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スピーカー 1
ハイパー起業ラジオ、イエーイ!というわけで、今回から新シリーズが始まりますが、
そもそもですね、結構最近ハイパー起業ラジオを聴いてますみたいな感じで、DMが来たりですとか、
スピーカー 2
打ち合わせの前に言われることがすごく多くなっていて、
スピーカー 1
聴いてんだなぁというのが、すごい体感してわかるようになりましたね。
スピーカー 2
ありがたいですね。僕全く言われないのはどういうことなんだろう。
スピーカー 1
なんか今までだったらね、X見てますとかノート読んでますって言われてたんですけど、
今もしかしたら企業家から言われるのをハイパー起業ラジオ聴いてますが、一番多いかもしれないですね。
スピーカー 2
すごいですね。ほぼ僕らはステルスでやっているんですけれども、やっぱりアクセスの分析をずっと見てると、
ありがたいことに1話の再生数が落ちないんですよね。
だからおそらく皆さんが、これいいんじゃない?って言って人に伝えてくださって聴いていただけてるのは本当にありがたいなぁと思いつつ、
だけどちょっとPersona編、やっぱりめちゃくちゃ好きなんだけど、
スピーカー 1
心から狂おしいぐらいそれが、もともと知ってたかっていうとそうじゃなかったので、
スピーカー 2
ちょっとこのシリーズはもう絶対に外せないっていう気合が入ったものにさせていただいておりますね。
スピーカー 1
なるほど、じゃあちょっと早速テーマ発表からじゃあ行きますか。
スピーカー 2
テーマとしてはリクルート編でいきたいと思います。
スピーカー 1
リクルート編ですね。みんな大好きリクルート。
スピーカー 2
僕とケンスもリクルート出身でいますし、僕に至っては14回転職してるクズなんですけど、
3職目と8職目とリクルート好きすぎて2回行ってるっていうぐらい好きなので非常に参考になるかと。
スピーカー 1
珍しいですよね。やっぱり2回、もう1回行ってもいいなって思える企業に転職するっていうのはすごいですね。
スピーカー 2
そうなんですよね。というのはやっぱり今、もともと僕はインターネットに関してこうやってなんでハイパー企業ラジオやってるかっていうと、
インターネットってエンパワーメント。人だったり小さきものに力を提供することによって、
その小さき方々が自分の魅力を発信することで、多様なつながりができて生態系が豊かになっていくみたいなことが大好きで、
リクルートってその象徴的な会社ですよね。一方でそういった小さきものに力を提供するっていうことをやってるがゆえに、
第1シリーズでやっていたネットワーク効果の権限みたいな会社でもあるし、一方でネットワーク効果に振り回され続ける中、
新しいお客様からの選ばれ方、事業としての持続性を、すごいいろんなパターンを実は作り続けてる会社なので、
こういったことを一度話してもいいんじゃないかなというふうに思った次第なんですよね。
スピーカー 1
楽しみですね。今までだったらネットワーク効果とかPersonaみたいな結構フレームワークとか手法の話だったんですけれども、
今回ちょっと軸が企業軸なので、結構幅広く話せるかなという気がしてますね。
スピーカー 2
そうなんですよ。だから今までのネットワーク効果Personaって、いろんな領域に汎用的に使える横軸だとすると、
今回のリクルートっていうのは縦軸として、一つの事業をどういうふうに持続的に成功するものにしていくのかっていうときに、
いろんな横軸の武器を使っていくので、そういったところで立体的に分かるシリーズになればいいんじゃないかなというふうに思うんですよね。
スピーカー 1
いいですね。今まで話したネットワーク効果の話もあれば、例えば編集の紙の時代からインターネットに移る、
テクノロジーを取り入れないといけないとか、そこにはイノベーションのジレンマ的な、
全然違う組織の形態を変えるとか、採用自体を変えるとか、いろんな要素があって、かつずっと成長し続けてる、いまだにベンチャー感のある、すごくいい企業なので、その辺の話も全部できるっていうのは、
スピーカー 2
そうするとあれだね、今、全8話で考えてたんだけど、もう1話、やっぱフリーペーパーというものの事業転換をどういうふうにリクルートかやって、フリーペーパーからモバイルにどう転換したかみたいな、
あそこも実はむちゃくちゃインサイトあるんですよね。だから全9回必要なのかもって、今思った。
スピーカー 1
いいですね。ちょっとどんな話になるか僕もまだわからないんですけど、例えば社長が、創業者がいなくなってもちゃんと持続して成長できてるみたいなところもリクルートの特徴だったりとか。
スピーカー 2
