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2018-07-06 18:55

第167回「質問:我の強いクリエイター集団を一つにまとめるにはどうすればいいでしょうか。 」

第167回「質問:我の強いクリエイター集団を一つにまとめるにはどうすればいいでしょうか。 」井上健一郎が、組織・人に関わるあらゆる問題をわかりやすく解説する番組です。
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井上健一郎の組織マネジメント研究所
組織が一体となり、ゴールを達成する究極の快感。
上場企業から中場企業まで延べ200社以上の支援を行った井上健一郎が、
組織・人に関するあらゆる問題を分かりやすく解説します。
こんにちは、遠藤和樹です。
井上健一郎の組織マネジメント研究所、
井上先生、本日もよろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
さあ、今日の質問なんですが、6月からスタートしました
CKP経営大学校マネジメント編の中で質疑応答の質問を大量にいただいておりまして、
手元にすでに30件ほどあるんですが、その中で取り扱いができなかったものを少しずつご紹介いただくということで、
今回は取り扱いたいと思いますので、早速質問でよろしいですかね。
その時のテーマは、「強い組織と弱い組織の違い。これからのリーダー像とは?」というテーマで、
井上先生にお答えされたようですが、その中の質問です。
クリエイター集団の会社のため、画が強いスタッフが多い。
プロジェクトが交互に違うので会社としてのまとまりがない。
画の強いクリエイターがみんなバラバラの仕事をしている会社を一つにまとめるにはどうしていけばよいのでしょうか。
SMEではどうやってまとめていたのかが知りたいです。
これはSMEというのは、私が前に言ったソニーミュージックエンターテインメントの略称ですね。
まさにクリエイター集団の会社ですから。
この強い組織とはどんなものかと、それにおけるリーダーシップとリーダーの役割は何かなという話をした回で、
組織マネジメントのスタートとして話しました。
強い組織を簡単な言葉で表すと言うので、私はまとまる力があることとしなやかさがあることというこの2つの言葉で表しました。
何かというと、しっかりとやらなきゃいけないことが確実にあるというまとまりの良さとか、結集力とか、そういうのは絶対に組織として必要だし、
でも変化に対応できないのは強い組織ではないので、そういう変化に対応できるしなやかさが必要ですよね。
思考のしなやかさみたいなのかなというのはすごく大事ですということで、この2つのキーワードでお話をさせていただいたんですけれど、
例えばソニーミュージックなんかでもそうでした。
ああいうクリエイティブ、エンタメだからではないと思うんだけど、
思考性を対象とするクリエイティブって、要するに99人が反対しても1人がすごく深くプロダクスとかそのものに対して愛情があり、深くこだわりがあるということはすごく大事なことで、多数決の世界じゃないのよね。
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8割の多数決よりも1人の圧倒的なエネルギーが重要だと。
そう、だから例えば楽曲聴かせても、いいね、いいんじゃないっていう、ほとんど10人に聴かせたらみんないいんじゃないこの楽曲とかって言われるより、
なんかよく分からないねとか、俺あんまり好きじゃないなとか言われたりしている中で、すごいねこれってたった1人言った方が、
やっぱりその後のプロダクス、アーティストとかの可能性の広がりっていうのはすごい出てくるんだよね。
だからやっぱり、
そういうものですね。
だからそのまとまりとしなやかさっていった中の、まとまりを先行して求めるものがクリエイティブな世界の組織運営ではないかもしれない。
結果まとまらなきゃいけないんだけど。
でもそのまとまるって何かって言ったら、その子が思っているクリエイティブに対するこだわりが尊重される世界だ、ここはこの場はっていうまとまりなんだと。
つまりみんなが同じ意見になるとか、各プロダクツが全員がなんかこう意見交換して民主的にものが進むというのではない。
ほうほうほうほう。
むしろある種個人の独断先行で言って構わない。
でもそれがいい結果を生むっていう、これがまあることがたぶんまとまりを作るんだよね。
クリエイティブの集団のまとまりを作る。
つまり私たちはこういうクリエイティブの集団だという誇りみたいなもの。
ほうほうほう。
これがまとまりを生むんだと思うんだよね。
じゃあ中のAさんBさんCさんはそれぞれの個性や感性に全然俺の方がイケてると思ってたとしても、その個性自体は尊重してくれる風土とか文化があるということが共通であれば。
というかそれを尊重しないんだったらクリエイティブのチームって作れないよね。
でもそうですよね。
クリエイティブの組織って何かというと個性だから。
個を高めるというか、個を磨く、強烈に力を強くする。
だから強烈に強いものを作られている人の裏側ではちょっとマイナス面もあったりするんでね、チーム運営として。
でもやっぱり個を尊重するっていうのはすごく大事で。
で、クリエイターなのでクリエイティブに対してのエゴとかは別にマイナスに出ないと思うんだ。
それをちゃんと尊重すれば。
抑えちゃうとマイナスが出てくる逆に。
なのでどんどんどんどん発揮させればよくて、この回でも言ったんだけど、
共通のクリエイティブ集団の、ちょっとこれは名前は言えませんが、私ある人間が著名なデザイナーさんの事務所で2年間本当にお仕事をさせてもらった人がいて、近い知人に。
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井上さんご自身?
