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2020-06-23 18:43

「ハツカネズミと人間」第1回:そもそもどんな本?読後感はどう?

みきさんのおすすめで、ジョン・スタインベックの名作戯曲を取り上げます。舞台や映画にもなっているこちら、舞台・戯曲初心者ののぞみは一生懸命内容を理解しようとするんですが...

みき(@miki_apreciar
のぞみ(@CobeAssocie

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書籍紹介(Amazonより)
一軒の小さな家と農場を持ち、土地のくれるいちばんいいものを食い、ウサギを飼って静かに暮らす―からだも知恵も対照的なのっぽのレニーとちびのジョージ。渡り鳥のような二人の労働者の、ささやかな夢。カリフォルニアの農場を転々として働く男たちの友情、たくましい生命力、そして苛酷な現実と悲劇を、温かいヒューマニズムの眼差しで描いたスタインベックの永遠の名作。

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00:11
美術館って、もう普通に東京は行けるんですか?
あの、私が行ったのは、東京の清澄白川にある県大美術館というところなんですけど、普通には行けなくて、まず入り口で検温されます。あの、非接触型の。
うんうんうん。おでこピーみたいなやつ。
そうですね。測られて、その後、ジェルが置いてあって、自分で消毒するっていうのをしてから、チケットを買うっていうのがあるのと、チケットを買うときに、ラインが引いてあって、密にならないように並ぶっていうのがありますね。でも、そんだけでした。
入った後は、まあ普通に見ていける?
はいはいはい。もしかしたら、あの、こっそり入場制限してるのかもしれないんですけど、まあ私が朝11時ぐらいに行ったときには、そもそもそんなに混んでなくて、だから普通に入れました。もしかしたら混んでたら入場制限してるのかもしれないです。
めっちゃいいっすね。週末のその美術館に行くっていう。
はいはいはい。ただ、なんか受付の人たちが全員フェイスシールドしてて、ちょっと未来感、これがコロナ後か、みたいなのはちょっとありましたね。
今、妻が、そういういろんなこう、ちっちゃいものを扱う商社で働いてるんですけど、そのフェイスシールド、あとそのついたて、あとあのプラスチックのなんかこう、隔てるやつ。
はいはい、あとビニールとかですかね。
あ、そうそう、めちゃくちゃやっぱ売れてるんですって。売れてるというか欲しいっていう会社団体、あと学校自治体みたいなのがめちゃくちゃやっぱいるらしくて、なんか未来感あるっていうかなんか不思議な感じになりますよね。
展示はどんなんだったんですか?
オラファー・エリアソンっていう、なんかサステイナブルな素材を使ったアートを作る、みたいなの。もうすごい、ざっくり言ったら、あの、そんなアーティストいっぱいいるけど、まあそういう方で、光の使い方とかが特徴的なアーティストの方だったんですけど。
おまっきりググっていいですか?オラファー・エリアソン。
エリアソン。
出てくる。はい。
私が想起したのは、類似の似た感じのアーティストだと、光をうまく扱っているとかだと、ジェームズ・タリエルとか思い出したんですけど、それの素材とかをすごいサステイナブルな素材を使ったりとかしていて、
染料を使わないとか、野菜から取れた染料を使うとか、ガラスを使うとか、そういうサステイナブルな素材を使って、どうやってアイディアを形にしていくかっていうような大きなテーマを持っている方で。
ジェームズ・タリエルはカレッジ時代に知覚心理学を学び、総飛行時間1万2千時間超えのパイロット経験もあるっていう。
え、そうなんですか?知らなかった。
それが今の作風、光をどう捉えるかとかに繋がってるって考察してる人がいて、へー、なるほど。
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確かに遠近感とか立体感とかを惑わしてくるような作品が多いんですけど、タリエルって。
そのパイロット時代の遠近感が生きてる気がしますよね、そう思うと。
へー。面白いね。
光を使って自分がどこにいるのかわからなくなるような感覚にしてくれる作品が多くて、タリエルは。
まあでも私の解釈ですけど、私はそういうところが好きだなと思ってて。
この、やってた?