はい、そうなんですよね。
スピーカー 1
本当に参考になる企業ランキングでいうと、日本企業の中でもトップクラスだなというふうに思うので、すごく楽しみですね。
スピーカー 2
だからそもそも定型的なところで言うと、おっしゃるようにリクルートっていうのは、1960年東大新聞に広告を出すっていうところから始まった会社なんですけれども、
その後、求人事業をビジネスとし、不動産事業をビジネスをしという形で急拡大してたんだけれども、ある事件があって、創業者である江沿いさんは退陣をせざるを得なくなったし、
ホームページすら名前は書かれなくなるっていうぐらいまで衝撃的な事件になったんだけれども、一方で江沿いさんが残した会社としてのDNAですよね。
このDNAっていうのがものすごく濃く刻まれたが、故に会社として何を良しとするかみたいなところが強烈に刻まれて、その後も国内旅行のジャランだったり、結婚のゼクシーだったり、
そういう形で、さっき言ったフリーペーパーとしてのホットペッパーだったりとか、最近で言えば海外で求人サービスナンバーワンになってるインディードだったりっていう形で、常に新規事業を起こし起こし起こしながら来ている60年間なわけですね。
しかもえぐいことに、この10年ですら、売り上げ、僕らがリクルートにいた頃は多分4千億ぐらいのタイミングだったと思うんですよね。件数が最後にたがって2010年ぐらいだよね。
スピーカー 1
2009年ぐらいまでいましたね。
スピーカー 2
2009年、10年だと売り上げってまず3200億円ぐらいだったんですけれども、問題です。今リクルートの売り上げはいくらでしょうか。
スピーカー 1
1兆円。
スピーカー 2
3.4兆円。
スピーカー 1
すごい10倍以上になってんだ。
スピーカー 2
件数がいた頃はまだ非上場だから、利益に関しては非公開なんですけど、その後2013年に上場して、その時で1兆500億ぐらいの売り上げで1300億円利益があって。
スピーカー 1
すばらしいですね。
スピーカー 2
今期おそらく3.4兆円の売り上げで4千億円の利益。
スピーカー 1
すばらしいですね。桁が違いすぎてちょっとピンとこない人も多いと思うんですけれども。
スピーカー 2
時価総額10.7兆円。
スピーカー 1
10.7兆円。
スピーカー 2
僕らが辞めた後10年強で株価が5倍になっていたので、実はリクルートの株をずっとホールドしているっていうことが僕らは人生幸せだったんじゃないか問題っていうのが常につきまとうぐらいの急成長企業っていうね。
スピーカー 1
そうですね。そう考えてる人も多いと思いますけどね。
スピーカー 2
早速なんですけど、じゃあそういう歴史を捉えていくっていうのもいいんですけれども、やっぱりハイパー企業ラジオですから、どういうふうにその事業が成長することができたのかということで、一旦8つ、プラス1の9つで考えてるんですよ。
スピーカー 2
リクルートっていうのは先ほど言ったように、実は1960年なんですよね、創業が。
だから創業からなんと63年か4年経ってるんですよね。何から始まったかっていうと、東大の学生新聞の中に広告を売るっていうことから江添さんが始まるんですよ。
スピーカー 1
研修って学校に大学新聞あった?
スピーカー 2
大学新聞はもうなかったですね。
そっか、もうないんじゃないか。僕らの頃ってやっぱり大学の学生向けの新聞があって、学生の方が読みますという形で運営していて、正直学生の中からしか読まないからそんなに部数出ないし、運営も難しいんですよ。
江添さんって当時すごいお金に困ってらっしゃって、東大新聞の広告営業ってむちゃくちゃ給料がいいよっていうふうに書かれていたので喜んで入ってみたら、実際蓋開けてみたら部合制だったんですね。
要は自分が広告をたくさん取ってくれば儲かるよと。ということで彼は試行錯誤するわけですよ。
当時の学生新聞なんて、要は学生相手の新聞だから、近所に東大の学生さんがよく来るレストランとかクリーニング屋さんとか、いわゆる新聞のチラシ的なご近所の方々が出してくださってるわけですけど、
そういう方々って、そんなに彼らの売上もあるわけでもないし、利益もそんなに出てるわけじゃないから、新聞の広告ってあんま売れないわけですよね。
スピーカー 1
そうですよね。学生だからそんなに購買力があるわけでもないですしね。
スピーカー 2
だけど、そうやってゾイさんが動いている中で金鉱脈を見つけるわけです。それが、東大生に一番金を出してもリーチしたい人たちって誰ですか?って言うと、東大生を就職として欲しい会社ですよねってことです。
スピーカー 1
たぶん歴史的に見ると、そこの時代はまだ採用がリクルートみたいなのが当然なかったので、どうやって採用してたんですか?
