近藤淳也
あたたら自然センターやボルケーのトレイル、そしてボルケーの72を主催する一瀬圭介さんのお話の続きです。
後半は大会の詳しい様子や、これからのお話につながります。
桑原佑輔
今回レースに参加したのが8組で16人の方がレースに出られたと思うんですけども、実際レースがスタートした後はどういった感じだったんでしょうか?
一瀬圭介
レースがスタートした後は、序盤はある程度固まっていってほしいっていうのもあったし、逆にそれぞれみんながどういう装備でどのぐらいの荷物を持っているのかっていうのをいろいろ見てほしいなっていうのもあって、
全泊もOKにして、自然センターの中に泊まる場所もあるので全泊もOKにして、結構半分ぐらい一番遠い人たちは四国からも3人来てたので、そういう人たちはもう全泊してるし、そうじゃなくても愛知だとかわりと遠いところの人たちは全泊してたので、
そういう中でみんなギアを見せ合ったりしつつ、レース中にもそういったものを見てほしいなっていうのがあったので、わざとチェックポイントでピストンするような場所も作って、早くても一番後ろ、8組の中で一番遅くても必ず何か所かですれ違う、ルート上ですれ違うってことも僕らはコントロールしてやったんですけれども、
そんな中で前半、これは早いだけがいいっていうイベントではないんですけれども、トランスジャパンでも2回前ですか、結構もう南アルプスまでトップでずっと行ったこんないさんのチーム、オリエンティングとかで有名な、あと福島さんですね、その2人のペアが断トツで早くずっと進んでいって、
最後までそのペアがね、戦闘行くわけなんですけれども、かわゆえやっぱり72時間っていう設定が自分たちいうのもあれですけど、絶妙な設定でこの時間にしたっていうのも48時間だと最悪ほとんど寝ないっていう選択もあって、そのままゴールできちゃうっていうこともあるんですが、
やっぱり2人で72時間ってなると寝ないわけにはいかないんですよね。寝なかったら多分進めなくなっちゃうので、そういった中でどこで寝るのか、どのタイミングで寝るのがいいのか。
しかもバイオリズム違いますから、必ずしも同じタイミングで眠くなるわけない中で、その辺も選ばせるっていうようなことも含めてやったんですけれども、やっぱりそもそもがスピードが速いこんないさんとかであったとしても、
やっぱり寝てる間にやっぱり後ろが追いついてきたり、そういうのも含めて僕らは全部をついていってるわけじゃないので、まさに息吹を使いながらこれ寝てるんじゃないかとか、あれこれこれね。
何の端末が更新されてないのかどうなのかとか含めていろいろ見てて、ある意味楽しみながらその人たちの行動を見てたっていう感じなんですけれども、結構みんな実力が均衡してる人たちを呼んでいるので、そんなに大きく離れることはなかったんですが、やっぱりさっき私が言ったような寝るっていうタイミングと、
あと睡眠時間ですね。やっぱりそれで大きく差がついてきて、普通に行けばコースタイムだけでいえば全然楽勝でチェックポイント通れるとみんな思ってた。
その矢先というか、3つ大きくその友人、人がいるチェックポイントを設けてるんですけども、第一チェックポイントでその8チーム中、第一チェックポイントを通過できたのは3チームだけっていう。
まあそういうような、アズマ連邦っていう大きな重装炉があるんですけども、そのアズマで皆さん苦しんで、まさかこんなに走れないとは思わなかったってみんな言うんですけども、走れないようなアドベンチャーなルートなんですよね。
しかも夜になる設定なので、まあみんなそこで、逆に我々はそこで苦しんでほしいなというか、ある意味このバンダー社費国立公園を舐めてもらっちゃ困るっていう設定になっているのが、そういうような中盤というかね、ある意味半分ぐらいのところなんですけど。
桑原佑輔
前半からじゃあ結構皆さん苦戦を強いられてたんですね。
一瀬圭介
思った以上に、私は1チームしか完走できないんじゃないかっていうようなことも思ってたぐらいで、ある意味それでいいと思ってるんですよね。
これ、そもそもが旅なので、火山旅っていうテーマでやってるので、思う通りにいかなければもう1回来てもらえばいいっていうコンセプトなので、一組もこれできなかったってなると設定がおかしいんじゃないかって言われると思って、一組は全部完走できるようにっていうようなことも思ったり。
あとは、これレースといえども、いわゆるリタイアっていうのを作りたくなかったんですよね。
なんかここまでに行けなければ、もうそこで回収されるみたいな。いわゆるトレランレースみたいになると、それ以上行っちゃダメです。もうこれで終わり。回収されます。帰ってくださいみたいな感じになっちゃうんですけども。
