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スピーカー 1
はい、というわけで、いよいよ最終回かな。
スピーカー 2
そうですね。
スピーカー 1
なりそうですけれども、MetaのAIの話からですかね。
スピーカー 2
そうですね。このAIの話に関して言うと、MetaがAIに本格的に踏み出したのって、2023年の2月からなので、まだ2年ちょっとなんですよ。
スピーカー 1
VRはね、2014年からとかですもんね。
スピーカー 2
これに関して言えば、前回のWhatsAppの話とかをしたときに、もともと2016年の10年計画で、10年後の三本柱としてMeta社が挙げていたのが、その当時Facebookですけれども、
コネクティビティというコミュニケーションというものの基盤になっていくためには、ラスト1マイル、30億人から35億人くらいのネットにつながっていない人につながりを提供していくということと、VRというMetaverse空間が次の一頭地になるよというのと、最後掲げていたのが実はAIだったんですね。
ただ、2016年のときにAIという構想は掲げていたけれども、具体的にそのAIというものに動き出したのが、2027年の2月に発表したラマっていうものからなんですよ。
ただ、これめちゃめちゃ戦略は明快で、一言で言うと衝動戦略。要はライバルがどこも勝たない構造になれば、データを一番持ってるMetaが勝つ。
ああ、なるほどね。面白い。
結局これはマーク・ザッカーバーグも言ってる話なんですけれども、スマホに関しては、りょうはAndroidというオープンが勝ったが、価値という観点では、クローズはAppleが勝った。
つまり、世界シェアで見てみると、台数のシェアってAndroidが7割で、iPhoneが3割なんですよね。ただ、世界の中の時価総額においていくと、GoogleよりもAppleのほうが上じゃないですか。
半分以下の台数しか持ってないにも関わらず、時価総額として評価されているのは、クローズモデルなAppleなわけですよね。ここでオープンとクローズというのを補足しておくと、結局、単純に言えばAppleというのは、自分たちでしかハードを売れないわけですよね。
それに対して、Googleというものは、スマホのOSを広くオープンに出しているので、各種メーカーが使うことができるし。さらに言えば、Googleに関しては、実はライセンスとしてハードウェアメーカーに提供してサポートをしながら最新バージョンを作るというやり方もあれば、
アンドロイドOSってオープンソースで出しているので、Googleはサポートしないけど、もう公開されているアンドロイドOSであれば、誰でも使うことが無料でできるよというものもあって。だから、実はいろんなところのカーナビだったりとか、いろんなところのテレビの裏側に入っている、ちょっとスマホっぽい動きをするので、アンドロイドがベースになってたりするっていう。
これが、もう自分のところにしか使わせませんっていうクローズモデルに対して、いろんな形で使っていいっていうオープンモデルっていうものの戦い方っていうのが、いろんなところで展開されているわけですよね。
そうですよね。古くはMacとWindowsもそうですよね。
スピーカー 1
なるほど。
スピーカー 2
オープンAIって名前にはオープン付いてるんですけど、もう現状でいうとかなりクローズなんですよね。APIは供給するものも、APIすら停止するんじゃないかっていう噂もあったぐらいだし、
ましてや技術論文だとか、裏側にどうやってそのAIができているかみたいなことに関しては、もうChatGPTの3.5以降、ほとんど開示されなくなっていて。だからオープンAI、クローズAIじゃないかっていうふうに揶揄されるぐらい逆に言うと一興のリスクがあったわけですよね。
だとした時に逆に言えば、メタからするとAIに対してオープンモデルが勝つという世界線があるんじゃないかっていうことでやってるわけなんですよね。
だから実際にこのメタっていうのは、2023年2月に出た時点で言うと、その時のタイミングはまだ研究専用モデルだったんですね。つまり、まずは研究者の方がみんな使っていろいろやっていいですよと。
さっき言ったようにChatGPTっていうのが進化したものの、研究者が自由に扱うっていうことがなかなか難しかったのに対して、このメタ社が出したラマっていうのがもうGPU1台で動いてしまうっていう、いわゆる皆さんの家にあるパソコンでも結構な性能で動きますよと。
マニアックな話で言うと、パラメータ的に言うと67億パラメータぐらいのもので結構できるよっていうことで一気に広がって、2023年の7月、だから約半年後には次のバージョンのラマ2が出たんですけど、この時には商用利用してもいいですよという形で。
