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2024-09-25 33:40

#7−4 顧客と向き合え!バリューバーチャライゼーション 〜見えざる月額制の真価〜

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クーポンによるトラブルやAmazonのDVD市場参入を経て、月額制による価値を再定義したNetflix。ユーザーが求める価値に応え、独自の強みを築く「バリューバーチャライゼーション」について解説します。


▼「s07 Netflix編」再生リスト:

Spotify

https://spoti.fi/3Xxnm46

Youtube Podcast

https://bit.ly/3AX3tdQ


▼MC:

尾原和啓(IT批評家) https://twitter.com/kazobara


京都大学院で人工知能を研究。マッキンゼー、Google、iモード、楽天執行役員、2回のリクルートなど事業立上げ・投資を専門とし、内閣府新AI戦略検討、産総研人工知能研究センターアドバイザー、現在13職目 、近著「アフターデジタル」は11万部、元 経産大臣 世耕氏より推挙。「プロセスエコノミー」はビジネス書グランプリ イノベーション部門受賞


▼サブMC:

けんすう(アル株式会社代表取締役) https://twitter.com/kensuu


アル株式会社代表取締役。学生時代からインターネットサービスに携わり、2006年株式会社リクルートに入社。新規事業担当を経て、2009年に株式会社nanapiを創業。2014年にKDDIグループにジョインし、2018年から現職。


▼番組への感想、MCへのメッセージは以下までお寄せください。

https://forms.gle/bHQjcgjCCQkFEFDg9


▼音声編集:株式会社BOOK


▼アドバイザー:株式会社BOOK代表取締役 樋口聖典

サマリー

バリューバーチャライゼーションに関するエピソードでは、Netflixが直面しているDVDマーケティングの失敗と、その後の革新的な戦略が語られています。特に、オリジナルコンテンツの販売やトラブルがもたらす影響が、Netflixの成長にどのように寄与しているかに焦点が当てられています。また、Netflixが市場の変化とアマゾンの参入により、レンタルサービスの戦略を大きく変える決断をする様子が描かれています。これによって、月額制の導入や在庫管理の最適化が図られ、顧客が求める価値の実質化が進む過程が語られています。このエピソードでは、顧客にとっての実質価値とバリューバーチャライゼーションの重要性が説明され、特にサブスクリプションモデルの進化について考察されています。テクノロジーの変化が新たな価値を創出する様子と、MBAの人脈形成に関する実践も取り上げられています。

