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スピーカー 1
そうですね。ありがとうございます、皆さん。
というわけで、今日はどんなテーマでやりましょうか、小原さん。
今日もですね、ショート抗議編が結構良かったので、今回のショート抗議編は経営と執行。
いいテーマですね、経営と執行。
スピーカー 2
もうちょっとリアクションないのかよ。
スピーカー 1
いやいや、素晴らしいですね。経営と執行しかもうやりたくないなと思ってたんで。
スピーカー 2
あなた経営者だから、経営はやらなきゃいけないし、シリアルアプロプレイラーとして。
一方でスタートアップっていうのは、経営に専念するってなかなかなくて、執行者としての件数と経営者としての件数っていうのがいるわけなんですけど、
意外とこの2つを混同しかちだったりとか、特に日本に関しては、ある特徴が強すぎて経営として育っていく部分が弱かったりするので、日本も深掘ればなと思ったんですよね。
スピーカー 1
なるほど、いいですね。経営とかけまして、経営と執行とかけまして、DVをするパートナーと解く。
スピーカー 2
その9は?ちょっと待って。
スピーカー 1
どちらも分かれた方がいいでしょう。
スピーカー 2
なるほど、そいつは上手い。ありがとうございます。
いろんなスタイルで僕たち楽しもうとしてるので、やっぱりこの経営の役割っていうのは、変化の時代に対しては、今までの成功方程式をあえて崩して、新しいスタイルを持っていくっていうのも経営の役割なわけですよね。
さすがそういう意味でいいサンプルを出してくれるっていうのは、さすがケンスーさんすごいからなと思うんですけど。
スピーカー 1
そうですね、なんかちょっと沈黙があったんで、一旦言ってみたけれども、別に言わなくてよかったのが今ですね。
でも本当にあれですよね、経営と執行で分けた方がいいよねと、これがごっちゃになってると良くないよねって話が、よく経営の世界ではされるが、
例えば働いてる人とかからしてみると、経営と執行が分かれてるの意味が全然分からなくて、
やっぱこれは経営として言ってるとか、これは執行側として言ってるみたいな区別ってやっぱりつかないので、
結構やっぱ難しい概念といえば難しい概念だなと思ってますね。
スピーカー 2
いや単純に言うとですね、経営って会社としての経営と執行っていうのもあるんですけど、個人としての経営と執行って話もあるわけですよね。
スピーカー 1
おーなるほど、個人の人生みたいなことですか。
スピーカー 2
そうそう、要は僕が乱暴気味に経営と執行の違いは何かって話をすると、執行ってのは今できることをやり切ることで、経営ってのはできないことをできるようにして変化に備える。
最初はもっと本質的にやりたかったことに向かえるようにするってことだと思うんですよね。
スピーカー 1
おーなるほどなるほど。
スピーカー 2
そういう観点で考えた時に、昔は個人も一つの会社の素晴らしい兵隊としてやり切るっていうことだけで就寝雇用の時代はいけたわけですけれども、個人も平均で3回ぐらいは転職しなきゃいけない。
特に今や会社が個人の働く時代よりも寿命が3分の1になっちゃった時代においては、個人として新しいことに取り組んでいったり変化に向かっていったり、その変化を通して本当にやりたかった中期目標に向かっていくっていう意味においては、個人も執行だけに専念してたらダメで、個人も自分を経営していく必要性があると思うんですよね。
スピーカー 1
なるほど。
スピーカー 2
そういう観点で考えた時に、結局今言った中に経営と執行の違いって凝縮されてて。僕の定義だと執行はできることをやり切ることで、経営というのはできないことをできるようにしましょうという区分だったりとか。
あと執行っていうのは、1回目標が定まったところに対してやり切る短期目標に対して、経営っていうのはもっとロングなビジョンで見た中期のものであったり、さっきロングなビジョンって言ったように、今のゴールの先にある自分たちが本当に実現したい世界だったりとか、自分たちがそれをやらねば自分ではないというミッションを達成できるようにどういうふうにやっていくかってことの違い。
スピーカー 1
そもそも経営の定義というかってどうなるんですか。
スピーカー 2
一応ね、まっとうな経営、いわゆる辞書的な経営の定義って何かっていうと、組織の目標を効果的に達成するためにリソースを効率よく管理し、従業員のモチベーションを高め、持続可能な成長を促進していることを指します。
あともう一個最近くっついた概念が、良い決定者は位置決定の際に限定的な観念を持ち、全てのステークホルダーにとってバランスの取れたアプローチを取る、みたいな話がくっつくっていうのが大体一般的な辞書的な経営の定義。
スピーカー 1
なるほど、じゃあリソースをいい感じに配分して、目的に対してちゃんとみんなが頑張ろうって気持ちで頑張って、それによって社会とか自分たちとか株主とかいろんな関係者たちが幸せになることをやるのが経営みたいな感じですか?