かつもう1個大事なことが、この自分たちのラマを使って他のAIをトレーニングしてもいいですよということをやっていくことにおいて、現在ハギングフェイスっていうAIにおけるGitHubというか、AIにおけるみんな作ったモデルをアップしていくところには、もう50万以上のAIモデルが出てきています。
独立系のAIモデルの8割は、このラマをベースでトレーニングしてやっているというふうに言われているぐらいなんですよね。
なるほど。じゃあFacebookはラマというオープンのモデルを作って、それをみんなが使えるようにしたので、みんながそれをもう使っていて、もうデファクトスタンダードというか、独自のものを作るとしたらもうほとんどがラマを使っているという。
スピーカー 1
ラマベースでトレーニングをしてやればという形になる。だから、このクローズ一挙に対しての最強戦略の一つが、このオープンモデルを取ることの醍醐味で開発者を味方につけるところなんですよね。
スピーカー 2
そういう形でどんどんどんどん進んでいって、ラマ4に至っては、まだ公開はされていないもののモデルの大きさも、チャットGPTを凌駕するぐらいの規模をみんなが使えるよというところまで目指して動いているというぐらい規模感でやっているんですよね。
スピーカー 2
そうなんです。だから基本的にはMETAはユーザー向けの戦略っていうのはどっちかっていうと、もう完全にそのUXの統合戦略ということを取っていて、基本的にはWhatsAppの検索窓だったりInstagramの検索窓だったりとか、そこにMETAのAIを入れていくことによって、日々のコミュニケーションの使い方の中に入っていくってことだったりとか。
あと、結局Instagramなんて一番特徴的ですけど、結局若い方に関しては旅行先でどこ見て回ろうかっていうのって、Googleに聞くよりInstagramだと、今、セレブの方とか自分の好きなインスタグラマーの方が何のイベントを上げてるかとか、何のアパレルに興味をお持ちなのかとか、
そっちのほうがずっと大事じゃないですか、情報として。そういったものがむしろ自分の好みをちゃんと把握してくれて、旅行先に行ったときにMETAにどこに行けばいいのっていうと、君がフォローしてる人の傾向とか見ると、こういうアクティビティが好きだと思うから、このインフルエンサーが最近こういうイベントをフィーチャーしてて、それがいいんじゃないみたいなことを言ってくれることのほうが、ずっと個人レベルでは大事だったりするわけですよね。
スピーカー 1
絶対だって、このブランドの投稿よくいいねしてるよねとか出してくれるとか、友達ってこういうの好きだよとか、このブランドフォローしてるってことはこうだよっていうのがあるべきですね。
スピーカー 2
そうなんですね。だから、ザッカーバーグっていうのは、もちろん開発としてのAIっていうものは、大型化し未来を探求するものですけれども、個人にとって本当に必要なAIっていうのは、もっとパーソナルなものだよねっていうふうにして、むしろさっき言ったように普段使ってるInstagramだったりFacebookだったりWhatsAppの中に溶け込んでいくような形にするっていうことをやって、
実際、ちょっとこの数字に関しては、普段使ってるFacebookの検索の回数をカウントしてんじゃないか疑惑もあるっちゃあるんですけど、僕らの見えない新広告においては、ものすごくありがたいAIとして、今10億以上に使われてるようになるわけなんですね。
スピーカー 1
すごいなあ。
スピーカー 2
そのものにおいては、一興という状態にならなくなってくるわけですよ。そうなった時に何が一番AIの差を決めるかっていうと、そのAIのモデルの技術者ではなくて、自分のその会社にしか取り扱えないデータがあるかっていう、そこに競争優位性がずれてくるんですよね。
そうなった時に、これはニューヨーク大学のスコット・ギャラウェーっていう方がまとめた数字なんですけれども、じゃあ各現状を持ってるデータの量っていうのをトークンっていう、AIに使うトークンサイズで見たときに、Googleを1とした時に、じゃあやっぱりXの投稿ですね。
あれとかも結局、もうXはAPIどんどん開放しない路線になってるわけですから、イーロン・マスク様はもうXの投稿でAIゴリゴリできるのは、俺たちクロックだぜみたいな形になってるわけなんですけど、実はGoogleの検索の量よりもですね、Xの投稿のほうが圧倒的にリアルタイムにどんどんデータ出てくるから、データ量として見ると、実はGoogleのサーチよりもXの投稿のほうが1.5倍データ出てくる。
