1. 気づくと変わる心理学 〜心のリスキリング〜
  2. #21 心理的ゲームとドラマの三..
2024-07-30 15:16

#21 心理的ゲームとドラマの三角図

今回は、『心理的ゲームとドラマの三角図』のお話です。


お伝えしている心理学ですが、

皆さまにとっての日常的で、身近な話題とも自然とつながっています。

その見方・活かし方を、ご紹介します。


今回は、「心理的ゲームとドラマの三角図」について。

前回お伝えした、身近な人との間で、いつも繰り返される、嫌~な感じで終わるやり取り=心理的ゲーム。こじれる関係とも言われます。その心理的ゲームに関わる人が取る、3つの役割。

それを表す、ドラマの三角図。

このポイントを知ることで、繰り返される問題を解消するヒントが得られます。


第1回目「承認欲求は誰もが持っている原点」

第2回目「心の仕組みは、世界共通。誰もが持つ、親・成人・子ども。」

第20回目「心理的ゲーム-繰り返される、罠と弱みとその報酬。」

ともリンクするお話です。


まだ聞いた事がない方も、

何本か聞いて番組に興味を持ってくださった方も、

気づくと変わる、いつもと違う変化を味わってみませんか?

サマリー

遠藤美保先生は生涯学習講座の講師です。心理的ゲームとドラマの三角図について話しています。心理的ゲームとドラマの三角図に関して、3つの役割とその関係性、役割から降りることの難しさが説明されています。また、役割の決まりやストロークの影響によって役割が固まっていくことも指摘されています。

