2022-02-22 18:54

他者と生きる #4

スピードやコスパのことばかり考えてきた/スピードやコスパも考えるけど、緩いのが地方:地域で共同で何かを作ったり管理したりする経験/偶然しか楽しくない/不確実性やままならなさを考慮して最適化を考えるのが経済学の本当の愉悦/ゆる経済学ラジオやるってよ(やらない)

--本紹介--

生の手ざわりを求めて――。

“正しさ”は病いを治せるか?

“自分らしさ”はあなたを救うか?

不調の始まる前から病気の事前予測を可能にし、予防的介入に価値を与える統計学的人間観。

「自分らしさ」礼賛の素地となる個人主義的人間観。

現代を特徴づける一見有用なこの二つの人間観は、裏で手を携えながら、関係を持つことではじめて生まれる自他の感覚、すなわち「生の手ざわり」から私たちを遠ざける。

病いを抱える人々と医療者への聞き取り、臨床の参与観察、人類学の知見をもとに、今を捉えるための三つ目の人間観として関係論的人間観を加えた。

現代社会を生きる人間のあり方を根源から問う一冊。


◆目次◆

第一部 リスクの手ざわり

第1章 情報とリスク

第2章 正しく想像せよ

第3章 ゴンドラ猫は恐怖する

第4章 新型コロナウイルスの実感

第二部 危機に陥る人々・その救済の物語

第5章 狩猟採集民という救済

第6章 「自分らしさ」があなたを救う

第7章 人とは何か

終 章 生成される時間

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Mikiさんがこのメモに書いてくれている、スピードやコスパのことばかり考えてきたっていう、なんかエッセイの1行目みたいな感想ありますけど、これはなんですか?
でもこの本、どうしての感想ですよ。やっぱりその実感、統計学的なこの人間感、みんな時間は平等に振られてて、とか、私らしさが大事で、みたいな、
コンドランディコみたいな情報の価値が結構持ちられている時代で、みたいなこととか、そうじゃないよね、それを全部、そうじゃないよねって深さだよ、深さというか、
自分がやっぱり考えて自分なりの物語を立ち上げることでしか、その豊かさみたいなものとか生まれないよね、みたいなことを言う。私はそういうメッセージを受け取ったので、
なんかそう思うと、私はスピードやコスパのことばかり考えてきた。深みのない人間だなって思ったし、
最後、なんでそこに、最後そこに帰ってきちゃう。
うーん、てかなんか、すごい言われてること納得できるのに、その割に私はそういうスピードとかコスパのことばっかり考えろっていう教育を受けてきたなって思いました。
大事って言われてきませんでした。早いと早いと褒められるし、コスパ良いとほうが良い、みたいな。
うちの親の価値観かしら。
うーん、どうかなぁ。
なんかね、そういうところもあればそうじゃないところも混在してるのが田舎なんだよなぁ。
なんでなんだろうなぁ。
例えば、こういうやり方をやったほうが生産量が上がるからとか、こういうやったほうが美味しいものができるからこういうことをやってますっていう農業のノウハウはめちゃくちゃ使うんですよ。
当然、農薬も安全だし収穫量が上がるから全然使いますと、なんかオーガニックなんてバカらしいですって言ってるわけですよ。
あんなんもメディアが言ってるなんちゃらだ、このほうがうめーし安全だしいいじゃねーかって言って使いますと。
そこはつまりスピードとかコスパをものすごく大事にしてるんですよ。
なんですけど、いざじゃあ出来上がって売るっていう風になると、簡単にタダで人にあげちゃうし。
はいはいはい。
無人販売所みたいなときにカゴ山盛りになって100円みたいなとこで売っちゃうし、誰かが勝手にお腹空いたから持って行っちゃっても大丈夫だよみたいな感じになるし。
なんかそういう大事なんて言うか、例えば勉強ができることは偉いことだし勉強頑張るよとは言われるんだけど、それは大事だよとは言われつつ、
