00:01
インベストメントブリッジがお届けする、いろはに投資のながら学習、皆様いかがお過ごしでしょうか。
インターン生の佐々木でございます。このエピソードでは、投資、経済、お金、ビジネス関連の書籍をインターン生がピックアップしてご紹介していきます。
今回ご紹介するのは、会社を伸ばす株主還元という本です。
今までがですね、投資初心者の方向けの本が多かったので、今回は路線を変えてみました。
この本は、財務戦略や株主還元政策について学んでいる方向けの本で、なので学生の方ですとか、あとは企業の財務を担当されている方にお勧めの本です。
ただ、個人投資家の方にとっても有益な情報があると思ったので、今回ご紹介いたします。
まず、この本の著者の紹介からです。
この本を書いたのは石川博之さんという方で、この方はニューヨーク大学やメルボルン大学で客員研究院を経て、2009年から大阪一律大学、現在の大阪公立大学になります。
の大学院経営学研究科、こちらの教授を務めております。
長年の間、日本企業の配当政策が資本市場にどのような影響を及ぼしているのかについて、市場の実際のデータを用いて科学的に検証されている方です。
そんな石川さんが書かれたこちらの本、結論を3点先にご紹介いたします。
1点目が、株主優待制度は廃止を検討すべきである。
2点目は、洗練された外国人株主の開拓が必要である。
最後3点目、株主還元の王道は配当である。
となります。
まず、そもそも株主還元とは何かから簡単にご説明いたします。
そもそも株主還元とは、会社が営業活動によって獲得した利益を、株主に押しそわけ還元することです。
代表的なものとして、配当、自社株買い、そして株主優待があります。
株主還元の詳しいことについては、概要欄に貼ってあるリンクから、いろはに投資の記事に飛んでいただければなと思います。
はい、では株主還元についてはここまでとして、本書の結論についてそれぞれ解説していきたいと思います。
まず1点目、株主優待制度は廃止を検討すべきであるについてです。
株主優待というのはですね、やはり個人投資家にとっても人気で、いろんな記事やブログ雑誌の特集などがあります。
この音声を聞いている方も株主優待が好きだという方いらっしゃるのではないでしょうか。
調べたところですね、今株主優待の人気ナンバーワンは、イオンの株主優待、オーナーズカードだそうです。
03:06
個人的にはですね、233715という会社の株主優待が好きで、こちらはですね、Jリーグの観戦チケットが当たる抽選に応募できるというものになります。
僕はですね、サッカー、特に国内のJリーグを見るのが好きなので、こういう株主優待はとてもありがたいです。
このようにですね、株主優待制度は個人投資家を増やすための施策として有効です。
実際データとしても、株主優待制度の導入によって、個人投資家の数や持ち株数が増えたというものがあります。
しかし、この本の分析結果によると、当期に個人株主が増加した企業は、次期の収益性、成長性、対等率がいずれも優位に低下しているということでした。
その背景にあるのは、物を言う株主の現象です。
皆さん、物を言う株主という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
物を言う株主、別名アクティビストとは、株主としての権利を積極的に行使して、企業に影響力を及ぼそうとする投資家のことです。
その代表が投資ファンドになります。
投資ファンド、物を言う株主が実際に株価に影響を与えた例として、直近の鳥居薬品についてご紹介いたします。
まず、香港の投資ファンド、LIMというものがあり、こちらのLIMがJTに対して、鳥居薬品株53%の売却、そして自社株外2500億円をするように求めるという所感を送ったというニュースがありました。
このニュースでは、LIMがコーポレートガバナンスの問題から、親子での上場を問題視しているということが書かれていました。
このニュースを経て、鳥居薬品の株が一気にプラス6%も上昇しました。
このように、物を言う株主というのは、我々のような個人投資家が言うことができないことをズバッと言ってくれるというメリットがあります。
ただ、逆に企業側の目線に立ってみると、物を言う株主というのは、自社に自分に対して余計なこと、うるさいことを言ってくれる存在になります。
なので、個人投資家を獲得し、物を言う株主が減少すれば、自由にすることができるということですね。
もちろん、全部の企業はそう考えて行っているわけではありませんが、実際にそうやっている企業もあるというのは事実だそうです。
そして、物を言う株主が減少すれば、経営規律が相対的に低下してしまう。
そうなると、企業価値が低下し、株価も下がるということにつながります。
そうした際、誰が損をするのかというと、個人投資家です。
株主委員会に気を取られて、本質的な企業価値が低下してしまい、結果的に損をするということになってしまいます。
06:05
