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宮武 徹郎
若干カール・マークスに対する指摘でもあり、
マルクス主義の指摘でもあり、
ただそれをいろんな要素を取り入れているのかなと思ってます。
あのタイミングって第二次世界大戦のちょうど最中じゃないですか。
そのタイミングで3つの政治システムがあったわけなんですけど、
一つがファシズム、もう一つが共産主義、民主主義みたいな、
軽く言うとその3つの政治系統があって、
それがどれが勝つんだみたいな話になってたと思うんですけど、
アメリカとかだと結構民主主義がやばいんじゃないかみたいな話も結構あって、
ちょうど経済不況とかになってたタイミングでもあるんですけど、
バーナムとしては実は3つとも結構似てるんじゃないかと。
結果的に3つとも向かう先が同じなんじゃないかと彼は主張していて、
これが管理者社会、このマネージャリオーレボリューションっていう、
マネージャーが世の中を支配するようなシステムになるんじゃないかと。
草野 みき
なんかタイトル聞くとマネージャーの革命みたいな、結構ポジティブな意味、
マネージャーにとってのポジティブな意味合いなのかなと思ったら全然ちょっと違いますね。
宮武 徹郎
若干マネージャーネガティブに見てますからね。
草野 みき
大平 なんかタイトルの感じとちょっと違いますね。
宮武 徹郎
そうですね。なんか管理者たちが革命して世の中を変えるんだみたいな感覚に聞こえるんですけど、実はちょっと違いまして、
それこそ彼がいろいろ事例として出しているのは、例えばナチスとかファシズムの代表例だと、
ナチスも結局上級商工って言うんですかね、ヒトラーの下にいたいわゆる官僚のレイヤーがいたじゃないですか。
草野 みき
大平 うん、幹部みたいな方がいてみたいな。
宮武 徹郎
で、民主主義だと政府がいるわけなので、
企業でもいわゆるマネージャー陣とか取締役みたいなレイヤーがいるわけじゃないですか。
そういうのをいろいろ見ると、実はカールマルクスがプロレタリアートの革命をミスリードしたんじゃないかと。
彼らじゃないと。
大平 ちょっと難しくなってきた。
彼らが、基本的にプロレタリアートがブルジョージを革命を起こすっていうのが、マルクスの一つの考えでもあると思うんですけど、
そのグループがブルジョージを追い出すのではなくて、全く違うグループが追い出すんじゃないかと。
それがこの管理者の人たちだと。
草野 みき
大平 なるほど。自分たちが革命を起こしてるように見えてるけど、実際は君たちじゃない。
そういう意味での、そういう話なのか。そのタイトルなんです。
なので、基本的にマルクスがシステムを2つに分けたじゃないですか。ブルジョージとプロレタリアート。
宮武 徹郎
でも3つ目の層が実はいいます。それがこの管理者っていうマネージャー陣っていう話を彼らがしていて、だからこそバーナムは2つの種類の資本主義が存在しますと。
一つがブルジョージ的な資本主義ですと。これはすごい簡単に言うと、ヘヌリー・フォード的な、今だとイーロン・マスク的な会社の仕組みで、オーナーイコールマネージャー。いわゆるオーナーが会社を自ら運営する。
草野 みき
財閥みたいなものとはちょっと違いますか?
宮武 徹郎
財閥とは必ずしも同じではないっていうところですかね。いわゆる昔のグーグルとか、去年スタートアップはこのブルジョージモデルになってますと。いわゆるオーナーが全部支配して、基本的に彼らがコントロール、会社をコントロールするっていう。
草野 みき
ファウンダーっていうことでもありますか?
