めてですけれども、アカデミアの創薬力、培養経営者、産業育成、世界を取る力ということで、
我々のパネリストの人々に自分のやっていることを5分ぐらいで話していただく。
トピックごとに1人選んで5分ぐらいお話をいただいた後にディスカッションに入っていきたいと思います。
だいたい創薬は今の流れとしてはアカデミアが何かを見つけてスタートアップになって、
その後政府の後押し等を受けて前期後期の臨床試験をやってグローバルに出ていきますという流れを踏みますので、
その流れに沿ってまずはアカデミア現状でどんなケイパビリティがあって、どんな現状にあって、
どんな問題があるのか自分がやっていることも含めてお話をいただきたいと思います。
高橋 雅代
まずアカデミアの創薬の5分担当は高下、アカデミア初シーズン創出の現状についてご説明をお願いします。
はい、今アカデミアではないですけれども、皆さんが思うよりはビジネス側に来ているんですけど、
アカデミアの状況をお知らせすると、まず理研に行った時ですね、もうびっくりしました。
臨床側から行ったらですね、なんだこの宝の山は、これも使えるあれも使えるでものすごいシーズンがあったんですけども、
そこが全然出口に向かってなかったっていう、20年前ぐらいですね。
それが今はもう皆さん意識しているので、ずいぶんこの10年15年で変わったと思いますけれども、
やっぱり産学連携のところの問題があったりして、なかなかそれがスムーズにいっていない。
我々の会社、理研ベンチャーにしていただいて、まさにアカデミから出た会社なんですけども、
高橋 雅代
統計を見ますとそういう会社の方が上場率はものすごく高いということで、
政府もアカデミア初のベンチャーにお金出しましょうっていうのが今の状況かなと思っていて、
それは本当に正しいと思いますですね。
その時に私自身会社作っただけじゃなくて、病院も作りました、神戸市と一緒に。
それはなぜかというと、治験だけでやっても再生量とか新しいものはできないし、
遺伝子治療でまさにもうアメリカでは治験一本で会社がやるっていうのは、
モデルとしてうまくいかないっていうのが証明されちゃってるんですよ。
フェーズ3でのきなみ倒れてるっていう感じですね。
それは臨床側から見てると、いやそのデザインじゃちょっとダメでしょっていうのがやっぱりこけてるので、
医療側からも手を伸ばして両方が一緒に作るっていうエコシステムを神戸で作ってるつもりです。
そうなりますと、利益相反まみれなんですね。
利益相反まみれなんだけど、今の感覚としてはもう利益相反万歳です。
っていうのは企業の創薬とかはすごくお金高くなってますけど、
病院に日本はお金が入らないので、やってくれるドクターがもう全然いないんですね。
ですので、私たち普通はバイオベンチャーって10年赤字なんですけども、
もう来年から収益上がるようなモデルにして、どういうことかというと先進医療で行います。
それはちゃんと協力してくれる臨床チームがいるからできるんですけども、
そうしますと細胞代だけじゃなくて病院のドクターの費用、それをちゃんとまともに払うということができるんですね。
そういう保険ではできないことをやって、聞く人たちを患者さんをどんどん作って世界に発信して、
こうやったらうまくできますよっていうビジネスモデルを見せるという、
医療のウーバーになりたいと思ってまして、
さっき言った成長産業にするためには公的保険では成長産業にならなくて質がどんどん落ちてますから、
イノベーティブなところに民間保険を入れて別のポケットを作ります。
それがもう言い出してから1年半ぐらいなんですけど、どんどん大きな流れになっていて、
保険業界も入ってくださって今プランしてますけど、
そのためにIPSってすごいんですね。
IPSが目に入らないかみたいな感じで日本ではね。
すごいシンボルとしていいので、ここでちょっといろんなことを一挙に変えると。
昨日はですね、病院学会っていうのがありまして、私も初めて病院の経営者の自治体の市民病院とか、
そういう先生方の経営者のところでこの話しましたら、
もう熱気すごくってみんな困ってるから、そういう手があったかって、
必ずしも再生量じゃなくても、こういう手もあるのかっていうのに気づきつつあると。
これ結構面白いことになるかなと思う。
そういう新しいビジネスモデルを作っているつもりです。
はい、以上です。
八木 信宏
ありがとうございます。
高橋さんはですね、皆さん知らないかもしれませんが、日本で初めてIPSを人に打った人なんですね。
すごいでしょ、そんな人来てます今日はね。
高橋 雅代
もう若い人は知らないんですよ、10年前だから、大学で講義しても誰も知らない。
八木 信宏
ということなんですね。
多分今もその業界でフロンティーとして活躍されているわけなんだけれども、
やっぱり皆さんの頭の中に巨大するのは、アカデミアで全部やるべきなの、世の中には製薬会社さんあるんですよね。
製薬業界のイノベーションの課題
八木 信宏
じゃあ、なぜ製薬会社がやらなかったのかできなかったのかっていうところを、
薬屋経験者のお二人にお伺いします。
後でそれについて聞きますから、小柳さんには。
なぜ、IPSはアカデミアが先行することになったのか、せざるを得なかったのか、
どういう力がかかったのかっていうお考えをお知らせください。
澤邉 岳彦
製薬会社の立場になって考えてみる。
そうすると製薬会社って上場している会社もあって、
株主に対して利益を上げていって、配当を出すとか株価を上げるとか、そういうことを考えますよね。
そういうビジネスを考えたときに、一定規模感がないと、
あるいは投入したインプットに対して規模感を持って帰ってきてくれないと、
なかなかこれにリソースを割いて取り組みますっていうのが、
一つは語弊を持って言うと、誤解を招くかもしれないですけど、めんどくさい。
しかもめんどくさいし、
彼らの製薬企業の今その時持っているバリューチェーンと全く合わない。
そういうところを新しく作っていて、でも得られるリターン、規模感がそんなにないということになると、
なかなか手を出しにくいっていうのは一つあるかなと思いますね。
八木 信宏
なるほどね。あと多分ポイントとしては、今まで薬っていうのは、
低分子だったりタンパクだったりしたのを細胞が出てきました。
やったことないんだけどっていうのが、社内でどのぐらいハードルになりましたか。
採用店の一緒にいたからね。
二見 崇史
ありがとうございます。僕ももともと製薬会社にいたので、
いろんな理由があるかなと思うんですけど、やってないわけではないなと思います。
単純にリスクベネフィットを踏まえた上で、リスクの大きさに応じたリソースのアロケートをしているだけかなとは思っています。
かつそのアーリーステージのサイエンスに対するリソースの当て方っていうのは、
会社ごとにフィロソフィーが全然違います。
なので、やってる会社さんもいれば、やってない会社さんもいるっていうところがあるのかなと思いますし、
製薬会社ってコンテクストでお話しされたんですけど、
どちらかというと、皆さんご存知の通り、製薬会社がイノベーションを起こすっていう世界観では、
多分今はないのかなと思っています。
今ある既存の臨床に乗っているパイプラインの結構な割合っていうのがスタートアップであったり、
VCがバックしているスタートアップがあるっていうこともあるので、
リスクアペタイトが高く、一発必中というか侵入するリスクと覚悟を持ってやってるっていうのは、
どちらかというとスタートアップなので、
リスクを乗り越えたものとかを製薬会社がラージスケールだったりとか、
マニファクチャリングとかを取っていく、
そういう橋渡し的な形で動いていくのが今の普通のモデルだと思うので、
一番最初から最後まで製薬会社がやるっていうことは、
ずいぶん前からそれはなくなっているのかなという印象です。
アカデミアとの役割分担
八木 信宏
分かりました。
やっぱり新しいものであればあるほど製薬会社に二の足を踏むようなところがあって、
役割分担が薬屋さんの間でも進んできているってことなんですけれども、
それと同時に出てくるのが薬屋さんサイドじゃなくてアカデミアサイドは、
どこまでやるべきなのか、やらざるを得なかったのかというところをお伺いしたいと思うんですが、
小柳さん、薬屋さん、やっぱりMDの世界、病院の世界って、
薬を分子生物学で見るんじゃなくて、全身でどうなっているんだろうっていう、
お医者さん目線で、人目線で、個体目線で見ることができるっていうのもいいことだったりするんだけれども、
アカデミアでどこまでやったらいいと思ってらっしゃるんですか。
小栁 智義
どこから始めるかっていうのも要因の方はあって、
実は大学病院っていうところは、そういう意味では別に薬を作るための場所ではないんですね。
薬学部ではないので、なのでいろんなベンチャーとか、
場合によっては製薬企業が持ち込んできたものを評価するっていうところに特化しているっていうのはあるんですね。
ただ、実は製薬企業さんもどういう病気があるかっていうのを知らないんですね。
これは病院に行って非常に感じました。
なので、あの治験ってこうダメだったよねっていう意見が病院の中にはわんくさがあると。
高橋先生がさっきおっしゃった、利権には宝の山があったみたいなところが、
私から感じると病院は宝の山だなというふうにちょっと思いました。
もうちょっとした治験の工夫だけで数十億の利益が出るようなプランが病院の中では転がってるんですね。
そういう意味ではできるだけ引っ張った方がいいというふうには思います。
ただ一方でお金がないんですよね、ベンチャーの方は。
先ほど二宮さんおっしゃった、ある程度育ててリスクが取り終わったところから製薬企業が橋渡しで受け取りたいと。
そういう話、他の製薬企業の方からもいっぱい聞くんですが、
日本はそれをやるところのやっぱり金額的なお金の手当てがなかったっていうのが一番大きいかなと思います。
我々は病院の中でも治験をやるところなんですけれども、
正直人件費とかそういうところが逼迫しています。
ほとんどボランティアでMDの先生とか看護師さんとかCRCさんとかがやってるこの状況を変えていかないといけないっていうのが、
4,5年前まではもう構造的に無理だなって苦しいなっていう状況だったんですが、急に変わってきました。
ここから先は多分もうちょっと先のセッションで話があるかなと思いますが、
その辺のお金をブンブン回してるのがヤギさんかなと思ってます。
こんな感じでいかでしょう。
八木 信宏
ありがとうございます。
聞くっていうところまで病院でもしくはアカデミーで確認するっていうのは非常に有用だったと思います。
今重要なお金っていう話が出てきて、
再生医療とビジネスモデルの変化
八木 信宏
高橋さんに次はお伺いしたいんですが、
多分誰かに任せたい。
