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井上健一郎の組織マネジメント研究所
組織が一体となり、ゴールを達成する究極の快感。
上場企業から中場企業まで延べ200社以上の支援を行った井上健一郎が、
組織・人に関するあらゆる問題を分かりやすく解説します。
こんにちは、遠藤和樹です。
井上健一郎の組織マネジメント研究所、
井上先生、本日もよろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
さっそく今日も行きたいと思いますが、
今日はすごいシンプルな質問ですね。
そうですか。
さらっと行きたいと思います。
部下への優しさと厳しさのバランスを教えてください。
多分背景にあるのは厳しく言ったら、
ヘコんじゃったとか、
思った以上に強く受け止めてるぞとか。
優しくしたら、
なんか大丈夫かっていうぐらいにルーズになったみたいな。
ありますよね。
ルーズになったというか、
ルーズさを感じたって言ったらいいのかな。
本人はルーズのつもりはないでしょうから。
いくつかの方向から考えた方がいいんだけど、
厳しさと優しさっていうのが、
何のために必要かっていうのがまず大事かなと。
優しさっていうのは何を表現し、
上司の優しさって部下に対して何を表現するのか、
上司が厳しいとは何を表現するのかだと思うので、
その点でまず整理すると、
置き換えると、
許さんっていう領域と、
それからいいよっていう領域かなと。
つまり許容範囲の中に広げてあって、
いいよ、それはいいよ。
君が考えてやりたいならそうやってもいいよとかっていうのが、
ある意味優しさの真ん中であって、
言葉づらい優しい表現をすることではない。
つまり、いいねいいねとかね。
気分を盛り上げるために非常に優しい。
いいね、大丈夫だよ、早く帰るなとかね。
そういうことだけが大事なんじゃなくて、
何をその人の優しさで一番表現したいのは、
部下が自分の意思とか自分の考えとかでやるとか、
いうものの自由さを認める部分が優しさの代表だと思う。
上司が部下に対して示す優しさの大事なところっていうのは、
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例えば怪我して帰ってきた時に、
どう?大丈夫かい?っていうのも優しさだけど、
それも大事よ、もちろん。
精神的な安全性とかっていうためには大事なんだけど、
本来厳しさと優しさという対比で、
上司のスタンスの中で求めたいのは、
僕が思うのは優しさとは自由さ。
そこまでやっていいですね。
もしくは、やらなくてもいいですね。
いいよ、君がやりたいならそうやっていいよっていう部分だと思う。
部下の考え方に委ねる。
それを許す。
それを仕事で言う優しさという。
上司と部下の中の優しさの表現で大事なポイントはそこかなと。
いや、その他にもたくさん優しさを表現する場面があるし、
言葉もあるし、なんだけど、
言葉はできればどんな場面でも優しい言葉使いの方がもちろんいいので、
ここで言うと本質的にはそこかなと。
じゃあ対比するところの厳しさって何かっていうと、
やっぱり自分たち、我々という表現で言うと、
我々が大事にしなきゃいけないポイントを逸脱するとき。
だから、シープドッグみたいな感じかな。
シープドッグ。
つまり羊飼いの犬。
ワンワンワンワンってやって、こっち行っちゃダメだよって。
柵から出るものは起こる。
ここから群れをある方向に手づけるでしょ。
あの感じかな。
これはもちろん通常の対話の中で導くということもあるんだけど、
導いたり言ってるし、大事なことはこれだとか言ってるのにもかかわらず、
そういうふうに実行しないときとか、動かないときとかっていうときは、
それは違うだろうっていうことを言うことかな。
ここにプラスしてあるのは、本人が言ったことなのにやらないときね。
なるほどね。
本人がやりますとかやりたいとか言ったのに何も動かなかったときは、
これは僕は優しさじゃないと厳しさで言う。
さっきの優しさの本人が決めたことで委ねるよっていうのも、
本人がやると言ったのにやらないというのを委ねる。
どうでもいいよって言ってるんじゃなくてね。
そうだね、やった方がいいねってお互い共有っていうか、
お互いに共感して合意して設定してる行動とか目標とか、
そういうものに対してやらないときは厳しい合意かなと。
つまり線があってね、この線越えたら、
さっきのヒツジの垣根の話じゃないけど、
これ越えちゃダメなのよっていうところを線引きが大事なのかなと。
そうするとこれ線を引けてるような上司とか会社ならいいですけど、
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大抵の会社って線引けてないし基準が定まってないって往々にしてあるじゃないですか。
だから厳しさと優しさってどうしたらいいんですかって言ったら、
裏にあるのはそれなのよ。線引きをすると。
そこがないと厳しくできない?