超有名なので、なんか私が何言ってんだって思われるかもしれない。気になっちゃって。
超有名、全然知らなかった。
見たことあると思います。見たことあるけど知らないだけなんだと思います。
ものを見れば。
今日取り上げるこのジョン・スタインベックも、巨匠っていう事実しか私は知らなくて。
多分もう界隈ではちょっと有名人すぎてになるんだと思うんですよ、多分。
全く読んだことなかったですからね、このハツカネズミと人間。
私も今回これを取り上げるにあたって改めて、逆歴とか調べたら、ノーベル賞取ってたんかい、みたいな。
なんかめちゃくちゃドメジャーな人を取り上げたんだなって思いました。
ユカワ・ヒデキを紹介するみたいなのに近いってことですか?
みたいなやつ。
アメリカ文学の人からしたらそう、ほんとそうですよね。
今回で言うとこのミキさんオススメのコメディですね。
最初にこれに触れたのは、ミキさんは本で読んだんですか、それとも舞台化もされてるってことで舞台もされてると思うんですけど、どんな触れ方をしてたんですか?
私はこれは初めて知ったのは小説で、ただきっかけは舞台というか、私は大人計画っていう松尾鈴木さんが主催してる劇団がめちゃめちゃ好きで、もうずっと中学生の時から見てるんですけど、
その松尾鈴木さんの劇曲で母を逃がすっていう劇曲があるんですよ。
母を逃がす。
母を逃がすっていう曲があって、それがハツカネズミと人間にインスパイアされて作ったような劇曲だって本人が言っていて、
それであまりにも好きだったんで、ハツカネズミと人間も読んでみようと思って読んだっていう、それが高校生ぐらいかな、の時が初めてですね。
なるほど。参考にして生まれたものを見て、元を辿る形で読んでみたっていうことですか?
そうですね。でもそしたら全然違ってびっくりしたんですけど。
どこインスピレーション受けてんねんっていうやつですね。
でもそれで知りましたね。
なるほど。正直に言ってめっちゃ個人的に難しかったです。
私も本当に久しぶりに読んで、難しいというか想像しづらい世界というか。
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前2回取り上げたやつはこんな内容でしたって言うんですけど、それを言うとネタバレになるっていうこの難しい中で。
小説ってどうやって進めていったらいいんだろうって思いましたね。
まあでもなんとなく普通にやるってことなんでしょうね。
このジョン・スタインベックの略歴とかを見てると、20世紀の初めに生まれて、ドイツ系のご家庭ですと。
ご自身もずっと作家をしてたというよりかは、最初この佐藤工場で高校卒業後働いていて、
たぶん周りにはいたはずなんですよね。いろんな方がいらっしゃって、移民のちょっと貧しい背景を持ってる人とか、
もちろん人種も多様だっただろうし、たくさん働かされて辛かったし、みたいなバックグラウンドの中で書いていったのがこれってことなんですよね。
あとちょうど青年期というか20代後半からアメリカで1930年代が世界恐慌が始まって、めちゃくちゃ負荷が落ちて、
あらゆる第二次産業みたいなものが壊滅的で、農作物の物価も6割とか落ちちゃうみたいな苦しい時代に手稼ぎとかをしている人たちを目の当たりにしてきたって感じなんですよね。
スタインベック自身も。
作っても作っても儲からないっていうストレスを持っている農場主の下とか工場主の下で働くっていう。
そうですね。
しんどいやろうな。めちゃくちゃしんどそう。
不景気の時の肉体労働者ってめちゃめちゃしんどいだろうなって思いますね。
だからこのハツカネズミと人間の舞台も大恐慌があった時のカリフォルニアが舞台でいて、喜劇か悲劇かで言うと圧倒的悲劇ですね。
悲劇ですね。大恐慌の時代に季節労働者として農場を渡り歩く二人の男たちの話っていう感じですよね。1937年に出版されたんですけど。
初めて読んだ時の感想とか覚えてるんですか?