1.5倍データ量あるんですよ。っていうのを基準に見たときに、Facebook社が、Facebook、Instagram、WhatsAppとかにされてるメッセージの量とか、投稿の量ってGoogleのデータ量の何倍あるんですかっていうと、もう10倍あるんですね。
スピーカー 1
へー、なるほどだ。
スピーカー 2
逆に言うと、Googleがサーチできるものって、言い方悪いですけど、メタのAIもXのAIもサーチできるわけじゃないですか。ってことを考えると、やっぱり自分たちでしかできないクローズなデータ量っていうのが、AIの操作別化につながるわけですね。
スピーカー 1
なるほどだな。Facebookめちゃくちゃいろんなデータ持ってるから、超強いっていうことだし、逆にちょっと脱線しますが、Googleとかもね、GmailとかGoogle Calendarとか、Office系抑えてるし、Microsoftも抑えてるが、オープンAIって考えてみたら、ほとんどないんですね。
スピーカー 2
まだないんですよ。
だから、この辺は人数があればね、AI編をやるにはまだちょっとデータの量があるんですけど、平気だからこそ、今サムアルトマンは必死になって、プロダクトとしてみんなが人生のデータを預けるような場所になりたいみたいなことの発言をした日、
アイフォンのデザイナーの方を2兆円で買収して、新しいプロダクトを作っていくよみたいなことを言ってるわけですね。
スピーカー 1
9800億かな。
失礼失礼。
9000億かな。
スピーカー 2
1兆円ぐらいですね。
スピーカー 1
そうですね。ジョナサン・アイブさんの愛用という会社を。
スピーカー 2
デザイナー集団をね、1兆円近くで買収するわけですからね。
スピーカー 1
そうですね。まだプロダクトも出てないのにね。すさまじいことですよね。
スピーカー 2
逆に言えば、それはもうサムアルトマンがAIそのもので技術差が出る時代がもう終年しているので、ユーザーが喜んでデータを預ける場所というものになっていかなきゃいけない。
もっと言うと、世の中にオープンでストックされるデータではなくて、クローズとしてここにやっぱり預けていくっていうストックデータよりもフローデータ、フローデータよりもライブデータ。
正確に言うと、行動起点になるような、自分は今から何するよみたいなデータっていうものを預ける場所っていうのが、そのAIにおける重要な差別化になってくる。
スピーカー 1
なるほど。
スピーカー 2
そういった点で考えた時に、もちろんGoogleカレンダーとかGoogleマップとか、行動起点になるアプリはあるものの、その人の思考性だったり、その人の誰と遊ぶのみたいなこととかのデータっていうのは、やっぱりFacebookメタ社が圧倒的にデータをリードしてるんですよね。
最初の話になるわけですけど、そういうポジションがあるから、むしろ一興を作らないことが、メタ社からすると最上の戦略になるから、もう年間1兆円ぐらいの投資をしたり。
また、今、メタ社も20兆円ぐらいかけた、もうAIのインフラ作るぞみたいなことを、今回の決算でも発表してるんですけれども、っていうぐらいの投資希望をかけてでも、一興の体制を作らないようにオープンにみんなに力を与えれば、結果的にデータを持ってる僕たちの優位性は確保されるっていうところの上な戦略になる。
スピーカー 1
そうですよね。やっぱりこれでオープンAIだけが圧倒的に性能がいいとかになると、どんなにデータを持っていたとしても、やっぱり性能で負けちゃうのでオープンAI行っちゃうが、どこも性能あんま変わんないねってなった瞬間にデータ量勝負になるので、圧倒的に有利だし、オープンAIなんかは圧倒的に不利なんですね。
スピーカー 2
そうなんです。だからやっぱりデータ勝負だし、もっと言うとあなたのところだけに預けたいデータの起点をどれだけ持ってますかって話なんですよね。そこの勝負っていうところに目をつけたのか、オープンがAIでは勝つという表現の中で、2年前にAIをオープンなものとしてみんなに力を提供していくという戦略になった。
という戦略であると同時に、自分たちのユーザーに対しては超最先端のものっていうよりか、むしろ超最先端なAIはお金払って使えない新広告の方にパーソナルなAIとして10億人達成することの方が大事って考えるザッカーバーグの戦略。
スピーカー 1
なるほどな。美しいっすね、これはなんか。
スピーカー 2
そのどこをどういうゲームのルールに変えてしまえば、一番自分が結果的に選ばれ続けるのかっていうルールメイキングこそが最上の戦略っていうことが、メタ編最後のAIの話ってことなんですね。
スピーカー 1
なるほどな。いやー面白かった。これもうちょっとAIの話はね、キリがないので、このぐらいにしたいなと思うんですけれども。なるほど、メタ社のAIの戦略すごいわかりました。