宮武 徹郎
そうですね。ただあれじゃないですか、ファウンダーが必ずしも会社社長になってるわけじゃないじゃないですか。なので、このブルジョージ資本主義っていうのは、ファウンダーCEOを多分指してます。
なので、オーナーシップを持ちながら会社を自ら運営している。それによって、バーナムが語るには、マネージャーと株主に完全なるアライメントがあります。
彼がそこからどう世の中が変わるのかというと、マネージャー資本主義が、管理者資本主義が生まれてきますと。最終的に会社がオーナーシップがない人たち、いわゆるマネージャーの人たちが運営するようになってしまいますと。
これはよく起きることだと思うんですよ。最初は社長が創業者であって、何かしらの理由は、基本的に会社が大きくなるとなるほど、オーナーの調達もしないといけなかったりするので、どんどん気迫化され、場合によっては新しいCEOが入ったりとか。
そのCEOってもちろんオーナーほど株を持ってるわけではないので、よりオーナーシップが少ないのに、よりオペレーション周りの権力を持つ。それによってアライメントがずれるんじゃないかと、株主とオーナー、実際運営してる人たちの。
例えばなんですけど、某大手テック企業をとりますと、Gから始まるような某大手テック企業をとりますと、その会社の上場してるので株って何百万人も持ってるわけじゃないですか。
一応多少なり、議決権ベースで言うと、ファウンダーが議決権の半分以上持ってますけど、そこまで今は事業に入り込んでませんと。
となると、誰がその会社を運営してるかというと、オーナーを運営してないじゃないですか。雇われ社長でしたり、そこの管理者の人たちが基本的に運営しているので、
なんかこれがそういう展開になるのが、割と自然なんじゃないかっていうのが、バーナムの企業の事例ですけど、別に国ベースで見ても政治ベースで見ても、似たようなことが起こるんじゃないかっていうのがバーナムの仮説であると。
草野 みき
それは良くないっていう話ですか。
宮武 徹郎
結局、インセンティブのアライメントがなくなるので、いわゆる短期的なインセンティブには働くんですけど、長期的な、いわゆる会社の長期的なためのインセンティブが揃わなくなってしまうので、結果的に良くなくなる。
草野 みき
前の話とかで言うと、最初に発明したり、オーナーの人とかはインセンティブをあんまり持って、なんかテクノロジーの企業だとあるけど、他の企業だとそこの一番最初に発明した人、インセンティブもらえてない場合が多いですよね、みたいな話あったと思うんですけど、
その話で言うと、オーナーがずっとインセンティブ持ち続けてて、みたいなのになっちゃう。それが正しいさ、正しいようにも反対の意見的にはあるのかなと思ったんですけど、現場の人が、ちゃんと働いてる人がインセンティブ持つっていうのはめっちゃ分かるんですけど、難しい話でしたなと思って。
宮武 徹郎
そうですね。どこまで誰が株を持つべきなのかとか、そこら辺って多分いつも難しいとは思うんですけど、最終的には、その創業者が永久に会社に入れるわけではないので、
なので、どっかのタイミングでこれって何かしらオーナーがその会社を運営し続けるっていうのが、それができなくなるシナリオって絶対出てくるんですけど、なんかそこの、何ですかね、結構、会社でも株主が一応会社を運営してるっていう考えがあって、
考えを持つ人って多いと思うんですけど、基本としてはそうだと思うんですけど、いわゆる株を持ってるので、みんな力合わせてやれば社長をクビにできますと。
草野 みき
子供の頃、そういう仕組みって面白いですよね。学校高生とか中学生の時、その一般企業、上場企業は株主がいっぱいいらっしゃってみたいな話聞くと、え、会社運営してる人が運営してるだけじゃないんだって気づかされるみたいな、いっぱい利害関係いっぱいいて、その人たちがみんなで一団結してクビにできるみたいな驚いたことあったんですけど、
それも健康的なものだと思うんですけど、あ、なんていうか、第三者が見てるみたいな意味だと、どうなんだろう。なんかすごいですよね。