本書で告げられていたのは、個人株主開拓に積極的な企業というのは、必ずしも個人株主の視点に立った優れた企業ではないという点です。
こうしたことを背景に、本書では株主優待制度は廃止を検討すべきであると述べていました。
では2点目。洗練された外国人株主の開拓が必要であるということについてです。
今まで個人投資家の話をしていましたが、外国人投資家はその逆だそうです。
どういうことかと言いますと、外国人投資家が増えた企業は将来の業績が向上しているという分析結果が出たそうです。
これは、高中域、高成長に外国人投資家が集まるからとのことです。
著者の石川さんは、日本の個人投資家と洗練された外国人投資家は大局にあるとしています。
これは短期的な視線を持っているか、長期的な視線を持っているかということだそうです。
もちろん日本の個人投資家すべてが短期的な目線しか持っていないというわけではありませんが、
株主優待のように多くの日本個人投資家は短期的な利益を求める傾向にあります。
なのでそうではない洗練された外国人投資家を集め、長期的な視点を持って対話を重ねることは、企業の経営機率が向上することになります。
こうして経営機率が向上すれば、将来業績もさらに伸びていきます。
そのため、石川さんは洗練された外国人株主の開拓が必要であると述べています。
最後に3点目、株主還元の王道は灰燈であるについてです。
まず分析結果としてあるのが、増廃を発表した企業はその後ROEが上昇しています。
これは高速力が強い灰燈を上げる、つまり一度上げてしまったら簡単には下げられない灰燈を上げることで、将来も業績がいいことを示しているからです。
一方、自社株買いはそうではありません。
自社株買い企業の将来業績は増廃も減廃もしていない、安定灰燈企業を下回るという結果も出ています。
簡単に言うと、高成長企業は増廃をして、そうじゃない企業は自社株買いを行うということです。
そのため自社株買いを公表した企業に対して、市場は成長期待と期待リターンを低下させています。
面白いことにこれは日本のことであり、アメリカでは違う結果が出ています。
アメリカでは灰燈も自社株買いもフリーキャッシュフロー化設に基づいています。
このフリーキャッシュフロー化設というのは、余剰資金を有する企業が灰燈や自社株買いを通じて、それを株主に還元することで、余剰資金は無駄遣いしませんよという意思表示をするということです。
09:13
一方、日本では自社株買いはアメリカと同じようにフリーキャッシュフロー化設に基づいていますが、灰燈はそうではありません。
先ほど申し上げたように、灰燈というのは将来の業績が向上するのを示すのに役立っています。
なので注目すべきは、アメリカでは灰燈自社株買いも同じ役割を持っているけれども、日本では役割が違うということです。
なので株式を見る際、日本とアメリカで少し違った見方をしなければならないということになります。
最後に本書の結論を再度まとめます。
1点目、株主優待制度は改修を検討すべきである。
株主優待で個人投資家の数は増えるけれど、相対的に企業規律、経営規律が低下するため、将来業績は下がります。
個人投資家は株主優待という短期的な利益につられずに、長期的な視点を失わないようにしよう。
2点目、洗練された外国人株主の開拓が必要である。
外国人投資家は個人投資家と別で長期的な視点を持っています。
長期的な視点を持った彼らと対話を重ねることで、経営規律が向上し、企業価値も上がっていきます。
3点目、株主還元の王道は灰燈である。
日本において増廃は将来業績が良いことを示すシグナルとなっています。
自社株買と並んで二大株主還元と呼ばれていますが、日本では灰燈が重要な存在となっています。
他にもですね、この本では特別灰燈や記念灰燈について触れてみたり、利益の質についても着目していますので、気になった方はぜひ本書を手に取ってみたらいかがでしょうか。
最後に私はですね、この本がとても面白いなと思っていまして、もともと灰燈が好きな人間だったのですが、この本を読んでさらに改めて灰燈の重要性を認識し、灰燈を好きになりました。
そしてですね、個人投資家と外国人投資家の割合が増減することで将来業績が少し変わってくるというのは意外な発見でした。
なのでこれからもちろん軸にはなりませんが、投資家の内訳、割合を投資の判断基準の一つにしようかなと考えております。
以上が会社を伸ばす株主還元のご紹介でした。
本日も最後までご視聴いただきありがとうございました。ぜひこの番組への登録と評価をお願いいたします。
12:03
ポッドキャストのほか、公式LINEアカウント、Twitter、TikTok、Instagram、Facebookと各種SNSにおいても投稿しているので、フォローもよろしくお願いいたします。
いろはに投資でぜひ検索してみてください。
また株式会社インベストメントブリッジでは、個人投資家向けのIR企業情報サイトブリッジサラムも運営しております。
こちらも説明欄記載のURLよりぜひご覧ください。