初めて読んだ時の感想正直全然覚えてないですね。
母を逃がすのと全然違うなって思ったぐらいな気持ちだった気がします。
改めて私が読んでみた回だからな。
いやーこれ
そうだよな。なるほど。そうか。
この小説がすごいいいなって思ったのが、すごい全体を通して暴力的じゃないですか。
まあそうですね。
物理的な暴力をも見せてるし、精神的な暴力にも見せてるし、構造の暴力も見せてて、本当に不景気の暴力に満ちた世界っていうものをすごいリアルに教えてくれる。
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っていうのはすごい、なんか想像できないものをフィクションで補うっていうのがその小説のいいところだと思うから。
なんかすごい暴力に満ちた世界を教えてくれるっていうのはすごいいいなって思いましたね。この小説については。
確かにね。
わかんないじゃないですか。普段暴力って身近にないじゃないですか。
できるだけ遠ざけて生きていこうとしますよね。
そうですね。
そうですよね。よく見たら普通に潜んではいるけれども、そんなあからさまの暴力が近くにないじゃないですか。
だから、こんなにあからさまの暴力に満ちた世界を教えてくれるっていう意味ではすごいいいなって思いました。
今回のこの主人公2人は、ほぼはちっちゃく、焦がし恋みたいな人と、体がでかくてめちゃくちゃ力持ちなんだけど、そんなに賢くはないっていうかわいらしい感じの。
あらすじな話してなかったですもんね。
確かに確かに。
そうですね。このハツカネズミと人間っていう小説は、さっきも言った通り、1930年代のアメリカの大恐慌時代の大不景気の時のアメリカの季節労働者の話。
いつか自分たちの子のお嬢を持とうっていう夢を持った手稼ぎ労働者の男2人の話なんですけど、
今言ったように1人は体が小さいんだけどは知恵はある。
もう1人は体大きくて馬力はあるんだけどちょっと頭が弱いみたいな、そういうペアでいつも共に行動してるんですよね。
それがジョージ。体が小さい方がジョージ。体が大きい方がレニーっていう、そのジョージとレニーっていうペアなんですけど。
体が大きいレニーが先に行動しちゃう。考える前に行動しちゃうっていうタイプなので、
脳上等すぐ問題を起こしてしまって、なかなか一つの場所に長くいることができなくて、いつもいろんな脳上をてんてんとしてる。
ジョージはレニーのそういう問題を起こすところをカバーしながら、2人で一緒に歩いてるっていう形なんですよね。
小説の始まりは、そんな2人組がまた例のごとく脳上を追い出されて、新しい働き口にたどり着くところから始まっていくんですよね。
新しい働き口でもレニーはすごく力があって、普通の人は何倍も物とか運べるから、
ジョージがうまくカバーしながら、「お前は黙ってただ働いていれば認めてくれるから何も喋るんじゃない!」とか言いながらレニーが黙々と働くことで、
一旦2人は何とかそこの働き口に馴染めるんですよね。
これ最初読んでるとき、なんでジョージレニーと一緒にいるんやろうなーみたいなことをずっと読みながら、なんでかなーなんでかなーみたいなことを考えますよね。
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自分が誰かと仕事でペアを組んでやるってなったら、自分が仮にジョージだとしたら、レニーと一緒に仕事できるなーと思うぐらいの頭の回転の悪さ。
ヤバさですよね。
言ったことすぐ忘れちゃうみたいな感じなわけですもんね。
ほんとそうですよね。
どんだけパワーがあろうと、なんでジョージって一緒にいるんだろうなーみたいなのが最初ずっと読んでて。
ありましたね。本当にメリットがないって感じですよね。
何か弱みを握られているのかレベル。
なんかサスペンス的なやつ。ジョージが誰かを殺した現場見てたとか。
見てたとか。本当そういう感じかなって。レニーがうっかり喋ってしまわないように見張ってるからずっと一緒にいるとか。
そのぐらいの理由がないと一緒にいる意味がないんじゃないかって思うようなデコボコの二人でしたよね。
その二人が農場にたどり着いて、いろんな他の人と関わり合いを持ちながら、いつか農場を持つんやみたいなことも夢に描きながら頑張っていくっていう話ですよね。
