1. 気づくと変わる心理学 〜心のリスキリング〜
  2. #24 駆り立てられる、承認欲求..
2024-08-20 14:58

#24 駆り立てられる、承認欲求。強みで弱み。

今回は、『駆り立てられる、承認欲求。強みで弱み。』のお話です。


お伝えしている心理学ですが、

皆さまにとっての日常的で、身近な話題とも自然とつながっています。

その見方・活かし方を、ご紹介します。


今回は、駆り立てられる、承認欲求。強みで弱み。について。

認められるため、私たちを駆り立てているもの。強みであり弱みでもあるもの。そのポイントを知ることで、自分について、相手について知る、ヒントが得られます。


第1回目「承認欲求は誰もが持っている原点」

第2回目「心の仕組みは、世界共通。誰もが持つ、親・成人・子ども。」

ともリンクするお話です。


まだ聞いた事がない方も、

何本か聞いて番組に興味を持ってくださった方も、

気づくと変わる、いつもと違う変化を味わってみませんか?

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こんにちは。明治大学で生涯学習講座の講師をしています、遠藤美保です。この番組では、社会人や学生向けの生涯学習講座を10年以上行ってきた私が、日常生活でも活かせる心理学をポッドキャストでお伝えしていきます。
今回のテーマはこちら。「駆り立てられる、承認欲求。強みで弱み。」今回は、「駆り立てられる、承認欲求。強みで弱み。」のお話です。お伝えしている心理学ですが、皆様にとっての日常的で身近な話題とも自然とつながっています。その見方、活かし方をご紹介します。
今回は、「駆り立てられる、承認欲求。強みで弱み。」について。認められるため、私たちを駆り立てているもの、強みであり弱みでもあるもの。そのポイントを知ることで、自分について、相手について、知るヒントが得られます。
第1回目「承認欲求は、誰もが持っている原点」。第2回目「心の仕組みは、世界共通。誰もが持つ、親・成人・子ども」ともリンクするお話です。
子どもの頃、私たちは親や親的な人から、色々なことを伝えられて育ってきています。そして、存在を認める刺激=ストロークを得るために、試行錯誤しながら適応してきました。
例えば、こんな具合です。私が小学生の頃のお話なんですが、色紙をもらって鶴を折っていました。正方形の色紙で、角と角を合わせて最初の三角形を作り、そしてですね、それを半分に折って、さらに半分のサイズの三角形にしようと折っていたんですが、その時、親からこんな指摘を受けました。
「角がズレてる。ちゃんとやりなさい。」そう言われたんです。ただ、「え?」と思って一生懸命合わせようとするんですけれども、何回トライしても微妙にズレて、ぴったりとは合わないんですよね。
強い視線を感じつつも、心の中では「いくらやっても合わないんだもん。だいたい折り紙のこの形が、本当の正方形じゃないと思うんだよね。うわ、こわ、見てる。え?どう言えばいいの?納得してもらうまでやるしかない、ってことなのかな。」
そしてまたある時は、こんなこと。欲しいものがありまして、おねだりをしました。親からは「いいよ。買ってあげる。」すごく軽くなんですけれども、嬉しい答えがありまして、「やった~」と喜んで待っていたんですが、しばらく待っても買ってもらえる気配がなく、どうしたんだろうなと思って、「買ってくれるんだよね?」とフォローをしたところ、
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「いつ買うとは、言ってないから。」、「えっ?えっ?確かにそうだけど、そんなのあり?」そんなことがあったわけなんです。こういった経験を重ねる内になんですが、突っ込まれないよう、抜け漏れがないよう、とにかく念入りにあれこれチェックしよう、と心に決めた覚えがあります。
できる限り完全に抜かりなく、だからこそ何かを伝えるとき、詳細に伝えたり付け加えたり、。何かありますと、「あ~、ミスった。そこもチェックしておくべきだった。」と抜けたところが気になったり。そんな面につながっているかと思います。
これには良い面も、それから悪い面もあります。抜け漏れがないよう、しっかりチェック。事前準備するというのは、物事を達成するために、成果につながりやすい良い面じゃないかと思うんですが、ただ強いストレス状態の時になりますと、
慎重に慎重にと、慎重さを重ねて準備や検討するあまり、結局行動を起こさなかったり、機会を逃してしまったり。そんな悪い面も出たりします。私たちの心の中には、「親・成人・子ども」の状態があります。
「親」は、親や親的な人から取り込んだ「行動・思考・感情」が入っている部分。「成人」は、<今、ここ>にふさわしい「行動・思考・感情」が入っている部分。「子ども」は、子どもの頃の経験や決断といった、そういった「行動・思考・感情」が入っている部分です。
私たちの心の中の「子ども」は、こうであれば自分は認められる、OKだと決断しています。そして、大人になった今もそれに従って懸命に生きているようです。
心の中の「子ども」が、自分の心の中の「親」に認めてもらおうと必死で守っているもの。それが5つの「ドライバー=駆り立てるもの」と言われているものになります。
5つの「ドライバー」というのは、「完全であれ」(Be perfect)、「強くあれ」(Be strong)、「喜ばせよ」(Please、これカッコになりまして(others)、「努力せよ」(Try hard)、「急げ」(Hurry up)、この5つです。
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「完全であれ」、これは、完全にしっかりやっていればOKなんだ、というものです。だからこそ細かくきちんと、あらゆることを抜け漏れなくしようとする部分になります。
例えば、文章などでも、挿入語とかカッコつきの、いろいろ付け加えたり抜け漏れがないようにするような、そんな文章になったりします。私の先ほどの例などは、この「完全であれ」になるかと思います。
