今回の概要
Hyper-collaborationがお届けするポッドキャスト、組織の未来地図、ナビゲーターの寺嶋です。
ナビゲーターの吉田です。
この番組では、デジタル時代における組織の経営やマネジメントはどのような視点で考え、
デザインし、またそれを導入していくためのポイントなどを、
多様な視点から思考していき、皆さんと一緒に地図を描いていくという内容にしたいと思っています。
今回も高田さんによるハイパー・チームマネジメント勉強会について話していきたいと思っております。
吉田さん、よろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
ハイパー・チームマネジメント勉強会というのは、
Hyper-Collaborationのエバンジェリストを自らに名乗り入れてくれた高田さんが、
月に2回開催してくれている勉強会なんですが、
第6回目のテーマは、なぜHyper-CollaborationがEQをコアに据えているのか、
リーダーシップと変革の重要性
吉田さんの許可(確認)なく高田が解説しますという、まあまあぶっ込んだテーマでしたよね。
最後の吉田さんの許可(確認)なくというところが、
とてもいいなと思いながら、興味津々で参加しました。
第5回のテーマが、個人・チーム・組織はとても細胞に似ている、
核・脈・網との関係性についてというテーマだったんですけども、
Hyper-Collaborationのサービスも、個人・チーム・組織という3つのレイヤーの変革を支援しています。
個人はEQをベースにしてサービス提供しているんですけども、
ここが今回掘り下げられたということですよね。
そうですね。高田さんらしい視点で、知らなかったというか、
前私も本で読んだはずなのに忘れてたみたいなことが盛りだくさんでした。
この吉田さんの許可なくというか、確認なくというこの企画、
吉田さん、夜会出てみてどうでした?
やっぱり高田さんらしい視点で伝えてもらったことで、
言語になっていなかった、自分が大切にしていたことがすごくよくわかった。
外から教えてもらった感じがしますけど、すごくよくわかった感じでした。
子供の頃のこととかも、ものすごく思い出して、
ああ、なるほどと思った点が多かったですね。
キーポイントになったのは、脳は三層構造である、
脳幹、大脳辺縁系、大脳新皮質であるということと、
あと、音声言語と視覚言語の違いというものだったと思うんですけれども、
音声言語と視覚言語の違いで、吉田さんなんかを着想したこととかってありましたか?
私と高田さんの共通する興味・関心領域っていうのが、
まさにここら辺なんですけれども、
「グーテンベルクの銀河系」っていう本が、
活版印刷が生まれてからどんな変化が起きたかっていう、
非常に難解で分厚い書籍があるんですけど、
ここに書かれていることっていうことが、
非常に私も高田さんも興味を持って時々意見交換する領域なんですけど、
思い出したことが2つ。
思い出したというか、1つは思い出したこと。
もう1つはずっと重要だと思っていることなんですけど、
1つ思い出したことが、
私、子供の頃から本読むのは好きは好きなんです。
今も好きですし、本当に小さい頃から本読むの大好きなんですけれども、
今も読むのはすごく遅いんですが、
特に小学校上がった頃の小さかった頃は、
特に本を黙読できない。
決して声を出して読んでるわけじゃないんですけど、
頭の中に自分の声が聞こえているぐらいのスピード感で本を読んでいて、
だからものすごい遅いんですよね。
例えば、大草原の小さな家とか、
子供からしたらちょっと分厚い本みたいなのが好きで読んでるんですけど、
まあまあ、1年間で読み終わるかどうかぐらいの。
でもその時どういうふうに読んでたかっていうと、
大草原についてお父さんが丸太を切り出して、
それを削って家ができてくるシーンとかを、
もう本当にありありと浮かべながら、
ああそうか、ローラみたいな。
あとお母さんが塩漬けの肉を作って雪の下に保存していくっていうのも、
ちょっと味わいを感じるぐらい状況を思い出して、
言語で聞こえるような声のトーンが頭の中に浮かんでくるような感じで、
本を読んでいた時代が、結構子供の間ずっと続いていて。
まるでローラの家に一緒に住んでるみたいな感じ。
なんかローラのいとこになったぐらいの気持ちで、
物語の中にのめり込んでいくような自分がいたんですよね。
この「グーテンペルクの銀河系」の中に、