Netflixのバリューバーチャライゼーション
スピーカー 2
はい、というわけで、Netflix編第4回ですが、今回はバリューバーチャライゼーションについて。
スピーカー 1
いいですね、ちゃんと言えるようになりましたね。バリューバーチャライゼーションの回。
スピーカー 2
さすがにね、前回なんちゃらとしか覚えられなかったので、覚えました。なんすかこれ。バリューバーチャライゼーション。
スピーカー 1
バリューバーチャライゼーションは、そのまま翻訳すれば、本当にユーザーが感じている価値に着目せよという話なんですけども、その手前に大事な話をしなきゃいけなくて。
スピーカー 2
今回、Netflix編を話した時に、成功だけじゃなくていっぱい失敗しながら学んでるよって話も言ったじゃないですか。
スピーカー 1
実は、さっきの回のDVDメーカーという有効で有限なリソースを先に提携しちゃうコーナードリソースの話をしたんですけど、そこから結構Netflix大失敗するんですよ。
スピーカー 2
そうなんですか。
スピーカー 1
こうやってメーカーと組んだことによって、DVDメーカーにクーポンついてるから、新規ユーザーめっちゃ入るじゃないですか。これどうなったかっていうと、ある日、Netflixの社員が気づくんですよ。
スピーカー 2
めっちゃ同じ住所にレンタル送付してるなって気づくんですよ。何が起きてたか。なんと、NetflixはDVDメーカーへのクーポンを箱の上に貼っ付けただけだったんですよ。
つまり、僕だったら絶対やってるんですけども、要は家電屋さんに行って、そのDVDメーカーのクーポンのコードをひたすらメモって借りちゃうっていう人がめちゃくちゃ増えちゃってる。
なるほど。不正に使われちゃったってやつですね。
そうなんですよ。これ、二重に辛いんですよね。
スピーカー 1
一つは、すでに会員で明らかに無料で使ってやろうっていう、会社にとってはプラスにない人にめちゃめちゃレンタルが行くと同時に、もっとめんどくさいのは、どのDVDのクーポンがそういう不正プレイヤーによって使われちゃって、不正プレイヤーに使われてないクーポンの判別ができないから。
本当にDVDプレイヤーを買った人から、使えないんだけどって。クレームがめちゃめちゃ来ちゃって。それで困るみたいなことをする。
スピーカー 2
なるほど。かわいそう。
スピーカー 1
そう。っていうのが、むちゃくちゃで大変みたいなことが起こっちゃうみたいな話があって。
だからこれ大事な話って、一見戦略として見ると、さっき言ったDVDプレイヤーとクーポン組むみたいなのがむちゃくちゃいいんだけど、オペレーションレベルでクーポンコードを見える場所に貼っ付けるみたいなことをしちゃったがゆえに、被害が出ちゃうし。
しかも被害が出てからじゃないと気づけないっていう。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
こういうトラブルって、実はNetflixとかでも結構あったんだぜって話なんですよね。
オリジナルコンテンツの導入
スピーカー 2
今となってはばっかで、と思うかもしれないですけど、当時ってそこまでこの辺のリテラシーが普及してないというか、こういう悪いことに使われるんだっていうノウハウがないのでね。
そうなんですよ。
難しかったのかもですね。
スピーカー 1
そうなんです。
みたいなクーポントラブルもあって、ちょっとネタ的な話が続くんですけど、次にじゃあNetflixはですね、ユーザーを獲得する秘術みたいなことを見つけるんですよ。
スピーカー 2
秘術。
スピーカー 1
それはやっぱり当時、DVDのコンテンツって実はそんなに多くなくて。
さっき言った97年の創業の頃で言うと、全部で700種類ぐらいしかDVDなかった。
スピーカー 2
そんなんしかないんですね。
スピーカー 1
でも逆に言うと、700種類ぐらいしかなかったから、そのDVDがすべてここにありますよ、みたいなコンディションをつけることによって広げることができた。
さらに言えば、ぶっちゃけDVDも最初の頃は9割が販売で、1割がレンタルだったんですよ。
だからまだまだDVDっていうものの定着がなかったから、やっぱりDVD買える人って品質重視な人だから、レンタルっていうよりかは買っちゃうっていうのが中心だったんだよね。
っていう中で、メーカーへのクーポンテンプ作戦がちょっとうまくいかなくなった。
あとでクーポンをちゃんとコード見えないようにやって大丈夫になったんですけど、
ネットフリックスが今度何をやったかっていうと、オリジナルコンテンツをこの時点で販売を始めるっていうのをやるわけです。
スピーカー 2
この段階でもオリジナルコンテンツを作ってたってことなんですか?
スピーカー 1
はい。いわゆる98年の段階なんですけど。
知らなかった。