宮武 徹郎
うーん、なんか不思議、不思議ななんか構図になってますよね。なんかその、なんかその、プレイヤーが、たぶん、たぶんですけど。
草野 みき
まあ、お金を出している立場だから、その、何かを言えますよねっていうのは、そのVCとか、もうあらゆるお金の出資者って意味だと、ビジネスだとそうだと思うんですけど、そのインセンティブと、お金以外で機能している存在みたいな、なんか設計が難しそうですね。
宮武 徹郎
うーん、まあでも、なんかVC自身も、その同じような、その管理者、まあVCこそ管理者システムなんですよね。ほとんど自分のお金を使ってないわけなので、
宮武 徹郎
だからこそ、よくVCに対して指摘があるのが、必ずしもアライメントがないっていう話は、それこそ管理者費用って呼びますけど、管理者費用を重要視してしまうVCが多いんじゃないかと。
草野 みき
アライメントっていうのは、その何かしら機能さす、企業家に対して機能させているかどうかみたいな話で。
宮武 徹郎
どちらかというと、そのLP側とVCの金銭的なアライメントでいきますと、去年LPがVCに出資している一部の理由って、巨大なリターンを出すことじゃないですか。
だからこそキャリーっていう制度があるじゃないですか。成功報酬があったで、例えばリターンを3倍にした場合、VCはその一部をもらえますと。
ただ同時に管理費用っていうものがあるので、そこそれはだいたい普通じゃなくて毎年2%。VCファンドを運営しないといけないので、手数料をもらってますと。
それっていわゆる20%じゃないですか。10年間で2%ずつっていうと。なので、リターンがゼロだった場合でも20%取られるんですよ。
それの仕組みをすごい悪く言ってしまうと、どんどんファンドサイズを大きくすれば、別にVCとしてはすごいリターンを出さなくてもめちゃくちゃお金儲けができてしまう。
それはやっぱりLP側がVCではなくて直接スタートアップに投資してればその問題って起きないじゃないですか。
なので、そこのいわゆるミドルマンじゃないですけど、その管理者っていう存在がどこまでいいのか悪いのかっていう議論がもっとされるべき。
なるほど。
必ずしも悪いっていう話ではないんですけど、それこそVCもいろんなVCっていいことやってたりしますし、別に全員が創業者になれるわけではないですし、創業者も例えばなくなったりとか、スケールできるスキルセットを持ってないとか、それをやりたくないとかいう人たちもいるんですけど、
ただ、それって誰が会社を実際運営してるのか運営してないのかっていう理解は必要なのかなっていう。
しかも管理者とか官僚、企業の場合ですと取締役とかそういうのがどんどん作られたり、マネージャー層とかができると何が起こられるかというと、
彼らが自分たちのポジションを守りたくなるんですよ。いわゆるこれって一つのシステムになるので。そうするとよく言われるものだと社内政治みたいなものがどんどんできたりとか、レポートラインができたりとか、場合によっては自分たちを守るための教育システムを作ったり、それの延長線にあるのがMBAとか。
草野 みき
そうなんですか。
宮武 徹郎
もちろんそれだけじゃないですよ。単純にいい理由でMBAも作られてビジョンスクールとかも作られてると思いますけど。でもほとんどの上場企業、これは日本でもアメリカでも多分そうだと思うんですけど、経営層とか、場合によってはVCのGPとかの経歴見ると大体同じじゃないですか。
草野 みき
MBAってことですか。
宮武 徹郎
MBAもそうですし、例えばコンサル出身とか。場合によってはファイナンスのバックグラウンド、投資銀行で働いてたとか。
草野 みき
それは宮武さんが言ってるのは、同じような属性を集めて、同じ教育を持った人で集めているっていう話ですか。
宮武 徹郎
そうですね。いわゆるそういう人たちしか管理者になれないっていうシステムが作られてしまうんじゃないかっていう。それによってずっと管理者っていうポジションが疑われなくなる。
草野 みき