まさに高田さんの話の一つの大きなテーマでしたけど、
書いた文字というのが活版印刷という形になって広がっていく、
もっと手前のところで、
人がどうやって文章を読んでいたか、伝えていたかっていうと、
すべてが音読だったっていう時代があって、
その後、だんだん手で書き写してっていうところから活版印刷が生まれて、
黙読する、ただ目で読んで伝える時代が来るということによって、
心と頭が分断されたっていう話が、
まさにこのグーテンペルクの銀河系の中に出てくる話なんですけど、
音読していたかつての自分の体験っていうのを思い出してみると、
確かに物語、目で追ってるんだけど、
さっきのローラんちのいとこになったかのように、
塩漬けの肉は焼いたらどんな味かなとか、
お父さんが作ってくれた遊び道具みたいなものに乗っている時の、
風が吹いてくる感じみたいなのとか、
その丸太の家の床がどのくらいスベスベだったかみたいな、
もうそうやって読んだから、ものすごく今でもシーンを覚えてるんですけど、
木がスベスベになっている床の足、素足にタッチする感覚みたいなものが、
浮かってくるように読んでたなっていうのが、
当時の思い出として、この話を聞きながら思い出してたところでした。
すごく感受性が高いというか、
言葉を自分の体験としてそのまま得られるっていうような読み方をしたんですね。
なんかこの高田さんの話を聞きながら、
すごく感情に伝わってくる感覚っていうものが、
本を読むもそうですし、
感情に伝わってくるものが、
好きとか嫌いとか、いいとか悪いとか、心地いいとか、嫌だとか、悲しいとか、
そういうのを全部書き立ててくるわけなんですけど、
そういうのが積み重なって、自分の憧れの世界、
ローラも別に金持ちの家じゃないですけど、
憧れみたいなものが、
すごい太い丸太の木の家とか、
手作りでいろんなものを作って暮らしていく暮らしぶりみたいなことに、
ものすごい憧れた。
要はそうなったらいいなって、
そこまで大草原の家に住みたいわけじゃないですけど、
現状とその憧れみたいなものを感じながら読んでた、
足長おじさんとかもそうですし、
そういう一つ一つ読んでた物語の中に、
憧れみたいなものがありありと浮かんでくるっていう読み方をして、
感情がそこに乗っかってきてたんですよね。
で、ちょっと話をうちの会社の変革の話に戻して、
さっき二つあるって言ったもう一つの方を思い出したというか、
いつも思ってることの方なんですけど、
組織変革とかチームマネジメントを変えていくっていうようなことを、
私たちお手伝いしてるんですけど、
ものすごい数のチームを見てきて、
これはほとんど確信に近い。
確信に近いこと一つ思っているのが、
変革が可能になるかならないのかっていうこと自体が、
私は一点しか要素として重要なものはないと思っていて、
その一点が何かというと、
チームで言えばそのチームのリーダーやマネージャーさん、
もっと大きければ部の部長さんみたいになるかもしれませんけど、
その括りの中の、前回で言えばその幕の中の、
その括りの中のリーダー格になる人が、
一体何を目指しているのか、
何をやりたいと思っているのか、
さっきのローラの家で言えば、
何に憧れて、どんなビジョンみたいなものを描いているのかっていう、
ゴールかって言うんですかね、ビジネス的に言うと。
ゴールなのかビジョンなのか。
そういった行き着きたい場所っていうのがない限り、
どうにも変革を起こせないんですよね。
行き着きたい場所っていうのがすごく重要だと思って、
それが年間売り上げとかっていうわけではないわけですよね。
年間売り上げって、
そういうのがパッと浮かぶケースはあると思うんです。
特に営業職の方とか、
そういった職種でいたら、
変革を起こすための心の動き
数値達成っていうのも一つの道義付けには、
なるとは思うんですけれども、
数字だけだと、
さっき言ったもので言うと、
映像がないと思うんですよね。
数字が達成された時に、
どんな状況がそこに起きているのかっていうのが、
結局心を本当に、本来は動かしているもので、
それを笑っているのは誰で、
喜びの声をかけてくれているのは誰なのか。
そのときに、一体その空間で何が起きているのかっていうのが、
数字っていうものとひも付いて、
成し遂げたいこととして浮かんでくるっていうことが重要で、
数字だと多分、
書いた文字を目読している記号としての情報でしかないんじゃないかな、
っていう気がして、
