海部病院で在宅医療をする中での魅力とか、他の病院との違いとかがあったら教えていただきたいです。
ありがとうございます。
在宅医療は海部病院に行って初めて経験したんですけど、すごく楽しかったですね。
そもそも在宅医療はなかなか大きい病院ではできないと思いますので、
元々海部病院は多分長年在宅医療も昔の病院の時代からされていたと思いますので、
そういうのがやりやすい背景があったというのが一つかなと思います。
そこに参加するような形で診療に携わらせていただいて、
3年間すごく在宅医療に関しては楽しかったですね。
在宅不診療をしてよかったと思ったのが、
自分が治療したがん患者さんの最後を見えたというところがすごくよかったかなと思います。
徳島大学病院でしたり、大きな総合病院で勤めていると、
化学療法、抗がん剤が効かなくなってくると、
近隣の病院にお願いして最後まで見取ってもらったりですとか、
在宅医療につないでもらったりですとかするんですけれども、
あまり自分で最後を見るという経験が、実はあまり私はありませんでした。
県立海部病院は在宅診療をしていますので、
患者さんの自宅に行って最後のお見取りをするという経験も何回かさせてもらったんですけれども、
自分で海部病院で治療した患者さんで治療が効かなくなってきたときに、
最後、家で亡くなりたいといった患者さんがいたときに、
自分で家に行って最後の時間を過ごさせてあげて、
お見取りをするという経験ができたのが、
すごく今後の医師人生にも大きかったんじゃないかなと思います。
最初から最後まで見るというのは、なかなかできるような経験ではないということなんですね。
そうですね。治療から最後亡くなるところまで、もちろん理想ではあると思いますけれども、
なかなか現在の医療では、それを全ての患者さんにするというのは難しいと思います。
海部病院ではそういう在宅医療をよくやっているという背景がありますので、
海部病院で治療していた方を最後見取るというのは、
すごく何例か経験させてもらって、すごく勉強になったと思います。
ありがとうございました。
堀先生、海部病院で在宅医療に携わってくださる中で、
私もソーシャルワーカーを含めて、他職種からもとても信頼されとったなという印象です。
今まで出ていただいた先生もそうですけれども、
在宅医療をされていた先生とかもよく出ていただいたのですけれども、
皆さん、楽しいと言うと違うのかもしれないのですけれども、
すごいやりがいを持ってされていたなというのは聞いていたと思いましたね。
実際、難しいこともいっぱいあるんでしょうけど、
診療の入り口から出口、その先の生活まで見えるのは、
海部病院の地域密着医療ならではだと思うのですけれども、
海部病院のチーム性と働きやすさについても伺いたいと思います。
堀先生、いかがでしょうか。
海部病院は内科はチーム性で動かしていまして、
お互いがサポートしあって、かなりやりやすい環境になっています。
医師の年次としても、私がいた当時は、
私の二つ上から五甲下までの先生ばかりで、
いわゆる若手医師ばかりでしたので、
かなり相談がしやすい環境ではあったかなと思います。
そういう意味ではかなり働きやすいと思いましたね。
それはあれですか、地域枠の先生が皆さん若いということですか。
それとも海部病院にそもそも内科医で勤務されている先生も、
結構若手の先生が多い感じですかね。
そうですね。
海部病院にもともといらっしゃった先生も若手の先生が多いですし、
実はかなり海部病院っていろんな医局の先生が混じっていて、
私の医局だったり救急課の医師だったり、
自治医科大学の先生も混じってきますので、
いろんな場所から集まって一緒に医療しているというような形になりますね。
海部病院自体、今までの先生の話でもチーム制で動かれているという話はあったんですけど、
さっき堀先生が言っていたように、いろんな病院から先生が来られているというので、
どうなんでしょう、コミュニケーション的にもやりづらいところとかあまりないんですか。
それは大人ですけど、あまりそんな喧嘩したりとかはなかったです。
ないですか。
むしろそれはメリットかなと思っていて、
いろんな背景のいろんな念字の医師が集まってきますので、
いろんな考え方を得ることができますし、
そこで若手のうちに混じり合うというのはかなりいい経験になったかなと思います。
そういった先生方とは今も交流とかはあるんですか。
今ももちろん連絡を取り合っている先生もいますし、
実は私は月に1回海部病院の血液の専門外来を今もやっていて、
徳島県立中央病院から遠隔診療という形でやらせてもらっているんですけど、
そういう形で今も関わる先生はかなりいらっしゃいます。
先ほど中央病院から海部病院に遠隔診療をされているという話だったと思うんですけど、