二人が、なんで俺たちはこうやって季節労働でお金を貯めて自分たちの土地を買ってこういう手稼ぎ労働者のステータスから脱却するぞみたいな話を夢物語みたいな感じでずっと言ってたら、
ある日、働いてる時に事故で腕がなくなってしまったために多額の保険金みたいなものを持ってるおじいさんっていうのが農場にいて、
じゃあ混ぜて、貯金あるから貯金と合わせて、そしたら結構早く土地買えるんじゃない?みたいな感じで、すごい現実的な案を持ってくるんですよね。
そっか、じゃあ買えるのか?みたいな話とかをしつつ、もうちょっと頑張って働こうっていう風になって、またその農場で仕事を続けていたんですけれども、そんな中また悲劇が訪れてしまうっていうような展開なんですね。
救いないっすよね、この小説ね。
うーん、ない。やるせなさに満ちてますね。
これさっき飯さんが言ってた、そこかしこにちょっとずつ小さい力みたいなのが出てくるじゃないですか。
例えばレニーが動物と関わるシーンとか、もともと農場を経営してる人が黒人であるがために、本来の能力には見合わない人に対してその農場にしかどう接してるかとか、
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でも読んでいく中にパラッパラッと力の感じが混ぜられてる感じが。
本当にあらゆる暴力が振るわれているし、振るっているしみたいな感じですよね、みんなが。
これなあ、本当に、みきさんメモにちらっと書かれてましたけど、全員にちょっと残念なんですよね。
それがでも、この小説が1937年に出版されて、だから80年か、80年経っても、まだ80年ですよね。
80年ですね。
80年経ってもまだ独りょうできるっていうのは、全員にこういう人間の残念なところがリアルに描かれているから、読めるんじゃないかなと思いますね。
リアルじゃない人が暴力的なだけの小説だったら絶対読めないと思うんですよね。
うーん、確かに。
そういうところもいいなと思ってて、確かに全員ちょっと残念。
レニーの思考力がないところも残念だし、奥さんとかも結構残念じゃないですか。
この農場系している息子の奥さんみたいな人出てくるんですよね。
そうなんですよ。
ちょっとこう、若くて綺麗な感じの。
まず、農場系している人の息子だから偉いっていう立場、雇用主の立場の人がいて、節だらで美人の奥さんみたいなのが出てくるんですよね。
その奥さんが、自分がちょっと美人だったっていうことで、承認欲求をこらえきれなくて、出稼ぎに来る農民たちに話しかけては、自尊心を満たそうとするみたいなのがちょいちょいあって、残念だなって思いました。
この、他人を通じて自尊心を満たそうとするとか、他人を通じて何とかするみたいなのって結構、中盤ぐらいからグッとテーマ性を増していっている気がしますよね。
そうですね。
最初の方って、ジョージがなんでレニーと一緒にいるんだろうっていう時に、真ん中ぐらいから、他の季節労働者ってみんな一人でやって、すぐ酒飲んでダメになっちゃうんだよ。
一人のやつは本当にダメなんだよみたいな話がちょこちょこっと出てくると、やっぱり誰かと一緒にいることで、自分の何かを認識するみたいな構造というか、テーマみたいなのが出てて。
ジョージとかレニーの関係性もそうなのかなとか、その力を行使するって、たぶん自分が誰かに行使をするとか、誰かが自分に行使をしてくるっていうことだと思うんですけど、
その中で自分の立ち位置とか意義とか、そういうことを認識するようになる。
そういう他人に力を及ぼさないと、意義を感じられない人間派手みたいな。
そうですね。
そうですか。
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確かに後半になるにつれて、この人まで暴力的になるんだって馬屋の黒人とかも含めてそうだし、
だんだん一人で働いてる人は違うんですけど、レニーとジョージの関係をちょっと羨ましいと思ってるような素振りも出してくるじゃないですか。
確かにそうかもしれない。
だからあえて嫌味を言ってみたり、嫌がらせをしてみたりしてるのかなって感じるところもあって。
他人を通じて自分を確認するとか、自分の力を確認するっていうテーマだなって思いました。
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