1. 気づくと変わる心理学 〜心のリスキリング〜
  2. #35 頼れない、頼らない、頼り..
2024-11-05 11:53

#35 頼れない、頼らない、頼りたくない。

今回は、『頼れない、頼らない、頼りたくない。』のお話です。


お伝えしている心理学ですが、

皆さまにとっての日常的で、身近な話題とも自然とつながっています。

その見方・活かし方を、ご紹介します。


今回は、頼れない、頼らない、頼りたくない。について。

頼れる、頼っても良い、頼って欲しい。そんな相手や状況、場面でも、どうも頼れない、頼らない、頼りたくない。人がいます。

その仕組みを知ることで、何が起きているか、どうしたら良いのか、気づくヒントが得られます。


第1回目「承認欲求は誰もが持っている原点」

第2回目「心の仕組みは、世界共通。誰もが持つ、親・成人・子ども。」

第3回目「子どもの自分が書き、今も従っている人生脚本」

ともリンクするお話です。


まだ聞いた事がない方も、

何本か聞いて番組に興味を持ってくださった方も、

気づくと変わる、いつもと違う変化を味わってみませんか?

サマリー

今回のエピソードでは、「頼れない、頼らない、頼りたくない」というテーマを通じて、承認欲求とストロークの重要性が論じられています。特に、頼ることに対する人々の心理的な抵抗や、男女間の言葉の好みについての理解が深まっています。

