DeNAの急成長と影響
インベストメントブリッジがお届けする、いろはにマネーのながら学習。
この番組では、インターン生2人が株、投資、経済関連の気になる情報を分かりやすくお伝えしていきます。
インターン生の会話をながら聞きする感覚で、一緒に勉強していきましょう。
おはようございます。インターン生の塚田です。
おはようございます。インターン生の山口です。
塚田さん、5月も半ばに入ってきて、本決算の発表も落ち着きを見せてきていますが、
塚田さんはどこか注目している企業などはあったりしますか?
はい、結構いろんなところ見てたんですけど、やっぱり一番気になっていたのはDeNAですね。
確かにDeNAといったら、ポケポケのおかげでめちゃくちゃ株価上がってましたもんね。
はい、そうなんですよ。スマホゲームってすごい利益が伸びやすい傾向にあるんで、かなり注目してて。
で、5月の9日にちょうど決算発表があったんですよね。
期待してた決算の内容はいかがでしたか?
それがですね、やっぱりポケポケの影響が半端なくて、ゲーム事業の利益が10倍になった上で、全体でも利益が黒字転換してめちゃくちゃ高決算でしたね。
10倍ってすごいですね。そしたら株価もかなり値上がりしてそうですよね。
そうなんですよ。でも意外とそんなことなくて、決算発表後週明けの12日には16%予想を記録してるんですね。
死ぬほどいい決算だったけど、株価は大掛けっていう。
そこで今回はですね、DNA株がなぜ決算発表後大暴落したのか、その原因についてお話ししていこうと思います。
そもそもDNAがどんな企業か知らない方にもわかりやすく解説していきますので、ぜひ最後までお聞きください。
さて本題に入る前に、投資初心者が知っておきたい株用語の解説をするちょこっと株辞典のコーナーです。
今日の用語は何ですか?
本日の用語はMeme株です。
Meme株とは、SNSなどへの投稿で注目を浴び、個人投資家が積極的に買いを入れることで短期間のうちに株価が急凍する株を指します。
多くの場合、実績などに基づいて値上がりするというよりかは、注目が集まることで短期的に加熱感を帯びて値上がりすることがほとんどで、値動きはかなり指定株に似ているかなというふうに思います。
値動きがかなり激しく、天井が読みにくいこともあって、初心者の方にはお勧めしにくいものとなっています。
日本ではあまり例がありませんが、海外ではGameStopやBlackBerryがRedditといった掲示板で注目を集め、Meme株となりました。
また、株以外にも同時コインといったMemeコインと呼ばれる暗号通貨も存在します。
こちらも中身の価値というよりかは、コミュニティの盛り上がりが価格評価につながっているため、値動きが読みにくいものとなっています。
利益面で内容が整っているため、完全なMeme株とは呼べないのですが、ポケポケで爆発的に注目を集め、株価が上昇したDNAだったり、
中井騒動後、SNSで度々話題になった富士メディアホールディングスなどは、一時的にMeme株化に近しいものだったと考えられると思います。
それでは本題に入っていきます。まず、DNAってどんな会社なのか、簡単に説明しますね。
株価暴落の原因
DNAは1999年に設立されたインターネット関連企業で、今はスマートフォン向けゲームの開発・配信を主な事業としています。
ゲームはすごく有名なんですが、ゲーム以外にも何か事業をやっているんですか?
実はゲーム以外にもライブストリーミング事業、横浜DNAベイスターズなどのスポーツ事業、そしてヘルスケア、メディカル事業なども展開しているんですよね。
意外と多角的事業を展開しているんですね。
はい、でも現在の主力はやっぱりゲーム事業で、特に去年10月に配信を開始したポケモントレーディングカードゲームポケット、通称ポケポケが大ヒットしているんです。
一時期大学生はみんなこぞってやっていましたよね。
はい。
でもポケポケって具体的にどんなゲームでしたっけ?
はい、ポケポケはスマホでポケモンカードを収集して遊べるカードゲームになっているんですよね。
リアルのポケモンカードをデジタルで楽しめるっていった具合で、基本的にはカードパックっていうガチャみたいなものからカードを集めて、それを元に強いデッキを作って対戦する。
強いデッキを作るにはいっぱいガチャを引いて、カードを集めないといけないという感じです。
なるほど、無料にもちょっと制限があるので、強くなるためには結構課金が必要な感じなんですかね。
そうですね、1日2回まで無料でガチャを引けたりするんですけれども、やっぱりどんどんカードも増えていきますから、納得のいくデッキを作るには課金が必要になってきますね。
なるほど。
実際、ポケポケの業績ってすごくて、5月9日にDNAは2025年3月期の決算を発表したんですけれども、前期の286億円の赤字から一転して、最終損益が241億円の黒字に転換したんです。
先ほども言った通り、ポケポケを含むゲーム事業では、セグメント利益が10倍以上というとんでもない数字になっています。
すっごい、ゲーム1本でそんなに業績が変わるんですね。
ポケモンというのが世界的なIPというのもありますし、世界150カ国以上の国と地域でサービスを展開していて、現時点で累計1億ダウンロードを突破しているんですね。
このヒットがDNAの業績を劇的に回復させたという形になっています。
ポケモンの力はかなりすごいですね。それは株価もかなり上がったんじゃないですか?
