今日はですね、アイスランドレイキャビック在住の渡辺沙穂さんにお話を伺いたいと思います。
渡辺さん、よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
今日はですね、アイスランドでお話を伺っていると言いたいところなんですが、
今日はですね、いろいろなタイミング等もあってですね、東京の恵比寿でお話を伺っているんですけども、
これ今収録しているのが10月忘日なんですけど、
いきなり、沙穂さんと呼ばせていただきますけど、
沙穂さん、日本に帰国するっていうのは、コロナ禍というかね、ありましたけど、
久々ですか?それか割とこの前も帰ってきてるか、どんな感じですか?
前回6ヶ月前、3月に子連れ、旦那連れで来ましたが、その前は3年ぶり。
そうなんですね。
毎年2回帰ってたのがずっと帰れなかったんです。
それはコロナで?
コロナで。
じゃあそこでまた今回帰ってきてって感じですけど、
この10月忘日ですが、アイスランドに比べると、レイキャビクに比べると、
どうですか?暑い?寒い?
めちゃくちゃ暑いですね。
全然違います?
めちゃくちゃ暑いです。アイスランドの真夏より暑いですね。
本当ですか?
ちなみにアイスランドは今、大体気温って何度ぐらいでしょうね?
5度、6度ってとこでしょうか。
8度ぐらい?
ちょうど僕もね、一度だけアイスランド行ったことがあって、4年ぐらい前だったと思いますけど、
ちょうど9月から10月にかけてだったんですけど、イメージよりは暖かい?
イメージよりはずいぶん暖かいですね。
アイスランドって名前だけで、9月か10月行ってもマイナス23度みたいな、
たまにそういう誤解してる人いると、そこまでじゃない?
そこまでじゃないです。メキシコ湾流って暖流流れてるので、
寒くてもマイナス5度ぐらいですかね、真冬で。
雪は?
雪も降るには降るんですけど、そんなに積もらないですね。
そうなんですね。
スキー場があんまりないんですよ、だから。
そもそも山ってある?
山は…
数ありますね、すみません、失礼しました。
山はありますけど、高い山は氷河の下にあるんで、山として見れるものはあんまり高くないですね。
やっぱりそうですか。
ちょうど飛行機で4年前に上陸するときに、本当にステレオタイプですけど、
岩肌というか地肌みたいな、苔とかで、地球の果てとか別の惑星だっていう感じがしたので、
あんまり山みたいなのないですよね。
そうですね。一応あって、最高峰が2700メートルぐらいで、
日本の登山家のタレイジュンコさん?でしたっけ?が登ってらっしゃいますよ。
本当ですか。
そんな中、今日は個人的にもアイスランド大好きなんで、
沢さんにお話し伺うのをとても楽しみにしていたんですけど、
そもそもですよね、やっぱりアイスランドに、なぜ今レイキャビクに住んでいるんでしょうか?
という一番オーソドックスな質問から、きっかけから伺いたいんですけど。
そうですね、一番初めにアイスランドの名前を知ったのは、ビョーク、歌手のビョーク。
めっちゃ好きです、僕も。ニューアルバム出ましたね。
いいですね、あれ。東京来ますよね?
そうなんですよね。
彼女が好きすぎてインタビューを読んでいたら、
自分のミュージックバックグラウンドとして挙げたものがアイスランドだったんですよ、ただの国。
それを掘り下げていって、国の自然であったり、アイスランドの人々がインディペンデントな気持ちあるところ。
それを読むにつれ、ファンがこじれて、アイスランドに興味を持ち始めたんです。
でもなかなかもちろん行けるわけじゃなくて。
私は大学の時に探検部というサークルにいたんですよ。
結構名前と裏腹に真面目なサークルで文化的、歴史的な文献を読んだりとかして、
専攻ではないんですけどね、結構真面目にやるんですけど、
私は洞窟を探していて、日本で見つかってない洞窟なんかを調べたりとかして、
あるんですか?
たくさんあるんですよ、まだ。
ちょっとしかないと思った洞窟を探検したら長くなったとかっていうのがまだあるんで、
地上に残された最後の未探検のエリアということで、それをやったんですよね。
それでアイスランドに何かくっつけられないかということで、
ナショナルジオグラフ読んでたら、氷の洞窟だったんです。
これならアイスランドにも行けるし、洞窟の技術使えるということで、行ったんですよ。
タイを引き連れて。
探検部として?
