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本日は、3月4日に開催したBridge Live Seminarより、藤根様による
「個人投資家が機関投資家より高いパフォーマンスを出す方法」の音声をお届けします。
それでは早速ですけれども、Bridge Live Seminarの方から始めます。
今週はですね、株式会社TIW代表取締役社長の藤根康明さんにお話しいただきます。
本日のテーマは、「個人投資家が機関投資家より高いパフォーマンスを出す方法」というものです。
簡単に私の方から藤根さんのご紹介をさせていただきます。
藤根さんは、東京理科大学大学院総合科学技術経営専攻を修了。
その後、国内及び米系の証券会社で調査部門の企業アナリストとしてを経て、2000年に株式会社TIWを設立されました。
企業調査の傍ら、2010年からは株式のストラテジストとしても活躍されています。
現在、IFISインベストメントマネジメントで、高成長株に特化した投資助言サービスというのを立ち上げの準備をされておられるということです。
では早速ですけれども、藤根さんにお話をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
今ご紹介預かりました藤根です。
タイトル付けてからちょっと失敗したかなと思っているのですが、皆さんの中にはファンドなって大したことないよねって思っていらっしゃる方も結構いらっしゃるんじゃないかなと。
だから、基幹投資家より高いパフォーマンスを出すって、基幹投資家にもよりますけどそんなに難しいことじゃないかなと思っていらっしゃる方もいらっしゃるんじゃないかなと思うんですが、
どうしてそういうことなのかという構造について、今日はお話をさせていただいて、そこから投資に関してのヒントが2つ挙げさせていただきたいと思っています。
最初に飛ばしていきます。予定内容としては、アクティブとインデックスの関係と、それからアナリスト、セルサイドのアナリスト、それから基幹投資家、そういう形でお話を進めていきたいと思います。
まずは、アクティブ運用はインデックスに勝てない。アクティブ運用といったときのアクティブ運用ファンドの数も勝っているより負けている方が多い。
加重平均すればインデックスよりマイナスになっているというのは当たり前のことなんですよね。当たり前のことというのはアクティブ運用というのはファンドだけじゃなくて個人の皆さんも海外の基幹投資家も含めていろんな人が運用したその平均値が市場平均なわけですから、
当然ながら取引コストとか、それから信託報酬といったコストをマイナスしてやればアクティブというのは市場平均よりは若干下になるというのは当たり前の話なんです。
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このことをもってパッシブ運用、インデックス運用のほうがアクティブよりも優れているということをおっしゃる方は結構FPさんとか多いような気がするんですが、これはそもそも当たり前の話なので非常にナンセンスだなというふうに私は思っています。
一つの例として作ってみたんですけれども、例えばある小学校でもいいんですけれども、テストの点がありましたと、5人の生徒がそれぞれこういう点数を取りましたと、平均値はこれを計算すると50なんですけれども、インデックスの信託報酬というのは0.11%ぐらいなんですね。
アクティブはものによりますけれども、最近は1.6から1.9ぐらいが割と多いレンジなのかなというふうに思うんですけど、その分要するにこちら側というかマイナスになるわけです。
ですから市場平均より下に来るというのはごく当たり前の話なんですね。
アクティブ運用投資がどのぐらい株価指数に勝っているのかというのがこの例なんですけれども、どこの国を見ても基本的には市場平均に勝っているところはないと。
日本を見ると1年目だと46%、割と半分近くは勝っているんだけれども、3年5年というふうに期間が長くなればなるほど市場平均には勝てないと。
これも当たり前っちゃ当たり前なんですけれども、仮に新宅報酬を1.5%とするならば、5年というのは福利だともうちょっといくと思うんですけど、7.5%その分ビハインドしているわけですから、当然その分勝ちにくくなるわけですよね。
だから当然これは負ける方が平均を取っていけば負けることが多くなるということで、これも別に自明のことじゃないかなというふうに思っています。
プロの投資家が市場平均に勝てないんだから、だから個人の株式投資は難しいということをおっしゃる方も結構いると思うんですよ。
でもファンドとか構造的な部分がそもそも全体としては勝てない構造になっているので、だから個人は勝てないというのはすごく飛躍があって、私はそういうことを言う人はインデックスファンドを売りたいだけなんじゃないかという気がしてしまうんですけれども。
