インベストメントブリッジがお届けする、いろはにマネーのながら学習。
この番組では、インターン生2人が、株、投資、経済関連の気になる情報をわかりやすくお伝えしていきます。
インターン生の会話をながら聞きする感覚で、一緒に勉強していきましょう。
おはようございます。インターン生の山口です。
おはようございます。インターン生の塚田です。
塚田さん、最近、「スマート農業」って言葉、よく耳にすると思いませんか?
はい。
どんな印象を持ってますか?
テレビで、ドローンとかで農薬まいてる映像とか見たことあって、
本当に進歩したなーってしたみたいな、すげー浅い感想ですけど。
確かに、そうですよね。ドローンとかで、あんまドロー臭いイメージっていうのはテレビで見ないと思うんですけど、
私田舎出身で、小さい頃よく田植えを手伝ったりとか、畑で遊んでいた思い出があるので、
そういった経験から、農業といえば泥まみれっていった印象があるんですよね。
なるほど。じゃあちょっと、ドローンとかにはあんまりいいイメージをお持ちではない。
そうですね。どちらかというと。
なぜなら筋が入っていないっていう。
そんなことはまだ言ってないんですけれども、
まあまあまあ、農業イコール泥まみれっていうのがあるので、スマート農業とかけ離れた印象がありますよね。
僕はもうずっとTOKYを東京で過ごしてきたんで、全然自然な感じはありますけど。
まあまあまあ、そうですよ。東京だと農業って、なんだろう農業って知ってます?みたいなレベルですよ。
もう全然わかんないですよ。これを聞いている地方の方を敵に回してしまいそうですけど、
本当に触ったことなくて。
まあでも、投資先としてドローンとか考えたとき、どうなんだろう?みたいな、
スマート農業とはいえど、あんまりめちゃくちゃ儲かっているようなイメージもなかったりするんですけど。
そうですね。農業って高収入であったりっていったイメージはあんまりないですね。
どちらかというとITとかそっちの投資の方向が向いているのかなって思うんですけど、
でも今回調べてみたら、実は日本の農業って深刻な課題を抱えていて、
それを解決するスマート農業っていうのが注目されているんです。
そして投資の観点からも面白い分野かもというふうに言われています。
なるほど、それはちょっとシティボーイとしてはかなり気になりますね。早速詳しく聞かせてください。
はい、その前にちょこっと株辞典のコーナーです。
今日の用語はスペキュレーションです。
ちょっと僕も知らない単語が出てきましたね。
スペキュレーションとはリスクを取って行う売買取引を指します。
投資よりもハイリスク、ハイリターンで為替相場の変動等を利用して、
主に短期的な利益を狙って行う、長期的な取引のことを言います。
なるほど、スペキュレーションはハイリスク、ハイリターンの取引ということですね。
そうなってくると、やっぱり十分な知識だったり、リスク管理だったり、リスク許容度、
自分の中の定義付けだったりも考えていく必要がありますね。
そうですね、おっしゃる通りです。
では本編に入っていきます。
まず日本の農業が今どんな状況なのかから説明していきます。
実はデータで見ると結構ショッキングなんですよ。
ショッキングっていうとマイナス方面のショッキングですか?
はい、おっしゃる通りです。マイナス方面にショッキングになっています。
どのぐらい深刻なんですか?
はい、まず農林水産省の最新データによると、農業経営体の数が
前年比5.0%減の883,300となっています。
2005年以降で初めて90万を下回ったんです。
2005年には200万を超えていたので、もう半分以下になってしまったということなんですね。
20年で半分って聞くとだいぶ国家の危機並みにまずいんじゃないかっていう感じがしますけど、何が原因なんでしょうか?
一番大きな要因は高齢化と言われています。
基幹的農業従事者の60歳以上の割合が8割にも達しているんです。
平均年齢も68.7歳とかなり高齢化が進んでいます。
68歳って言ったら普通の企業だったら低年退職している年齢ですよ。
若い人が農業やりたがらないみたいなそういうのが影響してるんでしょうか?
そうなんです。新規就農者も減少していて、2015年には約6万5千人いたのが、
2022年には約4万5千8百人まで減ってしまいました。
技術継承も難しくなっているし、人手不足も深刻化していると言われています。
確かにこれはかなりショッキングだし、深刻な問題になってきています。
逆に考えれば、ここに改革のビジネスチャンスがあるということでしょうか?
はい、まさにそうなんです。
この課題を解決するためにスマート農業が注目されているんです。
具体的にはAI、IoT、ロボット技術を使って農業を効率化、自動化する取り組みがなされています。
なるほど。実際にどんな企業がこの分野で活躍しているんでしょうか?
はい、代表的なのはKUOTAです。証券コードは6326となっています。
農業機械の大手企業でスマート農業に力を入れています。
なるほど。KUOTAといえばやっぱり日本の代表的な農業機械、トラクターとかを作っているイメージで、
CMとかめちゃくちゃ印象的ですね。
そうですね。海外の農地でKUOTAのトラクターで耕すみたいなCMをよく見ると思うんですけど、
結構すごい企業だなって思って見てるんですけど、具体的にどんな取り組みをしてるんでしょうか?