僕がじゃなくて、僕の知っている人が知っていて。
さすがに日本でも一流に入る人なので、すごいと言っていたその人は。
こだわりとか徹底度とかすごいと言っていた。
なので何かというと、そういう組織運営で意識した方がいいのは、基準を高める。
つまりOKの基準を下げない。
だから個人に委ねるから、個人の判断でいいっていうものじゃない。
もっと高いレベルを目指そうみたいな、緩めない感じかな。
なんかクリエイターだからね。
そこの基準って、この個性を生かすと、それは妥協してんじゃなくて個性なんだっていう、この共通の基準が持てなそうなこの辺りは。
そう、なので僕はよく本当にそれでいいの?っていう問いかけがある。
本当にそれでいいの?という問いかけは、自分自身に対してこの基準で俺はOKなのかということを自問するための問いかけ。
だから本当にそれでいいの?って言った時に、誰も判断できないわけだよね。
本当にそれでいいの?って言われた時に、ふっと止まるんであれば、自分でもっともう少しレベルを、高いレベルをイメージの中に持ってるってことじゃない。
だから本当にそれでいいの?って言ったら、ちょっと一向しようという考え方でしょ。
だからそういう文化。
マネジメントする側としては、そのうって詰まった漢字をちゃんと読み取れるようには見とかなきゃいけないんですかね。
それを繰り返し言っていると、この時の経済学校の中でも言ったんだけど、やっぱりそういうリーダーの口癖の一つとしては、本当にそれでいいの?っていうの大事ですよと。
あともう一個、面白いっていう言葉ね。面白いねって面白がったりとか、それって面白いの?って聞いたりとか、面白さとか、それから自分でOKを出すという基準。
つまりクリエイティブって、どこまでも自分でもうこれでいいよっていうのって、実は止めどもないよね。
これでいいってないのよ。
例えばスペックとかがないから。どこまで追及してこの結論に至ったかというのがクリエイティブの、だから自分をいかに閉じ込んだかみたいなことでしか実はないので、
それは誰かがちょっとこんなもんじゃないんじゃないのっていうのは、誰かクライアントとか世の中が判断することはあっても、
こうやってクリエイティブをやってる会社の中だけ、スタッフ間ではあまり相手がやってることはもっとできるんじゃないですかって言いにくい環境があるね。それぞれがそういう立場で。
だったらやっぱり自分を自答する。自分でこれでいいのかっていうふうに確認するような文化が作られているのがいいので。
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やはりミュージックの場合でも、面白いのかとかこれでいいのとかっていうのは盛んに言葉としてはあったし、あくまでもあくまでもまずは自分の結論っていうのをそれぞれに対して認めるっていうのは多かったので。
それってちょっとイメージとしてどんな感じなんですか。
ほとんどが個人が個人の基準で、自分の中に自問自答しながら本気で全力で向き合い続けながらプロダクターとしているわけですよね。それをマネジメントするっていうのは。
マネジメントできないよね。それはマネジメントできないの。
マネジメントするというよりは、ここはマネジメントよりも支援活動みたいな方になるので。
僕なんかも、これ聞いてる方は難しいかもしれない。クリエイティブな環境にいない人はより分かりにくいかもしれないんだけど、答えのない、まさに答えのない。仕事って答えはないんだけど、どの仕事でも。まさに答えのない。
そのある案件を、あるAというクリエイターが使った時とBというクリエイターが使った時と全然違うものになるくらい、答えがないくらい。となると、どこまでの熱量をそこに込めたかみたいなのしか、ある意味で判断機能がないのよ。
もはやそうなると評価基準もクソもなくなりそうですけど。
まあ評価があるとしたら、最後にそれがどういう結論を導いたかという結論でみたりする。
だからそのプロセスを、あれがいけなかったよって批判してもしょうがないので、通常私が言っている評価の話とはちょっとずれるので。
思いっきりクリエイターに振った組織の場合はという説をちょっと聞いていただきたいですね。
その場合は、やっぱりあくまでももし他社が仕事を評価するとしたら、生まれた結果の質によって評価するしかない。
なので、作り上げたものを作り上げるということに対しての貪欲さを評価するというのはありだけど、やっぱりその熱量とかね。
それはもうこれはね、横にいて感じ取るしかないんだよね。
やっぱりなんか手抜きっぽいなっていうのはわかるし。
僕の場合よくわかったのは、クリエイターが手を抜いているときは説明が多い。
言語が多い?
言語が多い。
喋りすぎ?