「強くあれ」、これは感情や欲求を持たなければOK、動じないよう、感情を表さないようにする部分です。例えば、男の子はいろんなことに動じないで、どんと構えていてほしい、そんなメッセージを出されるような家庭環境で育ったりしますと、この「強くあれ」の部分も出てきやすいのかなというふうに思います。
文章で言いますと、自分の感情や行動から距離を置くような、そんな文章になったりします。例えば、「嬉しい」と率直に言うよりも、「それが嬉しいというふうに感じました」、というような言い方、ちょっと距離を置くような言い方になったりします。
そして、「喜ばせよ」。これは、他人を喜ばせよというのがメインになってくるんですけれども、相手を、あるいは周りを喜ばせていれば自分はOKなんだ、という部分で、大体ですね、そうですね、文章で行きますと、
「どう?」とか、「~というようなことになるかと。」いうような、なんて言うんでしょう、はっきり断定しないと言うんでしょうか、「~的な?」というような言い方をしたり、語尾がちょっと上がったり、相手の様子を伺うような、そういった文章、言葉になったりします。
そして、「努力せよ」。これは、一生懸命努力し続ければOKというもので、この一生懸命という部分をすごく大切にする、そういった部分になります。
これちょっと皮肉に聞こえるかもしれないんですけれども、努力し続けるこの姿勢を見てもらうために、結果ではなくプロセス、ゴールしてしまったら努力できなくなるので、何て言うんでしょう、結果を求めているように見えながら、実は結果を求めているのではなく、一生懸命やれる過程を求めている、そういう部分になります。
文章でいきますと、直接的な表現は使わないというか、間接的な、質問をする時にも、「え?」とか、「は?」とか、そういうような、直接的じゃない質問の仕方をしたり、あるいは何かやりますという時に、「やります」という言い方はせず、「~しようと思います」というような、
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この、「実際にする代わりに、努力します」という、こういう含みがあるような言い方をしたりします。
「急げ」、これは急いでやっていればOKなんだ、という部分で、これ、皆様も覚えがあるかと思いますが、だいたい子どもの頃というのは、親からですね、「はい。急いで急いで。もうさっさとして。ノロノロしないで。」というような言い方をされたりしますので、
この急いでやる、っていうところですね、これが大切にされている部分になるんですけれども、この5つの「ドライバー」の内、「急げ」だけは、これですね、これだけでというよりも、他の4つと合わせて、他の4つをそれぞれ強めるような形で、この「急げ」というドライバーは使われているというふうに言われています。
5つの「ドライバー」は、強みで弱みの部分。簡単に例を挙げてみます。
「完全であれ」。強みとしては、抜け漏れなくチェック、成果につなげられる。弱みとしては、細かくチェックしすぎてタイミングを逃すことも。
「強くあれ」。強みとしては、多少のことに動じず、安心感につながる。弱みとしては、自分の感情や欲求が後回し、冷たく感じられることも。
「喜ばせよ」。強みとしては、周りへの気配りで円滑に進められる。弱みとしては、過剰に気配りして、相手も自分も実は望んでいない、ということも。
「努力せよ」。強みとしては、一生懸命努力するプロセスで、人との関わりが増える。弱みとしては、結果を遠ざけてしまうことにも。
「急げ」。強みとしては、スピード感を持って進められる。弱みとしては、焦って急いで、そしてミスにつながってしまうことも。
本当に簡単な例として、1行ずつぐらいに該当する部分で、挙げさせていただきました。
これら5つの「ドライバー」ですが、目で見える、耳で聞こえるものにヒントがあります。
先ほどそれぞれの「ドライバー」で挙げました、文章や言葉の例などもその一つになるのですが、他にも口調や動作、姿勢、表情、そういった目で見える、耳で聞こえるものに、ぜひ注目してみてください。
この5つの「ドライバー」のどれにですね、その口調や動作、姿勢、表情がつながるのか、それはですね、ぜひ周りを注意深く観察してご覧になってみていただければ、と思います。
ちなみに、一つの手がかりだけで判断しない、決めつけない。これが注意点になります。
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複数の、目で見て、耳で聞こえる手がかりを、見つけてみてください。
誰でも、どの部分もあります。普段は、5つのドライバーを自由に使いこなしている方も、多いのではないでしょうか。
ただ、強いストレス状態の時というのは、1つか2つ、特徴的なものがあるようなんです。
その際、「ドライバー」のネガティブな部分が出てきてしまうわけなんですが、通常ですね、このポジティブな状態では強みであるからこそ、そこにこだわってしまうということで、ストレスへの入り口、目印にもなる、それがこの、5つの「ドライバー」になります。
これができていればOK。自分は認められる。心の中の「子ども」がそう決断し、心の中の「親」に認めてもらおうと従っています。
それなのに、それができそうもない。あるいは、実際できないために、自分はOKではないんだ、というふうに判断してしまう。
そこにストレスを感じ、場合によってはどんどんエスカレートしていきます。この状態になっている、そんなふうに気づいた時には、ぜひ早めの対処をお勧めします。
ポジティブなストローク交換。このあたりがおすすめなんですけれども、例えば、リラックスできる相手と楽しい一時を過ごしたり、好きなことにたっぷり浸ったり、できていることを見つけてストロークを出し合ったり、そんな対処はいかがでしょうか。
では、今回覚えていただきたいポイントは、「駆り立てられる、承認欲求。強みで弱み。」。まずは気づくこと、そしていつもと違う変化を、味わってみませんか?ここまで聞いていただき、ありがとうございます。
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来週も、火曜日の朝6時に更新されます。お相手は、遠藤美保でした。ありがとうございました。
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