そのiPSでわーって盛り上がってる時なんて薬屋さんがやってきて、やりますっておっしゃったかもしれないんですよね。
基礎研究の研究者としても臨床には当然興味はあるんだけれども、
それにまつわる規制とか全部細かいことをやらされても困るっていうのが大抵のことなんですね。
でも高橋さんはそれをやられた。
それはやりたかったんですか。
やらなきゃならない状況があったんですか。
高橋 雅代
やらないといけない状況だったんですね。
とにかく治療を作りたいっていう気持ちはむちゃくちゃ強いわけですよね。
1例目の時PMDAともちろん相談しました。
だけど細胞のこと全然わかられてないし、
あと手術なんですね。
手術も全然わかっておられないので、
低分子の規制を全部言われて、
これあかんなと、これやってたら日が暮れるわっていうか何でも。
実際NIHが同じことをやってたんですけど、
FDAに足止めされて7年後にやりました、私たちの。
それぐらい時間かかることになって。
だからルールも変えなあかんということで、
それがまざまざと見たのは、
IPSの力で法律が薬事法も変わったし、
再生医療の法律も変わったし、
日本は最も再生医療をやりやすい国になったっていう、
それをまざまざと見たので、
よしここはもう医療も全部変えちゃおうっていう、
そういう感じですね、発想。
八木 信宏
これからビジネス側のセッションにだんだん移っていきたいと思うんですけれども、
またこれ高橋さんにお伺いしようと思うんですが、
さっき企業側としてはデリスクができた段階で手を付けますと。
アカデミア側はデリスクができたって思って、
ライセンスとかをしたりするんだけれども、
必ずしも視点が同じじゃなかったり、
そんなはずじゃなかったみたいなのは、
お互い来ることがあるんですね。
高橋さんと二宮さんにお伺いしたいと思いますが、
薬屋さんとの付き合い方、
最終的にはマーケティングオーソライゼーションホルダーっていう、
DMHを持っている薬屋さんにどっちにしろ打ってもらわなきゃいけない中で、
薬屋さんとの付き合い方、
失敗談を聞くのもどうかと思うんですけれども、
その辺のちょっと言いにくいところも含めてお話がいただければ。
高橋 雅代
そこを触れますか。
冗談ですけど、何でも話せるんですけど、
やっぱりものすごく新しいモダリティなんですよ、細胞。
やっぱりそれが分からない、あるいは手術が分からないと、
それじゃ治療にならないからっていうのが理解されない。
そのやり方ではっていうことですね。
そこがもう大きく開いて、
でも私たち臨床科から見て、それじゃ治療にならないからっていうのをやられても、
それは無理なわけで、
自分でやり方も含めて、
自分たちが納得して臨床科がいい治療だねって言えるところまで臨床研究で回しました。
皆さんいきなり知見しかないと知見原理主義なんですよね。
知見しかないみたいに思ってるけれども、
いろんな道があってですね、
医療機器として開発してますし、
ちょっと考え方が、
創薬っていう言葉自体が私、
さっきも言いましたけど、
ちょっと不満でですね、
創薬って言ってるとダメなんですよ。
今私たちAIロボット使ってるし、
AI使ってるし、
AIと総合的に医療を作るっていう、
そういう感覚が欲しいですよね。
八木 信宏
はい、今すごいキーワードが出てきて、
臨床科はこれでいける、これで治せるでいくんですよね。
でも薬屋さんの側には、これで儲かるんです。
そこに多分ディスキレパンシーがあって、
使用付けしたいわけじゃないけど、
使用付けされてるように見えるシーズもあります。
いう状況です。
なんでそんなことが起こるんですか?
二見 崇史
そうですね。
プロフィットビリティとか、
かけ合ってるコストに対してリターンがどれくらいか、
っていうのは当たり前ですけど、
事業会社さんはそれもちろん考えます。
っていうところで、
それがビジネスモデルが合うか合わないかの話であって、
前提条件として製薬会社が全ての、
患者さんに届けるバリューの受け負い人であるかというと、
僕はもうそういう世界ではないと思っていて、
一般的には創薬のスタートアップですと、
Human POCが取れて、
その前後で、
マーケットアピタリティもあると思うんですけど、
そこら辺で誰かがアライアンス組んで
前に進めていくことが多いと思うんですけど、
例えばNO1みたいなタイプだと、
今の現在の製薬会社のビジネスモデルに合わないならば、
スタートアップが最終的な企業体として、
レビニュージェネレーションがきちんとできるところまで、
自分たちでやっていけばいいという風には思っているので、
逆に言うならば、
製薬会社に頼らないモデルっていうのも、
スタートアップ側で最後まで作っていけばいい。
ただそこは、
当局との交渉だったりとか、
マニファクチャリングだったり、
セーフティーだとか、
コマーシャリーを含めた上で、
マーケットも含めた上で、
ケーパビリティを備えなくてはいけないということになってくるので、
ケーパビリティギャップをどうやって埋めていくか、
最終的なゴールまでというだけの話かなと思っています。
答えになっていないと思うんですが。
八木 信宏
はい。
ありがとうございます。
最後、アカデミアの力の中での最後のトピックにしたいと思うんですが、
アカデミアの中にたくさんシーズが埋まってるって、
さっき小柳さんおっしゃってましたけれども、
サーベルさんに聞きます。
サーベルさん、ビヨンドネクストベンチャーズっていうVCさんで、
いろんなアカデミアのシーズを集めて、
これはライフサイエンスだけじゃなくて、
全セクターですけれども、
起業させようっていうプログラムをやってらっしゃいます。
今のアカデミアのサイエンスの実力って、
これライフサイエンスの中で、
ライフサイエンスにフォーカスをして、
良いものってたくさん出てきているのか、
例えばどんなのがあるよっていうのがあればご紹介ください。
澤邉 岳彦
良いものはあります。
たくさんって募集団をどこに取るかわからないですけど、
確かにこれは面白い、あれは面白い、
そういうのいろいろあります。
例えばって言われるとなかなか難しいですけど、
私が今関わっているところだと、
JSTから補助金、スタートってありますよね。
ああいうところか、
あるいはギャップファンドって最近ありますよね。
ああいうところからいただいて、
アカデミアと企業の連携
澤邉 岳彦
補助金を申請して採択されて支援、
大学のほうで研究開発を進めていただくと。
そういうことをしながら、
こちらとしては企業の準備も進めていく。
次に繋がるかもしれないですけど、
経営者を探していくとかね。
そういうことをやっているようなプログラムが、
私が絡んでいるところで、
創薬ライフサイエンスで3つ、
公表されていますけどあります。
人造病関連であったりとか、
腺異常関連ですとか、
一型糖尿病関連とか、
モダリティはいろいろあるんですけれども、
そういうものについて、
大学のほうでより研究開発を進めていくような
プログラムになっています。
そこは一応期間が、
補助金のほうは決まっているので、
3年とか2年とかあるんですけれど、
その中で企業の機会を探って会社を作っていこう
というようなことをやっています。
そんな感じで答えになっています。
八木 信宏
なっています。ありがとうございます。
アカデミアにたくさんシーズンがある中で、
最後に小柳さんにお伺いします。
大学として支援側で、
大学の先生側のBDをやっていらっしゃるわけなんですが、
一番気をつけていること、
アカデミア側を守るために、
もしくは企業側とのしっかりとした乗りしろを
広く着実にくっつけるために、
BDとして気をつけなければいけないこと、
気をつけていることがあれば教えてください。
小栁 智義
すごく難しいことなんですが、
まずやっぱり接点を広く持つというところが
非常に重要だと思っています。
一番苦しいのがやっぱり、
良いデータが出た、
しかも若手の先生だったら、
すぐ発表したいんですよね。
論文を書きたい。
でもその前に特許を出しなさいとか言われるんですよね。
なんなら会社を作りなさいとか言われて、
やることばっかりで、
研究者の人って忙しすぎるんですよね。
そういうときに、
こういうところにいる人たちと出会うような
そういう場ってないんですよ。
私も数少ないですが、
そうやっていろんな方と出会う中で、
研究者の方一人一人と時間をかけて、
その先生の研究を理解し、
その後にどうやって紹介していくかという方法を
考えてきました。
私は2016年からHBC京都っていうのが、
来週デモデーを京都リサーチパークでやるんですが、
そういうところを使ってですね、
そこはちなみに全部英語でやってます。
なんでかっていうと、
一つ難しいのが、
皆さん国内の製薬メーカーのご出身の方、
3名いらっしゃいますけれども、
日本企業にいきなり紹介するとですね、
ずっとこねくり回して返事こないんですよ。
研究者側がイライラしてきて、
いやもうだったらもういいですみたいな感じで、
もう特許も出さずに普通に論文発表しちゃうみたいなことになるので、
それはもったいないので、
できるだけ戦略を立てて、
本当だったらここじゃないかって思うところがあっても、
ちょっと練習問題を解きながら、
外資系のところに紹介していくっていう活動を、
私はやってきました。
なので英語で紹介するっていうのは、
一つの方法だと思っています。
もう一つは、
特許を絶対出さないといけないかっていうのも、
もう少し考えもんだなと思ってまして、
秘密っていうのが何かっていうのを、
やっぱりお互いがよく分かってないといけない。
アカデミアの方は秘密情報だと思って、
虎の子を出しているのに、
制約メーカーの方はそれを評価して、
何の返事もくれなかったりするんですね。
これはもったいないので、
できるだけ私が制約メーカーの人たちと仲良くなっておいて、
面談が終わった後に、
ところで何がダメだったんですかとか、
そういうのが情報が流通できるような方法を作ろうというのも考えました。
なので結構産業側は受け入れられる方法ってあるんですけれども、
アカデミア側はどうしても研究者が一人でやっていかないといけないという状況があまりにも多いので、
ここを何とか変えていきたいというところで私は頑張っています。
経営者の力
小栁 智義
なので気をつける。
多分主語が今ヤギさんがおっしゃったところって、
研究者っていうのか、それとも大学っていうのか、
その周辺にいる私みたいな支援者っていうのかで変わってくると思うんですが、
まずは私は頑張っています。
そこにもう少し手厚くすることで、
トップオブトップの研究もそうですが、
そうでないやつもどんどんどんどん世に出していけるというふうに思っていますので、
乗りしろという意味では、
キーワードは海外ともう少し接点を増やしていくという、
その2つで考えています。