スピーカー 2
それはね、ちょっとこの話をするとまた因果の話につながっていくんですけど、当時そういう求人を集めるところって大新聞。
日経新聞さんとか朝日新聞さんとか読売新聞さんとか各地方の中日新聞さんとか、その新聞の中に求人欄っていうのがあってですね。
そこから集めるっていうのがメインか、いわゆるチラシですよね。学生部に行って、その大学の季節になると学校の掲示板に貼られる。
なるほどね。
ある意味、新聞に求人広告を載せるって、新聞読んでるうちの何%が本当に来てほしい方なのかっていう話なわけですよね。
スピーカー 1
学生じゃない人もたくさん読んでますからね。
スピーカー 2
そうなんです。それで言えば、当時1960年というのはもうメーカーがどんどんどんどん伸びていく高度成長期でございますから、やっぱり優秀な学生にメーカーとしては来てほしいタイミングだったわけですね。
なので、ソニーにしてもホンダにしてもトヨタンにしても、できるだけ優秀な理系の学生が来てほしい。
じゃあ、東大生だけが読む新聞があるとしたらいかがでございますかということに気づいたのが江沿いさんの発想なわけですよ。
スピーカー 1
なるほど。わかりやすいですね。東大生しか読まない新聞に求人広告載せましょうって話なので。
スピーカー 2
ここから始まって、彼は次何をやったかっていうと、当然もう大学新聞に広告を載せるだけで、彼は儲かってたので就職活動とか全然してなくて、あれ、俺就職席ないじゃんって話になっちゃったんですね。
だったら、インストのことを会社にしてしまえということで、大学新聞広告社というのを作って、東大の大学生新聞だけじゃなくて、他の大学の新聞の広告も俺が取ってきますよ。これがリクルートの全ての始まりなわけです。
スピーカー 1
なるほどね。わかりやすいですね。メディアを抑えてやって、営業もいろんな会社さんにするので、メディアの露出の面を増やしましょうっていうことですね。
スピーカー 2
ただ、ここにおいてさっき言った発想の逆転が生まれたんですよ。結局メディアビジネスというものがどんどん大きくなる中で、今までの商売っていうと、良い商品を仕入れると儲かるね、だったわけですよね。
野菜屋さんは新鮮な野菜を、メーカーさんはユーザーにとって便利な家電を作って仕入れれば儲けるっていうところから、メディアが台頭していく時代の中では商品を仕入れるのではなくて、高く売れるユーザーを仕入れたやつが勝つ。
これが逆転なわけですよ。じゃあ、高く売れるユーザーはどこにいるの?というと、大学の新聞になってくるんですけれども。じゃあ、この大学の新聞でやるって言っても、基本的には新聞を読む人に見せてるだけじゃないですか。
だったら、全部求人広告の本を作ればいいんじゃないですか?っていう風になって、企業への招待というものが生まれる。これがリクルートとしての最初の商品になってくるんですね。
スピーカー 1
要はもう採用、ここがこれ募集してますよっていうのしか載ってない本を作ってってことですよね。
スピーカー 2
つまり、100%広告でも本当にユーザーにとって欲しいものであれば、情報誌になる。これがエゾエさんの割り切りであり凄さなんですね。
ちなみに今、画面の方に双冠号が入手できなかったので、1962年の企業への招待という本の表紙があるんですけれども、これの異常さわかりますか?件数。その年の下にとんでもないことが書いてあるんですよ。
スピーカー 1
新潟大学工学部を来春卒業される方へ。
スピーカー 2
つまり何をエゾエさんはやったかっていうと、ユーザーを仕入れるためには、ユーザーを仕入れたい人に対してピンポイントで集めればいいんだって言って、大学の学部別に雑誌を作って、その雑誌を学生に直接届けるということをやったんです。
スピーカー 1
だから、さっきの東大生っていうものは確かにハイブランドだから、東大生に来てほしいっていう広告を出す人もたくさんいるよね。
けどそうじゃなくて、やっぱり新潟の工学部を出てる方を、やっぱり新潟の地元のメーカーさんはめちゃめちゃ喉が出るほど欲しいわけですよ。
スピーカー 2
これが結局マッチングの一番の妙であって、結局需要と供給が一致するっていうところのマトリックスのサイズに合わせて、だったら新潟大学工学部の方向けに求人広告だけを集めた本を作れば、ユーザーにとってみれば、うちの大学に来てほしいっていう人しか広告出してないから。
ユーザーからすると要は応募すると合格率が高いわけですよね。