00:01
こんにちは。明治大学で生涯学習講座の講師をしています、遠藤美保です。
この番組では、社会人や学生向けの生涯学習講座を10年以上行ってきた私が、日常生活でも活かせる心理学を、ポッドキャストでお伝えしていきます。
今回のテーマはこちら。
心理的ゲームとドラマの三角図
「心理的ゲームとドラマの三角図」。
今回は、「心理的ゲームとドラマの三角図」のお話です。
お伝えしている心理学ですが、皆さまにとっての日常的で身近な話題とも自然とつながっています。
その見方、活かし方をご紹介します。
今回は、心理的ゲームとドラマの三角図について。
前回お伝えしました身近な人との間で、いつも繰り返される、嫌~な気持ちで終わるやり取り。
心理的ゲーム。
こじれる関係とも言われていますが、その心理的ゲームに関わる人が取る、3つの役割。
それを表す「ドラマの三角図」。
このポイントを知ることで、繰り返される問題を解消するヒントが得られます。
第1回目「承認欲求は、誰もが持っている原点」。
第2回目「心の仕組みは、世界共通。
誰もが持つ、親・成人・子ども」。
そして前回、第20回目「心理的ゲーム―
繰り返される、罠と弱みとその報酬。」ともリンクするお話です。
心理的ゲームについて、簡単に振り返ってみます。
心理的ゲームに関わる人の3つの役割
私たちの原点、承認欲求を満たしてくれる刺激、ストローク。
ないくらいなら、ネガティブでも何でも取りに行く。
心理的ゲームは、このネガティブなストローク、嫌~な気持ちを確実に得られる仕組みです。
そこには、罠+弱み=反応。
そこから切り替えが起き、混乱が起き、最後に報酬。という、一連の流れがあります。
その流れの中の、切り替え。
「ドラマの三角図」は、この役割の切り替え部分を見分ける方法です。
「ドラマの三角図」という、このネーミングが、本当に秀逸だなと思うんですけれども、
まるでドラマの登場人物であるかのような、この役割。
3つあります。
用語について、英語での用語も合わせてお伝えしていきます。
日本語英語ですみません。RとVの発音が気になるかと思いますが、そのあたりはご容赦ください。
迫害者=Persecutor、相手を下、OKでないとみています。
見下したり、けなしたり、といったことをする役割です。
救助者=Rescuer、自分が上で、助ける人、OKな人。相手は、助けてあげなければならない人、という見方で、相手をOKでない人として、下にみています。
犠牲者=Victim、自分を下、OKでない、見下されたりけなされたりしても仕方がない、
あるいは、自分では何とかできない、助けてもらわなければならない人、として、自分を値引きをしている、下に見ている、そういった役割の人です。
こういうと、そんなですね、ドラマのような役割って、そんなに身近にあったっけ?って、思われる方もいらっしゃるかもしれません。
少しですね、この役割と、それから、それについての定義というのは、大体この、いつも少しこう、ちょっと何て言うんでしょう、強めの表現で表現をされているので、なかなかピンとこないかもしれません。
そんなわけで、簡単な例をあげてみたいと思います。
中学生のAちゃんと、お母さんの朝のやりとり。
Aちゃんが、「お母さん、明日、試験があるから学校に行く前に勉強したいんだよね。朝5時に起こして。お願い。」
そしてお母さんが、「朝5時ね。でもいつ起こしても起きないじゃない。も~。」と言いつつ、次の日の朝5時。
お母さんが、「5時よ、起きなさい。」
Aちゃんが言います。「う~ん。わかった。う~ん。」
でもまだ起きません。朝5時10分。
ドラマの三角図の役割切り替え
お母さんが言います。「5時10分よ、起きなさい。」
Aちゃん。「う~ん。う~ん。」
こんなやりとりが、朝5時20分、30分と続き、お母さんもですね、だんだんだんだん、朝の支度が非常に忙しいので、そのまま放っておいたりしますと、いつの間にか、朝7時。
いつもの時間になっている。
そしてAちゃん。「もう!朝5時って言ったじゃない。何で?!」
お母さんは、「何度も起こしたでしょ。自分が起きなかったんじゃない?」
Aちゃん。「起きるように起こしてよ。
あ~もう!何にもできない!も~、試験なのに!」
お母さん。「もう、いい加減にして」。
そしてその後、また、何度も繰り返される、このパターン。
さあ、いかがでしょうか。どんな役割の切り替えが、起きているでしょうか。
「明日の朝、早めに起こして。」と頼む子どもは、「犠牲者」。
一人で起きることができない自分。助けてもらわなければならない、と信じています。
自分の力を値引きをし、下に見ています。
そして、頼まれて起こす母親は、「救助者」。相手より上に立っていて、
その相手は自分で対応することができない、そんな人だと信じています。
相手の力を値引きし、下に見ています。
その後、役割の切り替えが起きます。
呼びかけられても起きず、怒る子どもは、ここで「迫害者」に切り替わります。
相手を下に見て、起こせなかったことをけなし、責めています。
けなされて責められている母親は、「犠牲者」。
助けることができなかった、そんな下の立場になっています。
朝のひとときを「ドラマの三角図」の役割に置き換えて、少し強めに表現・解説してみました。
この朝のひととき、繰り返される、心理的ゲーム。
この程度でしたら、まだ話のネタとして、軽く笑い飛ばせるかもしれませんけれども、
内容や程度が上がっていきますと、本当にこう、軽々しく話せないレベルになる、ということもよくあります。
ここでの「犠牲者」 ・ 「救助者」 ・ 「迫害者」は、<今、ここ>にふさわしい行動・思考・感情を持つ「成人」の気づきの外、
そして心理的ゲームに関わる人は、この3つの役割の、どれか1つを取っています。
「ドラマの三角図」ですが、図解にすると逆三角形になります。
「迫害者」が左上、「救助者」が右上、「犠牲者」が下、の逆三角形です。