多様性がないことによって。
宮武 徹郎
どこまで必要なのかっていう話です。まずその管理者が。でもその話ってしないと思うんですよ。社会の中では基本的に。
草野 みき
それはコンサル出身の人が多いみたいなのはどういうところにつながってくるんですか。
宮武 徹郎
管理者がいろいろ会社に権力を持ってます。いろいろ会社を事実上彼らが運営しています。ただ彼らのインセンティブって、元々のオーナーのインセンティブと違って、より短期的に利益を得る。
そうすると彼ら給料上がったりするので、必ずしも会社のために動いてるわけではないですと。自分たちのために動いてるケースが多くて、別にそれはそれでありますと。
でも彼らが本当に価値があるのか、短期的ではなくて長期的に価値があるのかって問われない理由ってなんだろうと思った時に、それは自分たちを守るようなシステムを作ってるから。
そのうちの一つが、こういう教育制度を作ったり、例えばビジネススクールが全部悪いっていう話ではないですけど、ビジネススクールに行くとそういう会社のトップになれるみたいな、そういうシステムを作ることによって、それがいわゆるその層だけではなくて、どんどん下までそれを教育すると、社会として誰も問わなくなる。
宮武 徹郎
別にこれビジネススクールっていう、一例でしか挙げてないんで、別に全員ビジネススクール行ったらやばいみたいな話ではないんですけど。
でも経営者の中で多くが似たような経歴を持ってるっていうのって、本来であればおかしい話だと思うんですよ。
経営者、個人、一個人がってことですか? 一個人が。例えば、上場企業の経営層の人たち個人個人見ても、だいたい、ずっとビジネススクールの話してるので、でも例えば元弁護士とか、なんとなくいるじゃないですか。でも考察っていないじゃないですか。
もちろん例外はいますよ。例外はいるんですけど、いわゆる基本的な、平均的な上場企業の経営層を見ると、いないじゃないですか。特に創業者ではなくて、創業者は例外になるはずなので。
経営者、確かにそうかもしれないですね。 特にどんどんスケールするとそうだと思うんですよ。で、それって、それを問わないのっていうのが、結構おかしいのかなっていうのは思い始めていて。
世の中的に。 世の中的に。よく言うじゃないですか、例えば東大とか京大に行ってる人たちだけではなくて、いろんな大学から来てる人たちの採用をしてますとか、いわゆるエリート校だけでしか見てないですっていう人もいれば、そこを見てないですよっていうのを強調する人もいると思うんですけど。
でも結果的にどんどん会社がスケールすると、そういう層の人たちがだいたい入ってくるんですよね。
草野 みき
その似たような人が入っちゃうっていうのとはまた別の理由でってことなんですかね。 似たような人っていうと。 例えば自分たち、自分が経営管理者層にいたら、この人よく知ってるから大学時代の友達入れましょうとか、大学時代の共通の友達のこの人が転職探してるからみたいな形で、
宮武 徹郎
組織の中の人の関係してる人がネットワーク効果で増えていくみたいな、だから同じ人。 それもまさに、システムが自ら守ろうとしてる表しでもあるのかなって思いますね。
学校が作られる理由とかって、そういう意味合いもあるのかなと思うんですよ。 そういう意味合いっていうと。 同じような経営層の考え方、同じ管理者を生み出して、その管理者社会をどんどん普及させていく。
なるほど。 それが果たしてどこまでいいのかっていう話なんですけど、そういう企業に関しては多分、組織を大きくすることにすごい長けてるんですよ。
別に悲しいも悪いっていう話ではなくて、たぶん難しいのが、新しいことがやりにくくなるんですよ。同じような考えの人たちがどんどん出てきて、しかもそれが管理者的な人たちが出てくると、今の組織編成を変えずにどんどん大きくする方法っていうふうに考えてしまうので、だからこそイノベーションのジレンマが起きるんですよ。