探検部の探検隊として。
それで見つけたというか、探検して洞窟の中に入ったんですけど、
知ってはいたんですけど氷河って動いてるから、その洞窟は測量したところになくなっちゃうんですよね。
ただ入った。探検部として活動もやったみたいな満足感で、
帰ってきた頃には就職活動の時期は終わっており、
仕方ないからその活動の中で知り得たアイスランド関連の人たちに仕事ないかって言ってたのが、
行って紹介してもらったのは旅行会社。
ただその旅行会社はアイスランドでやってなかったんですよ。
ああ、なるほど。
しかし、お客さんの一つがアイスランド関係の会社だったんです。
アイスランド関係の会社のためにアイスランド行きのチケットを発見して、
そのためにアイスランド航空に行っては仕事ないですかねって言ったら、
ついに入れてもらった。
すごいですね、それ。
すごい。買った。今思えば。
そうすると大学の時に、逆算するようであれですけど、
就職活動をそもそもあんまりしようみたいになかったってことですか?
それとも考えていたけどアイスランドに見せられて、もうその辺全部ぶっ飛んじゃったのか?
就活も一応周りの流れによってやったはやったんですけど、もちろん本腰が入るわけもなく。
だから面接とか行って進んでいっても、なんかフワフワとしたのがたぶんバレたんでしょうね。
全然飛んだくて、途中で辞めちゃって。
大学も1年多く行って、そのために。
5年して。
今思えばなんでそんなに就活のこと考えてなかったのか不思議。
逆にね。
先ほどの経緯、もうちょっと詳しく伺いたいんですけど、
アイスランドから帰ってきて、やっぱりアイスランドで何かしたいっていうところがあった時に、
アイスランド航空に行ってというのは、日本にアイスランド航空があった?
今もあって、その頃っていいチケットがなくて、カーボンとかだったんですよ。
カーボン式の長細い紙。
本当にチケット。
それを空港でチェックインすると緑になるじゃないですか。
ああいう時代で、直接フライトが飛んでないところは代理店というのがあったんです。
アイスランド航空飛んでないので、チケット販売代理店というのがあって、
それが今でもあるんですけど、私はそこにいたんです。
単純にアイスランドってチョコビンないし、フィンランドからとかいろいろあるんですけど、
日本にもチョコビンはなくても、アイスランド航空だけじゃなくて、
結構そういうものなんですね。
そもそも細かい話ですけど、アイスランド航空自体にも別にそんなにつながりがなかった。
さっきの現地の知ってる人がいろいろたどってて、アイスランド航空にたどり着いたんですか?
日本にいたアイスランド関係、例えば大使館とか、日本アイスランド協会とか、
そういう方々に声かけてたら、アイスランドやってみたい会社がある。
ただそこはやってなかった。やることもなかったんですけどね、実際は。
でも結局アイスランド航空に行くことができたので、きっかけにはなったっていうことですね。
なんかもうね、こうやってお話してるとバイタリティとかすごいなと思うんですけど、
やっぱりその当時からそういう感じだったんですか?
バイタリティかな?今思えば、振り返ればそうかもしれないんですけど、
その時は他のことがよくわからなかったから、わかることだけやってたっていうか。
じゃあなんか僕、それこそ無理やりストーリー作るつもりは全然ないんですけど、
いわゆるなんかドラマティックな動向って、その結果だけを見ればね、あるかもしれないですけど、
割とそんなドラマティッカルな感じでも別になかった。淡々とやってたらそうなってたみたいな。
当時はもちろんアイスランドのことをしようとしたいので、そういう声をかけてもらったらやった!とか思いますけど、
当時の肌感覚ではドラマティカルではなかった。
でも今考えてもやっぱりキーパーソンみたいな人が何人かいて、
その人に会ってなかったら絶対に今、レイキャニックに住んでることはないと思います。
そういうキーパーソンがいてってことだと思いますけど、
つまりアイスランド航空とつながってね、アイスランド関係のお仕事ができたとしても、
それが単発で終わる人もたくさんいると思いますし、
そこから今まさにおっしゃったようにね、
仕事をしてさらに移住してい続けるっていうのは、なかなかポイントがないとそこまで来ないと思うんですけど、
そこからさらに本当に住むところまでっていうのはどういう経緯なんでしょうか?
アイスランド航空の旅行部門みたいなところにいたときに、
アイスランドに行く機会があるんですね。
アイスランドの仕事を日本でやってる人も少ないから、
向こうとやり取りする人も限られてきて、向こうも覚えてくれる。
私は向こうにバイヤーの立場で行くので、向こうも覚えてくれる。
それで今勤めているグレーラインっていう会社の人も、
アイスランドにプロモーションにも来てたんですね。
自社の製品を。
そういうときにアテンドするのもアイスランド航空だったんですよ。
知ってたので、アイスランド航空を辞めて、9年くらいいたのかな。
やっぱりアイスランド好きだし、行かなきゃダメだなと思って、
休みを取ってアイスランドに行って、この会社に連絡したんです。
このグレーライン。
グレーライン社長に。
日本マーケットやりたいんだけど採用しないって言ったら、いいよってなって採用されました。
採用してくださいじゃん。採用しない。そこのポイントをもうちょっと言ってください。
アイスランドの仕事って、やっぱり業界が小さくなるし、
専門商社みたいなのが少ないから、
お客様みたいなのが人についたりもするし、
ツアーの作り方っていうのも簡単なようでそうでもない。
そういうのをグレーラインの人に言ってあったんです。
そのときは引っ越すなんて気持ちはなかったんですけど、
君はどういう仕事をしてるの?どういうポジションなの?っていうときに、
そういうことをアピールしてたんです。
アイスランドって行かれたときご存知だと思いますけど、
ツーリズムがすごい盛り上がってる。
私ラッキーだったのは、盛り上がりの一歩手前に行ったんですよ。
何年ぐらいですか?