八木 信宏
ありがとうございます。
まずはアカデミアの力っていうところを締めたいと思いますけれども、
昔を振り返ってみると、
例えばメバルチンって甲子血症の薬も日本発ですし、
アンジョウテンシン、ARBっていう血圧下げる薬のレセプターを見つけたのも日本人が
サイエンスに出しています。
レセプターを見つけたのも日本人。
本庄先生がガンの世界を変えましたし、
IPSも作っていますということで、
これからも多分これ出てくるんですね。
50億60億のものがたくさん埋まっていますという話をしたので、
皆さんには是非ともそれに注目いただいてということにはなりますけれども、
トピックを移します。
経営者の力。
それを結局そういうシーズが出てきた時に、
どこで誰がどういうふうに実用化をしていくのか。
さっきの仕様付け問題とかを避けながら、
ドライビングフォース強く、
アカデミアの先生がやらなくてもいいような状態に、
優秀なビジネスマンが来てくれるのがベストです。
お金を出す人も、BDの人も、アカデミアもベストなんですよね。
ここはやっぱりアントリプレーナーの力というのは非常に大きいんです。
ただ、今のところ薬屋さんから
エクスペリエンストピーポーが出てこないというのが現状です。
先ほどBeyond Next Ventureさんでは、
経営者のどのものって言いましたけれども、
トピックを移します。
経営者の力ということで、
今の創薬の経営人材の実力。
これは日本人か外人かというのもありますし、
経営者の実力、この業界にいる、
流動性だとかも含めた、
産業のドライブフォーカスのメインになる人の状況について、
将来のフォーキャストも含めて、
澤邉 岳彦
5分程度教えてください。
実力ということで考えると、
私もこの製薬業界、研究の頃から含めると、
あるいは投資に入ってからも含めると、
いろんな方もいらっしゃって、
かつてすごく実力のある方もいらっしゃったと思いますけれど、
総体として、総論として、
確実にその力は上がってきているというふうに思う。
このバイオ企業というので、
創薬のスタートアップみたいなことを考えた時に、
それをドライブしていく経営者に求められる力って、
まずは、
創薬業界の中で、
まずは研究開発、
創薬という言葉に
やや批判めいたこともあったんですけど、
今日は創薬といったときにすると、
薬品開発をしていくわけだから、
それを理解していく力、
自分が全部デザインする必要がないまでも、
理解するということがまず必要。
理解した上で、それを他の人に
伝えていかないといけない。
そうしないと、アドバイザーとかコンサルタントとか、
そういう人もうまく使いこなせないので、
理解する力と伝えていく力、
しかもさっき英語ってありましたけども、
英語でも伝えられないといけない。
そういうのが、ものすごくざっくり言えば、
そういう力が必要なのかなと思っていて、
そういう人たちが増えてきているということだと思うんです。
もちろん、製薬企業の人もいるんだけれども、
私が今までお会いしてきた人たちの中で、
必ずしも製薬企業だけじゃない。
理解する力は製薬企業の方は最初から持っている可能性が高いですけれども、
そこは後から、後付けというか、
しっかり勉強されて追いついていかれる方もいる。
逆に伝える力がすごくある人というのも、
他のインダストリーから入ってくる方でも
いらっしゃるかなというふうに思っています。
増える増えないのとき、
あとは流動性の話がありましたけれども、
もちろんベースとして、そうやって鍛えられている方、
いろいろなインダストリー、金融関係の方もいらっしゃるし、
コンサルタントをやるような方もいらっしゃるし、
あるいは博士課程で研究をやってそのままという方もいらっしゃる。
そういう方もいらっしゃる中で、
一つもちろん製薬企業も大きなソースです。
製薬企業からよく出てくるタイミングというのがあって、
それは製薬企業が早期退職をやるとき。
これは確実に波がビュッと出てくるタイミングだなと私は思っています。
だから、どことは言いませんけどね。
多分これから出てくる会社があるんじゃないかなというふうに思っています。
二見 崇史
言いたいこといっぱいあるんですか?
僕はどういう考え方ですかね。
創業者とか、今の話ってあれでしたっけ。
経営者の話でしたよね。
経営者の一番大事な力は、
いろいろな形に分散できると思うんですけども、
基本的に最強のチームはどうやって蘇生できるかだと思うんですよね。
SaaSとかと違って、
指標がシンプルではなく相当コンプレックスですし、
モダリティ疾患によってもスペシャリティが全部違う。
本当にグランドブレイキングサイエンスを引き起こすのは、
リサーチなのか、周りによってはマニファクチャリングなのか、
例えばそれがレギュラートリートの交渉、
ハードルの上げ下げなのか、それによっても全部勝ち筋が変わってくる。
本当に素晴らしいと思われるサイエンスにとって、
それをリアライズするために必要なパーツが何なのかを理解して、
そこを最後までドライブできるチームをシームレスにどうやって形成できるのか、
そういうグランドビジョンが分かっている人がまず最初に必要です。
その後その人たちが、私はこれはできないけど、
これだったらこいつがグローバルナンバーワンだというメンバーを連れて来れるのか、
あとはその後に向かって、そういうチームをどうやって組成できるかというのと、
我々にとってはVCと真っ当に交渉できる能力を持っている方とか、
そういう総合力に近いのかなと思っています。
残念ながら、例えば製薬会社で薬何本も作ったことがある人が来たところで、
そこは残念ながらミートしないというので、
一人でどうにかなるというよりかは、ケースバイケースなんですし、
アセットごとに最強のチームを作るためにどうしたらいいのかというところからバックキャストして、
アントレプレーナーというのを規定した方がいいのかなと思っています。
文系人材の重要性
八木 信宏
続いて、二宮さん教えてください。
文系人材の使い方。今の文脈でいうと文系の人が必要なんですよね。
MBAとってハーバードのMBAですみたいな文系の人がよく薬屋さんにいるじゃないですか。
そういう人の使い方。あとはチームの輪ってすごく重要なんですけど、
チームビルディングをするときに最初の頃はパートタイムの創薬コンサルみたいなのを使うんですよね。
創薬コンサルの使い方と、あとは文系人材。
皆さんの中に文系人材がいるかもしれませんけど、
アントレプレーナーとしての文系人材の有用性についてコメントをもらえませんか。
二見 崇史
自分がかつて投資したところでも、コンサルバックでCEOを務められている方もたくさんいます。
要はBDバックからそのままCEOになられている方も結構多いと思うんですけど、
その人たちも自分で判断せず、分かる部分はここ、分からない部分はじゃあ信頼できる誰の意見を聞くのか。
それは内部だけではなくて外部も含めて、
そういう自分が足りないところを自分のネットワークでどう補強しながら、
いろんなリスクっていうのをミチゲートできるかっていうところであって、
どちらかというと一番、例えば文系出身のコンサルの方ってすさまじく頭がいいんですけど、
僕らが多分キャピタリストとして否定するのは全部自分でやろうとする人は、
足りない人材の特定
二見 崇史
頭がいいのかもしれないですけど経営者としてはどうかなって思いますし、
そうではなくて足りないところが分かっていて、
その足りないことを埋めてくれる人が誰かを分かっている人だったらば、
ファーストタイムであったとしても僕はすごく信用できるというか、
一緒にやりたいなって思うようなイメージですね。
質問の一つ目はそれ、二つ目は忘れちゃいました。何でしたっけ。
八木 信宏
二つ目、コンサルの使い方。
二見 崇史
コンサルの使い方。そこはどうでしょうね。
言い方悪いですけど、会社に自分の人生を懸けてないということをまず理解した方が良くて、
そういうある種、誠実な人もいると思うんですけど、
自分の意気地にとか会社の意気地にと関係ないっていうところの人のコメントっていうのを
どこまで真剣に捉えるべきかっていうのを分かった上で、
何を中で判断するのか、何を外の力を使って判断するのかっていうのを
きちんと分けた方がいいと思います。
ただ恐ろしいのは、さっきの文献の方もそうだと思うんですけど、
何が中で決めなきゃいけないことなのか、
何が外にアウトソースしていいことなのかっていうところの線引きが分からないと、
多分結構まずいことになるだろうなと思います。
八木 信宏
ありがとうございます。
高橋さん、事業をご自身で始められるときに、
今さっきふたみさんは足りないところを理解して補いましょうみたいな話をされたんですよね。
それでちゃんとしたチームができます。
でも会社始めるときって全部足りないんですよね。
どこから始めるのがいいか、それともあとは足りない中で、
誰に一番最初に相談するのがいいですか。
高橋 雅代
アカデミアにいる間にかなりビジネスを見ました。
私、シスメックスの、今年の6月で8年目で辞めましたけど、
シスメックスの社外取締役にしていただいて、それが大きかったですね。
あのいい会社を中から見たってグローバルな、すごく勉強になったし、
ビジネスだいぶ門前の小僧で勉強してた。
それともう一つは、一つ以前に作ったっていうことと、
それがどうしたらよかったかなっていう経験があって、
そのとき作ってるのも見たんですね。
だからかなりの知識がありました。
今回はもう、うちのビジネスチームも自慢なんですけど、
COは30代の人ばっかりで、40代も一人いるけども、
もう自分で一辺はスタートアップ、成功させて、
もうお金はいいからやりがいとか、公的なことしたいって言ってきてくれてる人が、
信頼できる人たちが固めてくれていて、
それと、あとCOは30代ですけど、ケンブリッジでニューロサイエンスやって、
マッキンゼで5年でパートナーになって、
どこ行こうかなって言って選んでくれたっていう自慢の人がいる。
そういうシスメックスのときに、
私は何が足りないかっていうのはすごくよく分かりましたし、
逆にあんなに何でもあったらいいよなって、
人も物もお金もあったら何でもできるのになって、
私にやらせてみろぐらいの感じで思いました。
で、足りないものを集めていたっていう感じですね。
八木 信宏
シスメックスの社外取り8年ってさらっと言いますけど、
結構すごいですからね、これね。
で、最後小柳さんに聞きます。
やっぱり大学の先生って、
ネズミ聞いたら次人行くぞって言い出すことが多いんですよね。
そこに適切なチームだとか、
適切なパスウェイを一緒に考えるっていうファンクションすごくでかくて、
それが人材だと思うんですが、
今、アカデミアの先生方と一緒にプロジェクトを進めるにおいて、
一番足りない人材のペルソナ像って何ですか?