どの役割もお互いに切り替わる可能性がありますので、それぞれを2本の逆向きの矢印で結びます。
例えば、「迫害者」と「救助者」の間には、「迫害者」から「救助者」に向かう矢印と、「救助者」から「迫害者」に向かう矢印という具合。
各役割の間を、同様に、2本の逆向きの矢印で結び、逆三角形を作ります。
3つの役割を切り替わることで、ネガティブなストロークを、よりドラマチックで、刺激的なものとして、何て言うんでしょう、獲得することができる、というわけです。
夢中になって見るドラマや、あるいは読んでる漫画、皆さん、あるんじゃないかなぁと思うんですけれども、こじれにこじれる関係が描かれるということも、多いと思うんですが、
登場人物をよく見てみますと、この「ドラマの三角図」に当てはまることも、多いんじゃないでしょうか。
3つの役割と、ドラマチックな役割の切り替え。
ただ、切り替わりの例外として、どちらかあるいは両方が、役割の切り替え自体はしないで、同じ役割を取りつつ、その役割のレベルがどんどんどんと、より上がる、強くなるという形で切り替わる、そういった心理的ゲームも中にはありますので、ご注意ください。
ちなみに、「朝、起こして」という心理的ゲームのパターン、これは日本特有ではないか、というふうに言われています。
というのも、海外では、と大きくまとめてしまいますけれども、約束として一回は起こすものの、本人が起きなければ遅刻しても自己責任、それ以上深入りはしない、「成人」の対応をするからだそうです。
そしてそれは、「迫害者」、「救助者」、「犠牲者」、3つの内、どの役割にもならず、相手の能力や意志を尊重し、信じている、そんなふうに言えるかと思います。
3つの役割と関係性
「ドラマの三角図」に登場する、3つの役割。皆様は、思い当たる役割はありますでしょうか。そしてまた、ご自分の取りやすい役割、それは何かありますでしょうか。
この3つの役割のどれかになっているなら、心理的ゲームの中、その役割から降りることで、心理的ゲームから降りることができるかもしれません。
少し気になる点としましては、元々この、心理的ゲームをベースにした人間関係である場合、
そうすると、その人の関係性がその役割から降りることで大きく変わってしまう。場合によっては離れてしまうということにもなりかねない、ということがあります。
だからこそ、なかなかこの役割から、降りるに降りられない、相当の覚悟がいる、という場合も出てくるかもしれません。
最初はこう、身近な、何気ないところを観察してみると、3つの役割について気づくことも多いのではないかな、と思います。
最近でも、私がよく見ていますと、本当に小さなお子様の頃から、この関係性っていうのが、深く根差しているのだなと気づく場面がよくあります。
例えば、あるお子様にお名前を聞いたりとか、そういうふうにしているときに、横からさ~っと、その子のお友達ですかね、そういった子が、代わりに何々です、と答えるんですよね。
私が「本人に聞いているので」って言って、その先の質問を続けようとしても、ぱ~っとその子が横から、ぴゅ~、ぴゅ~っと出てきて、全部の質問を答えてしまう、というような場面があったりするんですけれども。
これなどは、この救助者と犠牲者の役割、それがこんなに最初の頃からといいますか、子どもの頃から根差しているんだなというふうに感じたりします。
お決まりの役割というのを決めて取ることで、確実に得られるストロークというのがあると思うんですけれども、その友達を助ける「救助者」の子などについては、よくなんて言うんでしょう、しっかりして面倒を見るいい子ね、なんて言われかねないのかなというふうに思います。
そしてですね、お友達にパーッと答えられる子、これ、最初はそんなつもりもないんでしょうが、だんだんその、人にどんどん答えられてしまう。これが最初に不満だったのか、だんだん不満になるのか、何も感じなくなるのかは、これ人によるかなと思うんですけれども、
そうこうしている内に、自分は何もしないで黙っていながら、周りの人が何とかしてくれる。自分はそういうふうに助けてもらう立場というところで、非常にこう、何て言うんでしょう、助けたい人から見ると必要としている相手、助ける相手は必要なので、そういう助けられる人として、ストロークを得ていくようになるのかな。
そしてだんだん、その役割が固まっていくのではないかな、というふうに感じます。ストロークは、それを受けた行動が強化されます。役割に対して受けるストロークが増えれば増えるほど、その役割が固まり、強化されていきます。
役割の固定化と変化
繰り返されるお決まりの、そして最後に、嫌~な気持ちで終わる、心理的ゲームのパターン。このパターンとは違う、そうですね、「成人」の気づきがあるものならば、それは、現実の、事実としての、迫害者、救助者、犠牲者です。
解決に向けての具体的な対応を適宜とって、対処する必要がある現実、と言えると思います。その点は、ぜひご注意ください。では、今回覚えていただきたいポイントは、「心理的ゲームとドラマの三角図」。まずは気づくこと、そして、いつもと違う変化を、味わってみませんか?
ここまで聞いていただき、ありがとうございます。最後に、番組からのお知らせです。気づくと変わる心理学を、また聞きたいと思った方は、お聞きのPodcastアプリで、番組フォローとレビューをお待ちしています。フォローしていただけると、最新話が更新された際、通知がきます。また、レビューしていただくことで、番組の改善につながりますので、できれば、星5評価をお待ちしています。
そして、お聞きのあなたからの疑問・質問・感想も、様々な媒体でお待ちしています。Spotifyでお聞きの方は、エピソードごとのQ&A画面、「番組へのメッセージはこちら」から。Apple Podcastでお聞きの方は、「レビューを書く」から、コメント付きでレビューできます。
来週も、火曜日の朝6時に更新されます。お相手は、遠藤美保でした。ありがとうございました。
15:16

コメント

スクロール