一方で企業側からすると、もう新潟大学の工学部から来てほしいっていうのが明確にスペックが決まってるから、欲しい人が来てくれるから高いお金を払って広告を出すわけですね。
スピーカー 1
僕も先輩とかから聞いたときに、就職活動のときにどうやって企業を探してるのかと聞いたら、そんなのは勝手にリクルートから冊子が送られてくるって言っていて、当時へえと思ったんですけど、考えてみれば別にユーザーも欲しいですって言ってないのに勝手に郵便のところに届いてるってめっちゃすごい話ですよね。
スピーカー 2
そうですね。当時は個人情報保護法とかが大らかだった時代だったので、こういった住所の売買みたいなものが特に問題にならなかった時代なんですよね。
スピーカー 1
そうですね。当時はコンプラとかも厳しくないし、そもそもほとんど法律を守らないでみんな自由に暮らしてたような時代なので。
スピーカー 2
そういう法律を守らないとコンプラじゃなくて、法律っていうものが後から厳しくなってきたし、コンプラという社会規範としてこれはやっちゃダメなんじゃないかなっていうのが後からダメになっただけで、その当時はまだこれを問題と思ってなかったわけですね。
一番大事なことは送り付けられた学生は便利だと思ってたわけじゃない。
スピーカー 1
そうですよね。誰もこれこんな送ってきやがってと思わず、当然インターネットとかもないので就職を活動するならこの本がないとそもそも成り立たないみたいな状態ですもんね。
スピーカー 2
そうですね。だからこれ実際にその本の中身をちょっと写真撮ったりするんですけど、まあ分厚いわ。各会社の歴史から私たちは何をしようとしていて、どういった学生に来ていただきたいのか。このレベルで書いてあるわけですよ。
スピーカー 1
ぜひググって見てみてもらいたいんですけど、本当に500ページとかもっとあるのかな?1000ページくらいあるかもしれないですね。
スピーカー 2
僕一応、柔大学の企業への招待をPDFで保管してあるんですけど、まあ人が殺せるぐらいの分厚さですし。
スピーカー 1
そうですね。今だったら想像できないんですけど、当然インターネットとかもないので企業がどういう考えで、どういう感じのものかっていう情報が多分ほとんど流通してないんですよね。
なので非常に貴重な情報源なんでしょうね。
スピーカー 2
そうです。だからここにおける転換点って3つあって、1つはやっぱりメディアの時代になると良い商品を仕入れるのではなくて、良いユーザーを仕入れるっていうことがビジネスになるよっていうのが1点目の逆転構造。
スピーカー 1
良いユーザー、良い大学の生徒さんみたいなのを良いユーザーとして抱え込むと。
スピーカー 2
2番目がユーザーのターゲットを絞ると、広告は情報に転換することができるってことなんですよね。
つまりこの本の場合は最初から新潟大学工学部の方にお渡しするっていうことが決まっているので、新潟大学工学部の方がうちの企業を好きになってくれるように書くのはどう書けばいいのかっていうことが明確に相手が決まっていれば、結局広告はラブレターに変わるわけです。
スピーカー 1
なるほど。これ面白いですね。やっぱり今のスマホサイトとか見てると広告って邪魔だよねって扱われてるけど、本当にユーザーが絞られてて良いコンテンツをラブレターのように書いてると、それ自体がユーザーさんにとってはとても魅力的なものになっていくっていうことが起こってるわけですね。
スピーカー 2
そして3番目がフリクションレスにするっていうことで、何年かからはちょっと調査できなかったんですけれども、ある年ぐらいから、この企業への招待の後ろにもうハガキがくっついているようになってきて、そのハガキはもう切手を貼らなくてもいいし、応募先の住所まで書いてあるわけですよ。
そうすると裏側にその会社への志望動機と自分のアピールっていうことをしっかり書けば、もう投函すれば終わり。これってもう今の応募フォームですよね。
スピーカー 1
そうですね。フリクションレスって摩擦がないっていう意味だと思うんですけれども、もう応募したいなと思ったらすぐ応募できるように工夫されてるっていうようなことですよね。
スピーカー 2
今でいうユーザーエクスペリエンスにおける離脱をしてしまうような要素っていうものを徹底的に摩擦を排除していくことによって、このメディアであれば情報も得られるだけではなくて、応募するためのツールとしても便利だから、もうここで行動を完結してしまおうっていうふうなところまで磨き込まれているので、