小栁 智義
そうですね。
ちょっと一つ事例から入ろうと思うんですが、
私前職は筑波大学の病院にいたんですけれども、
筑波大学初ベンチャーで一番有名なのがサイバーラインっていう会社です。
皆さん三海先生ってご存知だと思うんですが、
会社を作ってから上場して、
いまだにCEOであり教授っていう立場であります。
で、筑波に行くとですね、
皆さん言うんですよ。
コミットメントを見せろと。
もう大学辞めてでも会社やるんですか?っていうことを研究者に言い始めると。
これね、これやっぱおかしいと思います。
全部投げ打ってっていうのは、
やっぱりその人の一番持ってる強さを捨てろって言ってることなんで、
これは非常にもったいない。
高橋先生みたいに、
自分でそういうところをずっとキープしながら
生み出し続けてらっしゃるスーパーマンはいいんですけれども、
なかなかそういう方っていらっしゃらないですし、
逆にもう一つ次の段階に行くときに、
ちゃんと上場させるときとかは、
そういうような適切な人材でないといけないっていうところを、
あまり考えずに支援をしていると、
すごく研究者の方が疲弊していくのをよく見ました。
なので、ちょっとそのあたり気になるなというのが一つ。
で、足りない人材なんですが、
ビジネスモデルの構築
小栁 智義
その前にビジネスモデルを作るときにですね、
この特許があります。
で、ビジネスができますっていうふうに皆さんおっしゃるんですが、
そんな簡単なものではないんですね。
その研究者が持っている立体的な、
その後ろにある特許には書いていないことの方が実は価値があるのに、
研究をやっているとそこに気づけないっていうのがあるんですね。
で、その人が悪いんではなくて、
ちゃんと壁打ちをして、そこの解像度を上げて、
立体的なところを作っていくと、
ビジネスモデルっていうのが、
絵に描いたもちなと本当に平面でしかないところが、
そこが立体的になると、
当たるマーケットがちょっと増えていくんですよね。
こういうのをやってあげるようなチーム構成っていうのが、
一番足りないなと思っています。
で、必要な人材っていうタイプで、
一言で言いにくいんですが、
どちらかというと我慢強く、
ほぼ私、今でも3つぐらいやってますけど、
夜10時からミーティングとか、
週末に毎週毎週ミーティングをするとか、
そうやってどんどんずっと付き合い続けていくと、
突然そのビジネスモデルが面白いね、
じゃあこれでビジネスやろうって変わってたりします。
こういうのができるような仕組みと、
そこに募ってくれるような、
最初はボランティアかもしれないですけれども、
興味を持つようなスタートアップの周辺に来てくれる、
若手のビジネスパーソンが欲しいなと思っています。
八木 信宏
ありがとうございます。
聞きました?平面から立体的に捉える。
なかなか何十回何百回もこういうセッションに出てないとですね、
そんな良いこと言えませんからね。
さすがに良いこと言えねえと思いながら聞いてましたけれども、
この辺で人のセッションを締めたい。
質問に答える的な感じでしたよね。
質問パカッと、これで半分ぐらいなので、何回行こう。
2個ぐらい行きましょう。
世界は後で行くんで、この2番目いいですね。
先ほどの質問の続きですが、
ニッチな領域しかカバーできないとすると、
結局IPO規模の小さなスタートアップしか生まれにくい。
のが日本の実情ではないかと思われます。
その通りですね。
規模が大きいIPOを行えるユニコーン。
消えちゃった。
規模の大きいユニコーンのIPOに行けるには、
必要な要素は何でしょうか。
これ後でまた話してるかもしれないですけど。
二見 崇史
じゃあふたみさん。
2番目、ニッチの話。
マーケットだけが、
多分僕これマクロな見方としてはそうかもしれないんですけど、
もっとアメリカルニーズとかテクノロジーニーズってそこにないんですよね。
例えばわかりやすく言うと、
肥満症ってもう20年前みんな散々やってみんなやめて、
でもご存知の通り今爆上げしてる会社さんって最後まで頑張ってやってたってだけであって、
あとは例えばブレスキャンサーとかでも、
もうアメリカルニーズないよねってマクロでみんな思ってるかもしれないんですけど、
いやまだまだありますよねと。
だから疾患の定義とかで見るのではなくて、
今ある医療のボトルネックは一体何なのか。
今プロバイトしているテクノロジーのボトルネックは何なのか。
ADCが全てを凌駕するなんてそんなはずないわけですよね。
どこら辺が欠けているのか、
その欠けている部分は一体どの技術でカバーできるのかっていうところを見ていけば、
空いているところを埋めるんじゃなくて、
今ある市場を全部ひっくり返せっていう話もなってくるので、
そこは表面的に見るのではなくて、
せっかくサイエンスわかっている皆さんだったならば、
こことこことここさえあれば今のスタックしている状況を全部ひっくり返せる、
そういうところを探していけばいいだけであって、
そこが調査というか、
現状のマーケットの在り方っていうところが、
もっと表面的なものではなくて、
2段3段4段深くなくてはいけない。
そこは例えば臨床にこそ答えがあるかもしれないですし、
だからこそトップを走っている人たちが、
今若者側で走っているかもしれないけど、
本当にグラグラなところでやってて、
ここを抑えてくれる何かっていうのは自分で言うわけがないので、
そういうところはあなたたちは絶対あそこで転ぶよねってわかってたら、
その技術を持っていくとか、
そういうところはあるのかなと。
だからこういう考え方はなるべくしてほしくないと個人的には思います。
本当の技術やマーケットのボトルニックをしっかり掴むことが最初であって、
空いてるから入るよねっていうのは、
ディープテクの考え方ではないのではないかなと思います。
研究者と経営者の役割
八木 信宏
分かりました。
あと1個だけいきます。
ノン研究者、高橋さんに行きます。
研究者ではないアントレプレーナーが、
文系を含む研究者じゃない人が経営者になるに必要なこと。
これ多分文系の人がマーケティングも必要なわけですから、
文系の人がチームの中にいるってすごく重要だと思うんですけれども、
研究者じゃない人がどうやったら活躍できますか。
高橋 雅代
やっぱりサイエンスを理解しようとはしてほしいですよね。
うちさっき言った会社成功させた人は2人とも文系ですそういえば。
だけど1人はですね、私の講演を毎晩寝るときに聞いたって言ってました。
毎日。
それですごい努力して理解してくれてますね。
言ってることが大体分かるようになったので、
方向性がぴったり合うっていうか。
それと経営が分かってないからって思われるかもしれないですけど、
今、研究者とかアカデミアの人が経営者になって、
やっぱり頭がいい人もいるので、
経営者としても良さそうだなっていう人も、
バカじゃないのでね、
多分できる人もいますから、
お互いリスペクトしてやったらいいんじゃないかなと。
それとさっきのちょっとだけニッチなところって言われたんで、
例えば私たちが作ってる細胞って、
1つの細胞だけで6兆円市場なんですよ。
それが再生はもう私たちだけじゃなくて、
10以上の会社がやっていて、
それを見ていただいてないというかな。
アメリカの大学は日本の大学より100倍ライセンス収入あるんですけど、
日本は100分の1ダメかっていうと、
全然そんなことない。
ですから、我々のビジネスチームは、
あそこも上場したよって私、
いろいろニュース見て言ったら、
いやいや待てと、ちょっと100億にしかなってないから、
アメリカ行きましょうということで、やっぱりアメリカに行ってますね。
ちょっと日本での評価が低すぎるんじゃないかな。
八木 信宏
ありがとうございます。
こういうの入れ替わるもんなんで、
もし立っておられる方がいたらここで半分なんで、
座る人は座っていただければと思いますので、
お座りください。
1分ぐらい僕がつないでます。
やっぱりあれですね、高橋さん、
ストーカーみたいに先生のYouTube見るぐらいの方がいいのかもしれないですね。
それで上位概念化して、
どんなインダストリーだったら、
どんなインディケーションだったらいけるんだって、
壁打ちしながら自分の中でぐるぐる消化していくのだと思いますので、
それは他のスタートアップとも一緒だなと思います。
はい、どうぞ。
小栁 智義
ストーカーついでなんですが、
12、3年前にアメリカの眼科学会に私、
創薬力とアメリカのユニークな視点
小栁 智義
高橋先生のストーカーで行きました。
そこで感じたのが先ほどの立体的なところなんですが、
日本だと高橋先生の講演会って、
やっぱりものすごい何百人集まるっていうのは当たり前なんですけど、
アメリカに行ってもそれだったんで、
正直ちょっとびっくりしたと。
立ち見いっぱいで。
なんでなんですかって質問したらですね、
当時やっぱりアメリカではレイシックとかそういうものばっかり、
ある意味お金が儲かる方ばっかりに向いている。
でも日本はちょっと違うニッチなところに行っていると。
だから製薬企業も実はそういうのを外資系は探しに来ているっていうのを、
ちょっとそこで感じました。
その後ですね、ベンチャーキャピタンの方とか、
グローバルで活躍している方に聞くと、
やっぱり日本に期待するところはオルタナティブだよ。
ちょっと違うんだ。
アメリカと違うんだっていうところを探しに来ているっていう風に聞いてですね、
こういう現象がアカデミアでもビジネスでも同じように起きているんだなっていうのを感じましたっていうエピソードでした。
政府の産業育成政策の動向
八木 信宏
以上です。
次行きます。後半です。
次は政府の産業育成力。
結局そうやってアントリプレーナーがついて、
先生方が研究をしてっていうものが、
世界に出てくる時に今、なかなか資金が集まらない中で政府の育成、
これはどんな産業でもそうですけれども、
政府の産業育成の政策がないと進まないようなところがあります。
今日、小柳さん来てます。
これ、厚生労働省から出た、
ヘルスケアスタートアップの振興支援に関するホワイトペーパーというのが出てきて、
僕から見るとなんかすごい色んなことがペロンと書いてある気がするんですけれども、
これも含めてですね、
5分程度で、
今まで今進んでいる政府の産業育成政策の最新動向についてお話をいただけますでしょうか。
小栁 智義
なんか政府を代表しろみたいな。
八木 信宏
代表してよ。書いたんでしょ。
小栁 智義
書いたというか、僕が手を動かしたわけじゃなくて、
いろいろ、私がちょっと一言言うとですね、
後ろにいるワーキンググループがブワーッと調べて、
いろいろ動いているみたいで、すごいなと思いました。
やっぱり官僚、官僚っていうか、官僚プラスそこの下にいるコンサルの方々すごく優秀で、
今回はびっくりしました。
今回のセッション自体がですね、
SNSで話題になっていると言われている内閣府がやった、
創薬力の向上により国民の最新の医薬品を迅速に届けるための構想会議というものがあったと。
そこで言われている創薬力って何なんだとか、
若干炎上してるんじゃねみたいな話がきっかけだったと思うんですけれども、
この会議自体、いろんなところから噂を聞き、
私もここで発表する人から意見を聞かれたりとか、