テーマの紹介と心理的背景
こんにちは。明治大学で生涯学習講座の講師をしています、遠藤美保です。
この番組では、社会人や学生向けの生涯学習講座を10年以上行ってきた私が、日常生活でも活かせる心理学をポッドキャストでお伝えしていきます。
今回のテーマは、こちら。
「頼れない、頼らない、頼りたくない。」
今回は、「頼れない、頼らない、頼りたくない。」のお話です。
お伝えしている心理学ですが、皆様にとっての、日常的で身近な話題とも、自然とつながっています。その見方、活かし方をご紹介します。
今回は、「頼れない、頼らない、頼りたくない。」について。
頼れる、頼ってもよい、頼ってほしい。そんな相手や状況、場面でも、どうも「頼れない、頼らない、頼りたくない。」人がいます。
その仕組みを知ることで、何が起きているか、どうしたらよいのか、気づくヒントが得られます。
第1回目「承認欲求は誰もが持っている原点」。
第2回目「心の仕組みは世界共通、誰もが持つ親・成人・子ども。」
第3回目「子どもの自分が書き、今も従っている人生脚本」とも、リンクするお話です。
言葉の使用と反応
以前見た、あるテレビ番組のお話。趣旨としては、男性が好む言葉について。
ちなみに、実はこの言葉、男性・女性といった区別なく、好まれる言葉でもあるものでした。
その意味や理由については、後ほどお伝えしますので、しばらくご容赦ください。
その番組では、コンパクトにそれらの言葉を表す、ちょっとした、笑ってしまうような再現劇などもありまして、とてもわかりやすく、まとまっていました。
実際のところ、どの言葉も承認欲求を満たす刺激=ストロークの、言語的な、つまり言葉での表現。
それを、日常的によく使われる言葉で表していたんですけれども、そのうちの一つが、「頼っちゃっていい?」
再現劇では、たわいもない場面で、女性が男性に、「頼っちゃっていい?」と言って、ちょっとしたお願い事を聞いて、叶えてもらっていました。
当時、他の言葉は無意識のうちに、私はよく使っていたものの、この「頼っちゃっていい?」については、「そういえば言ってないなぁ。
え~、頼っちゃって、そこまで喜んで叶えてもらえるもんなの?」と、あまり使っていなかったということもありまして、半信半疑。
そんなわけで、確認してみたいという気持ちもあり、その後、何人かに話をしてみました。
ご飯を食べたり飲んだりしている、気楽な場所での会話です。
まずは、男性。20代から60代の数名。
この番組の話といくつかの表現、そして「頼っちゃっていい?」について。どの方も、その言葉には好印象を持たれた様子。
ある方などは、「ちょっと実際、言ってみて。」とおっしゃるので、私もすっかりなりきりまして、
「頼っちゃっていいですか?」と、小芝居してみたところ、めちゃくちゃ嬉しそうに、何なら少しこう、小鼻も膨らませつつ、「いいよっ。」、そう返しながら、「いいねぇ、うん。」と、とても満足そうでした。
次に女性、20代から40代の数名。
当時、ある仕事を数日ご一緒している中、お昼休み、ご飯を食べながらの会話です。
皆さん、個人事業主等で仕事を請け負われ、出張などもこなしながら活動されていた方々、家庭をお持ちの方もいらっしゃったかと思います。
そこで、テレビ番組の話題から、この「頼っちゃっていい?」という言葉のこと、実際に聞いてみた男性数名の反応もとても良かったこと、をお伝えした上で、「それだったら、どんどん頼ってみた方が良さそうですよね。
みんな幸せになれそうですし。」という流れ、賛成してもらえると無意識に思っていた流れで、会話を進めていきました。
興味津々で聞いてもらっていたんですけれども、その途中の他の言葉では、「うんうん。」とか、「なるほど。」とか、基本、肯定的な反応も返ってきていましたので、当然賛成してもらえるんじゃないのかな、と思っていたんですが、
「頼っちゃっていい?」まで来ると、くるっと見事に反転しまして、「え~・・・、旦那に?言えないっ。」 「・・・。言えないっ!」 「え~?!」。ちょっと私には、予想外の反応で、本当に意表を突かれまして、「えへへへっ。」、思わず愛想笑いをしてしまって、
「そんなに?言うくらい、いいじゃないですか。それでお願い聞いてもらえるんだったら。」、と、そうも言ってはみたんですけれども、反応は変わらず。ただですね、この話題がよほど刺さったらしく、翌日、もう私はすっかり忘れていたのに誰からともなく、「やっぱり、言えない。」 「絶対、言えないっ。」
と、感じは良いものの、きっぱりとした表情で、何人かから、改めて宣言されたくらいです。
ストロークの重要性と共存
皆様は、いかがでしょうか。頼るタイプですか?頼られるタイプですか?それとも、時と場合、相手に応じて、頼ったり頼られたり、どちらもイケるタイプですか?
承認欲求を満たす刺激=ストローク。そのストロークには、お好みがあります。そして、そのストロークによって、私たちの心の中には、「親・成人・子ども」、3つの状態が出来上がります。
また、3つの状態が出来上がる子どもの頃に、そのストロークを得るため、「人生脚本」を書き上げます。大人になってからも、無意識のうちに従う「人生脚本」は、私たちの土台。この「人生脚本」を強化するため、正当化するために、ストロークのお好みもあります。
頼る、頼られる。これも承認欲求を満たす刺激=ストロークです。そして臨機応変、自由自在、必要に応じて頼り、頼られる。<今、ここ>にふさわしい、「行動・思考・感情」が取れるなら、それは「成人」の状態。ただ、どうしても、どちらかしか出来ない、しない、したくないなら、それは「親」か「子ども」、過去のデータが関係していそうです。
しかも、かたくなに、何が何でも、と固定化されているなら、さらに「人生脚本」に根ざしているかもしれません。
頼れる人なんていない、頼ったけど拒否された、ひどいことになった、頼ろうとしたらかわされた、かえって面倒くさいことになった、自分でしたほうがよい、などなど。それらは、「人生脚本」に合わせたストロークのお好み、フィルターにかけられた結果、それによって、ますます頼れない、頼らない、頼りたくないことになっているかもです。
そして、実はこのお話、さらに後日談があるんですけれども、この話題、別の方々にもなぜか広がりまして、その内のある方が、男性が好む言葉という趣旨の表現を、どれもマネージャーが部下に使っても有効だなと判断され、ビジネス現場のマネージャー研修に応用されたそうです。
マネージャーから部下に言う言葉として、「頼ってもいいか?」、このシチュエーション。「言えないっ。」と、連呼されていた女性グループとも共有。自分が部下だとして、目上の人、上司から頼ってもいいかと言われたら、と問いかけたところ、全員めちゃくちゃ嬉しそうに、「いいっ。」でした。
かくいう私も想像してみましたが、「いいっ。」、「はいっ、お任せくださいっ。」って、なるなぁ。ニヤニヤ、でした。
どうやら、頼られることで得られる、承認要求を満たす刺激=ストロークを、言えないと連呼されていた女性グループも、そして私も、欲していたようです。
また、頑なに「言えないっ」状態の場合、そのストロークを欲しているだけでなく、「人生脚本」にも、その役割や場面が織り込まれていそうです。
こうなりますと、頼られるストロークの奪い合いになりかねませんし、お互いが承認要求を満たせず、飢餓状態になってしまう可能性も高まってきます。
私たちにとってストロークは、水や空気のように必須なもの。そして、ストロークは、それを受けた行動が強化される、という特質があります。
頼ってばかり、頼られるばかり、それもしんどい。
頼り頼られ、どちらもあり、ストロークは奪い合わなくても、共存共栄ができるもの。
別の場所、場面、相手、違う土俵などなど。自分自身のストローク源、ストロークの源やその貯まり具合、相手や周りの人たちのストローク源やその貯まり具合、
そんな、お互いのお好みやストローク貯金に気を配り、バランス良く、ストローク交換をしあえたら。時に見直しをかけながら、建設的に「人生脚本」を進めていけたら。そんなふうに思います。
では、今回覚えていただきたいポイントは、
「頼れない、頼らない、頼りたくない。」
まずは、気づくこと。そして、いつもと違う変化を味わってみませんか?
ここまで聞いていただき、ありがとうございます。
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お相手は、遠藤美保でした。ありがとうございました。
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