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2025-09-12 15:41

第542回 キャリア論──物語として経験を語る力

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▼今回の概要

セカンドキャリア/長老の知恵/振り返り/経験の概念化/失敗談を語る価値/佇まい/三人称・メタ認知/意思決定を支える助言/現役を離れても続く人材育成/武勇伝より失敗談

サマリー

井上健一郎は、組織運営と人材育成に関するキャリア論を語り、セカンドキャリアの重要性を強調しています。彼は経験から得た知恵や物語を共有することが、次世代のリーダーを育てる鍵であると述べています。このエピソードでは、キャリアにおける振り返りや経験の物語化の重要性が語られています。また、特に失敗からの学びや、抽象的な概念を持つことの有効性についても論じられています。

キャリアと人材育成の重要性
井上健一郎の組織マネジメント研究所
組織が一体となり、ゴールを達成する究極の快感
上場企業から中場企業まで、延べ200社以上の支援を行った井上健一郎が、
組織・人に関するあらゆる問題を分かりやすく解説します。
こんにちは、遠藤克樹です。
井上健一郎の組織マネジメント研究所、井上先生、よろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
さあ、ということで、今日も早速いきたいなと思いますけれどもね、
今日の質問はですね、ちょっとキャリア論的な質問がありまして、
これ面白い切り口だなと、意外と今までなかったんです。
ちょっとご紹介させてください。
私は長年マネジメント職を務めてきましたが、近々引退を予定しております。
第一線を離れた後も、更新に影響を与えられる人材育成をテーマに
セカンドキャリアを形成していきたいと考えております。
井上先生、ご自身の経験からキャリア後半にあるものが、
どのように人材育成、人事、このマネジメントというものに関わっていけるのか、
ヒントをいただけないでしょうか。
長老の役割と知恵の重要性
はいはい。
本当に定年自体が60から65に延長だったというか、会社も増えてきた。
今までだと60から65年が職宅みたいなんでね、再雇用制度をやってたけど、
それがもう65から70ぐらいまでみたいになる。
ある意味では60ちょい前ぐらいからかな、55ぐらいからとしましょうか。
結構長い時間、ベテラン経験者としていて、
ただ本当に直接的に組織運営とか、例えば部長とか課長とか。
そういう役職者としてはリタイアするみたいなケースはこれもどんどん増えるでしょうね。
時代の流れからもそうですわと。
まあそうですよね。
このご質問者の方の目指そうとされている、人材育成をテーマにセカンドキャリア。
井上先生そのまんまじゃないですか。
もうまさにって感じですよね。
まあ、お前違うだろって言われそうなんですけど。
いやいやいや、完全にその道ですよね。
変な話、例えばインディアンみたいな集落があったとしたらね。
インディアン?
例えばね。
たぶんその村でもいいのかな。
首長的な?
村長とか首長みたいなのもいるじゃないですか。
実際に指導者として、リーダーとしていると。
ただよくあるのは横に長老ってのがいるでしょ。
だから私は自分の中でも意識してきたことだけど、
長老という存在になるっていうのがすごく大事な一つの。
あ、そうなんですか。そんなのを目指していたんですか、初めてって。
最近は、どういう位置でものを発信したらいいのかなみたいなときで言うと、
意思決定者としてではなくて、
なんかとても貴重で参考になることが発言できるといいな、
みたいなことは思ったっていうかね。
井上先生のことを長老って私は言うつもりはないですけど、
そういう方々に求めるのはやっぱり知恵ですからね。
知恵とね。
われわれのほうが早いんで、でもそんなことはどうでもよくて、
それを伝えたときにああーってなる、その知恵がね。思考力が。
知恵とね、知恵見識みたいなところと、
あと大事なのがね、たたずまいなんですよ。
そっちか。たたずまい。
やっぱり懐の深さとか、慌てずにちゃんと物事を思考の中で整理する力とか、