何やったかっていうと、実は最初のネットフリックスオリジナルはちょっと覚えてない人多いと思うんですけど、
当時クリントン大統領が大統領官邸でちょっとちょめちょめなことをやっちゃったっていう事件があったんでしょうね。
スピーカー 2
なんか不倫事件みたいなのありましたね。ちょめちょめて。
スピーカー 1
そうか、ちょめちょめもう古いのか。
スピーカー 2
令和ですよ。
スピーカー 1
そうか、すいません。
スピーカー 2
ちょっとごめんなさい。
スピーカー 1
不適切なことをやってしまって話題になったわけなんですけど、これ今でこそYouTubeとかあればもう解説動画がめっちゃ流れるみたいなことじゃないですか。
でも当時解説動画なかったわけですよ。
スピーカー 2
そうか、確かに。
スピーカー 1
なので、じゃあこういうみんなが見てあがってるコンテンツをDVDだったらすぐにプリントすることができるからって言って、
ネットフリックスは新規獲得の要としてネットフリックスオリジナルって言って、クリントン大統領の不適切なっていうものをDVDで販売するってことをやったんですね。
スピーカー 2
面白い、今だったらすぐ何か事件あったら何々について解説しますみたいなYouTuberが、もうその日のうちに出てくるあれをDVDで当時はやってたってことですね。
スピーカー 1
言い方悪いんですけど、これネットフリックスのオリジネーション、根源なところに近い話で、
いわゆるテレビでは報道しづらい政治スキャンダルを踏み込んだ形で見れますよと。
ということで、もうネットフリックス、これを新規会員の獲得のチャンスにしようって言って、10ドルで最初、正確に言うと9.95ドルで売るんですよ。
そしたら2000枚があっという間に売れまして。
スピーカー 2
いや、そうですよね。今でもこれYouTubeだと再生されそうみたいなやつですもんね。
スピーカー 1
そうなんですよ。これで味を占めたネットフリックスは、なんとこのDVDを2000円、要は日本円で言うと3円に値下げするんですよ。
スピーカー 2
おお、売れてんのに。
スピーカー 1
そう。要はネットフリックスからするとDVDの販売収入というよりかは、それをきっかけにネットフリックスの会員になってもらって、
2枚目、3枚目以降をレンタルだったり販売につなげるという方がずっと大きいわけですよ。
スピーカー 2
そういうことですね。1人当たりの獲得単価で言うとめちゃくちゃ安いってことですね。
スピーカー 1
そうなんです。それで当たり前ですけど、10ドルで買った人間はクレームしますよね。
で、慌ててネットフリックスが10ドルで買った人たちに、その2セントとの差額、9.7ドル、970円ぐらいをキャッシュバックして。
スピーカー 2
それでも2セントで売ると、もうすればするほど、もうそのDVDが売れるから簡易獲得できるみたいな状態になっちゃうんですよ。
面白い。安いですもんね。
スピーカー 1
そうなんです。実はそのDVDって、1枚の原価って実はもう100円以下で、大量に購入すると1枚に3、40円みたいなものになるから。
でももちろんDVDってビデオのダビングと違って、コンピューターによる印刷なので、印刷のコストの時間とかも安いんですよね。
だからそこまで、おそらくですけど、送料含めて持ち出しで500円とか1000円いかない範囲で新規会員が獲得できるということで、ネットフリックスは最初のオンライン文春だったっていう話なんですよね。
スピーカー 2
そうですね。スキャンダラスなもので集客をして、それを獲得単価で見ると安いからどんどん広げていくっていう。
スピーカー 1
なんですけど、ここからまた起こるんですよ、事件が。
競争の激化
スピーカー 1
これ当たり前だけど、このDVDの印刷自体はネットフリックスで最初やって出荷してたんですけど、めちゃめちゃ当たるじゃんということで、外部に委託するようになったんですね。
そしたらまた同じようにしばらく経った頃にユーザーからめっちゃクレームが上がってくるんですよ。
クリントンと思ったらめっちゃハードポルノ流れるじゃねえか。
要はその当時のDVDを安く印刷してくれるメーカーさんって、言い方悪いですけど、そういうポルノとかを販売する会社さんの下請けが多くて。
その会社さんがクリントンのオンライン文春のDVDとポルノのDVDの両方受け売ってたもんですから。
かつ、ネットフリックスも結局2セントでクリントンのDVD売ってるから、ラベルを丁寧に貼るとか、そういうのいらねえだろうと。
ということで、もうラベルなしで、ただ中身だけスッて送るみたいなことをやってたから、中身のチェック機構がなかったんですよね。
スピーカー 2
なるほど。ミスで送っちゃってるんですか。
スピーカー 1
そうなんです。それで、そこの下請けの印刷工場が、いくつかクリントンのものに間違えてポルノが混ざっちゃって。