それをぶち壊すような全く違う視点から考える新しい人が入ってきて、どんどん大きくなると変えられなくなるっていうのは、そういう管理者システムがどんどん普及してるから。
草野 みき
めっちゃ難しくないですか。自分と似てる人じゃない優秀な人をどうやって測っていけばいいんだろうみたいな。学歴すべてでもないですし、自分がこの人をよく知ってるからって別にそれが優秀かどうかみたいなのもありますけど、それをゼロから考えるのめっちゃ難しそうな話だなって思いました。
宮武 徹郎
それを引っ張って上に決定、物事を動かしてくれるぐらいのレベルの権限を持たせるのってめっちゃ難しそうだなっていう。
基本的には管理者層の人たちとしては、違う人を選ぶインセンティブがゼロなんですよ。全く違う人を選ぶと、自分が今まで上ってたキャリアから全然違うことをされてしまうと、自分のキャリアがなくなったりとかするわけじゃないですか。
自分の仕事がなくなる可能性があるので、なのでそのインセンティブってやっぱりすごいないですし、それこそでも草野さんが言うように、それを変えるための全く違う人を採用するとか、違う考えを採用するっていうのもめちゃくちゃ難しいことなんですよね。
いや、やりたくても、結局でもバイアスってものがあるじゃないですか。誰が採用するかとか、結局でも好みみたいなところもあると思うので、それをフラットにどうやって見たらいいのかなっていうのは気になります。
でもこれこそ、今年やった回で採用回りでの考え方とか、そこら辺も多分役に立つと思うんですけど、でもなんか多分第一ステップとしては、そういうことが会社で起きてるっていうのを理解すること。
特にスケールすると、そうなりがち。必ずしもそうなってるっていう話ではないですけど、多分一般的に見るとなってますと。で、それと真逆なのが、彼を真似るべきっていう話ではないんですけど、イーロンとか。
オーナーが自ら会社を完全運営してるわけじゃないですか。彼は別に全部のことやってるわけではないですけど、めちゃくちゃ関わってる。まさにファウンダーモード的な話ですよね。しかも取締役会、例えばXとかだと取締役会がないですからね。
宮武さん、どう見てますか?それは。 その取締役会がないってことですか? ないとか、あとイーロンマスクの振る舞いをどう見てますか? まあ、プロコンはすごいありますよね。これに関しては。プロコンはあるものの、彼に関してはある程度も自由にさせないといけないのかなって思っちゃいますよね。
なんか多少なりそういう、あと彼に関しては、たぶんなんですけど、別にイーロンマスクと話したことないので、普通にアドバイスは聞いてくれると思うんですよ。それをただいいかどうか判断するのは彼なので。
正式な取締役会っていう形で取るべきかっていうところは正直わかんないです。これはイーロンの場合はっていう話ですね。 例外。 例外です。
でも、ここがでも難しいところなんですよね。例外だからこそ、例外じゃない人たちはどうするべきかっていうと、どうしても管理者になりがち、そっちに寄っちゃいがちだと思うんですよ。
自らオーナーシップを取って実際物事を動かすっていうのって、昔で言うと鉄道とか、アメリカの場合鉄道とかもそうですし、街づくりとかもそういう結構、上からそういう指示があったからこそみんな動いてたっていうところで、その一番のわかりやすい代表が今イーロンマスクになったりするんですけど、
ただなんか彼ももちろん過激的な事例だと思うんですけど、多分もっとそういう人たちは必要だと思います。全員がそういう人たちになるべきかっていうとわかんないです。ただそういう人たちがいないと、世の中が変わんない。特にこの管理者社会みたいなことをどんどん理解すると、どんどんどんどん変えにくくなる。
だからこそそこに対して逆張りをするような人たちが出てこないといけないんですけど、個人的に気になるのは、ちょっと草野さんに聞きたいんですけど、さっきの話だと、管理者的社会がどんどん生まれてくると、イノベーションが作りづらくなると。
だからこそ、異論みたいな起業家が生まれるのか、それともそこって別に関係ないのかっていうと、どう思います?