同じクリエイターでも自分で言ったぞっていうときは、説明がすごくシンプルで明快なポイントをパチャンっていうことから始める説明をしてくれる。
デザイナーなんかでもそう。今回はこれですとか、ここ見てくださいとか、はっきりしてるんだよね。
12:05
でも若干やっつけの時だってあると思うんだよね。
そうすると、なんかいろんなこと言ってる。
説明しちゃう。
説明しちゃう。
この質問に対する明確な答えかどうかわかんないんだけど、ちょっと皆さんに感じ取ってほしいのは、クリエイティブっていう世界はやっぱりそんなもので、
なんていうのかな。
省エネでも出せちゃう素晴らしさってあると思うんだけど、
でも、どんなに素晴らしい才能の持ち主も、やっぱり海の苦しみみたいなのをしっかりとやってきたなっていうものに対しては、やっぱり認められるし、
その結果が何が生まれるかというよりも、まずそこに評価基準があるので、すごいスキルが高まって、普通の仕事だとしたら、もう120%力使わなくて、8割の仕事でも一般の100%の仕事はできちゃうっていう領域って出てくると思う。
でも、クリエイターの世界って意外とそれがない。
常に120%っていう意識のものが生み出したものが、やっぱりクリエイティブなんでね。
アーティストだってね、舞台とか立った時に手抜きって基本的に全力エネルギーですもんね。
だから、100点作れる費用になった、その100点を80%の力でできるでは、そのクリエイターの限界にも来ている感じがする。
それよりは、それでも120%さらに使って、105点のものを作り上げるとか、で、だんだん高まっていく。
だから、著名なアーティストたちなんかは、ベテランで、やっぱり映像、長いこと続いているアーティストたちは手抜きがないんだよね。
どのポイントに関してもね。
一つ。
一つの作品を全力。
これ最後にここまで話してきた中で、一つにまとめるにはどうしていけばいいでしょうかってご質問になってるんだけど、
Howというよりも、こういうクリエイター集団が一つにまとまっている状態ってどういう状態なんですか?
いい質問ですね。
クリエイターたちが一つにまとまっている状態っていうのは、やっぱり基本的にはお互いの仕事に対しては冷静に評価し合える。
冷静に評価し合えるって具体的に。
人のことだからいいねと言えないじゃなくて、あれはいいよ、今回のあの人のこれってすごくいいと思うよとかって、
やっぱりちゃんとそういう認める評価するってことがお互いにできていると、
クリエイティブに対する評価っていうのがやっぱり組織の中でちゃんとできているという状態になるので、
さっき言ったようにクリエイティブの評価って難しいのよ。
答えないですね。
答えない。だからこそ、僕はすごくいいと思うよとか、
僕の趣味じゃないけどそういう意味ではいいんじゃないですかとか、なんかそれぞれが評価し合う。
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だから、お互いがお互いのクリエイトしたものを論じ合うみたいな場を作るっていうのがいいことだと思う。
そういう状態になるために、組織運営上いっぱいあると思いますけど、何か一つ二つでもいいんですが。
やっぱりクリエイター同士が選ぶ、クリエイターが選別するクリエイターショーだよね。
社内というかメンバーでもいい。
だから例えば今年1年の中で、自作品以外に誰の作品が一番いいと思った?みたいな。
確かにクリエイター同士って、意外とそういうのをちゃんと感じたものにはすげえって言えますしね。
で、その場を与えてあげると言えるし、素直に出せると思うんで。
で、さっき言ったように一つの作品を多数決で決めるものではないんだけど、
今やってるのはクリエイター自身がちゃんと自分の他社への評価、他社作品とか他社クリエイティブに対する評価をする場を作るってことが大事。
ポイントはそこってことですね。
なるほど。
ちょっと一概にノウハウだらけでお回答ができなかった部分もありますけどね。
まさにその辺の感じですよね。
例えばSMEなんかで言えば、ディレクターたちはそういうことはなかったけど、プロモーションマンたちはやっぱり全アーティストのライブを見て、
全員がライブについてどう感じたかを言うっていうコーナーがあったのね。部会の中で。
これはクリエイティブになるのよ。
つまり、いいという人もいれば、全然つまらなかったという人もいてもいい。
とにかくその1個の見たものについて自分がどう感じたかをみんながアウトプットするっていう場があると、
そのクリエイティブというものに対する尊重というのが意識が高まる。
それ自体が一つにまとまっていくということにつながっていくということですね。
本来のやってるクリエイティブをまとめようとする必要はない。
なるほど。
この話を聞くと、普段の組織マネジメントのロジカルっぽい動きと、
何の話してるんだか混乱するようなところもありますが、
クリエイティブということに振り切った組織で言うと、
今日の回答だと、どこかのタイミングでクリエイティブとそうじゃない、
こっちの真逆とは言えない、こっちの論理的な方の。
やっぱりマネジメントが必要とする組織ね。
この辺のグラデーション感というのは、どこかでお話を伺いたいところですね。
でも今日はイメージとして、クリエイティブの世界ってどんな感じかなみたいなことが皆さんに伝わるといいなと。
なぜかというと、この要素はいずれどの組織にも必要になってくる。
クリエイティブが必要になってきているので。
時代性から考えても必要になってくるということですよね。
というわけで、今日の意見をご活用いただけたらなと思います。
18:04
というわけで本日もありがとうございました。
本日の番組はいかがでしたか。
番組では井上健一郎への質問を受け付けております。
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