で、炎上みたいなことが起こったんですけど。
でもこれ面白いのが、当たり前だけど、アダルト映画が含まれた方にはごめんなさいと。
当然クリントンの方をお送りしますし、返品もしてくださいっていうことをやったわけなんですけど、結果どうなったかっていうと返品はゼロ。
新しいクリントンのDVDだけ受け止めて終わりっていう風になって。
スピーカー 2
まあ、そうですよね。
スピーカー 1
むしろそれによって、ネットフリックスの炎上効果で、むしろこれで5000人登録が増えたらしいですよね。
スピーカー 2
まあ、そうですよね。事件があって面白ニュースとして消費されて、ネットフリックスもごめんなさいミスですってやってるのでそんなダメージないけど、それのニュースによってこんなクリントンの面白動画見れるんだみたいに告知になっちゃってるっていうことですね。
スピーカー 1
みたいな話があって、いろんなトラブルを抱えながらもネットフリックスは事業を伸ばしてくるんですけど、この時ついに巨人が動き始めるんです。
スピーカー 2
巨人。
スピーカー 1
アマゾン。
スピーカー 2
アマゾンさん。
スピーカー 1
はい。
アマゾンが、さっき言ったように当時で言うとアマゾンが書籍の販売における巨人だったわけですよね。
で、このアマゾンが書籍と同じような性質を持って、軽くて運ぶ費用が少なくて、かつロングテール品種も多いっていうことでアマゾンがDVD販売に乗り出すぞということで、実はアマゾンがネットフリックスに買収申し出るんですよ。
で、この時の金額いくらぐらいだと思います?
スピーカー 2
まだちっちゃいですからね。100億ぐらいとか。
スピーカー 1
いやいやいやいやいや。もう1400万ドルから1600万ドルっていう話。だから当時の通貨レートで言うと14億円から16億円。
スピーカー 2
ほんとにちっちゃい買収なんですね。
スピーカー 1
そうなんですよ。
スピーカー 2
でも目をつけるのはすごいですね。
ネットフリックスの戦略転換
スピーカー 1
そうですね。さすがジェフ・ベソーズっていうことで。実際、結局このディール自体は当然断るわけなんですけれども、これでやばいなと。やっぱりオンライン販売は当たり前だけど参入障壁がないから、アマゾンも出てくるだろうし、いずれブロックバスターも出てくるだろう。
なので、もうネットフリックスからしてみると、当時販売の方が収益が上がってたんだけれども、やっぱりレンタルの方にスライドしていかないと難しいなという決意をするわけですよ。
スピーカー 2
整理すると、やっぱりDVDって9割が購入だったので、1回購入側に振ってるというか、力を入れてたという時期があったっていうことなんですか?
スピーカー 1
それでいうと、並列でずっとやってたんですよ。
なるほど。
やっぱり当時のマークからして、ヘイスキングからしてみると、短期的には並列でやるけど中長期はレンタルだと思ってたんだけれども、どうしても販売の方が動くから販売もやっていたって感じなんですよ。
スピーカー 2
なるほど。
スピーカー 1
だから実際さっき言ったクーポンみたいなものだったり、会員獲得みたいなものはできるだけレンタルに寄せるように頑張ってたんだけれども。
スピーカー 2
なるほど、そういう感じなんだ。
スピーカー 1
という中で、ただ実質的には販売の方が収益を上げていたんだけれども、いよいよAmazonが買収提案をしてくるというようになって。
じゃあレンタルをどうやって伸ばすかってことを、必死で考えなきゃいけない、販売からは逃げなきゃいけないという状況に追い込まれるわけです。
スピーカー 2
これ時系列的にはAmazonがDVDの販売を開始して、買収提案もあって、ってことはこれいよいよ力入れていくんだなっていうシグナルとして受け取って、レンタルの方に振り切ろうみたいになったみたいな。
スピーカー 1
だから正確に言うと、AmazonがDVDに販売に乗り込むので、始める前に、だったらNetflixにお前らうちに買収されないって提案きた。
そういうことですね。
結論、ここ細かい話なんで掘らないんですけど、結局Amazonの提案をNetflixは蹴るんですよ。
なんだけれども、うちら的にはレンタルの方に特化していきたいので、販売の方はもうシュリンクさせていくんで、レンタルの方はAmazonからアフィリエイト的に送ってもらって、販売の方はむしろAmazonに渡していきますよっていうディールまでいくんですよ、最後。
スピーカー 2
へー、そうなんだ。
レンタルサービスの深化
スピーカー 1
だけどこのタイミングで言えば、まだAmazonはDVD販売の方に入るっていう意思決定をしたから、売れや、っていう圧力をかけてきたっていう感じですね。
スピーカー 2
なるほど。
スピーカー 1