草野 みき
卵が先かニワトリが先かみたいな話ですか。
宮武 徹郎
いわゆる起業家を、もっと異論がいいのかわかんないですけど、偉大なる起業家を作るには、社会がどんどんこういう形で悪化しないといけないのか、それによって危機的なものが生まれてくるのか、それとも無理やりでも偉大なる人たちって作りにいけるのかっていうと、どうなんですかね。
草野 みき
作れないんじゃないかなっていう。
宮武 徹郎
じゃあ、これはレスポンスなんですね。その起業家が生まれてくるのは、今の社会がこういう風になってるからこそ、それに対してどのこういう起業家が、異論みたいな起業家が出てくると。
草野 みき
はっきりわかんないですけど、どちらかというとそっちかなっていうのは、やっぱり、これまでの話とか、やっぱりカウンターカルチャーというか、反逆の精神があってあるのかなっていう、ただ単に逆張りではないですけど、こういうことを言ってる奴らがいる。だけど、私はこっち行くっていう、なんていうか、ところも大事かなって思いますし、
世間が同じ方向を向いているときに、それについて正しくないって言える人が、よりわかりやすくなるかなって気もするので、
ハッカーと画家っていう本あるじゃないですか。その中で、ハッカーは規則に従わないっていう、それがハッキングの本質で、それがアメリカの精神であるみたいなことが書かれてて、素晴らしいハッカーと一般的に賢い人の違いは、政治的に正しくないことを堂々と言うみたいな話をしてて、でもそれは確かに、なんていうか、そうだなっていう気もちょっとするっていうか、みんなが、
それ言っちゃっていいの?みたいな。そこまでしていいの?みたいな。でも、イノベーションをこれまで起こしてきた人とか、特にテクノロジーとかだと、これやったら、もうすべてが壊れるとか、この発言したら、いろいろひっくり返るんじゃないの?みたいな。
あとまあ、それやったほうがいいと思うけど、でも。 できるの?みたいな。 うん。みたいなのを、いや、できますけど、っていう。だから、やりますけど、みたいな。それに対して何も思わず、思わずっていうか、淡々と実行していくみたいなのは、すごくそういう人が、逆に世間が同じ方向を向いてるから、わかりやすいのかなって気がしました。どう思いますか?
宮武 徹郎
いや、でもなんか、この草野さんと基本的に同じ意見で、やっぱり自然と生まれるものかなっていうところで。で、世の中が正直、どんどん上がり下がりが若干激しくなってる気がしているので。だからこそ、今、より、例えばビッグテックが、より業界を支配してるからこそ、それに対しての逆行が生まれやすい環境にはあるんですけど。
ただ、やっぱり、もしかしたら外部的な要因があり得る場所で言うと、やっぱり、新しい反逆者が生まれやすい環境にはなってきたと思うんですけど。ただ、生まれてから、そこを潰されるスピードもめちゃくちゃ速くなってる。
いわゆる、昔で言うと、例えばカトリック教会が、地球が世界の銀河の真ん中心にあるっていう考えから、太陽、太陽ですみたいなことを言ってたガリレオとかに、最初に燃やす、彼を燃やしたじゃないですか。
そのスピード感が、たぶん、めちゃくちゃ速くなってると思うので、なので、そこを、そういう人たちをより支援できるようなインフラっていうか、情報かもしれないし、場合によっては応援っていう形かもしれないですけど、それがもうちょっと必要になるのかもしれないなって思いました。
草野 みき
大平 でも、トランプさんとか、いっぱいキャンセルされても、されたこといっぱいあるじゃないですか。でも、立ち上がって。
宮武 徹郎
キャンセルされてない、その結果って。
草野 みき
大平 どんどん強くなっていくみたいな。で、なんかイーロンマスクもいろいろ言われがちではありますけど、やっぱりその分ファンもいるし、実力もあるので、なんかそういう人も出てくるんですかね。なんか全然、こいつダメだって、本当にダメだったり、ダメじゃなかったとしても、なんかこう、どんどん強くなるみたいな。
宮武 徹郎
なんか、全然生まれてくると思います。ただ、やっぱりイーロンでさえ、スペースXが最初3回でしたっけ?失敗した時は、さすがにもうヤバいって多分なってたと思うので、多分その時に声かけた人とか、場合によっては資金提供してあげた人とかによって救われてるんだと思うんですよね。
そういう人たちをもっと増やさなければいけない。もちろん企業家側もそうですけど、あと、もっと社会としてそういうことをやること自体が別に間違ってないっていうのを伝えられるような社会に持っていかないといけない。
これも難しいところあるので、反逆してるからこそ大きなことを作れたりモチベーションになったりするので。
草野 みき
さっき言った間違ってることじゃないよっていうのは失敗に対してってことですか?