できないと思うんですよ。
だって理由分かんないもん、僕からしたら。
変な時に急に怒られたとか。
つまり根拠とかが明確じゃなくなっちゃうでしょ、線がないと。
つまりなぜこの人は厳しくしてるのかが分からないと厳しさに対しては、
昔みたいに上司厳しいのは当たり前で、
耐えながら修熟するって言ったりではないから、
厳しさっていうのをしっかりと明示して、
そこから超えないでこっちでやることに関しては、
ある種の大らかさと寛容さで見てあげるっていうのは優しさになってくるから。
これも線引きなんでね。
今、業界にもよるとは思うんですけど、厳しい人ってそもそも少なくなってる感じとか。
厳しくていけなくなっちゃったじゃないですか。
そうですね。時代的にもアワハラとかいう言葉が出ちゃったりすると、
厳しさがどんどん抜けてってるかっていうのは、
組織の中に蔓延してるなという感覚があるんですけど、
この辺りについてはどうなんですか。
でもね、ちょっと変だけど、
若手の中で厳しく指導してほしいと全員が思ってないわけでもない。
要は自分のためになると思えば、その厳しさも部下からしたって許容できる。
それを大きな優しさとして捉えるくらいの感じはありますよね。
愛の持ちというか。
本当にその通りです。
大事なことは何かというと、やっぱり宣言。線引きの宣言なんで。
我々はこれを大事にするよ。こういう仕事の仕方はNGだよ。
平たく言えば、うちは遅刻したら完全アウトみたいなこともあるじゃん。
例えば業種業態とか考え方によって。
そんなようなんでこれ絶対ダメなんだよって言って、
これやったら俺言うからなっていうか、私言いますからねって。
これは怒りますよやったらっていうのを宣言しておけば、
怒ること自体はあ、超えちゃったなって思うから。
そこまでみんなね、優しい上司に対してやることって、
なんとなく少しずつ机を押してね、自分の領地を広めてるみたいなところがあって。
どっちがですか?部下が。
少しずつこうやってね、あ、許されたみたいな。
だんだんゆるくなるって傾向があるのよ。
はいはいはいはい。わかる気がする。
で、それやられると、許していると、あれ許しちゃったからなって、
だんだんこっちもずるずると許していっちゃう。
だからやっぱりどっかで、ここから先はダメっていうのをつくんないといけないから。
例えばね、お客さんに対して、
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例えば寝引き交渉っていうものがあったとしても、
こういう寝引きには応じないとかって決めるのもそうだし、
とか安易に応じるのもそうだし、
その前にこの提案をした上でじゃないとそこには行っちゃダメもある。
だからルールみたいなもんに近いんだけど。
そういうちゃんと線引きをする。あと価値観ベースね。
例えばお客さんの第一主義なんてよく言うけど、
お客さんの第一主義って我々にとってはどういうことですかって言ったら、
逆に言えば、NOという時はいいですかって決めてあげなきゃいけなくて、
何でもYESって言えばいいんですかになっちゃうので、そうすると縛れなくなっちゃう。
NOというのはここですよって決めると、
そこでNOって言っちゃダメでしょうもあるし、
それを引き取ってきちゃダメでしょっていうのも起こる。
でも単純に、
国客第一主義だぞうちらだけ言われると、
いやお客さんのために考えたんですけどって言っちゃうので、
線引きがされてないとここに対応がなくなる。
価値観から生まれてくる基準だったりルールとかっていうのが、
ここを持てない上司とか、もっと言うなら経営者とかは結構、
今や揃えなきゃダメだと思う。
会社として。
特にチームでもそうだけど、
やっぱり揃えておいてあげないと、
曖昧な領域が来たら、
それこそみんなでどう思うって語り合ってもいいから、
曖昧な領域が必ずあるので、
一番いけないのは、
この間怒ったけど今回いいって言ったっていうアンバランスを起こした。
子育てみたいな話になりますよね、そこは。
だからそこは上司も、
これが起こるぞっていうモードにスイッチが入れるためには、
自分の中に線引きがあって、
これ起こってもいいんだっていうか、
起こるべきなんだっていうのがないと叱れないし。
じゃあ優しさとか厳しさのバランスがどうこうということよりも、
ここの問題突き詰めていくと、
自分たちのチームとか会社としての価値観とか基準みたいなものを、
作りましょうとかこれさえ作っていければ、
必然的に俺ら決めたんだからっていう厳しさは勝手に出ますもんね。
例えばだけどすごく単純な話で、