いよいよネット販売だけではもう戦略優位性は立たないし、本とDVDという重ね売りをした方が会員獲得とか圧倒的に楽だし、倉庫とか配送とかも圧倒的に使えるわけなので、
ネットフリックスはレンタルをどうにか伸ばさなきゃいけないっていうことで悩んで、3つのアイディアが生まれるんですね。
1つは月学生だと。
スピーカー 2
月学生、はいはい。
スピーカー 1
2つ目は、ビッシュリストみたいなものを作って、いわゆるこのレンタルが返し終わったら次を送るよっていうことをやることによって連続的に借り続けるっていうことをやりましょうっていうことです。
スピーカー 2
なるほど。
スピーカー 1
あと3番目が、レンタルをやるにしても在庫倉庫っていうのがコストになるわけですよ。
だから、配送というものをもうちょっと全国に分割していくみたいなことをやろうかっていう3つのアイディアが出てくる。
結果的に言うと3ついっぺんにやっちゃうんだよね。
スピーカー 2
へー、なるほど。
スピーカー 1
っていうことをやって。
よく言われるのが、この月学レンタルを考えた時にリードが、もともとアポロツサーティっていう映画を借りてて、延滞料が40ドルも払っちゃったから、それが嫌で月学生を考えたっていうふうに言われてるんですけど。
スピーカー 2
はい。
スピーカー 1
これ本人がもって言ったエピソードらしくて。
スピーカー 2
へー、なるほどね。
スピーカー 1
後でマークが嘘です、それって。
スピーカー 2
企業家あるあるですね。
スピーカー 1
企業家あるあるエピソードトークをシンプルに強いものにしがちっていう話なんですけど。
ただ大事なことが、ここで月学生になったことと、さっき言ったリスト化してれば自動に送ることっていう話と、さらに言えば在庫倉庫を分散することっていうのが全部シナジーが出るんですよ。
なんだけど、本質的に大事なのがようやく今回の回の、もう後半の後半になって出てくる、何でした今日のテーマは。
顧客価値の実質化
スピーカー 2
Purdue Virtual Realization
スピーカー 1
ですね。
価値が実質的に変わるっていう話で。
要はもうネットフリックス的に言えば、アマゾンがもう販売の方に参入してくるからレンタルでしか生き残れない。
レンタルで生き残るためには1個1個に対して金額を払ってるっていうことをやってたら、やっぱりもうユーザーのノリがついてかないから月学生に掘り込むんだっていうことで、逃げた上で参入したわけですよ。
でも面白いのが、逃げてみたらユーザーが求める価値がガラッと変わっちゃったってことなんですよね。
つまり何かっていうと、月学生になると借りなきゃ損になるじゃないですか。
スピーカー 2
そうですね。
スピーカー 1
そうすると借りなきゃ損っていう風に変わると、見る動画変わるんですよ。
スピーカー 2
なるほど。
スピーカー 1
そうやって掘っていくと、借りっぱなしでもOKだから、何回もずっと見てたらいいっていう。
ミュージックビデオだったりとか、環境的なビデオみたいな方がニーズがあったりとか。
スピーカー 2
なるほどね。流しっぱなしでもあんま見なくてみたいなこともできるわけですね。
スピーカー 1
価値になってくるし、さらに言うと一番でかかったのが、もう一つの監督作品を全部見るとか。
スピーカー 2
いやーわかる、なるほど。でもこれ確かに月学生でないとやらないことかもしれないですね。
スピーカー 1
そうなんですよ。だからやっぱり今までは借りたり数でお金を払ってると、できるだけ早く返さなきゃいけないから。
できるだけ早く見なきゃいけないって焦らされるように見るみたいなことが月学生になると、もう一定金額借りてるから。
だったらもう見たいときにゆっくり見ればいいよということで、実はゆっくり見るっていうような需要っていうものの価値が見えてくるって話だったり。
本当はこの監督作品を全部見たいっていう欲望はあるんだけど、1本いくらっていう形になってると、
この人のデビュー作確かに見たいけど、この人のために1本300円わざわざ払うか?って思ってたものが、
いやいや、同じ月学だったらもう見て返して見て返してってやることによって、早く全部見た方が得じゃんっていうふうに変わるわけですよね。
だからこういうふうにビジネスとして考えると、単発で払う値段、個別課金から月学で払うサブスクリプションに変わっただけでしょって思うかもしれないけど、
実はお客さんが求める価値っていうものが実は変わっていくんだよ。
そういう価値ってものを細かく分解して見てて、実質的にお客様は何の価値を求めてるんですかっていう価値の実質化のことをバリューバーチャライゼーション。
バーチャライズとバリューっていう言い方をするんですよね。
スピーカー 2
でもさっきの話で言うと、やっぱり1本1本だと最新作の話題作を見ようってなって集中しちゃいがちだけれども、