それだとなかなかチームとか組織を変革に向けて動かしていくってことができないなと思います。
よく組織文化みたいなものが、
変革には非常に重要な要素で、
それによって変えられたり変えられなかったりするっていうお話を聞きますし、
それ自体は全くその通りだと思って合意するんですけれども、
それはどちらかというと、
変革を起こしやすさの度合いに影響しているところで、
どんなに組織文化がそういう柔らかでオープンで、
心理的安全性が担保された場所であったり、
学習意欲が高いチームであったとしても、
その組織のリーダー格になる人が、
こういうことを実現したいのだっていう方向性を示すことがなかったとしたら、
ただの居心地のいい場所で終わると思うんですよ。
じゃあそのリーダーとかマネージャーという組織の、
その中の一番上に立っている人が、
どうやってそれを描けるのかって言ったら、
またさっきの話に戻ってくるんですけど、
自分が何が好きで何が嫌か、何がいいと思って、
何は行き通りを感じるのか、
何を醜いと思うのか美しいと思うのかっていう、
そこでないと判断はできないはずなんですよね。
それって高田さんの勉強会の中で言ってた、
ソマティックマーカー仮説、感情が意思決定に不可欠であるということですよね。
はい。これが積み重なって、
そうか自分はこういう世界観を実現したいんだなっていうのが手に入っていく。
だからこそ自分が何をその時感じているのかっていうのを、
大切に積み重ねていかないと、
急に世の中で良いとされているこんな組織をとか、
こんなゴール感をとか、こんなことを実現をって言ったとしても、
そこに映像が乗ってこなかったり、
温度感が伝わってこないっていうことになると思うんですよね。
そういう意味では、今回のテーマに高田さんが言ってくれた、
なぜハイパーコラボレーションがEQをコアに据えているのかっていうことを
言い当てているということになりますね。
リーダーシップとEQの重要性
そうですね。で、やっぱり今回一番高田さんが最初に主張した、
音声言語と視覚言語が人体っていうものに、
どのような影響を与えているのかっていうのは本当に資産に富んでいるというか、
私たち学校で勉強する時も、企業の中で資料をやり取りする時も、
目読っていう形で情報を得に行くことが当たり前になっていて、
ましてやテキスト文化っていうのは、
デジタルの世界の中でますます増えてきてるわけなんですよね。
なんならそのデジタルネイティブという人たちは、
どちらかといえばテキストでやり取りする、
そこに声のボリュームが乗っかってこないテキストでのやり取りっていうことだけではないとは思いますけれども、
私たちが子供の頃だったよりもそれは増えていて、
生活の中にそれが織り込まれている状態にあるということを考えると、
より一層意識して体感覚を感じるような感情の使い方みたいなことをしていかないと、
自分の中で良し悪しを決めていく軸が出来上がっていかないような感じが改めてしました。
大江健三郎がかなり前の書籍の中で、
本で読んだことは経験になるのだろうかっていうことを延々と語っていたんですけど、
今それってもう経験対応になり変わっちゃってるというか、
文字情報で得た、記号で得た経験が経験ではないというふうに疑いを持つこともなくなっている状況にもなってるわけですよね。
今の話で言うならば、本で読んだことが知識と呼んでいいかどうかっていうのはいつも思うことです。
本で読んだことが体験となっているっていうふうに感じる人がいるかどうかはちょっと私はクエスチョンですけれども、
本で読んだから知識として持っているっていうのは、それは違うだろうって思いますね。
最近、身体知っていう言葉がよく言われるようになってきてますけど、
そういった情報を得た状態で何か活動することで経験が生まれて、
経験を通じてそれが自分のものになっていくっていうのが初めて知識だろうと思うんですよね。
そういう意味で本で読んだことは知識なのかっていうと、
ある種の情報を得たってことではあると思うんですけど、
知識かっていうとそこに何かしらの経験が伴ってないと、知識とは言えないんじゃないかなーって。
理解の外観図の話に近いですね。
そうですね。ネイサン・シェドロフが言っている理解の外観図はまさにその話だろうなと思います。
はい。吉田さん、もうこんな時間になってしまいましたね。
話は尽きないので、また次回この話の続きをしたいと思います。
はい。
ありがとうございました。
ありがとうございました。