一瀬圭介
そもそものルールとして、一番大切なこと、これが1秒でも早く帰ってくることが大切ではなくて、スタートする竹温泉の温泉神社って神社の鳥居からスタートするんですけども、この鳥居に戻ってくるっていうことを自分の足で戻ってくるっていうことを前提にしてやってくださいっていうのが一番重要なコンセプトなので、
そこの端末に間に合わなければ、ショートカットルート、要は次の山域をカットして、その次のエリアに行くっていうようなルールにしているので、
たとえそこで間に合わなかったとしても、ショートカットすることによってフルコースで進んでいる人たちとまた接するというか、再び接したり、場合によってはフルコースでやってる人たちよりも前に出たりもするんですけれども、
そういった意味で、参加した人からも新しいルールでこれは面白いっていうふうに逆に言っていただけたんですけれども、タイムに間に合わないからそこで終わりではなくて、そもそもがそういう設定にしておけば、
自分の72時間の間のマネジメントっていうのも含めて、その2人が考えることができるので、ある意味面白いというかね、山の基本である出かけたらちゃんと自分の足で戻ってくるっていうことを体現してもらう。
で、かつその参加したそのツアー者たちも、それが結構苦しかったって、今まではね、なんか体調悪かったりなんだりすれば、リタイアって諦めればいいんですけども、リタイアはないっていう僕らのコンセプトなので、
それがある意味大変だったし、結果一番いいところはすべて通れるような設定になってるんですよね。ショートカットになっても、僕らが本当に見てほしい景色は全部通れるような設定になってて、かつ明るい時間帯、物が見える時間帯に絶景を見せて、暗い夜の時間帯に悪露を通らせるっていう設定がばっちり思った通りにみんな。
思った通りにみんなやっていただけて、ショートカットになった人たちもみんな絶景を見てね、帰ってきてくれたので、そういった意味では思った通りの火山旅っていうのが表現できたかなっていうような感じです。
近藤淳也
すごいこだわりが詰まりまくってますね、これは。
桑原佑輔
本当ですね。
近藤淳也
これちなみに選手の方々は、結構レースというか、割とレースっぽい感じで臨まれてたんですか?
一瀬圭介
レースっぽい感じでは臨んでます。
なのでモチベーションっていうか、そもそもほとんどの人がトランスジャパンアルプスレースに出たり、少なくとも予選までとかには出てたり、それを目指してた方々なので、そういった意味ではスイッチが入るっていうか。
2つね、トランスジャパンアルプスレースでもおなじみのこの絶景、ビブスをつけるとやっぱり気合が入るというか、全員の名前入りのビブスを作ったので、参加者全員の名前が、要はその人の名前が入っているわけじゃなくて、
その絶景の中に全員の、今回の2人×8チーム、16人の名前が入ってて、コンセプトとして、そうやって先を行ったり後を行ったりするはするんですけど、先ほど言ったように最後全員でフィニッシュ地点に戻ってくることが一番重要だってことで、
これ全員仲間だっていうのを始めのスタート前にも強調して言って始めたので、なのでそういう形だったり、あとさっき言ったショートカットを作るっていうのも、やっぱりいろんなこういう長いレース、100マイルだ何だもそうですけれども、やっぱり早いチームと遅いチームみたいなのは、個人だとしてもですけれども、
約1日ぐらいとか間が空いちゃったりなんだったりしてて、そして要はせっかく同じフィールドを共有したのに、会うことなく逆に早く終わったから帰っちゃうみたいなのもあったりするんですけど、この設定だと最後ほぼほぼ全員2時間以内ぐらいに温泉神社にゴールする設定になってるので、
ある意味全員が全員を迎えるみたいな、いうようなことができる形になっていて、その風景もそうやって作ったは作ったんですけれども、すごくいいなと思って、早く一番初めに戻ってきたこんないさんとかももうズダボロになって戻ってきましたけれども、
お別れの通り、3日間も4日間も風呂に入らずに走っていれば、すごい臭いわけですよ。めちゃめちゃ臭くて、多分本人も風呂に入りたいと思ったと思うんですけども、やっぱりどんどんみんな帰ってくるんで、迎えたいって気持ちの方が勝って、公園にある水飲み場で体全部洗って、それでみんなの応援に回ってたっていうね。
すごくいい光景でしたけどね。
桑原佑輔
本当に選手運営の方がもう皆さん一体となって作り上げた大会って感じがお話になりました。
一瀬圭介
そうですね。参加者も含めてみんなでっていう感じがすごくありましたね、実際みたいに。
桑原佑輔
選手の方は終わられた後どういった感想をおっしゃられていましたか?