月学制にすると結構バラけてロングテール的な見方もされるので、在庫の管理とか、要は最新作は100本最初に用意しなきゃいけないけど、
1ヶ月経つと見られたくなるから無駄になっちゃうみたいなことも解消するとか、いろんなことがドミノ倒しのように起こる感じになりますよね。
スピーカー 1
そうなんです。かつ大事なことが、初回で言ったエマージェントストラテジーみたいな話で言うと、結局ロングテールなものも見なきゃ損に変わるので、
そうするとむしろ新作っていうものの揃えてますよっていうことよりも、あなたの全部見たいをうちはカバーできますよっていうふうに必要な価値が変わってくるから、
じゃあそれをやるためにレコメンデーション、あなたは次見たいのはこれですよねっていうふうな推薦をできるようなレコメンデーションシステムだったりとか、
そのためのDBを抱えていきましょうっていうふうに必要な要件も変わってくるって話なんですよね。
スピーカー 2
なるほど。バリューバーチャライゼーションって、要はお客さんの価値が変わったときに、これが価値なんだっていうのに合わせていろんなサービスのアップデートとか、サービス内容を変えるみたいなことをするみたいなのであってますか?
スピーカー 1
そうです。だからバリューバーチャライゼーションで大事なのは、お客様がなんとなく提供者が思ってる価値以上に他の価値を求めてるものがあって、そのお客様が実質的に求めてる価値をちゃんと分解して当てていきましょうってことなんですよね。
例えばわかりやすい事例で言うと、MBAとかってあるじゃないですか。MBAって何の価値を求めていってる?
スピーカー 2
学習で提供されるコンテンツを知って知識になるみたいな感じですかね。
スピーカー 1
っていうのが表面的な価値じゃないですか。
でも実質的な価値って、いや俺ハーバード出身だからっていう肩書きを求めてる人っていうのもあったりするし。
スピーカー 2
確かにね。
スピーカー 1
これハーバードインサイダーだからって言って、ハーバードのMBA同士だからアクセスできる人脈みたいなものにつながることができるよね。
さらに言えば、大体MBAは社会人が行くケースが日本人の場合多いので、MBA行ってる2年間、今までがむしゃらにやってきたから、一旦小休止して自分のキャリアを見直す2年間を欲しがるっていう場合もあるよね。
スピーカー 2
なるほどね。何にもせず2年間過ごすわけにもいかないけれども、MBA通ってますって言うと、キャリアの断絶がないけど考え直すきっかけの機会にはなると。
スピーカー 1
自分の価値を上げながら自分のキャリアを見つめ直す機会にもなるっていう風に。
こういうふうにMBAを表面だけ捉えちゃうと、高度な学習をするっていうことですよねっていうふうに見ちゃうんだけど、実質的にお客様が求めている価値って他の部分にあって。
それがテクノロジーの変化によって実質的な価値の方が実は重きを置かれるみたいなことが置かれるわけですよ。
スピーカー 2
これもっとしょぼいというか身近な例で言ってしまうと、カラオケボックスが歌う場所として提供してたけど、よくよく使われ方を見ると子供を連れたお父さんお母さんが集まる場所として使われてる。
なぜなら子供が騒いだりしても大丈夫だから。なのでじゃあフードメニューを充実させて子供が食べやすいものをたくさん用意してパパママプランみたいに作るといいよねみたいに変えていくとかこういうのも。
スピーカー 1
そうですよね。
そういうのも実質化です。
スピーカー 2
すごい理解しました。
バリューバーチャライゼーションの重要性
スピーカー 1
こういう時の実質化の大事なところが、結局カラオケ屋さんというもともと音を出して騒いでも大丈夫な個室っていう機能が子供を連れて子供が騒いでても他の人に迷惑かけないっていうことで実質価値の方が価値が上がってきたみたいな話だったりとか。
あともう一つカラオケ屋の事例で言うと、もともとカラオケを楽しんでた高校生ぐらいの人たちがカラオケボックス自体が10年経ってきてカラオケの個室をコミュニティとして捉えてる世代が子供を持つようになったので自然に彼らの居場所が子供とワイワイする場所になったっていう風に。
その実質的価値のどの価値が重きを置かれるかっていうのはテクノロジーだったりそのライフスタイルの人の年齢だったり時間によったりもするわけですよね。
こういうことをそのテクノロジーが変わっているのに、世代が変わっているのに自分の前の提供している価値で売り続けるとチャンスをロスるって話なんでしょうか。
スピーカー 2
これ面白いですね。例えばサブスクだろうといわゆるD2Cと呼ばれるようなオリジナルの商品も昔は難しかったけど今はもうクレジットカード決済のストライプみたいなサービスがあるから実装がめちゃくちゃ簡単ですとかになると一気に売れるようになる。