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それともう一つ重要なポイントなんですけれども、そもそも基幹投資家がみんなベンチマークに勝とうとしているかというとそんなことないんですよね。
一番端的な例がGPIF年金積立金管理運用独立行政法人、正式名称長いんですけれども、GPIFっていうのは目標利回りって1.7%なんですよ。
1.7%の目標利回りを達成するためにいかにリスクを小さくするのかっていう、そういう運用をしてるわけですよね。
だから決してベンチマークに勝とうという運用をしてるわけではないんです。
ですからそういう意味では必ずしも基幹投資家がみんなベンチマーク運用してるかというとそういうこともないんで、
だからここの考え方っていうのはすごくおかしいなと思ってます。
それでちょっとセルサイドのアナリストについてお話をさせていただきます。
アナリストって言うとですね、いろんなアナリストがいるんですごくややこしいんですけどね。
今日お話しさせていただくのは伝統的な企業業績調査、業界分析を行うファンダメンタルって言われてる部分なんですが、
そこのアナリストの話、特にセルサイド、証券会社の側のアナリストの話をさせていただきます。
セルサイド、バイサイドっていう言葉をちょっと使わせていただきますけれども、
セルサイドっていうのは証券会社に代表されるように情報発信をする側の人をセルサイドと言います。
で、基幹投資家に代表されるように情報を受け取る側の人をバイサイドと言うんですけれども、
バイサイドのアナリストっていうのはほとんど表に登場することがないので、
一般的にコメントを発信することがないので、アナリストって言ったときは基本的にはセルサイド側になります。
それでセルサイドアナリストって、私もそうだったんですけど、いっぱい資格があるんですね。
資格っていうのはデッドポイントですけれども、
まずですね、株式マーケット、金融市場についてすごくよく知ってるかっていうと、
必ずしもそうでもない。
もちろん横目で見てるので、ぼやっとはわかってはいるんだけれども、
じゃあ自分で理論を組み立てて、人にちゃんと説明できるレベルで金融市場を知ってるかっていうと、
そんなことはないんですよね。
そういう人はほとんどいないというような感じです。
それと、アナリストそのものはベンチマークに対して勝ったか負けたかっていう、
そういう投資判断を基本的にはするので、
マーケットが上がろうが下がろうがあんまり関係ない部分っていうのもあったりします。
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それからアナリストは基本的に担当セクター以外のことを知らない人は非常に多いんですね。
どっちかっていうと、担当セクターのことをすごくよく知らなければいけないので、
他のことを勉強してる時間がないっていうのがあるわけなんですけれども、
結局学者さんと比べちゃいけないのかもしれないですけれども、
非常にタコツボ化、サイロ化しているような状況です。
基本的には自分のセクターに対しての思い入れっていうのが非常に強いので、
自分のセクターの会社を否定するっていうことはあまり積極的にはやらない傾向が強いです。
それから、これは言うと身も蓋もないんですけれども、
ビジネスについて、ビジネスモデルとか産業構造とか収益構造とか、
そういうのはいろいろ語るわけなんですが、
そもそも営業も含めてビジネスをほとんどやったことない人が中心なんですね。
頭でっかちな人が多いって言ったらいいのかもしれないんですけれども、
つまり、企業を見るときに特に中小型株なんかは、
現場でどういうことが起こり得るのかっていうのを
かなりイメージしなきゃいけないんですけれども、
そこがちょっと弱かったりするようなところがあります。
ただ、ということで食ってしまえば、専門なんとかっていう人が多いんですけれども、
でも、あの人っていうのはそれでいいんです。
むしろそうでなきゃいけないっていうのがあります。
彼らが情報提供するのは主に機関投資家であって、
機関投資家はですね、いろんな情報を集めているので、
専門特化した情報が欲しいんですね。
ですから、専門特化した情報をくれるものを集めているということでですね、
だから別に総合的に知識を持っている人よりも、
ある企業とか、ある事象とか、ある技術とか、
そういうものに専門特化しているものを知識として持っている人を求めているので、
あの人はそれでいいわけです。
で、機関投資家があの人に評価するポイントっていうのは、
基本的には業績予想の合理性とか確からしさ、
担当セクター並びに企業についてどれだけ深い知識や知見を持っているのかと、
それとあと情報のタイムリー性、
それと機関投資家から依頼したことに対してきちんとレスポンスするかどうかということ。
だから機関投資家からしてみれば、