スピーカー 2
そうですね。だからこの辺って、日本の中でもこれまた浸透してない正確な意味として、プロデューサーとディレクターの違いみたいな話があるんですよ。プロデューサーの役割って、映画だったり芝居とかの目標を定め、現場の方々がその目標を到達できるようにお金だったりパートナーだったりっていう資源ですよね。
資源とかリソースっていうものをかき集めてきて、その人たちが頑張るぞっていう環境づくりをするっていうのがプロデューサーの役割で、これ経営と同じなんですよ。
なるほど。だからリソースって言っても、リソースを取ってくるところと適切に配分するところのこの2ステップがあるっていう。
昔だったら、ゴールがそんなに変わらないし、ゴールに対して物事を作っていくっていう時に、結局10年がかりで工場を作りましょうとか、できた工場で設計図を他よりも安く品質高く作るようにしましょうみたいに、
資源の計画っていうのは、割と逆算的に作れたり、そこに対して磨き込むことを徹底的にやりましょうみたいなのが割と難しくなかったわけですよね。
スピーカー 1
なるほど。
スピーカー 2
それが例えば、今、日本のスタートアップみたいな話で言えば、最初はスマホでゲームを作りましょうみたいなところで、どんな資源の人が必要ですか?どんな技術が必要ですか?みたいなのがわかりやすいじゃないですか。
スピーカー 1
はいはい。
スピーカー 2
いつもこのスマホだけで戦ってたら、いつの間にかやっぱりアプリストアのいろんなものだったり、競争が激しくなりすぎて、そこだけだと勝てないから。
じゃあ次、どこで僕らはお客さんを喜ばせて、かつ僕らも持続的に収益を得るための戦場の設定と、じゃあ全く違うところで戦うとしたら、それに対してどういうリソースが必要なんですか?みたいなことがガラッと変わってきますよね。
スピーカー 1
なるほど。じゃあさっきの話だと、昔はゴールみたいなのがあるとして、ゴールはそんなに変わらないし環境も変わらないから、リソースとってきて配分してればよかったのが、今度はゴールを新しく決めるっていうところも頻繁に起こるようになってきたので、経営の役割としてそのゴール設定みたいなのが、すごいよく出てくる大事なことに変わったっていう感じなんですかね。
スピーカー 2
さらに言うと、ゴールの設定って言い方悪いけど勢いだけでやる人って多いじゃないですか。
スピーカー 1
まあ確かにね、この市場が来てるからこっちやろうみたいなのありますよね。
スピーカー 2
そうなった時に、じゃあそのゴールを達成するためのリソースってちゃんとやってますかっていう話になってきて。
日本の良くないことなんですけど、中期計画ぶち上げて最も筋悪い戦略って何かっていうと、目標到達できるリソースを持たされず、努力と根性だけで何とかしろって言われることが一番筋悪いわけですよ。
スピーカー 1
まあそうですよね。それはそうですね。
スピーカー 2
これがいわゆる戦争の振り返りの名著として、たぶん最も最後まで読まれてない本の一つの失敗の本質っていうやつですね。
スピーカー 1
失敗の本質ね。名著ですね。
スピーカー 2
だけどこの失敗の本質を、さっき言ったように1票で表すとしたら、資源優勢にならない状況だと目標到達するのは無理すぎですよね。
もっと言えばライバルの方が資源優勢になっているところに立ち向かうって、それ辛くないですかっていうのが失敗の本質の一番のコアで。
スピーカー 1
要はめちゃくちゃ資源があるところと資源がないところが戦って、でも目標として相手を殲滅するっていうのが同じだった場合、資源ある方が強いよねっていうシンプルなことになってるってことですね。
スピーカー 2
そうなんです。
それがなんとなくAI時代に○○をとか、なんとなくIoTで指き立つの時代にうんたらをとかっていうことを言っちゃうのに、それに必要な資源ってどうやって獲得するのっていう計画がないので、それは人は無謀と言いますよね。
スピーカー 1
そうですね。AIだから自分たちの独自のAI作ろうって言った時に、ライバルのアメリカ企業は何兆円も使ってるけど、うちは100億ですみたいなことを考えれば当たり前に見えるけどやっちゃってるってことですね。
そうなんですよ。
スピーカー 2
これがなんで日本がこういうできないをできるにするっていう経営者的な思考が動きにくいのかっていうと、やっぱり本質的な僕は問題は、日本はスーパー執行者が経営者になりやすいっていうのがあるし。
スピーカー 1
はいはい。
スピーカー 2
あとスーパー執行者ってスーパー学習者でもあるし、スーパー巻き込みマンでもあるので、経営的な感覚がなくできないことが自分はできるようになっちゃうし、