これは技術の変化によって変わったところであり、それによって月額制ができるようになった途端にユーザーさんの実質的な価値がちょっと変容したりするとまたサービス買いようかみたいなことが起きていくみたいなことがいろいろ繋がって起こりますね。
スピーカー 1
だから昔はストライプみたいなものがなかった時ってコマンスっていうと、わざわざオンラインで買わないと買えないものっていうハードルが高いものしか販売されなかったけれども、ストライプみたいなものが導入されてきたりとか物流が安くなったらちょっとお試ししてみようかなみたいなことが簡単にできるようになるので。
そうするとお試し価値みたいなところの価値にフォーカスが当たりますみたいな話だったりするし。
スピーカー 2
確かにベースが出てからいろんなちっちゃいチームが作ってる素敵な商品を買えることがすごい増えたんですけど、昔はやっぱ楽天アマゾンさんはこういうよく売れるものとか家電とかしかやっぱり売れないのでそっちが強くて個人が作るようなものは弱かったみたいなのって。
そういう変化すごい最近感じますね。
スピーカー 1
そうなんですよ。そうすると、例えばさっきのMBAの話でいうと、MBAっていうのが人脈として出身者同士のネットワークが欲しいみたいなところの実質価値が強くあるから、
Facebookってある種いろんなSNSの後発なんだけれども、まずは仲間同士を絶対つながりたいってところから攻めればいいじゃんっつって、ハーバート大学のいる人間の人たちだけが入れる場所っていうことで、SNSのネットワークエフェクトが回ったりするわけですよね。
スピーカー 2
面白い。
スピーカー 1
だからNetflixの事例は逃げたんだけれども、ちゃんとデータを見てるからサブスクリになった時の実質的な価値っていうものが、この監督全部見たいとか何回もゆっくり見直したいみたいなところの価値に気づけたっていう話だけど、一方でFacebookみたいにテクノロジーができることによってMBAっていう仲間がつかまりたい価値をテクノロジーで演出すれば、
一気にネットワークエフェクト回せるんだっていうテクノロジーがあるから、実質的価値を拾うためにビジネスを作るっていう事例もあれば、やってみたら実質的価値がこっちだったって気づくのでAIレコメンデーションエンジンを作ったみたいな。
そういう実質的価値が先なのか、テクノロジーが先で実質的価値が後で見つかるかっていうのはあるけれども、変化の時のちゃんと前の価値をぼんやりやるんじゃなくて、新しいテクノロジーや新しいプラットフォームになった時には新しい価値が浮かび上がるよっていうことを忘れないってことが大事なんでしょうね。
スピーカー 2
なるほど。面白いですね。ちなみに余談ですけど、MBAの短期的なものに通って友人がいるんですが、毎日すごいパーティーがあるって言ってて。これもやっぱり人脈とかの方が価値だよねって分かった上で、求められるのは授業だけじゃなくて、ネットワーキングだってやってるんだなと思って面白かったです。
スピーカー 1
そうですね。あともしかしたら、自分がMBAのインナーサークルに入ったということを見せびらかしたいっていうマウンティング価値をバーチャライゼーションしてる可能性もありますよね。
スピーカー 2
それはありますね。今日もクラブみたいなイベントですっていう動画をその人がよく送ってきてて、それってやっぱりある意味、気持ちいいシェアしたくなるコンテンツっていうのもありますね。
スピーカー 1
そういうふうにこうやって実質的価値は何なんだっていうテーマがあれば、これだけ僕たちは話広げれるわけですよ。だとしたらなぜあなたは自分の企業の中に表面的な価値ではなくて、こういう実質的な価値っていうところにフォーカスしてやらないんですかって話してるんでしょうね。
MBAと人脈形成
スピーカー 2
なるほど。面白い。これ学び大きいですね。
というわけで、英語で言うと何でした?実質的価値の
Value Virtualization
Yes
スピーカー 1
よかった
というわけで、Value Virtualization 楽しみましょうって話ですね。
スピーカー 2
ありがとうございます。というわけで、今回はこんな感じかなと思うんですが、次回はどんな感じの話をしましょうか。
スピーカー 1
次もですね、Value何たらになるんですけれども、次はネットビジネスの進行調、Value NetworkとValue & Bundleって話ですね。
スピーカー 2
なるほど。Value NetworkとValue & Bundle。
言えた。
次回はこの2つについてお話ししてきます。というわけで、ありがとうございます。
33:40

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