投資判断っていうのは自分たちがやるから、
別にアナリストにはそれを求めてないんだよっていうのが実際のところです。
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だから株価予想が当たるかどうかはあんまり重要じゃないんですよね。
で、これは余談ですけれども、
じゃあアナリストって会社から、所属会社からどういう形で評価されるのかっていうことなんですが、
一番のポイントとしては、
主要の大手の投資家からは市販機ごとにポイントっていうのが提示されるんですね。
お宅の証券会社には何ポイント、
それは誰々さん、誰々さん、誰々さんの貢献に対して何ポイントっていう形で提示されるんですが、
それは言ってみれば手数料に直結してるんです。
これが一番評価の高いポイントです。
で、その次にアナリストランキング。
これは新聞等もありますけど、独自に機関投資家にヒアリングしていったりもしています。
それから営業部門からアナリストがどう評価されているのかっていうところ。
それでその後にですね、
プロダクティビティとか株価のパフォーマンスとか、
その4番目ぐらいに来るような感じです。
ですから、そういう意味では株価が当たるか当たらないかっていうのは、
あんまり評価ポイントにもなってないっていうのが正直なところです。
ここちょっと飛ばしますけど、今情報開示っていうのは、
企業がまずはTDネットで適時開示をして、あるいは自社のホームページに出して、
それに対して加えてですね、
機関投資家アナリスト向けには決算説明会、その他戦略技術、
最近だとESG説明会とかやってますけど、そういうのがあって、
さらに機関投資家向けには特に企業側からワンワンミーティングっていうのを申し込んで、
話をするというような、そういうような流れになってます。
そうした中で、昔はですね、企業のIRっていうのは、
証券会釈サイドに重きを置いていたんですけれども、
最近はですね、この機関投資家側に重きを置くようになってきてます。
その結果としてですね、
特に大手機関投資家は、大手有力企業の社長やCFOに会うことは、
それほど難しくないというような状況になってます。
一方、証券会社のアナリストはですね、
大手のよほどランキングのトップレベルの有力アナリストでなければ、
大手企業の社長に1対1で会うことはできないと、
そういう機会はほとんどないというような状況になってます。
結果的に、機関投資家の方が、これ別にインサイダーという話じゃないんですけどね、
社長と会って、社長が将来ビジョンをどういうふうに考えているのかとか、
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今の業界構造とか社内の問題点はどうなのかとか、
そういう話をヒアリングするような機会っていうのは、
機関投資家の方が多いわけですよ。
そうすると、それと同じ情報を証券会社サイドのアナリストが持とうとするならば、
どれだけ企業と深いパイプを作っていくかということになると、
どうしても企業寄りになっちゃうんですよね。
企業への配慮が必要になってくるというところで、
そうすると、どうしても企業寄りのレポートが出がちになる構造があるんじゃないかなというふうに僕は思ってます。
またちょっと余談ですけれども、アナリストレポートで中立っていう評価あるじゃないですか。
中立って、僕4通りあると思ってるんですね。
一つは文字通り、マーケットに対して株価は中立的水準に推移するだろうという意味の中立。
これが本来の意味なんですが、それ以外に、
例えば今はちょっと悪材料を織り込んでいる過程だから、
一旦中立に下げておいて、タイミングを見て買いにもう一回切り替えようというようなタイミング待ちっていうのはある。
この辺りは普通だと思うんですけどね。
ただ現場レベルで考えると、正直言って分からないっていうのもいっぱいあるわけですよ。
担当してる企業、全部方向性がきちんと説明できるっていうのはまずないっていうのがあって、
当然分からないものは中立になっちゃうんですよね。
それとあともう一つ、面倒くさいっていうのはちょっと言い過ぎかもしれないんですけどね。
カバレッジがたくさんある中で、すべての銘柄に買いとか売りとかポジションを取ってレーティングをつけてると、
すごい体力を使うわけですよ。
あんまり重要じゃないもの、ただカバレッジには一応入れておかなきゃいけないなみたいな、
そういう企業については割と中立をつけてるケースっていうのはあるかなというふうに思います。
それとあと、人によってはっていうことで、すべてのアナリストの人はそうではないとは思っているんですが、
先ほどの企業に配慮する、本当は売りなんだけど、売りって書いちゃうと企業との関係性が悪くなるんで、
とりあえず中立にとどめておくっていうケースはそれなりにあるのかなというふうに思ってます。
基幹投資家の強みと弱みということをちょっと説明しておきますが、