自分が必要な資源みたいなものを自分は自然と周りを巻き込んでできるようにしちゃうタイプが多いので、それをメンバーにやってねって言っても、根性でどうにかなるだろうみたいな感じになっちゃうってところが、
日本が経営者として1個のビジネスは成功するけど、それが変化の時代に2個目3個目みたいなところが成功しにくい本質的な問題だと思うんでしょうね。
スピーカー 1
なるほど。執行が上手い人ってリソースが100必要だけど90しかないって時に工夫とかアイディアとか、自分の頑張りで100に持っていけて成功したみたいなのがあるので、そういう感覚でやっちゃうけど、実際は会社単位で言うと1万リソース必要なのに100しかないみたいな時でも、その差を執行の工夫で埋められちゃう感覚があるからそういうことをやっちゃうみたいなことですね。
スピーカー 2
だから僕は経営者にキングダムって漫画が受けてる理由ってそれじゃないかなって個人的に思うんで。
スピーカー 1
なるほど。
スピーカー 2
キングダムって漫画の本質の一つは、優れた兵が優れた将に変わっていくっていうところだと思ってて。
スピーカー 1
はいはい。
スピーカー 2
要は優れた兵って何かって言うと、最初は他人ができなくて自分ができることを生かすっていうことが優れた兵のポイントなんですよね。
スピーカー 1
なるほど。
スピーカー 2
それに対して優れた大将、優れた将っていうのは、自分ができなくても他人ができることを生かすっていう人が対象になっていくわけですよね。
キングダムの漫画ってそういうストーリーじゃないですか。
スピーカー 1
なるほどなるほど。プレイヤーからマネージャーになっていくみたいな。
スピーカー 2
その時に結局最初は自分の弾力みたいなものだったり戦闘力みたいなところで最初選ばれた。
それがだんだん100人のメンバーが来る、1000人のメンバーが来る、1万人のメンバーが来るっていう中で、
スピーカー 1
むしろ自分は戦略とか軍技とかできないけど、それをできる人っていうものを気持ちよく働かせていくような環境づくりみたいなところにどんどん育っていきますよね、主人公。
スピーカー 2
だから他人ができなくても自分ができることを生かせる人と、自分ができないことを他人ができるように生かしていく環境づくりをできる人っていうのはもう全く違うわけですよ。
スピーカー 1
たしかにキングダムで言うとちょっと面白いのが、要は後の始皇帝であるもう一人の主人公は戦争に行かないじゃないですか、王様なのか。
スピーカー 2
そうですね、さらに言えばね。
スピーカー 1
と戦う人たちが分かれてるっていうのもすごい面白いですよね。
スピーカー 2
そうですね、それなんかまさに経営者としてあえて現場にタッチしないし、できないしっていう人と、現場の中で兵を飛べるということをやっていく人みたいなところの差が出ているし、
それのわかりやすい例が、いわゆる三国志における何でもできちゃう曹操と、何にもできないけど周りが動いちゃう劉備っていう差だったりするわけですよね。
スピーカー 1
やだとした時にみんな劉備にどうやってなっていくのっていうことをちゃんと学ぶということが大事って話になるんですよ。
なるほど、だからまとめるとやっぱり経営と執行は全然別物で、日本人は執行が優れてて社内で出世していって社長になるみたいなケースが多いので、
スピーカー 1
経営のスキルなくて執行の能力が高い人が経営者になった結果、あんまり上手くいってないというケースが多いのではないか。上手くいってないというか経営が意識されづらくなるっていうことなんですかね。
スピーカー 1
そういうことです。
スピーカー 2
経営が意識されづらくなるっていう環境があるんだけど、実は世の中に振り返ってみると、このできないをできるようにするだったりとか、どうやって資源を目標に到達するのに十分な資源を調達してきて、その資源がきちんと回るようにするっていうようなやり方って、
実は先人の本でいっぱい学べるし、それを磨くためのやり方みたいなものも結構確立されてて。だから実際やっぱり面白いのは、現場のことは全然やってないんだけれども、しっかりこのマネジメントっていうことを学べば、経営者として就任したときに実はワークしますよねっていうのが、いわゆる帝王学っていうものだったりとか。
MBAで学ぶようなマネジメントっていうことだったりするんですよね。
スピーカー 1
プロ経営者みたいな人が就任して、その業界についてよく分かってなくてもうまくいくみたいなのはアメリカとかではよく見ますよね。