逆にそっちからの資料が先ほどの厚労省の方に流れてきたりとか、
そういうインタラクションがありつつ、創薬っていうところのディスカッションが進んでいます。
一つ大きな流れとしては、
日本に最新の医薬品が入ってきていない、
アメリカでアプローブされている、承認されている医薬品のうちの50%は日本に入ってきていませんっていうファクトがあります。
これを何とかしましょう。
実際いろんな理由があるんですね。
高すぎるとか、日本の医療環境に合わないとか、いろんなことがあるんですが、
一つ大きいのは、日本の市場が小さいから入ってこないっていうのがあります。
だったら日本の創薬力、基礎研究力ですとか、病院の力、こういうものを見せながら、
日本はアジアに入っていくためのボトルネックとして機能することによって、
我々の国を通すことがメリットがあるよっていうふうなことを見せていこうっていうような考え方を持っています。
それの一つになるだろうと思われるのは、
先ほどのホワイトペーパーなかなか行かないんですが、
岸田首相がG7で前回の広島の時にインパクト投資を加速するというのを発表しました。
これでヘルスケアのところも日本国内ですごく動いています。
ただ具体的なところがあまりいないですね。
作業の上流にあるところにお金を入れたら、その下流がどんどんどんどん膨らんでいくよねっていうのがあるっていうのが構想です。
少なくとも製薬メーカーって非常にお金が儲かるって言いつつも、そこにインボルブされている人数としてはそんなに多くないですね。
ただ進むとしては実は結構広い。
さらに医療っていうふうになると、40兆円って言われている日本の医療費、
ここの周辺にいるような環境はありますし、
さらにそこで健康医療を提供することによって他のインダストリーにも影響があるよねっていうところを、
もう少し見える化をしないといけないというふうなことが言われています。
インパクト投資と表裏のところなんですけれども、経済安全保障っていうキーワードも出てきています。
これも今までの装薬とは全然違うんですけれども、
コロナの時に皆さん、ちなみにモデルナのワクチンを打たれた方、ファイザーの方、
大体皆さんそうですね、これアメリカの製品ですよね。
アメリカとの貿易がダメだったら、じゃあ中国のワクチンが入ってきたかもしれないし、他の国から来たかもしれない。
こういうところをどうやって克服するのか、その上で装薬力を持つっていうことが国の力として必要だよね。
場合によってはミサイルとか飛行機より重要だよねっていうような話がありますので、
それもあって日本の装薬力を上げようという話が出てきています。
ようやくホワイトペーパーの方に行くんですが、
提言が25個あります。めっちゃ多いです。
医療DXとか介護とかそういうところも含めてになっているんですが、
私は相論のところとバイオ再生医療と医療機器のところに関わったんですけれども、
全体の前に介護の方が結構手が足りていない、サポートが足りていないということで、
メディソーと言われているベンチャーの支援の介護版を作ろうというのが入っています。
これ結構面白いなと思っています。
やっぱり我々どんなに良い薬を届けても、認知症の方に対してどういうふうなケアをするんですかといったら、
やっぱり普通に介護をするというのは非常に重要なので、そういうところもあります。
最後に3つだけご紹介します。
ヘルスケアスタートアップの支援策
小栁 智義
今回のホワイトペーパーの中で一番上で目玉になっています、メディソーの拡充というのがあります。
あまり有名じゃないんですけれども、厚労省がやっているベンチャー育成の取り組みとして、
メディソーというコンサルを紹介するような仕組みがあります。
そこでスタートアップのサポートというのを行ってきたんですが、
どうしても日本語で日本で製品化するためのサポートになっていますので、
これを変えていこうということで、まずは英語対応をします。
海外から来た人も対応します。
そして海外に行くためにFDAの対応をします。
こういうのが出てきました。
もう一つ強調したいのがヘルステックチャレンジというのが入っております。
これはアメリカでは国防総省DARPAが持っているマイルストーン型のグラントというのがあります。
マイルストーン型はどういうことかというと、特定の疾患に対して製品を開発してください。
そのためのベンチャーにシードラウンドからかなり臨床開発のところまで行くまでのお金を出してあげますよというようなグラントがアメリカにあります。
これの日本版をやろうというのがあります。
かなり意欲的です。
それの対象が難病、多剤体制菌への薬品の開発、そして伸縮性のある医療機器というようになっています。
かなり日本が弱かったところに対してそういうのをやろうというようなところが進んでいるというのがあります。
他にも言いたいことがいっぱいあるのですが、25個もあって本当にできるのかというところがかなり話題になりました。
通常はこういう白書で書いて終わりというのが言われているらしいのですが、
今回は本当にギリギリのギリギリまでいわゆる短冊と呼ばれている1個1個の提言にどういう制作がひも付くかというところまでの、
誰がやるのかというところまでかなり詰めた話になっています。
それがあまり表からは見えないのですが、実は再来週これの打ち上げがあるので、そこでちょっとぐいぐいと実際誰がやるのかという情報も集めていきたいと思います。
すみません、ちょっと長くなりました。
八木 信宏
今あった本当にできるのかを今ちょっと炙り出してみたいと思うんですが、
私このセッションを受けるときに90分ですよ。平場で受けろって言われたんですね。
プレゼンテーションもなく、この猛獣みたいな人たちを90分どうやってファジリすんねんと思ってましたけれども、
主催者さんは何をおっしゃったかというと、ここに呼んできた4人は1人で90分喋るから全然大丈夫ですって言ったんですけれども、
その通りのことが今起きているので、タイムコントロールをちゃんとしようと思います。
1個1個ちょっと聞いていきたいと思います。
トピックスに分けて、じゃあ高橋さんから。
提言さん、ヘルスケアスタートアップ関係者からの診療報酬改定等の要望を受け、
検討を行う新たな一元窓口を設置する。
岩盤規制の中で新しいモダリティを新しい診療報酬制度をですね、
作っていこうっていうことが提言さんに書いてあるんですけど、
今のご経験がまさにハマると思うんですが、できますかこんなこと。
高橋 雅代
もう大きな流れになってきてると思います。
骨太の方針に入って、私骨太の方針ってよく聞くけど何の意味があるのかなと思ってたら、
あれやっぱりすごいらしいですね。
あそこに文言が入ったら、全省庁が言うこと聞かないといけないんですって。
去年は再生医療という言葉がもうさすがにいらんやろうって言われそうになって、
必死で入れたとか、そんな攻防があそこにあるらしい。
そこにちゃんと、私いろんな委員会で言ったことでもあるんですけど、
イノベーティブなところに民間保険をとか診療報酬考えるっていうことは、
しっかりと入りました。
先定療養という新しい、先進医療っていうのがありますけど、
先定医療でそういうイノベーティブな枠みたいな、
そこには民間保険を入れるっていうのがちゃんと骨太の方針に入りまして、
これは全く画期的、今まで民間保険って言っただけで医師会から袋叩きでしたので、
すごく変わってくると思います。
八木 信宏
ありがとうございます。
これが示すところは、たぶん今までのクラシックな薬屋さんだけではなくて、
医療機器との組み合わせとかサービスとの組み合わせで、
ヘルスケア、薬っていうんじゃなくて、
ヘルスケアの業界に変わっていくってことだと思いますので、
非常に大きなオポチュニティだというふうに思います。
次、ふたみさん。
提言後、ヘルスケア分野でトップクラスのグローバルVCを日本に誘致する。
日本だけではお金がまかないきれないので、
海外のVC、海外のお金も入っています。
を呼んでくるってことなんですが、
呼んでくる良さ悪さ。
世の中ではオールジャパンっていう古い言葉がありますけども、
それに対する考え方について教えてください。
二見 崇史
そうですね。おっしゃる通りで、
オールジャパンって考え方は正直意味がなくて、
薬を作るとか、患者さんに医療を届けるっていうことをみんな目標にしているときに、
日本の人だけ救いたいんですか?って考え方になる。
もちろんノーだと思うので、
基本的にはグローバルのスタンダードに合わせ、
経営であれ、臨床試験であれ、マニュファクチャリングであれ、
グローバルで最適な人、物、金っていうのを含めた上で、
動くのが当たり前なのかなというふうには思っています。
低減にあたる部分にもあると思うんですけど、
どうやって海外のVCを呼び込むのか。
大きく分けると2つあるかなと思っていて、
海外のVCが日本に拠点を作るかっていうクエスチョンが1つと、
2つ目はじゃあいなくてもいいから、
呼び寄せられるのかっていう考え方があって、
2つ目の観点に関しては認定VC制度で、
我々もNVも海外のファンドですけども、
認めてくださっていて、
そこで日本のアセットをインキュベートしてくれる。
我々だけではなくてフェデリティ系の皆さんも入ってくださっているし、
そこは一部成功しているし、
これからどんどん拡張していくでしょうと思います。
一方で、
じゃあ日本に拠点を置くようなVCさんがいらっしゃいますかっていうことに関しては、
残念ながら税制優遇の観点で、
日本の創薬エコシステムの現状
二見 崇史
日本に置いた瞬間にファンドとしてのリターンが激減することが分かっているので、
ほとんどのVCさん、海外のVCさんは日本に置くことは岸すると思います。
ここの部分は散々政府でも議論しているところだと思いますし、
国家的な税制のバランスとの判断の中でやっていくんだと思うんですけども、
それが一番目のアイテムが不可能ならば、
二番目のアイテムでどれだけ多くの人たちを引き寄せられるかだと思います。
ただ、日本で日本にお金を落としたりとか、
日本に向かってIPOをするっていうことではなくて、
繰り返しになるんですけども、
日本の素晴らしいシーズを海外、グローバルにきちんと届けるって考え方をしたときには、
いいシーズを適切なランゲージっていうか言葉、ストーリーで、
それがドライブできる人にきちんと伝えていく。
まさにおっしゃっていただいた通りのことをすればよい。
そのタッチポイントを増やすべく、
政府の皆さんも頑張っていらっしゃるという理解です。
八木 信宏
今回のアルツハイマーの抗体薬が承認になりましたけども、
一施設には5000億円とか3500億円とか5000億円とかそのくらいかかるんですよね。
日本のインダストリーだけではまかないきれない。どの道。
なので、やはりそれはグローバル製品なんだから、
グローバルのステークホルダーからお金を出してもらって、
グローバルに供給していくっていうのは、
これからの当たり前の話になっていくだろうなというふうに思っています。
で、あと最後にこれ行こう。
定限11、AMEDの創薬ベンチャーエコシステム強化事業において、
非臨床ステージも投資対象となるよう要件を見直す。
これはいいんじゃないかと思うんですけれども、
そもそもその制度知ってます?