はい、すごいのがアグリロボシリーズと呼ばれている自動運転農機なんです。
2024年には世界初の無人運転コンバインを市場投入しました。
トラクター、コンバイン、田植機、全てに無人運転仕様をラインナップしています。
それを使ったらもうほぼ全部の農作業を自動でできるっていうことですか?
はい、おっしゃる通りです。農業従事者が少なくなっている現状で、
ここで無人運転仕様っていうのはすごく注目されているんです。
これだったら別に高齢者の方でも機械を動かすこと自体はできますから、助けになりますよね。
おっしゃる通りです。しかも警察という営農支援システム、農業を営む支援システムを提供していて、
若手農業従事者でも1年目で70点、2年目で1人前に近い農作業ができると評価されているんです。
なるほど、それは本当に革命的ですね。
こちらだったら何年間もかかる技術習得が1年でできるようになるって言ったら、
結構今の後継者不足もまるっと解決できちゃいそうな気がしますね。
そうですね。
業績の方はこちらどうなっているんでしょうか?
久保田の2024年12月期決算を見ると、売上高が3兆162億円、前年同期費-0.1%、
営業利益が3156億円、前年同期費-4%となっています。
前年比で見ると若干減収減益となっています。
減益なんですね。スマート農業が注目されているのになぜなんでしょうか?
主な要因は欧州・北米を中心とした機械部門での減損やコストの増加によるものと言われています。
グローバルな景気の影響を受けやすいんですね。
なるほど。
でもスマート農業分野自体は成長している市場なので、長期的に見れば期待できると思います。
今後も確実に需要はありそうですから、業績も伸びていってほしいですね。
はい。
それでは他の企業についてもお伺いしたいです。
他にはどんな企業がスマート農業に充実しているのでしょうか?
2つ目に紹介するのが、遺跡農機証券コード6310です。
こちらも注目されています。
こちらは特許取得に非常に積極的で、特許庁のその他の特殊機械分野で第2位。
特許査定率は全産業中1位となっています。
1位って聞くとめちゃくちゃすごく感じますね。
これ技術力がやっぱりすごいってことなんでしょうか?
はい。おっしゃる通りです。
年間約2万件の発明提案がされていると言われているのですが、そのうち約6000件を採用しています。
自動走行ロボットトラクターや土壌センター搭載の田植機など革新的な技術を開発しています。
すごいですね。やっぱり特許をたくさん取得しているだけあって、トライアルの数もすごいことになっている。
そうですね。本当に高い技術力を誇っていると言われています。
こちらの企業の業績はどうなっているのでしょうか?
こちらも少し厳しくなっていて、2024年12月期は売上高1684億円で前年同期費-0.9%、営業利益は-14.8%となっています。
こちらも現役なんですね。
国内・国外ともに需要の低迷と在庫調整の影響を受けています。
ただプロジェクトセットと呼ばれる事業構造改革を現在進めている途中で、2030年の長期ビジョンに向けて体制を整えているところです。
構造改革中ということは今後に期待ということでしょうか?
そうですね。その通りです。
短期的に見れば減収でも、長期的に見ればまだまだ伸びしろがあると言えますね。
なるほど。こちらも期待したくなりますね。
他にはどういった企業がありますか?
もう一つ面白い企業があるんですけど、こちらオプティム証券コード3694という会社なんですが、
こちらの子会社のオプティムファームがすごくユニークな取り組みをしているので、少し紹介したいと思います。
上場している企業の子会社なんですね。どんな取り組みをしているんでしょうか?
こちらは楽しくかっこよく稼げる農業というコンセプトで、AIとドローンを活用したピンポイント農薬散布テクノロジーを展開しています。
2024年度は国内最大約2万6千ヘクタールのドローン散布を実施しました。
僕がニュースとかで見たのってこれかもしれないですね。
本当ですか?
でも2万6千ヘクタールって言うとすごい規模のように感じますけど、実際どのくらいの規模なんでしょう?
かなり大規模になっています。26府県133市町村で約100の防状組合やJAが導入していて、継続利用意向が94%以上、利用拡大意向も92%以上という高い評価を得ています。
継続率94%ってパチンコでしか僕が見たことなかった数字なんですけど。
そうですね。継続率ってあんまり使わないですよね。
よほど効果があるっていうことなんですね。
その通りです。どんなラッシュよりも継続力が高いということで。
しかもスマートアグリフードプロジェクトという面白い取り組みもしていて、原農薬・無農薬で作った農作物をオプティムが全量買取してスマート野菜として高負荷価値で販売しているんです。
こちらも新しいビジネスモデルですね。
面白いですよね。
農家さんは安心して栽培できるし、消費者は安全な野菜を買えるしっていうのもウィンウィンですよね。
そうなんです。スマート農業って単に技術を提供するだけじゃなくて、農業のビジネスモデル自体を変える可能性があるんですね。