8年前っていうと、ぐらいのタイミングで行ったんですよね。
会社も少し緩くて、少し盛り上がって、少しお金が回り始めてる。
日本マーケットを持ってなかったんで、じゃあやってみる?みたいな。
だから向こうも軽い気持ちだったと思います。
ちょうどね、それこそ種明かし程じゃないですけどね、
僕が今回サホさんにたどり着いたのは、
本当はアイスランド直接行きたかったんですけど、
やっぱりいろいろな今のタイミングもあって、
誰かアイスランドで面白い方いないかなと。
調べてたときに、ちょうど5年ぐらい前ですかね、
トランジットって大好きな雑誌で、
現地で何かコーディネートしてる方がね、
編集コーヒー見ると大抵そういう方がいらっしゃる。
そこでお名前を配読して、いきなりアップを取らせていただいたんですけど、
あのくらいのまさにタイミングと、
まさにそのね、サホさんも仕掛け人の一人かもしれないですけど、
アイスランドが日本的にも来たというか来てるというか、
その辺をまさに仕掛けた方の一人でもあるかもしれませんし、
何かそういう潮流みたいなのあったんですか?
そうですね、引っ越して私が2年ぐらい経ったときに、
ちょうど日本でアイスランドのスーパーブルーって呼ばれる真っ青な氷の洞窟が流行ったんですよ。
いろんな場所で使われて、
あのイーチコの大きな駅張りの宣伝にも使われたし、
JALとかかな?
とにかく大きな会社の大きな広告にその写真がバーンって使われて、
で、テレビ雑誌で扱われ始めたんですよ。
で、その問い合わせが旅行会社に増えたっていうようなことがありましたね。
そこからまた伸びてったと思います。
アイスランドって言えばやっぱりベタですけど、
とにかく僕は病気、あとオーロラ、ブルーラグーンみたいな感じですけど、
やっぱり遠いイメージがね、とにかくあったんですけど、
でもいざ行ってみると、いくつか行き方あると思うんですけど、
やっぱり世界一近いヨーロッパということで、ヘルシンキから乗り継ぐとそんなでもなかったかなと思うんですけど、
実際ね、改めて佐穂さん、本当にストレートな質問ですけど、
アイスランドの魅力を言語化するとどんなところにあるんですかね。
アイスランドの魅力、私にとっての魅力は何にもないところ。
すごい分かるって言うとちょっとすみません。
すんでなくせに不尊かもしれないですけど、すごい分かる。
それもうちょい言語化すると。
私、洞窟が好きだった理由って、洞窟の承入石って1センチ伸びるのに何年もかかるんですよ。
だから人が入れるぐらいに大きくなってるってことは何千年とそこにあった。
でも入るまでは誰も見つかんない。
すっごい綺麗なのに。
じゃあここの場所って見つからないけどこんなに綺麗なんだなって思ったんですよ。
人に見られることを期待してないんだなって。
初めてアイスランドに行った時はバックパーカーだって洞窟探査の準備に行ったんですけど、
その時にキャンプしてて本当に何もなかったんですよ。
特にキャンプだし、ヒッチハイクで。
本当に何もなくて、そこがやたら面白い。
その何もないっていうのはね、
僕の話になっちゃいましたけど、始まる前にも話しましたけど、
アイスランド行きながらブルーラグン周辺しかいなかったってちょっと奇特なことをしたんで、
あんまり走り回ってないんですけども、
やっぱり地肌というか苔のだけでドローン持ってったんですけど、
結構ドローン飛ばそうと思ってワクワクしてたんですけど、
意外とドローン飛ばしても絵にならないって怒られますけど、
全部地面ばっかりで。
逆に絵になったっちゃなったんですけど、
いわゆる何にもないっていうさんほさんがおっしゃってるのは、
僕が見た景色の何にもないと同じなのかな?
何にもなさは何にもないんですけど、
泊まられた場所って地熱地帯だからちょっとゴツゴツしてましたよね。
もう少し南部とか内部の方に行くと、
割と緑豊かになるんですよ。
旧春な崖があったりとか、滝がちょろちょろ流れてる。
だからそれだけで綺麗なんですよ。
行きたい場所なのに誰もいないっていうのがすごい。
本当ですよね。
じゃあ、そういう意味では最初に探検隊で行った時に、
何か心を奪われたものがやっぱりある意味、
後から振り返ると全てだったんですかね?