ベンチャーキャピタルは10億円出したら、
政府が20億円出して合計30億円で開発してください。
30億出したら、マックス30億だっけ?
30プラス30で差算が90億円ぐらいで、
二見 崇史
政府60億円出して1品目、
八木 信宏
1つの会社に対してそれをサポートしますって言ってます。
インクJに前におられた沢部さん、
またベンチャーキャピタルである沢部さんですけれども、
これって大きな政府、小さな政府の話もそうですけど、
そこまでやるべきなんですか?税金の使い方として。
澤邉 岳彦
やりすぎじゃない?
私はそこまでやるべき。
そこまでやらないと先に進まないから、
今そうなってるという政策だと思ってるんですよね。
だからさっき二美さんが、
外外のVC、日本にブランチ作るの?って話があって、
作るところももしかしたらあるかもしれないけれども、
政府の支援と企業の成功
澤邉 岳彦
決して大きな流れかどうかは分からない。
そういう時にこういう政府からのサポートがあるということは、
ものすごいドライビングフォースになりますよね。
それによって成功する企業が出てくることによって、
後に続くお金の循環ができているということにつなげたいと。
うちも認定VCなので、つなげられるように頑張りたいなと思います。
八木 信宏
ありがとうございます。
ここに認定VC1,2,3いますからね。
お金もらう側。
何か言いたい?
小栁 智義
そこの部分なんですが、やっぱり議論はあって、
ギャップハンドとかいっぱい出てきてるからっていうのはあるんですけれども、
ひとつはシームレスにうまくサポートがつながってないだろうというところ。
これをどうするんですかっていうのがありました。
海外に行くにしてもその前の段階の準備ができてないのに
行けるのかみたいな話とか、そういうのがあったので、
まずはこれが置いてやるというのがあります。
同じような発想で、やっぱり低減12のCDMOを呼んでこようというのもあるんですね。
お金と技術の両面でちゃんとサポートができるという体制を
日本国内に作りましょうというような発想があります。
なので、例えば細胞とかもですね、
今日本国内で製造業者を探そうとすると、ものすごく限定されると。
そのためにすごくいいサイエンスがあっても、
それを実施しようとすると、実は国内では無理ですというような状況があるわけなんですね。
そのために実は経済的なインパクトとしては、
低減12の方がお金がドーンと降りてきそうなというような雰囲気で、
外資系企業をもう引っ張ってこようみたいな話があったりもしますので、
すごくいっぱい議論したんですよ。
頑張りました。
というのを知ってほしいというわけです。
八木 信宏
以上です。
そうなんですよね。
結局なんでじゃあそこまで政府2倍のレベル値かけてまでやるかっていうと、
OEA経営だからなんです。
先ほど申し上げた通り、低分子から始まって抗体もそうですし、
細胞医薬もそうなんですけれども、
やっぱり日本にこの可能性が埋まっている以上、
頑張って育てて外貨を稼ぐような産業にしたい。
それ自体が多分正しい。
本当にそれをやるべきかどうかっていうのは、
有権者の皆さんが政治で決めればいいと思うんですけれども、
今としては我々としては、
成長産業の種であることは今も変わってないと思うので、
なんとか関係者でね、
頑張って産業にしていきたいというのは、
ここのコンセンサスだというふうに思います。
グローバル市場への戦略
八木 信宏
最後4つ目。
ごめんあんまりQ&Aいけねえや。
4つ目、世界を取る力。
言いましたけれども、
結局最後は世界の患者さんに使ってもらわないと、
僕らもエントリープロデューサーでも儲かりません。
これ世界を取っていくために、
Nベンチャー2人さん、
5分程度で、
BDだとかIPOのマーケット、
100均問題とかありますけれども、
ビジネスデベロップメントで製薬会社さんに売るっていうパターン、
IPOに行くってパターン、
M&Aで大手にアクセションされるってパターン、
いろいろありますけれども、
日本の成果を効率的、
コスパ良く、IRR高く、
グローバルに出していくことができるかっていう、
その今の流れ、
今の、
くたみさん個人的にやられているトライアルも含めて、
説明してください。
二見 崇史
はい、ありがとうございます。
ポジション遠くなってしまうところがあるので、
そこはご勘弁いただきたいんですけれども、
いいものはよく評価されるだろうっていうのは、
もちろんその通りなんですけど、
半分幻想だと思ってます。
IPOもM&Aもその後の成長っていうのも、
チームへの信頼、
マーケットからの信頼っていうのは、
ひやめて重要です。
そこから考えると、
深山もの、よくわからない、
そのマーケットの中で認識されていない人たちが、
喋るストーリーっていうのは、
話半分にどうしても聞かれます。
本当に良いのを、
ちゃんと理解するまでに、
どうしても時間もかかります。
当たり前のことを考えていくと、
なるべく早いタイミングから、
グローバルのところに身を置いて、
自分たちのプレゼンスっていうのを、
ちゃんと示していくっていうのは、
極めて大事になってくるっていう考え方で、
それはまず一つですね。
なので慌てて、
例えば100均だから、
日本で無理だからっていうので、
成田区に行こうと言っても、
全く信頼とかレプテーションが立ってない状況だと、
基本的には失敗しますよと。
じゃあいつだったらいいのか、
その前だったらいいのかっていう話にしても、
例えばお金の繋がり方とか、
信頼の繋がり方っていうのも、
必ずバツンバツンと切れるんじゃなくて、
シークエンシャルに繋がってきているものです。
前のラウンドをこの人たちがリードしたから、
その人たちの信頼のもとに、
次の人たちがまたそれを
引き取っていく形になっていきます。
上場後だって同じです。
ですので、
僕らの考え方としては、
なるべく早いタイミングで、
グローバルの中に身を置いて、
グローバルスタンダードに乗っ取って、
当たり前のことを当たり前にやっていく。
っていうのが我々の考え方です。
こっちの話になってしまうんですけど、
ある程度バリエーションがついて、
皆さんが頑張って会社の価値を上げたタイミングで、
今度はUSに移ろうとすると、
トランジションコストはすさまじくかかります。
もちろんそれはオーディットの観点もあるし、
リーガルの観点もあるし、
あとはそれに慣れている方、
上場企業のUSインバージョンっていうのは、
普通のプラクティスだから別にいいんですけれども、
未上場の場合では、
それができるオーディターがいるか、
リーガルアドニーがいるかというと、
なるべく早いタイミングで、
USに見置いた方がいいでしょうし、
自分たちのチームの中で、
最後までそのビジョンっていうのをきちんと描ける。
次は誰にお願いするのか。
じゃあブックランナーを会社ではなくて、
パーソンバイパーソンの話になってくるので、
誰にこれを裏打ちしてもらうのかというところを
イメージしながらどんどんやっていかなくてはいけないと考えると、
なるべく早いタイミングで、
USで動かしていった方がいいと。
もちろん研究拠点は日本にあってもちろんいいと思います。
ただし、
クリエイターがいなくても、
患者さんに物を届けるというところも考えたときに、
ベストプレースは一体どこなのかというのは
よく考えた方がいい。
別にUSにこだわっているわけではないです。
例えば、レギュラー取りの観点だったりとかして、
ここがベストだと思うところに、
拠点を置いたらいいのかなとは思っています。
もう一個だけ、
八木 信宏
出る携帯としては、
M&A、IPO、ライセンス、
どれがいいってものではないのは
知っている中で聞くんですけれども、
どれが一番
好きなのかというと、
どれが一番お得ですか?
二見 崇史
目指すべきですか?