特に問題とかっていうときに当たったときに、
さっきも言ったより思考が慌てないって言ったらいいの。
挙動がじゃなくてね。
自分の経験だけで押し切るとかではなくて、
ありとあらゆる意見も吸収受け取った上で、
こういうことなのかもしれないねとか、可能性としてこうだねとか、
今の話だと、進むべき道っていくつか考えられるよねとか、
いろんな現場で実際に働いている人たちの、
後ろ盾となる議論というか考え方みたいなのを提示してあげられるとよくて、
最終的にどれを選ぶのかは、
やっぱり現場で頑張っている実際に働いている本人たち、
もしくは実際にリーダーシップを取っている部長や課長だと思うんですね。
意思決定の部分になってるんですね。
それでもね、握られちゃったらもういいから引退してくださいよって話になっちゃいますもんね。
そこに意思決定には参加しないほうがいいと思う。
ただ意思決定のための選択肢とか情報を提供してあげることが、
やっぱり役割だと思うんですよ。
小林先生ここまで聞いていくと、
セカンドキャリアの求められるもののハードルがガンガン上がってて、
すごい佇まいと知恵的なものって、相当深いなという感じですね。
そうなんだけど、ちょっとふざけたふうに聞こえるかもしれないけど、
ガチで統治者で必死になっちゃいけないんだよってことなんだよね。
やっぱりどっかですごく客観的なところから少し遠くからものを見る。
自称を遠くから見るっていうスタンスを持ったほうがよくて、
業務を推進する統治者になって考えてしまうと、
どうしても視野が狭くなるから、グッと引いて考える。
そういえば僕のときにも、かつてこういうことがあったなあ、
私もこういうことをしたなあなんてことを思い出しながら、
あのときどうだったっけなあ、ああそうかそうかって。
結局相手のニーズをひも解けなかったからああなっちゃったんだ、あのときはとか。
ニーズひも解いたつもりだけどダメだったときもあったなあとかっていうことが、
実は答えとしてではなくて、そういうことはあるんだという情報としては正しい、
いい情報なわけですよ。
経験からの振り返り
だからそういうふうに考えるための情報の材料を挙げてあげるって言ったらいいの。
私のときにはこういうことがあったよっていうのもいい情報だと思うので、
じゃあどうすればいいんでしょうって悩む相手に対しては、
そうだね僕のときもこうだったよって、どうしたんですかって言われたら、
僕はこうしたけど実はうまくいかなかったんだよね。
じゃあなんでそこから言うと、
僕の場合はあのときこういう選択肢を取ったほうがよかったかと思うしれないねなんていう。
あくまでも情報提供者っていうスタンスっていうことなんですよ。
なるほど。その情報っていうのは知識的な意味の情報ではなくて、
何て言うんですかね。物語的なことなんですかね。
やっぱり体験から来る、今いいこと言っていただいたけど、体験から来るストーリーでしょうね。
その話のきっかけがどうで、天末はどうだったのかっていうことを知ってるのは体験者だけなので、
その物語を語ってあげることは大事かなと思います。すっげえ抽象的な話ですけどね。
聞けば聞くほどハードルはやっぱり上がりゆく感じもするのか。
そうなるとやっぱりやってきた現役時代でどれだけすごい経験をしたという意味ではなくて、
出来事が起きたものに試行錯誤本当にそこに知恵を絞り実践をしてきて失敗もしながら検証をしたみたいなものがあるストーリーを持ってると価値になりそうなんで、
そこが蓄積されてないとってなると、そのように受け止めたんですけど、そうなるとまたやっぱりハードル高いという感じが。
私は誰もが蓄積してるものは持ってると思う。
なのでやっぱりここは振り返り力なんですよ。
長老たるもの、たたずまいを持ってほしいっていう知見も持ってほしいって、
どうやってそれを作るんですかっていうと、やっぱり最大の材料は自分の経験なんですよね。
だから自分の経験を、30年とか40年とかある経験を振り返ったときに、
やっぱり良かったこと、悪かったこと、失敗したこと、今思い出したくもない嫌なこととかいろいろあると思うんですよね。
でも何だったんだろうっていうことを振り返って、
仕事というものに対するいくつかの概念を作ってほしいんですよ。
なるほどなるほど。
振り返りの重要性