ここはあんまり重要じゃないんですけど、基幹投資家はとにかく情報が詰まってて、
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大手に関して言えばスタッフも充実してるというような状況です。
ただ弱みですけれども、基幹投資家って言ってもお金の出し手は年金基金とか、
言ってみれば最終投資家がいるわけですよね。
その投資家に対して説明をしなきゃいけない。
要するにどういう運用方針で投資をするのかという計画から、
ある基幹の報告書を出さなければいけない。
そういった事務作業にそれなりにファンドマネージャーっていうのは時間を取られてますと。
それと国内では基本的には投資委員会で合議制で最終決定をするというようなフローを取りますから、
それは説明責任とも絡んでくるわけなんですけれども、
その結果として説明が難しい銘柄、企業については投資がされないんですよね。
いくら1人の担当がこの会社はいいんだって言っても、
他の人間を納得させることができないと、やっぱり投資委員会を通らないということになります。
それから一番分かりやすい話になりますけれども、
運用資産額が大きければ大きいほど、小型株への投資が難しいということになります。
実際に5%ルールでいわゆる報告書を提出しなきゃいけないとか、
あとは株式の流動性で小さな会社に投資をすると、
買うときも難しいし、売るときも自分の売りで株価を下げちゃうんでなかなか投資できないというのがあります。
それからさっきのGPIFの例とも絡んでくると思うんですけれども、
基幹投資家は単純にパフォーマンスを求めているだけじゃないんですね。
いわゆるリスク、危険性ではないリスクですけれども、
それも考慮しなければいけないというのがあります。
ちょっと頭の体操ですけれども、単純に2000億円のファンドがあるとして、
80社に投資するとなると、平均すると1社あたりは25億円というふうに計算できるんですけれども、
25億円が5%ルールに引っかからないようにするとなると、
時価総額500億円ないと投資ができないと。
だから2000億円くらいの規模のファンドになってくると、
そこそこのサイズの企業じゃないと投資ができないということになります。
名殻数を増やすということもあるんですが、名殻数を増やすと、
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どんどんインデックスに近づいていくということと、
それを細かくフォローしていくというのは、
やっぱり物理的に人も必要になってくるということで、
ちょっと難しいのかなと。
外国株を組み入れたという一部の運用会社もありましたけれども、
つまり時価総額の小さな企業というのは、
基幹投資家が非常に手薄なところにあるわけですね。
さっきのリスクの話に戻りますけれども、
皆さんご存知の方も結構いらっしゃると思うんですけれども、
金融市場で言われるところのリスクというのは、
危険性ではなくて不確実性なんですね。
不確実性って何かというと、
リターンのぶれ幅になってきます。
つまりぶれ幅が大きいと、それだけ不確実だということになってきて、
平均値からの変えりを、ばらつきを標準偏差として取るんですけれども、
それに一番なじみが深いのがシャープレッションというのは、
投資新宅で聞いたことがあると思うんですが、
いわゆるリターンですね。
リスクフリーレートを引いたリターンですけれども、
それを標準偏差で割ってやったのがシャープレッションで、
例えば格付情報センターのファンド対象なんかは、
このシャープレッションを中心に作っているわけです。
そうすると何が起こるかというと、
パフォーマンスは大したことないけど、ぶれ幅が小さいから、
結果的に良いファンドという評価を受けたりすることもあるわけです。
パフォーマンスが良くてもぶれ幅が大きいと、
あまり良いファンドと評価されなかったり。
だから投資新宅なんかはこういう事情もあるということが言えるかと思われます。
それからポートフォリオ理論と言いまして、
PIFなんか典型的な例なんですけれども、
あるリターンを取るときに、
一番最小のリスクのところの分布を導き出して、
それに対して標準ポートフォリオを作って運用するというようなやり方を
基幹投資家なんかは取るわけですけれども、
むしろ基幹投資家はこのリスクというものに対して、
適合した合理的な運用をしなければいけないというような選択もある。
だからこれって基幹投資家の運用と個人の運用、
株式投資というのを比べること自体が、
そもそもナンセンスということが言えるんじゃないかなと思っています。
こちらは3月4日に開催されたブリッジライブセミナーの前編です。
24:09
この後に配信された後編もぜひご視聴ください。
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