これはむしろ、
マーケットが読めないのと同じで、
基本的に我々の考え方としては、
IPOに向かって抜けていく、
M&Aに向かって抜けていくという戦略は
取りません。
どんな状況であれ、
それが動くやすいように考えていく。
IPOとかM&Aって、
わけで考えるものではないなと思っていて、
繰り返しなんですけど、
薬だったり、新しい治療というものを
検査に届けるために、
どういう形で誰に繋いでいくのか
というのがちゃんと理解した方がいい。
それが自分たちでしかできないと思うならば、
IPOできちんと自分たち調達して、
フェーズ2とかフェーズ3とか
自分たちでやったらいいでしょうし、
それはもちやもちやで、
大きなスケールの臨床試験とかを
自分たちでやるのは大変であるならば、
ファーマーさんに任せればいい。
そこを自分たちが
成し遂げたいビジョンが何で、
それをどこまでやるのが一番最短最速なのか
というのを踏まえた上で、
自分たちの出方、
IPOなのか、M&Aなのか、
それともパーシャルエグゼイトなのか
というのを考えればよい。
あとはもっとプラクティカルな話として、
マーケット環境が今の状況に
少し開き始めてますけど、
ウィンドウが開いたり閉じたりすると
必ずこういうウェーブがある。
それがどこで起こるか、みんな正直
分かっていないところがあるので、
どんな状況であったとしても
タンジブルなアセットというのを
各教授はいいんですけども、
不教授には必ず足元を救われるので、
確固とある患者さんに
有効だと思われるものを
粛々と作っていく。
八木 信宏
ありがとうございます。
日本の創薬スタートアップの現状
八木 信宏
今、M&AかIPOか
ライセンスかみたいな話をしましたけれども、
やっぱりこのスタートアップソサエティ、
今日のIBS全部そうですけれども、
まずIPOって目指すんですよね。
だけど薬屋さんのIPOって非常に特殊で、
全部赤字なんですよ。
まず全部赤字ですと。
古いタイプの日本のIPOですよ。
当初のIPOだと、
まず1本目のパイプラインで、
患者さんのPOCがあって、
フェーズ2の臨床試験で
効くって分かってて、
お客さんがついてますと。
製薬メーカーさんとの何らかの契約があります
って状態で赤字で上場していく。
その後失敗したり権利返ってきたりするんですよね。
だからそういう状況が
百均と言われるような状況を
今招いてしまっていて、
日本のマーケットをパスして
世界に出ていく。
それがヘルシーなのかもしれないですけれども、
そういう状況になってますということに
問題としてはあります。
サーベイさんに聞きますけれども、
インクジェ自体からいろんな装薬ベンチャーも含めて
やってこられて、
今状況って変わってますか?
世界を足元の日本の装薬インダストリアに向けて、
世界へ出ていくっていうムーブメントって、
そう言いながらほとんどまだ
一般化してないんじゃないかと思うんですけど、
現場の感覚としてどうですか?
澤邉 岳彦
ありがとうございます。
実は私ちょっと調べたことがあって、
今グロースに
上場している装薬バイオベンチャーって、
実は私もそうだと思って、
どこでどういう知見やってるのかなって
調べたことがあるんですけど、
いくつか
USで知見やっているところ、
フェーズ3やっているところ
あるんですよね。
あるんだけど、
それが市場で評価されていないのか、
それとも、
開発内容がニッチなところなので、
バリエーションとしてそうなってしまっているのか
というのはちょっと正直分からないです。
だけど、やっている流れはあるので、
これだけいろんなところで
言われているので、
グローバル、
特にアメリカ市場、
世界の半分ですからね。
で、商人に向かっていくっていうことが、
価値を上げていくっていうのは
やっぱり
やっぱり
価値を上げていく、
あるいはその医療としてグローバルに展開できる
重要な要因だと思っているので、
そういう流れ自体は
私はできていると思っているし、
思っています。
で、
そういうところで今IPOとか
M&Aの話になっていますけど、
IPOって
創薬スタートアップ、
バイオベンチャーにとっては、
資金調達でしかない。
その調達した資金でもって、
また開発を進めていく。
それによってその医療が
実用化に近づいていく。
それが
市場に認識されることによって、
そこでもまた
M&Aのチャンスがあるべき、
あるいはM&Aされるような
医療の実現を目指していくべき
と思うんですね。
それが株価につながっていくっていう風に
八木 信宏
思っています。
後付けで価値はついてくるもんだという風にも
思いますし、
今までって100均のIPOで
しょうがないから出ますみたいなところが
デフォルトで、
今までの結果って結局そうなんですよね。
だけど足元では結構変わってますよね。
日本に上場してもしょうがない
っていう概念が出てきたので、
結構みんなの中ではグローバルに
行くためにはどうすればいいか、
初っ端から考えようということで
戦略を立てていっていると思います。
それが我々の裸としての流れですね。
グローバルな人材の必要性
八木 信宏
それで、
高谷さんと小柳さんに聞きたいんですけれども、
海外在住経験も長かった。
例えば海外で
BD活動とかをやるとですね、
誰が出てくるかというと、ハーバードビジネススクールを
出てきましたみたいな、
鼻の高い白人、人種がどうのこうのという話は
置いといてですね、
ビジネスどう考えてもやりやすいんですよね。
一方で、
マサヨタカハシっていったら世界のブランドなんですよ。
じゃあ、これで世界でやれるのかやれないのか、
鼻の高い外人が
必要なのかどうか。やっぱり
米国マーケットに出てくるにおいて、
必要なエレメント、我々日本人ですからね。
どうやって
人材、チームの面で
グローバルにしなければいけないかというところ、
裸で教えていただけますか。
高橋 雅代
えっとですね、
まず、
向こうの、
今アメリカのエコシステムの中に
結構入っていて、喋っていて、
そこで言われているのが、
日本から来る社長がちょっと若いねって
言われましたね。
確かに若い人いて、
ものすごい技術やったら
あれだけど、白人の若い人と
比べたら、白人の若い人に
お金やろうかなって思いますよね。
私が出てきたらちょっと違うねって、
結構
みんな知っている人が出てきて、
おばさん出てきたねみたいな感じで、
ちょっと今までと
違うねって言われていて、
話してくれるところがあります。だから、
ネイブバリューはちょっとあったほうが、
そういう意味では、
再生医療とか、アカデミアの人は
もともとグローバルなんですよ。
英語でもちろん論文書いて、
世界で一流の仕事をしていて、
みんなグローバル、
当然だから、そういう意識の
人が経営人に
一人は入っていない。
それでやっぱり英語ですね。
さっき言ったケンブリッジから来た人は、
イギリスでずっと知っているから、
日本人だけどネイティブなので、
英語をやっぱり
早くGoogle翻訳機が
できたら、
日本の弱みは本当に英語だな
と思うので。
でも、ストラテジーがちゃんと
してたら、それで一流の
ところの人ほど、パイプライン
だけで見ないで、
変なこと言うの面白がって、
病院作ったの?そんなベンチャー
初めてやけど、とか言って、
そこに引っかかってくれるから、
すごいなと思いましたね。
だから、やっぱりストラテジー、
何をやっているかで、
やっぱり英語。
八木 信宏
しっかりした足元が
しっかりしていて、現地のアダプテーション
という意味で、一定程度の人がやっぱり
高橋 雅代
必要。
負けてないという意識があるから、
最初から気持ちで負けたら
ダメかなっていう、それは私
留学してから変わりましたね。
そこはね。
海外で暮らすっていうのはやっぱり大きいと思いましたね。
八木 信宏
次、小柳さんに
聞きます。スパークっていうね、
ダリアのプログラム、
スタンフォードがやっている、
アメリカからライフサイエンスの企業を
スペインアートさせて企業させる。
いろんなメンターが寄ってたがって
指導して、みたいなプログラムを
ずっとご経験をしている小柳さんとして、
日本企業が、
日本のシーズが、どうやったら
現地にアダプトして、
日本のチームとして出ていけますか。
小栁 智義
はい。
スパークの説明しようと思ったらされちゃったので。
一つ
知っていただきたいので、ちょうどですね、
慶応大学の
石田先生がフォーブスジャパンに
ダリアのインタビュー記事を載せてくれてます。
先週出たと思うので、
スタンフォード、
スパーク、SPRK、フォーブスで
ちょっとググってみてください。
そこにお伝えしたいことがほぼ書かれています。
日本がなんで、
日本人がどうやって出ていけばいいのか
っていうところもそこに書いてあって、
ちょっとシャイだよねっていうのは
あるんですね。でも、ちょっと
アメリカでしっかりトレーニングしてあげると
自信満々になって
始めるって。負けてないって高谷先生がおっしゃったところ。
まさにその通りだと思います。
もう一つは、
慶応人材とかも含めての話なんですが、
アカデミアの
力を、ネットワークを
ぜひ利用していただきたいなというふうに
思います。やはり
私みたいな人間でも、スタンフォードの
人たちとつながってるっていうだけで
サンドヒルロードに行けるんですね。
サンドヒルロードってわからない人が
もしここにいたら、ちょっとIBSとしては
全然ないかもしれないですが、
スタンフォード大学のすぐ横にあるところで、
数兆円の
アメリカで一番ベンチャーキャピタルのお金が
集まってるところがすぐ横にあります。
我々がサッカーやってるところにすぐ横に
あります。そこの人たちに
アプローチしようとするときに、日本のベンチャー
ですって言って、突然ポンポンって言っても
お前誰やねんってなります。絶対無理です。
でも、スタンフォードと
共同研究してる人と一緒に行くとか、
スタンフォードのプログラム、もしくは
私は正直
ハードルめっちゃ長いです。
なので、ボストンと提携をして
そういうプログラムを始めましたし、
UCサンディエゴともそういうプログラムを
始めてます。こういうものを使うことで、
まず、現地の人と仲良くなる。
その次に、そこのメンターの
人たちがチームになります。
もし、ものが良ければですね。
実際それでアメリカで起業しよう
っていう流れが始まってますので、
ぜひぜひ
ジェトロとかいろんなところがお金出してるので、
そういうところを見ていただきたいな
というふうに思います。
キーになるのは、まずはメンターに
しっかり叩いてもらうような環境に
身を置くアクセラレーションプログラムとか、
知り合いを通じて、
そしてそこの人たちを
いかに味方に引き入れて
アドバイザーになってもらうとか、
場合によってはそういう人がCEOにやる。
悲しいからやっぱり
白人男性っていうところに
お金が付くっていうのは、いまだにあります。
それはアメリカ人が正直恥ずかしいって
彼ら自身が思ってるんですけれども、
それでお金が回るような仕組みになるので、
我々はそれはハックするしかない。
以上です。
高橋 雅代
ちょっと補足で今の質問に答えなかったので、
やっぱりアメリカのVCは
アメリカの会社じゃないと出しませんので、
やっぱりアメリカの会社が必要ですと。
で、その中に
さっき言ったように
ネイティブで喋れる人がいたら別に
白人じゃなくてもいいと思いますけど、
やっぱりこれから私は
製品モデルはアメリカで、
病院モデルはアジア中東で
と思ってるんですけど、
アメリカの臨床チームは
やっぱり白人の人が入ったチームは
必要かなとは思ってます。
八木 信宏
最後のひとみさん、
これからバイオベンチャー作ろうとする人がいたら、
同期はデラウィア同期ですか?