宮武 徹郎
失敗に対してとかですね。基本的にそう言いがちなので。特にメディアはそうだと思うんですけど。若干多分話ずれちゃったと思うんですけど。
管理者ではなくて創業者モード、ファウンダーモード的な人の異論じゃない。異論マスク過激すぎるので。異論じゃない良い事例を出すとすると、今上場企業でファウンダーモードまでやってる人って特に大手テク企業だと少ないんですけど、やっぱりマーク・ザッカーバーグが出てくるかなと思っていて。
彼に関してはやっぱりすごい、彼の元部下とかの話をいろいろいろんなところで聞いていると、ファウンダーモードから管理者モードへの切り替えが上手い。
へー、どういう? なんかベース管理者モードなんですよ。創業期はファウンダーモードですけど、今もうスケールしているので、彼は基本的に全部のこと関わられないので。でもなんか時々この、バーナムが言うブジュアジー資本主義モード、ファウンダーモード。
ベン・ホロイッツが言うにはたぶん戦争時のモードに入ることがあって。なんかイーロンは常にファウンダーモードなので、そこが若干違う気がするんですよ、マークさんとの違いで言うと。
平和時、ピースタイムのCEOではないですよね。フルタイム。 ベン・ホロイッツ フルタイム・ウォータイム・CEOだと思うので、それはそれで一位やり方としてあるんですけど、マーク・サッカーバーグとかはたぶんどっちもできる人。で、例えばなんですけど、えっと、Googleプラスって覚えてます?
草野 みき
もちろんです。ちょっとだけ話したことありますよね。 ベン・ホロイッツ そうですね。クサンさん使ってましたっけ? いや、登録はしてたと思います。でもあんまり使ったことはないですね。
宮武 徹郎
ベン・ホロイッツ 最初にGoogleプラスで市場に出た時って、やっぱりGoogleだったので、みんな登録したり、ちょっと使ってはいたんですよ。で、その時にマーク・サッカーバーグもこれはやばいと。
やばい。 ベン・ホロイッツ Googleなので、やっぱりディストリビューションパワーすごい持ってるので、何かしなければいけないっていう時に、彼がこれ、Facebookのキャリアの中で何回もこれ行われてるんですけど、ロックダウンを行うんですよ。彼がロックダウンって呼んでるんですけど、これがマーク・サッカーバーグのファウンダーモードなんですけど。
ベン・ホロイッツ 会社の歴史上何回もやっていることなんですけど、基本的に全エンジニアを呼び出して、今やってることを全部やめろと。
ベン・ホロイッツ これから僕がロードマップを全部決めるから、それを全部成し遂げてくれと。っていう、もう完全にピボットさせるんですよ、会社は一時的に。
ベン・ホロイッツ よほど売上に貢献するようなインフラ、例えば広告インフラとか、シャットダウンしたらクライアントが使えなくなるみたいなことをやってるエンジニアに関してはそのままなんですけど、基本的にその他全員は、この7つの機能を作ってくれとかっていうオーダーに対して全員やらないといけないんですよ。
草野 みき
ベン・ホロイッツ ちょっとUI変えたりみたいな部署とかの人がそっち行ったりみたいな。
宮武 徹郎
ベン・ホロイッツ なので、実際にフロントエンドのエンジニア、他の部署のフロントエンドエンジニアを、例えば広告チームのエンジニアを引っ張って、C向けの機能を作らせたりとか、場合だったらPMまで引っ張り出して、こっちの部署に寄せたりとかするんですけど、
ベン・ホロイッツ 彼、今も違いますけど、昔のオフィスと彼のオフィスの外にロックダウンっていう文字があって、それが確か赤くなるとオンなんですよ。
ベン・ホロイッツ 通常赤くないので、それぐらいロックダウンっていうものが明確に会社の中であって。
草野 みき
ベン・ホロイッツ なんか面白いですね。
宮武 徹郎
ベン・ホロイッツ いいですよね。
草野 みき
ベン・ホロイッツ ロックダウン用のライト作るか、設置しといて、おーいい感じみたいなやりとりがあったと思うと面白い。
宮武 徹郎
ベン・ホロイッツ そうですよね。このフォントじゃないみたいな。
草野 みき
ベン・ホロイッツ いいですね。ロックダウンに備えて作っておきます。
宮武 徹郎
ベン・ホロイッツ 明確なロックダウンから外れるのも明確に定義していたのはすごいなと思うんですよね。
ベン・ホロイッツ 何人がどれくらい使ってくれたらもうロックダウン終わりますっていうのを最初から定義してて、
ベン・ホロイッツ それによっていろんな会社の危機的な、マークさんが思う危機的な瞬間を乗り越えられたっていう話があるんですけど、
宮武 徹郎
ベン・ホロイッツ これも多分管理者と創業者の考え方としてめちゃくちゃ違うので、やっぱ創業者だからできること?