遠隔診療ってどんなふうに行うんですか。
遠隔診療は徳島県立中央病院の部屋と徳島県立海部病院の部屋をインターネットでつないで、
テレビ電話のように行うんですけれども、私は徳島県立中央病院の部屋にいて、
実際に患者さんには徳島県立海部病院の部屋に来ていただきます。
それでインターネットを通じてテレビ電話のような形で診察して、
処方ですとか血液内科の患者さんですと輸血をしたり化学療法をしたり、
そういうのをインターネットを通じてできるようなシステムが構築されています。
海部地区の方で血液疾患の方を海部の地域内で完結できるというのがメリットにはなりますね。
そうしたら海部病院ではどうしても対応が厳しいような患者さんがおられても、
遠隔診療を使えば対応ができるっていうことなんですかね。
そうですね。やっぱり実際に自分で見ないとわからないところはなかなか難しいんですけど、
ある程度落ち着いた患者さんで血液疾患の外来過量ということであれば、
私の専門外来に月に1回通ってもらっているような形になります。
もちろんその患者さんが調子を崩したりとか予想外の出来事が起こったときは、
海部病院の上機能先生に対応してもらうしかありませんので、
そういった意味で上機能先生とも今でも連絡を取り合っているという形ですね。
小森先生は血液内科だと思うんですけど、他の専門の方も遠隔診療とかって、
診療科の先生とかも遠隔診療されているんですか。
はい。何人かしていらっしゃる先生はいると思います。
ありがとうございます。
それでは最後のテーマです。
地域に近い現場だからこそ得られる成長の機会について、
具体的に教えていただいてもよろしいでしょうか。
やっぱり専門外の病気をよく見えるというのが、
成長にかなりつながったかなと思います。
徳島大学病院の勤務ですと、血液疾患を中心に、
もちろん他の疾患も勉強するのはするんですけど、
どうしても専門領域の勉強が中心になりますので、
海部病院の3年間で総合診療的な勉強ができたのは、
すごくよかったかなと思います。
先ほどの話でもありましたけど、
在宅医療は私はすごく楽しかったです。
おそらく無効10年、在宅医療できる病院に勤務することはないと思いますので、
この3年間在宅医療を勉強できたというのは、
患者さんの生活に寄り添うという意味でも、
すごくよかったかなと思います。
他の先生の時も思ったんですけど、
専門外を見るっていうのは、
自分の専門でない分、不安な部分もあると思うんですけど、
大変そうだなって、
ごめんなさい、すごい簡単な言葉になっちゃったんですけど、
かっこいい言葉が思いつかなかったんですが。
もちろんプレッシャーは少なからずあるかなと思います。
ただ海部病院のチーム性の話でもありましたけど、
相談しやすい環境であるということと、
専門外来が定期的に隊員の先生で行われていますので、
そこにかなりハードルを下げて、相談しやすい環境であるというところで、
医療としてはかなりやりやすくなっているのかなと思います。
やっぱりそこが海部病院と大学病院の違いの一つではあるんですかね。
そうですね。やっぱり大学病院ですと各科揃っていて、
すぐに相談できるという環境ではありますけど、
海部病院はやっぱり内科と脳外科、整形科が限られていますので、
そこが大きな違いで、ある程度自分の領域外の病気でも緊急性があるのかないのかというのを
判断をその場で自分でしなければいけないので、
そういうプレッシャーがありながらもかなり成長につながったというところですね。
分かりました。ありがとうございました。
堀先生、本日はありがとうございました。
最後にですね、海部病院で数年過ごすと、
ここが伸びるという成長のイメージみたいなところをいただきたいなと思うんですが、いかがでしょうか。
そうですね。専門外の領域はかなり成長できると思います。
専門外の領域を学ぶことで、自分の専門の領域の治療がすごく深まるということを
実感していますので、海部病院はいいと思います。
ありがとうございます。
最後にお知らせです。徳島県では、医師・看護師など医療従事者がまだまだ足りていません。
移住して常勤で働くのはもちろん、週1日の非常勤や短期の応援といった関わり方でも大歓迎です。
少し興味がある、まずは話を聞いてみたいという方は、
番組概要欄の問い合わせ先までお気軽にご連絡ください。
あなたの経験とスキルを、徳島の医療現場で活かしてみませんか。
皆様からのご連絡をお待ちしています。
番組の感想や質問は、ハッシュタグ、
徳島医師幕僧ラジオでSNSに投稿していただくか、
番組の概要欄にあるメッセージフォームからお送りください。
皆さんからの質問や感想をお待ちしています。
それでは次回のエピソードでお会いしましょう。
お相手は大野耕介と、丸山真由でした。
次回もぜひお聞きください。
さようなら。