例えばミーティングでは必ず全員発言することとかよく言うじゃん。
だったら発言しない奴がいたら叱らなきゃいけないのよ、本当は。
だけど放っとくでしょ。
放っときますね。
そうすると増えちゃうんですよ。
確かに。
で、みんな発言しようって言ってるのに何でしないんだって言ったって、
なんで言われなきゃいけないんですかっていうことになるから。
そこは許しちゃいけないわけですね。
これちょっといろんな側面からあったけど、
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もう一個の側面から言ってもそうで、
やっぱ若い人っていうことをちょっと捉えると、
若い人って仕事に対してやっぱりやるべきことをちゃんと指示してくださいっていうか、
明確にしてくださいっていうのはあるのよね。
これをやるのがあなただよとかやりなさいよって言われることを言われたら、
それ一生懸命やりますと。
やらないってことあんまりない人が見てて多いのね。
だけどかつての私たちのような世代は、
言われないけどやる。
探してやるとか、聞きに来てやるとか、
そんなような能動的になりなさいみたいなモードはあるんだけど、
まずある意味本人たち受動的とは思ってないが、
受け取ってからまずそれをやるっていうのがモードにあるなっていうのが、
いろんな人たちを見てての感想なんです。
ということは明示しなきゃいけないっていうのがそこにあるので、
さっき言ったことに戻るのやっぱり。
さっきっていうのは?
ルールとか価値観ベースとかを線引きして、
こうだよっていうことを言わないと、
彼に従わないというか。
受け取る力はあるので。
そう、受け取る力あるんだから言ってあげた方がいい。
確かに。
言わないと、なんでなんですかって疑問の方が思ってちゃう。
え、言われてないんですけど。
ちょっと昔だと、言われてないとか言うんですよね、うちの部下って結構、
マイナス点として言ったけど、
今は言ってないよ、あなたが悪いですよって話にもなりかねない。
なるほどね。
これは時間も近づいてきているんですけど、
優しさっていうのは逆に明確になったじゃないですか、
厳しさが基準とか価値観が軸になって、
そこから逸脱しているものは必然的に厳しくなれそうですよね。
優しさっていうのは?
さっき言ったように、やらないこととかに関する優しさじゃなくて、
自分で考えた結果、自分なりにやるということに対しての優しさが一番大事かなと。
つまり、やらないことを、言ったけどやらないことはさっき言ったように叱る対象だと思うんだけど、
やらないっていうモードを優しく見守るんではなくて、
やろうとしているという姿勢に対して優しく見守る。
だから一番典型的な例は失敗。
やろうとした失敗はこれは許す。
そこを優しさというふうに?
そういうのが本当の意味の優しさだと思う。
これはよく井上先生に個人的にもご指摘される器の話に近そうですね。
近い近い。
その時にこっちが嫌っとするということと向き合わないといけない。
なるほどですね。
優しさってそんなところで、
実は優しさっていうのことさら上司が意識しなきゃいけないときは、
優しい気分であったら優しくできるので、
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それじゃなくて、
イラッとかムカっていうネガティブな自分の感情に起きた時に、
優しさっていうものの大事さと向き合う。
自分自身が向き合う。
なるほどね。
自分のネガティブ感情との、部下に対するネガティブ感情の起きたことに対してどう捉えるか。
その起きたことに対しての感情がイラッとかなったこの感情のベクトルを自分に向けて消化する。
そういうやつを結果的に優しいというふうになる上司になったりするわけ。
なると思う。
確かにね。
器がでかいって言われるのはそういうことですけどね。
なんかね優しさっていうと言わないみたいなのが言わないが言えないになっちゃったりするから、
このモードになると厳しさができないよね。
優しいところの甘さの境みたいなところってちょっとテーマになりそうですね。
だから甘いことがいいわけではない。
これまた別のタイミングで甘さと優しさのあたりちょっと話聞きたいですね。
ぜひご興味のある方はご質問いただければ優先的に扱いたいと思います。
お待ちしております。
というわけで井上先生、本日もありがとうございました。
ありがとうございました。
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