授業を無視してみんなでスキー行こうぜイエーイみたいなことも普通に起きているっていう、ゴチャゴチャしてますねなんかね。
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なんなんだろうなそれは。
共同体的な生活史観の名残みたいなものなのかな。
うん、だと思う、だと思う、だと思う。なんなんだろうね。
例えばちょっと前話したかもしれないですけど、父方の実家は農家じゃないんですけど、自治会というか地域の集まりみたいなことはあって、
例えばこの味噌も自分たちの家で作るんですよ、田舎なので。
で当然大豆作って、あるいは作ってないとこは近くからもらったり買ったりしながら、大豆を煮るところから、煮るところかふかすか、味噌作るんですけど、
大量に作んなきゃいけないじゃないですか、1年分の味噌作るんで。
味噌ってその持つ?
うん、1年分作って、それもね、味噌玉っていう玉の形にバスケットボールみたいな玉を作って、そうすると表面がカチカチになるんですよ。
そうすると表面はちょっと汚れるんだけど、別に普通に食べれる味噌っていう。
だから蔵の中とかに置いておいてやるんですけど、1年分ガツッと作るみたいな文化があって、その味噌玉みたいなやつは地域でみんなで持ってんすよ。
1軒1個じゃなくて、20軒で1個とか持っといて、みんなでスケジュール表書いて、何月何日はなんとかさんち、何月何日はなんとかさんちみたいなやつって、
言ったらめちゃめちゃコスパを考えてるわけじゃないですか。
なんだけど、ちょっと遅れても緩いみたいな、何て言うんですか、基準はあるんだけど運用が緩いっていうのが。
そういうのを見て育つと、バランスが良いっていうと良い方の表現で、ダメな方に行くと中途半端っていう人間が量産されますね。
良いなぁ、でもやっぱりそういうのが良いよなぁって思いますけど。
でもどっちかの考え方によるとすごく行きづらくなるので人が出てくるとか、そういうのに馴染まない人はなかなか住みづらいみたいなのがどうしても地方は起きちゃうんですけど。
そうですね。
何とかのことばっかり考えてきたっていう風になりづらい。
そうそうそうそう、それが良いなって思います。
スピードとコスパのことばっかり考えてきたし。
この前も渋谷のスクランブルスクエア、東京市にね、商業施設の一番上にスタバが入ってんですけど、普通にスタバのWi-Fiとかも使えるんですけど、課金するとここから贅沢ラウンジみたいなのがあって、そこに課金すると高速Wi-Fiが使えますって書いてあって、高速Wi-Fiが使いたくて課金しました。
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そういう時に自分の大人げなさを感じる。余裕ないなみたいな。そういうスピードのためにお金とか時間を払っちゃう。
そういうせわしないさとかに自分の成熟してなさを感じる。
それはでも私も高速がいいな。
でもね、ちょっと嫌だなって思ったんですよね、そんな自分も。
本のタイトルに変えると他者と生きるっていう時に、
まあいろいろあるよねって言えるかどうかと、知らねえよって言えるかどうかは結構他者と生きるって大事だなっていうのを読んでて思ったんですよ。
リスクの捉え方も人にとって様々じゃないですか、一番最初に出てくる東洋医学でやるぜってなっている人の話もそうだし、後半のブラックの話もそうなんですけど。
まあいろいろあるよねっていうのがあって、みきさんのスピードやコスパのやつも、
でもみきさんってそうやることで実際にベネフィットを受けるとか感じているからそうするわけじゃないですか。
まあね。
なんかまあ周りから言われたら知らねえよっていうふうに言うのと、
あとみきさんがそうなっている時にまあそういう考え方もあるよねとか、
いや逆に高速ばっかり選ぶのって本当に人間的にさとかいう人をできるだけ周りに置かないっていうのが楽しく他者と生きていくための何かな気がしますよね。
なんかそういう意味だと、じゃあ私はこの本から何を受け取ったかっていうと、