スピーカー 2
というふうに、こういうふうに今までメタ15編を見てみたわけなんですけれども、もともとメタ編を話すきっかけっていうのが、やっぱり経営と執行っていう部分で、どうしても日本の中だと新しいプロダクトの新機能がとかっていうふうに、執行の中の本当プロダクトのところでしかなかなか見れないっていうところから、
一度俯瞰してですね、経営とは、自分たちの資源をどこに最優先で当てていくことによって、新しいゲームを作っていくっていうことが大事ということで振り返ってきたわけなんですけれども、どうでした?ちょっとここからはね、前編の感想編というふうに。
スピーカー 1
そうですね。ここから感想編に行きたいなと思うんですけれども、いや、僕これやっぱ今までで一番くらい面白かったですね。
スピーカー 2
マジっすか。やったー。
スピーカー 1
経営と執行の分離の話もすごいピンとくる実例だったなと思っていて、やっぱ日本企業だとやっぱこんなにパキッとある意味説明できるところがないんじゃないかなというのも。
スピーカー 2
そうですね。プロダクトのビジョンを支えるザッカーバーグと広告収益を作っていくシェリルさんでもあるみたいなコンプリメントの話とかですよね。
スピーカー 1
そうですね。そこもそうですし、メタ社の戦略の凄さも理解できたし、何度か小原さんが言ってくれたような、これからすごい作品とか企業を作る企業家は参考になるんじゃないかっていうところは、逆に言うとその
グーグルとかフェイスブックとかメタ社とかアップルとかが賢すぎて、勝てるところ少ないなっていう気にもなりました。
スピーカー 2
でも逆に言うと、このぐらいの時間間隔で次起こる戦場というところをしっかり見定めて、いかに戦いを略すかということに争点を当ててるからっていう話でもあるんですよね。
スピーカー 1
だから、次来るAIの、さっき言ったようにオープンAIが一挙になりそうになったら、逆に僕らはオープンとして強者を無くす方向でやろうみたいなことを言えば、そこに投資が集まってきたりもするわけですよね。
スピーカー 2
という、やっぱり戦いのゲーム、人が作ったルールの上で戦うのではなくて、ゲームルール自体をどういうふうに自分たちにとって都合のいいように変えていくかっていうような視点は大事だと思うし。
タカトリヤ ああ、なるほどな。そうですね。
スピーカー 1
タカトリヤ そうですね、まさに。
スピーカー 2
次伸びる市場が見えてくる。内緒は今ある市場の穴が見えてくるので、そこでやれば自分が頑張りに掛け算して、市場そのものの伸びが掛け算で続いてくるから、やっぱり大きな企業がやりやすくなりますよね。
タカトリヤ 確かにね。ナイジェリアとかね、暗号通貨のウォレット持ってる人がすごい多いとかね、聞きますよね。
タカトリヤ アーチャルで稼ぎっていうものが当たり前になってきて、ナイジェリアの方々は海外でAI使って、どんどん開発者としてアメリカとか中国とかいろんな国とコラボしてるみたいなこととか、ただこういうふうに自分たちのフィールドっていうものを視野を広げてみるときに、
タカトリヤ 巨人がどのぐらいの視野で経営というものを見てるかっていうことを自分でシミュレーションすると、自分たちのフィールドではどういうふうになるんだっけみたいなことがメタ認知できるようになるんじゃないかなって個人的には思うんですよね。
スピーカー 1
タカトリヤ なるほど、おもしろいすっごい素晴らしいなぁ。
スピーカー 2
タカトリヤ ちなみにケンス的にはどの辺のエピソードが楽しかったですか?ケンスって驚くべきぐらいユーザーとしてすごい使いこなしてるから、海外のものは見えてない部分もあったけど、むちゃくちゃ盛り上がったじゃないですか。
スピーカー 1
タカトリヤ そうですね、知らなかったので言うとインドとかブラジルの話とか、仮想通貨進出リブラの話とかはあんまりピンとこない話だったので、ピンとこないというか知らなかったので新鮮に聞けてすごい面白かったのと、
タカトリヤ AIとかVRとか未来の話はもちろんワクワクするっていうのもありましたし、あとは初期の頃の話はやっぱり執行の話なんで、わかりやすくおもしろいですよね。
スピーカー 2
ケンス そうですね、やっぱりこの辺とかはその時のタイミングのインフラの速度だったり、その時に何が初めて、ユーザーにとっては初めての体験だからどのぐらい慎重にやっていくのかとか、内緒はこういう現状をしたけど素早くこういう回避をすることによって役立てたみたいな話って当たり前だけどこれからAIにおいて、
みんな初体験をしていくっていうことか、仕事がどういうふうに僕たちの仕事が変質していくのかとかいっぱいあるわけで、同じようなシミュレーションとして考えられるといいよなって思うんですよね。