草野 みき
ベン・ホロイッツ 創業者だからできること。紙砕くと。
宮武 徹郎
ベン・ホロイッツ オーナーであり、運営してるからっていうところですね。
草野 みき
ベン・ホロイッツ それはもし管理者モードだったら、今運営してることを伸ばしていくことに注力しがちみたいなことなんですかね。
宮武 徹郎
ベン・ホロイッツ そうですね。で、どちらかというと自分のポジションを守りにいく。
草野 みき
ベン・ホロイッツ そうですね。
宮武 徹郎
ベン・ホロイッツ もちろん全員の管理者がそういう話ではないんですけど、一般的に考えるとっていうところなので、
ベン・ホロイッツ 全体的にこのバーナムの話を、そのサマリーを出すとすると、
ベン・ホロイッツ 昔の資本主義だと通常2つの、マルクスが言うような2つのクラスがありましたと階級があったんですけど、
ベン・ホロイッツ それがどんどん企業とか国がスケールする中で、
ベン・ホロイッツ その2つではない3つ目の層ができましたと。で、それがこの管理者っていう層で、
ベン・ホロイッツ その層が結構支配権を持つような社会に自然にそういうふうに進化するっていうのが彼の仮説ですね。
草野 みき
ベン・ホロイッツ うーん、それはなんか確かにそんな感じはしますね。
宮武 徹郎
ベン・ホロイッツ 特に今の世の中を見ると、なんとなくそんな感じはしますよね。
草野 みき
ベン・ホロイッツ うーん、なんでだろう。でもミドルマンは結構淘汰されつつある流れじゃないですか。
宮武 徹郎
ベン・ホロイッツ うんうんうん。
草野 みき
ベン・ホロイッツ 直接やり取りをやるっていうのがまあできるようになってきてるけど、とはいえみたいなとこなんですかね。
宮武 徹郎
ベン・ホロイッツ そうです。なんか特定の部分でしかそうなってないのかなっていうところで、なんか社会全体としてそうなってるかというとそうではないかなっていう。
ベン・ホロイッツ うーん。
ベン・ホロイッツ でもなんかまあ草野さんが言うように、なんかそれが行き過ぎたからこそよりDtoCとかなんかより直接っていうのがなんか重要視され始めたのかなっていうのを思います。
草野 みき
ベン・ホロイッツ うーん。なんでそんな人、逆そのでもそれを必要としている人たちもいるっていうことですね。その人たちが存在してるってことは。
宮武 徹郎
ベン・ホロイッツ それを必要としてるっていう。
草野 みき
ベン・ホロイッツ 結局管理してほしいっていう人たちもいるっていうことなのかなと思ったんですけど。
宮武 徹郎
ベン・ホロイッツ そうですね。あの、いわゆるその、その例えば会社で見ると、一上場企業の株主、たとえ僕がG社にちょっとだけ10万円投資した場合ですと、自分の不安とか自分の声を代表してくれるような管理者みたいな人を欲しがると思うんですよね。
草野 みき
ベン・ホロイッツ うーん。
宮武 徹郎
ベン・ホロイッツ だから、なんですかね、なんかそういうシステムになんか、自分一人だとそれが動けないからこそ、管理者にそれをやってもらいたいで、だからその管理者の立ち位置がすごい上手いんですよ。
いやなんか創業者だとまあ、イーロンみたいな、なんかヤンチャでなんかヤバイ人がいますみたいな、いやうちらはそうではないですともっとプロですよっていう…
草野 みき
ベン・ホロイッツ イーロンもプロですよ。
宮武 徹郎
ベン・ホロイッツ あ、もちろんですよ。これはあの。
ベン・ホロイッツ 分かった。
ベン・ホロイット 管理者側がいうにはですよ。
草野 みき
あんなやっちゃしてて、私は話が通じますから、はい、つって