先ほど客観的な部分というか、表現されましたけど、
私は関係ないよっていう客観的というよりも、全体観を見るっていう意味での客観的な視点を持つのが、
この長老たる立場で必要みたいなことなんですね。
かつて石原先生という方がね、一人称二人称という表現をされてたけど、
自分視点、相手の立場の視点、一人称二人称。
それをさらに外から見ている三人称っておっしゃったけど、まさにその三人称ですよ。
つまり外から見てる感じ。
でもそうなった時にですよ、振り返りっていうすごいキーワードをまたいただきましたが、
今までやってきた自分の経験が何かってよりも、
その出来事に対して自分がどれだけ当事者として振り返れているかがあると。
そういうことです。
そこは別に非当事者じゃなくていいし、当事者ですからもちろん。
だからここがあるかないかって、どういう仕事をしてきたかって話になっちゃいますね。
うん、だからどういう仕事をしてきたんだろうな自分って振り返ればいいんですよ。
なんかこれってこういうことだなっていくつかの概念を持ってると、
なんで作ってほしいかというと、自分の経験しかものを言わないのかっていうことではなくて、
要は起こったことに対する、今起きていることはどうなるんだろうっていう未来予測をつけるには、
ある程度概念を持った人が作りやすいんですよ。
例えばすごく単純に言うと、仕事というのは、
相手とこちらの提供するものと欲しいものという点が合致しないと無理だよねっていう、
そもそもの原則があるじゃないですか。
はいはい。需要と供給のお見通しですね。
この原則的なものを概念としましょう。
持ってると、いや今回の案件はずれてるよねっていうことが言えたりするじゃないですか。
そういうことなんですよ。
つまり概念を持っている人は起きている事象をよく分析しやすいんですよ。
なるほど。要は物事の現象を見るためのメガネというかフィルターが概念ですからね。
それが見て取れると。
今、遠藤さんいいこと言ってくれた。
そのようなんです。
で、それをもう作りましょう、持ちましょう。
ハードルが高いと言いながら気づいたら徐々に収束に向かって、そういうことか。
それを作るということの準備とかがすごく大事になると、
振り返りをして概念化っていうのを自分の人生振り返ってやっていくと、
まさにこの人材育成というテーマのセカンドキャリアっていうのに繋がるんじゃなかろうかと。
失敗のストーリー
で、そうです。
で、そうしている、それができていると自ずと自然にたたずまいができるんですってことです。
なるほど。
なんかお後がよろしくなりましたね。
いやいや、ちょっと今日まずいかこの回と思いながらドキドキしてましたけれど。
すごいすごい、さすがですね。
そういうことか。
でも今お話聞いてて思いましたが、失敗のストーリーとかをやっぱり語ってくださると、
逆にこうね、そういう長老の方々で自分の成功体験語られる方多いと思うんですけど、
むしろ失敗聞きたいですからね、こちらとしては。
上司になったらブユーデンは語るなっていうね。
その失敗への自分のなんかね、愚かさみたいなこととか喋ってくれたら、
うわーそれまずいな、俺やりそうだなっていうところが思考が回りますからね。
あの遠藤さん言う通りでね、やっぱりみんな当事者だと自分の嫌なところに蓋したくなるんですよ。
でもそれも自分だからさ、見ちゃえばって言ってくれるような人がいてくれたら、
そうか、自分の愚かさってここだったんだなって気づいたら全然いい次のステップに繋がるじゃないですか。
いやそうですね。
まあということですかね。
今日はということですかねというまとめをちょっと無責任ですけど。
ちょっとで抽象的かもしれないけど。
いやいやすごく勉強になりました。
これセカンドキャリアっていうかね、キャリアを考えていく上でのキャリアの思考として、
別にセカンドキャリア関係ないですからね。
今の瞬間から全員上司という立場でもね、全員がやっていくべきのテーマだと気がしますので。
ぜひ概念から振り返り大事ですね。
ということで終わりたいと思います。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
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