なんで俺のところの住所わかって送りつけてるの?という若干の気持ち悪さあるものの便利だから使っちゃうになるわけですよね。
スピーカー 1
これやっぱり今聞いても凄まじいなと思うんですけれども、コンテンツは企業から提供されて、お金をもらってコンテンツを作ってるわけですよね。
なので、ユーザーさんには無料で配れる、そこのコストをかけずに済む、みたいになっているのってすごいことですよね。
スピーカー 2
そうなんですね。
スピーカー 1
だって新聞とかはコンテンツ作るのにすごいお金がかかってるので、お客さんからちゃんとお金をもらわないと成り立ちませんよねっていうふうになってる中、1000ページの本を無料で配っても全然大丈夫なぐらい、お金をもらってコンテンツを作ってるみたいなことがすごく画期的なビジネスモデルですよね。
そうなんですね。しかも、そのことを結局2003年に始めて世界的なビジネスになったのがGoogleってやつで。
スピーカー 2
結局、広告で儲けれるから、検索って便利なものは無料で使わせてあげるよって言えるフリーミニアムって呼ばれるようなものを、もう1960年の段階からそこに特化すべきだってことをやっていたのがリクルートであり、エゾエさんということになるんですよね。
スピーカー 1
すごいですね。
スピーカー 2
しかも、じゃあリクルートがなぜ儲かるのかっていうところで、今回を最後にして、いよいよ次儲かるための秘術である詰めって話に入っていきたいと思うんですけれども、じゃあリクルートはとはいえなんでこんなに儲かるのかってことなんですよ。
で、僕リクルートにいるときに、僕リクルートにいるときはずっと役員フロアでうろうろしてるってことで有名な人間だったんですけども、ある役員の方がトイレに行ったのでラッキーって思って、その方になんでリクルートって儲かるんですかって質問したことがあるんですよ。
彼が言った答えがめちゃめちゃわかりやすくて、それはお客さんが永遠に素人やからっていう答えだったんですね。
スピーカー 1
どういうこと?
スピーカー 2
つまりリクルートっておみくじコンテンツって呼ばれてた時代があって、リクルートがやってるコンテンツって就職とか結婚とか出発とか旅行とかじゃないですか。
これっておみくじに今年はこうした方がいいよねって書かれる内容ばかりなんですよね。
スピーカー 1
ああ、なるほど。結婚運とか。
スピーカー 2
そう、結婚、今年は縁あり優しく育むが良しみたいなものとか、引っ越し、今年はできるだけ控えた方がいい。もしするとしても夏過ぎる方が良しみたいなことが書いてあるわけじゃないですか。
つまり何かっていうと、リクルートが提供してるのって、人生の中でそんなに数をそもそもやらないだろうっていうことをやってるからユーザーはずっと素人なんですよ。
スピーカー 1
なるほど、面白い。
スピーカー 2
だから僕は転職を14回やってるクズですけれども、一般的にはこのリクルートが創業された頃って転職はほとんどなくて就職1回っていう人生で1回しか就職しない時期だったし。
僕結婚2回してるクズですけれども、結婚も1回しかしないっていう方がほとんどじゃないですか。
スピーカー 1
そうですね。だから小原さんはめっちゃ転職している珍しい人ですよって言っても、それでも14回とかなわけですもんね。だから本当に2年に1回ぐらいしかしない。
スピーカー 2
だいたい1年半から2年に1回というペースなので、だから転職の14回で転職のプロって言えるのかっていう問題はあるにしろ、少なくとも転職1回ではなかなか転職のプロになれないわけですよね。
そうするとさっきの話に戻ってくるわけなんですけど、これからのメディアビジネスっていうのは良い商品を仕入れることよりも良いユーザーを仕入れることの方が儲かる。
スピーカー 1
めちゃくちゃ面白い。
スピーカー 2
じゃあ良いユーザーを仕入れるためには、そのユーザーがここに行けばめっちゃ情報がわかるし、この本を読めば良い転職先に恵まれることができるっていうふうに信じていただけるぐらい良質なコンテンツを提供できるかってことが大事になってくるわけでしょ。
それをリクルートは、もう圧倒的なさっきの500ページぐらいの規模感で、かつその人たちが素人で、就職ってどういうふうにしたらいいのかなっていうふうに悩み出した頃に送りつけてくる。