一瀬圭介
多くはトランスジャパン完走してるって言いましたけれども、確実に今までの人生で経験したものの中で一番きついって言ってました。
コースの設定もそうだし、このルール自体、2人っていう設定も含めて、やっぱり最もきついし思う通りにいかないっていうのは皆さん言ってたので、ある意味こっちの思った通りっていうか、そういうようなこともあったり。
あとはすごく良かったのは2人っていうのもあって、最後ゴールの直前で先に終わったチームもみんな迎え入れてハイタッチしながら帰っていくっていうのもあったし、後は本当にゴールした瞬間、その鳥をタッチするのがゴールだったんですけども、そのタッチした瞬間にその2人がもうお互いに握手したり抱き合ったりなんだったりして、
やっぱり72時間一緒にいて、結構みんなトップで帰ってくる人たちも本当に苦しんで帰ってきてるので、やっぱりそういう旅を共にするっていう感動っていうのが、その人たちにもあったんだなっていうのがすごくいい光景でしたね。
そうですね、そういうのとか、あとは客観的に見てて面白かったのが、その中でそういう本当に長い100マイル以上の距離をやってる人がほとんどだったんですけども、1組2組その100マイルトレーラーニングで100マイルを主に、
毎年100マイルを海外も含めて完走してるような人たちで組んだチームも出てもらったんですよね。そういう人たちがどこまでこの山岳レースに対応できるかっていうのもやってみてもらったんですけれども、やっぱり前半は早いは早いですし、さっき言ったチェックポイントも、
初めのチェックポイントもそういう人たちは3チームのうち1チームはそういうチームが通過はしたんですけれども、やっぱり200キロぐらいになってくると未知の世界になってきて、結局失速して最後は動けなくなるっていうかね、そういうのも垣間見れたり、だからその人たちもすごく学びがあったっていうことで帰っていきましたけれども、
やっぱりそういうのも含めて今後少しチャレンジっていうか、それぞれのレベルの人たちに対してのチャレンジもやっぱり与えていきたいなっていう、そういう機会が次に繋がるというか、また次のステップになるはずなので、そういう機会も与えていきたいなっていうのが僕らのコンセプトでもあります。
桑原佑輔
なるほど、本当に動き続けないといけないというか、72時間っていうのは本当に過酷だなっていうのは今お話を伺って思いました。
ちなみにその時間、スタッフさんはもちろん他にもいらっしゃるわけで、スタッフさんの運営の的なところはどんな感じだったんでしょうか。
一瀬圭介
スタッフの運営もすごく計算して作って、僕ら少人数でやっているので、何て言いますかね、いわゆるトレラン大会のエイドステーションだと3つあったとしても4つあったとしても、そこに用意どんってなってある程度選手が来るってなれば、事前に配置してなきゃいけないじゃないですか。
早いチームと遅いチームが存在しちゃうので、そうじゃなくて、僕らはショートカットも作ることによって、何て言いますかね、1,2,3、3つあったとしたら3つのクルーを作らなくても、1つのクルーがエイドステーションはないんですね。
結局いわゆるエイドステーションはなくてノンサポートなので、そのチェックポイントについたとしても水1つ僕らは提供しないんですけれども。
やっぱり体調チェックとかそういうのも含めて友人チェックポイントを3つ作ったんですけれども、それすらもキャンプっていうかでっかいテント立ててスタッフ側もバーベキューしながら待つわけなんですけれども。
それも何て言いますかね、この進行と並行してキャンプ地を3つ点々と変えていくみたいな形で進めるようにしたので、そういった意味でキャラバンみたいな感じで、そういう友人チェックポイントも1つのクルーで全部やってるみたいな。
桑原佑輔
そうだったんですね。
一瀬圭介
そうですね。
桑原佑輔
分かれるというよりかは本当に一体で全部で動くみたいな感じですか。
一瀬圭介
1チームしかないです。
なるほど。
友人チェックポイントも1チームしかなくて、その1チームで移動して間に合うっていうか、240キロあるので、そのチェックポイント出てった後、次のチェックポイントに来るまでにもう一晩あるので、
全然僕らもキャンプ地も移動することができるっていう、そういうような運営ですね。
桑原佑輔
そうだったんですね。
一瀬圭介
だからそういうのも今回の、いぶきを使わせてもらった1つのあれとして、そういう運営も可視化できるっていうか、どこまでどういうふうに人が進んでるのかっていうのを、
キャンプ地を作るところは携帯電話がつながる場所に設定していたので、僕らチェーンする側は問題なくその辺が確認できるというか、