スピーカー 2
そうなんですよ。だから例えばおっしゃるように、イーロン・マスクなんて、もちろん彼は格論までめちゃめちゃ勉強するし、工場に泊まり込むしみたいな人なんだけど、彼は経営者としてPayPalっていう決済を成功させ、その後SpaceXって呼ばれるロケットをついに火星移住に向けて動くぞみたいなところまでトランプが宣言するみたいなところまで行き、
それに対してXを買収してみたら、いろいろ判断はあるけれども、動くように今やっており、かつ今やニューロリンクって言って、人間の脳とAIを直結させますみたいなことまで全部経営してってるわけ。
じゃあなんでこれこんなにたくさんのこと経営できんのっていう話なんですよ。そうするとイーロン・マスクのすごいところって、やっぱり今のものよりも非連続な目標を到達するために必要な資源の肝心要は何かみたいなことを設定することで。
例えばイーロン・マスクでまだ話してない大事なものとして、バカエロシスっていうのがある。これ何かっていうと、結局イーロン・マスクのビジョンというものは、人間が火星に集団移住できるようにならないと、もうSDGsとか言ってるけど、人間は地球の資源を食い尽くすに違いないから、
そもそも火星に集団移住しないと、今のままの人類の繁栄って続かないよねっていうのが彼の目標設定ですよね。それに対して、じゃあ自分たちができないことをできるようにするための資源計画として一番大事なのは、
地球から直接火星にロケットを飛ばしてたら、重力に抗うコストが高すぎて間に合わんから、少なくとも地球の重力源の外からロケットを飛ばせるようにしなきゃいけないよねっていうのが彼の中間ポイントで。
だとしたら、宇宙からロケットをバンバン飛ばせるようにするためには、宇宙と地球というものを安く往復で物資とか人を動かすっていう交通手段が確立しないとダメだよねっていうのが彼のできないをできるようにする中間ポイントでしょ。
じゃあ安くロケットを地球から飛び立って、宇宙に持っていくってことをするために導入したのがバカヤローシスで。これ何かっていうと、ロケットって、例えば大気圏に入るときめっちゃ暑くなって燃えるから、燃えないための周りのアルミ板みたいなのがめちゃくちゃ滑らかに研磨されてたり、接合部分がむちゃくちゃ滑らかになってたりするんですよね。
このロケットのアルミ板を外部から買ってるわけなんですけど、それがもともとのアルミの原価から比べて何倍になってると思います?
スピーカー 1
わかんないです。10倍とか?
スピーカー 2
20万倍になってたんですよ。
スピーカー 1
20万倍。
スピーカー 2
この20万倍のことをイーロンがバカヤローシスって言ってて。もともとのアルミから考えれば、確かにとりあえずロケットを作るためには20万倍にできる技術持ってるやつから買うしかないけど、毎日毎日ロケットを発着させるってなったら、なんでそんなバカヤローなコストを外に出してるんだと。
それを中で作れるようにするのか、そんな技術じゃなくてもっと安く作れる別の技術を作るかってことをしない限り安くならないよねと。だからバカみたいに高いコストを払ってる倍率っていうものをバカヤローシスっていうふうに社内で置いて。
じゃあそのバカヤローシスが高いものをリストアップしてって。順番にバカヤローシスを下げるやり方をお前ら考えろ執行っていうふうにやってたわけですね。
スピーカー 1
経営の仕事としてリソースを調達してリソースを投下するけれども、明らかにリソースの調達量が多くなっちゃいそうなところを探してそこを下げるように執行する人たち、メンバーに言うことによってリソースの調達を軽くするみたいなのを経営の仕事としてやってるっていう解釈は。
なるほど。
スピーカー 2
だから結局繰り返すんですけど、目標を到達するに必要な資源というものを適切な範囲収益性が出る範囲で資源を調達できるようにするってことが経営の仕事だから。
そうすると自分ができないことをできるようにするっていうことをどう設定していくかって話なんですよね。
特にイーロンマスクの場合はものづくりだから。
ものづくりの場合はコストと製品品質のバランスっていう差が一番できないことをできるようにするに大事だから、バカヤローシスみたいなことを置いてるわけです。
スピーカー 1
これ今の話って要は優れた経営者と普通の経営者の違いとして、普通の経営者は要はリソースを普通に取ってきて配分してるけど、イーロンマスクのような優れた経営者は取ってくるリソースの量を下げるとかができるとか、そういったところに差が出てくるみたいなイメージで。