日本企業の海外展開戦略
二見 崇史
それとも日本同期ですか?
これもさっき言ったバックキャストの話になるんですけど、
誰から投資を受けたいのかっていうのを
考えれば分かると思います。
日本のベンチャーキャピタリズムは
ちょっとあまり難しいんですけども、
海外の投資、出資っていうのは
同じようにして、
米国とかグローバルの人たちも
日本に投資することが
もしかしたらできないかもしれません。
なので、どこに、
どういうところに投資してもらって、
どういう風に出たいのかっていうのを
分かった上で、それにとって自分たちが
フィージブルなストラクチャーを取ってるのかって
考えていただけたらいいと思うんですが、
なかったらしい話をシンプルにまとめると、
デラウィア同期した方が圧倒的に便利です。
八木 信宏
みんなそれやってるので。
圧倒的にだんだん時間がなくなってきてるんですけど、
これ今の話ともつながるので、
質問に答えたいと思いますが、
読みます。
ライフサイエンス領域のファンドって
すごい額だと思いますが、
どうやってそんな額のファンドを
作っているんですか。
話せるとこまでで教えてください。
これふたみさんに聞きたいと思いますけれども、
最終的な目的としては、
日本で集まるようになった方がいいんですよね。
例えば3000億、4000億とか
日本で集まるようなでかい産業が
日本でライフサイエンス産業になれば
特に日本でそれだけのファンドが蘇生できて
米国にデラウェア登記問題とか
ドコン登記問題はなくなるんですよね。
そういう意味で、
どうやって蘇生するのか。
それに関してどんな成功が
必要なのか。
別にそうじゃなくてもいいけど。
二見 崇史
おっしゃっていただいた通りで、
現状でっていう話でさっきの
USの話を持ち出したんですけど、将来的には
国境なんかないのが当たり前
って話だと思うんです。
そもそも装薬とか医療ってそういうもんだと思うんで。
具体的にどうやって
調達するかって話なんですけども、
初号のファンドを
作るのか、そこから
2号、3号と積み上げていくのかって
全然状況は違うんですが、
別にこれライフサイエンスによらず
一般的には初号の
ファンドを作るときにはアンカーとスポンサーの
LPが必要です。
そこはやっぱり
僕らの場合はどちらかというと戦略的な意向が
あって、そういうところからいただいては
いるんですけども、一般的な独立系のベンチャーキャピタルは
独立するキャピタリストの
クレジットと
そこにかけてくれるLPさん
というのが個人的に突っ込んで
そこがフックとなって
大きく蘇生されていくという形になると思います。
ですので一番最初に必要なのは
アンカーなんですが、
それにはもちろん各キャピタリスト
GPを蘇生するキャピタリストの
クレジットというのが必要になってきますね。
その後は
テクニカルな話なんですけども、
日本ですとやっぱり
LPになるお金の出し手というのは
圧倒的に少ないです。
やっぱり本当にUSとかグローバルで見ると
桁違いに低いので
そこら辺のリテラシーとかは
あると思います。だからわかりやすく言うと
基幹投資家の皆さんも
安定的に運用しなくてはいけない。
で、一方で
その時にベンチャーキャピタル
ベンチャーキャピタルどころか
オルタナ投資自体をヘジデートするような
環境ではあるので、なかなか
日本で今の環境で
ベンチャーキャピタルファンドを蘇生する
というのはなかなか難しいとは思います。
これがだんだん我々が
頑張って成功事例を出してきて
オルタナであればベンチャーキャピタルであれ
儲かるんだと基幹投資家さんに
思っていただけるようになれば、もう少し
アロケーションが増えてくると思っています。
日本の基幹投資家さんのサイズ
というのは世界に5するぐらい十分
八木 信宏
大きいので。
もう一点だけ皆さんにお伺いしたいと思うんですが
米国のファンディングシチュエーション
あの
ファンド蘇生の観点で言うと
お金の
基幹投資家が誰かという話が結構あって
米国では
年金関係のお金が
たくさん入っているわけなんだけれども
日本では全く入っていません。
政府を代表する仕事をされている
方もたくさん我々の中で言いにくいかもしれない
ですけれども
誰に聞こう
悩むね
問題なさいのサービさんだけど
もう政府系から離れたからね
どうですかね
年金のこれからの動き方によって
全然多分この領域の
お金の入り方変わると思うんですけど
澤邉 岳彦
どうすべきどうなると思う
すごい質問ですね
これって
私たちって
おそらく多くの方は将来
年金を受給する立場
ですよね
その立場と投資を受ける立場
というのがあって
これなかなか答え難しいですけれども
巨額の運用がなされている中で
もちろん一定
多分アロケーションしていこうという動き自体は
あるんだと思っているんですね
それは各種報道なんかで見られていると
思っています
もちろんそれが流れていくということは重要です
この産業にとって
あるいはこの投資にとっては
重要だと思います
それがなされるためにはやっぱりさっきの
アロケーション結局金融機関と一緒なんで
そちらへの
このベンチャー
ベンチャーキャピタル投資しかもベンチャーキャピタル
投資の中のライフサイエンス投資枠
というのが
儲かるんだよねと
相対としては儲かるんだよねということが認識されないといけないので
それって結局成功事例を
積み重ねて
ファンドのパフォーマンスが上がって
それによってじゃあそこに一口入れたいね
って思ってもらう
そういうことの繰り返しでしかないという風に
思うので
突然バーンと出るとかそういうことは
決してないと思っていて
会場の方皆さんがいろんな形で関わってると思うんですけど
そういう人たちの
一つ一つの努力の積み重ねによって
それがなされていくんだと
それによって私たちの年金が増えるかもしれない
ということになるんじゃないかなと思います
八木 信宏
ありがとうございます
本セッションあと2分1秒なんですけれども
ラップアップしろってここに出てるんですね
黄色いランプはラップアップなんですが
ラップアップしようかなと思って問題点を指摘をして
それをどうやるか指針を出せみたいな
話なんですけど
誰かがやってくれました
質問また出してください
誰かがやってくれました
お話を伺うと産学連携が不十分
現場にはシーズンがあって
製薬会社はVCをもっと拾うべきだ
日本の製薬会社の意思決定やスピードが
資金力が欧米に劣る
多額の補助金を生じる半導体産業よりも
製薬創薬に使う有効な働きかけがないのか
今我々がまさに
努力すべきところが
ここに書いてあって
我々としてもそのために一生懸命やっていて
ホワイトペーパーだの
外国からお金引っ張ってくるだの
人材育成やってるだの
僕らの肌感としては
本当にこれから
年金と投資の動向
八木 信宏
僕実は薬屋から来たんですけど
最近あんまりライフサイエンス投資やってなかったんですよね
やべえと思ってたから
だけど最近は肌感で
これもう一回ちゃんと投資してもいいなと思う
時代が来たという風に僕は思ってますので
ぜひともこのオーディエンスの皆さんに
これからこの
インダストリー明るいと思ってですね
皆さんの中で
この領域にコミットしていただくということを
していただければと思います
何か言い残したことは
二見 崇史
あと47秒だから
小栁 智義
先ほどちょっと
年金の話とかあったんですけど
結局IPOマーケットが動くのは
ここにいる人たちが投資するかどうかなんですね
それは直接個人投資家だけでなくて
基幹投資家の方もちゃんとお前投資しろ
っていう風に言うのは
お金を持ってる預けてる人たちなので
我々が声を上げないといけない
でも声を上げるために
情報が全然ないと思うんですよ
だから我々はもっと情報を提供していきたい
という風に思っていますので
僕の物事とかも
いっぱい出してますし公演とかもしてますし
ここの人たちものすごく
高橋先生が一番ですけども
こういう情報をいっぱい聞いて
寝る前に何だったらずっと
八木 信宏
ポッドキャストに聞いていただければと思います
二見 崇史
あといい?大丈夫?
じゃあ1点だけ
何て言うんですかね
場に自分たちの力を持ち寄る
っていうのが一番大事かと思っています
多くの場合は引っこ抜くっていう
考え方が多いと思うんですけど皆さんそれぞれ
素晴らしいケイバビリティを持っていると思うので
世界に戦える自分の力っていうものを
童貞してそれを
面白いと思う場に持ち寄って
それをみんなで組み合わせるっていう
場ができたらいいなと
グローバルで動いてるときそれが圧倒的に多くて
日本は圧倒的にそれが少ないと思います
お金とかケイバビリティの話があるんですけど
自分がいる会社とか
組織っていうのではなく
個人としてこの場に何を提供できるのか
っていうのをもっと
考えていただけると
場としての魅力がさらに
上がるのかなと思います
八木 信宏
ありがとうございます
今日はインダストリーの中核を担う
4人の皆さんをお招きして
皆さんの中に何か一つでも
残ればいいなと思って開催させていただきました
90分長い間お付き合いいただきまして
ありがとうございました
01:29:13

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