DNAの株価は2024年8月に1200円台後半だったんですけれども、今年の2月には4000円台まで急登したんですよね。
わずか半年ちょっとで株価が3倍以上になるっていう。
すごい上昇率ですね。冒頭の話では、今株価が暴落しているって言ってましたよね。
皮肉なことにですね、決算で黒字転換を発表した直後、週明けの5月12日にDNAの株価が大暴落したんですよね。
前週末比で16%以上も下落して、一時は3006円まで割り込む形となりました。
高決算なのに暴落っていうのがちょっとピンとこないんですけど、明確な原因はあったりするんですか?
はい、いくつかあります。まず第一に利益確定売りが出たことですね。
株価が短期間で急登していたので、高決算を機に利益を確定させようという投資家が多かったからと思われます。
なるほど。上がりすぎたから下がったっていうことですね。
はい、例えば2024年にNVIDIAなんかも決算前後で同じことがあって、業績がいいとはいえ急登した分利益確定で反動して下落するってパターンは結構あるあるなんですよね。
なるほど。
はい、それから2つ目の理由として材料手尽くしという見方があります。
株価下落の理由
ポケポケの大ヒットを受けて株価はかなり上昇したんですが、これってポケポケのヒットによる利益を折り込んだ上で急登したっていうことなんですよね。
なので決算で思っていた以上に利益が出るとか、あとは今後に向けて期待できる材料が出るとか、そういう新しい上昇材料がない限り高決算でもそう簡単には上昇しないんです。
なるほど。
その点DNAは2026年3月期の決算について合理的な数値の算出が困難として予想を開示しなかったんですよ。
業績予想を出さなかったんですね。
この点も含めて投資家からもう上がる材料がないんではないかと判断されたため、売り方向に動いたと考えられます。
本当に強くみんな期待していたので、その期待をもっと裏切る形でないと高決算でも株価は伸びにくいというちょっと皮肉な感じになってしまいますね。
その通りです。
そして3つ目の理由としてポケポケの今後への懸念であったり、アナリスト予想を下回った決算という点が挙げられるかと思います。
スマホゲームは一般的にリリース直後がピークで、その後は人気が徐々に加工していく傾向があります。
暴落の背景には投資家ポケポケの成長が今後鈍化するかもしれないといった懸念が現れたと考えられます。
また決算の税引前損益がアナリスト予想の17.9%下回っていたことから、言い換えれば思ったよりも利益が出ていなかったことから、株価の圧縮となり下落に結びついたとも考えられます。
確かに私の周りでも最初はみんなやっていたのに、今はそんな熱心にやっている人って見かけないので、流動性というか話題ってどんどん変わっていってしまうので、そういったものから将来を懸念する見方も共感できますね。
個人的な意見なんですけど、ポケポケってすぐに新しいカードバックが出るんですよね。
だから最新の環境に合わせたデッキを作っても、1ヶ月後にはすぐ片落ちになって、また新しくガチャ引かないといけないみたいな。
せっかく引いたカードでも賞味期限がすぐに切れて置いていかれちゃうんで、僕みたいなライト層はかなり脱落が早いんじゃないかなというふうに思います。
確かに軽い気持ちでやろうと思っている方が増えて、そういった気持ちで始める方が現在離れていって、それが増えていくと思ったら、来年の業績って思ったよりも震わないかもしれないですね。
そうなんですよね。DNAも言っている通り、ポケポケを軸にすると来年の業績予想がかなり難しいので、今はあんまりDNA株には手を出したくないですね。
投資への警告
そうですね。少なくともいろんな企業のアナリストレポートだったり、目標株価が出揃うまで待ちたいところですね。
はい。今投資するのはちょっとエスキーな気がしますね。
それでは本日のまとめです。
DNAはポケポケの影響で黒字転換し、2024年度は最終益241億円。しかしながら利益確定売りや材料で尽くし感、ポケポケの将来性への懸念から5月12日に16%ほどの大暴落を記録しました。
下がっている今が割安に思えるかもしれませんが、業績予想が難しい以上、投資はもう少し材料が揃ってからにした方が無難と言えるでしょう。
なお、本日ご紹介した企業は主観による情報提供であり、投資を推奨するものではありません。投資判断はあくまでご自身の責任にてお願いします。
はい。最後までお聞きいただきありがとうございました。
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最後までお聞きいただきありがとうございました。
それではまた次回お会いしましょう。