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この時間はズームアップ。毎週火曜日は経済です。3人に1人が3年以内に離職。これは25日に発表された厚生労働省の調査。
2021年3月に大学を卒業した新卒の就職者のうち、3年以内に離職した人は34.9%。
直近15年の中で最も高くなったということで、今日は若者の離職にズームアップします。
明治大学教授でエコノミストの飯田泰之さんです。
飯田さん、おはようございます。
飯田さん、若者の離職率が高くなってきているようですね。
はい、これは大変喜ばしい側面も大きいと思います。
ここ数年、人手不足が深刻化していますので、各社は新卒にこだわらず、新しい人材をどんどん採用しようとしています。
こういう状況ですと、大学新卒時に就職した場所よりも、もっと待遇がいい、自分の希望にあった職種に移る機会を得やすくなるんですね。
これは経済学では5、60年前から指摘されていて、景気が良い時のアップワードモビリティ、つまり上の方に移動する現象というふうに呼ばれています。
これは実はマクロ全体、経済全体にとっても、自発的な、昔あったようなリストラで辞めさせられるという方ではなくて、
労働者が自発的に今より自分に向くとか、待遇がいいとか、そういうところに向けて移動すると生産性が上がるんですね。
ちなみに、クビになって移動すると生産性が下がることが多いんですけれども、こういった労働者の移動が大きな経済成長の源泉になるんですね。
ただ、この流動性が高まる局面では一つ注意しなければいけないことがあります。
これはバブル崩壊以降の長期停滞期もそうだったんですけれども、徐々に企業内での訓練、つまりは新人をいろいろ教えたり技能を身につけさせたりという
社員教育、社内で元々ちょっとやらなくなってきていたんですよ、お金がないっていう。
加えて離職率が上がると、一生懸命新入社員教えても他の会社に逃げられちゃう。
そうすると、これまで以上に社内教育が軽視される恐れがあります。
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そういう時にどうするかというと、これは元々雇用の流動性が高いアメリカだと、元々職能教育というのを外部が行う。
つまりは自分の能力を高めるための投資は、労働者自身が行うという方向にシフトしていったんですね。
日本はこっちの方向に行くのか。もしくは、私は結局のところ、相見たがいではないですけれども、
自社で教育した人材が他社に行くかもしれないけれども、他社で教育してもらった人材が自社に来るかもしれないので。
そうですね、その逆もあるわけですね。
日本企業全体で社内教育をしっかりと維持しながら、流動性も高まっていくような、そういった方向が保たれると良いなと思っているんですけれども。
しばしば若手の労働移動、自分で自職して他の職に行くというのは、何か飽きっぽさとか我慢の足りなさという風に
捉えられることが結構多いんですけれども。こと現在、さらに言うとキーポイントは、
21年卒、コロナ中の就職なので、かなり所職が自分の希望と合ってないとか。
あとは普通の就職活動で、20年採用されてる、就職活動してるんですけど、異常な年齢でしたよね。
そうですね。
うちの学生の中でも、結局リアルの面接をやらないまま内定が決まりました。
新卒の就職って4月、5月じゃないですか。もう外出るなみたいな状態でしたよね。
そうでしたね。
私も当時大学生だったんですけど、先輩方は内定の取り消しになった先輩もいたので。
企業側が採用見送る企業も出てきた時でもありましたよね。
今それを思い出しましたね。
そう。ちょっとね、特殊な年だったので、なおさら人手不足の状況というのもあって。
募集があるんだから移動すると。
ちなみに先週末、私はゼミのOB会をやったんですけど、
30代になった子とかも見ていると、やっぱりここ1、2年で就職する人が目立つんですよね。
結構いるのが、これを機に、例えば地方出身だったら地方の企業に転職したという子。
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また逆の、新卒の時は地元に就職したけど、やっぱり東京の会社にしましたっていう子。
まちまちなんですけれども、かなりそういった転居を伴う移動とか、または会社を移るということに、
以前ほど抵抗なくなってきていますし、
実際のところですね、以前ほど企業側が就寝雇用だからという優遇をしなくなっては来ているように感じます。
なるほど。
やはりですね、正直高校だったら18、大学だったら22、
ずっといるところをしっかり自分がいられるところが決まるってことはそんなにないと思うんですよね。
そうですね。
非常に運良く自分にマッチした会社、就職できた人は、もちろんそれはそれでめでたいんですけれども、
これからより一層こういった転職が不利にならない仕組みというのを作っていく。
また企業側としては中途採用が不利にならないような仕組みを用意することで、
人を引きつける、こういった努力が必要になっていくんじゃないでしょうか。
なるほど。ただその人を引きつける努力っていうところは、
いろいろこう企業の体力というか、コストに頼る力がないといけないってことですよね。
人材獲得競争に負けた企業業種がやはりですね、マーケットから退出していくということにはなると思います。
なるほど。
人手不足、働く側にとってはいいことなんですけれども、企業側にとってはなかなか厳しい状況ではあると思いますね。
そうですね。それを勝ち抜いていく必要もあるわけですね、企業にとってはね。
はい、井田さんありがとうございました。
ありがとうございました。
ズームアップ、明治大学教授でエコノミストの井田康幸さんでした。
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