いうところもあり、その辺も含めてうまく、何ていうか、滞りなくというか、進んだかなっていうような感じは思ってますけど。
桑原佑輔
今回大会でご利用いただくのが初めてだったと思うんですけども、一ノ瀬さん自身は個人で何度かご利用いただいているとお伺いしておりましたが、
全体大会で使ってみていぶきはいかがでしたか。
一瀬圭介
結論からすれば、次回は間もなくというか、今話している数日後に発表するんですけども、
10月にやるんですが、秋の紅葉の時期に。
年に2回やるっていうのも、なかなか240キロクラスはなかなかないんですけど、
やっぱりいろんな季節の旅を楽しんでいただきたいので、
10月も使います。
やっぱり、あれがないとなかなか、これの運営は難しいです。逆に、
距離が長いので、
一つは安全性。
本当に何かあったときに救助に行くというか、いわゆる、
一般的に言うと、この登山届けの意味はあんまないんですよね。
どこから入って、どこに行くって書いたとて、そもそも登山口もいっぱいあるし、そこから入って、
何時にどこっていう保証がないので、
登山届けも作るようがないっていうような、こういうものになると、それに近くなるんですけども、
逆に言うと、いぶきがあることによって、何分前に絶対ここにいたっていうのは間違いなくあるので、
僕らも一応スタッフで何かあったときに行けるように複数人用意はしていて、
いぶきもチェックしてっていうような形を考えると、
安全面と、あとは、さっき言ったような、タンプ地というか、そういう友人チェックポイントのキャラバンを考えると、
それがないとなかなか難しいかなっていうのが実際問題あるので、
次はちょっと実験的にスタッフ側、今回は出場者側だけで運用したんですけども、
スタッフ側にもそれを配置して、両方、運営側も含めて、
ちょっと動かしてみようかなっていうようなことも思ったぐらいな感じではあります。
桑原佑輔
ありがとうございます。まさかの年2回開催の、初めてお伺いしてちょっと驚いていましたけれども。
近藤淳也
僕もです。
一瀬圭介
いや、結構面白いっていうか、実際やっていた人たちも、いやこれは面白いねっていうような感じだったので、
より多くの人たち、1回に出場してもらう人たちをいわゆるトレランレースみたいに、
100人とか200人とかそういうのは絶対やりたくないっていうか、逆に僕ら運営側が全ての人の顔と名前を把握できるような、
そういうような形でそれぞれ出場者も全員を把握できるぐらいの規模感でやりたいなっていうのがコンセプトなので、
少ない人数でありながら回数をやりたいかなっていうか、
いろんな季節にいろんな場所を感じていただきたいし、1回出た人が、いろいろコース変わる大会もありますけど、
一般的なトレランレースみたいになっちゃうと、大体が同じコースだったりはするんですけれども、
僕ら考えている7月にやって10月、次10月にやるのは、7月に出た人であってもその学びを活かせないぐらい、
活かすことができないぐらい、別の設定になっているっていうようなルートなので、
僕らこのバンダイスティック国立公演は、もう一生分遊べるよって言ってるんですけども、本当にバリエーションというか、
それは多岐にわたるので、ぜひ悪露も含めて、どこが悪露なのか、どこがいいのかっていうのを含めて毎回ちょっと楽しんでもらえればなっていう、
そういうふうには思ってますけどね。
桑原佑輔
なるほど、すごいですね。本当に今回出た方でも次回も楽しんでいただけると。
一瀬圭介
楽しみます。間違いなく。全然違う設定だなっていう感じになります。
桑原佑輔
いやー、楽しみですね。
そうですね。今回このVOLCANO72で、結局はゴール、完全なコンプリートをされたのが2チームいらっしゃったんですか?
一瀬圭介
2チームだけ。ただ、自分の足で帰ってきたチームに関しては、フィニッシュっていう、かっこショートカットっていうのはつくんですけれども、
完走したっていうのは与えているんですよね。
別にこれが何かの、いわゆるトレーランニングとかであるようなポイント性の何かにつながるわけじゃなくて、
やっぱり自分たちの計画したものが達成できたかどうかっていうところに重きを置いているので、
そういった意味で、そういうショートカットでフルコースを回避するっていうところも含めて、やり切ったっていう感想はつけていて、
その感想っていう意味では、最後本当に動けなくなって車で帰ってきたっていうチームが2チームあるんですけども、
それ以外は一応感想、でもかっこショートカット1回、ショートカット2回っていう感じで、
ショートカットがつくもののそういう感じで、完全感想が2チームだけっていう感じですね。
なるほど。すごいですね。