例えば他者と生きる、他者との出会いっていうのは自分でコントロールできなくて、
偶然をもたらせるものとかが結構あるみたいな、そういう偶然性への喜びであるみたいなこととかもなんか私は感じたんですよね、そういう意味だと。
うん。
だからそのスピード、コスパとスピードっていうのはそういう偶然性を切り落とした話だなと思っていて、
それをすごく豊かじゃないと思ってるんですね。
うん、なるほど。
あとはどっかで自分らしさの話で、人生会議、意思決定の仕方で、
人は膝を突き合わせて理論的にロジックを積み合わせれば何かが決められるみたいに思いがちだけど、そうじゃなくて、
人生における大切な選択は雑多なものを含んだ長い囲わりの中でなんとなく緩やかに生じてきたり、
たまたまの出会いや突然蘇った思い出、誰かの唐突な思いつきの影響を受けてなされるみたいなのが書いてあって、
そうだなって思うわけですよ。
そういうことを許せない行為のように感じるんですね、スピードとかコスパを重視するっていうのは。
そういうことを理解していないような態度に感じるんです、私は。
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そうね、そうね、そうね、なるほどね。
そう、他者と生きるっていうのはそういう何となく決まるみたいなこととかを許容したり分かっちゃったりとか、
偶然性みたいなものを喜びを共にするみたいなことかなと私は思いました。
双方向的なやり取りをしたからこそ生まれた偶然みたいなものに喜びを覚えるみたいなことなのかなと私は思いましたね。
もう偶然、何ですか、必然のものって何か良いものであっても別に何か特に嬉しくないじゃないですか、必然なんだから。
うん。
もう偶然しか楽しくないですよね、正直ね、もうね。
そう、そう。
それは本当そうなんだよな。
っていうふうに私はこの本のメッセージを思いましたね、受け取りましたね、最終的には。
今の本の読んだ感想とみきさんの今の話を聞きながら思ったやつを私の最終感想として提示する。
時間もいい感じなのであれにしたいなと思うんですけど。
スピード、コスパみたいなことを考えた時に資本主義がみたいな話ってよく出てくるんですよ。
それは稼ぐ社会のなんちゃらであるみたいな話ってよく出てくるんですけど。
確かにスピードとかコスパを考えるとできる限り偶発性とかリスクとか先ほど言った不確実性みたいなものを排除してやってくる。
コスパもいいしスピード上がるよねっていうのってあらゆる側面であるじゃないですか。
多分これって経済学の中でいうとめちゃくちゃ初期の学部1年生がやる経済学ってこういう感じなんですよね。
もう不確実性ゼロ、変動なし、情報はみんな完全に分かっているみたいな言ったら将棋とかボードゲームみたいな世界観を考えた経済学ってこういう感じなんですよね。
確かにそれで言うと一番コスパがいい選択肢はこれとかこうやるとスピードが速くなるっていうか効率的になるっていうやつが出るんですけど。
私が大学院の時にやってた一部金融っぽいこと、産業金融ってやつをやってたんですけど。
そこでやると本の中に出てくるままならない関係とかままならない社会みたいなとどう付き合うかって話あるじゃないですか。
金融の中の最適化って結構こういう話なんですよ。
リスク絶対あるよねみたいな。不確実性絶対あるよねみたいな。
その中での最適化どうするかみたいなことをテーマに考えるんですけど。
こういうリスクまでなら許容しようねっていうこと?リスクとリターンの関係を見ながら最適化をするってことをやるんですよ。
そういうことを考えるようになると単純なスピードとか単純なコスパを考えるのってすげえアホらしいよねって思うようになるんですよね。
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経済学にそんな効能があったんですね。
経済学は非常に紅葉の大きい学問だと思ってるので私はみんなやればいいと思うんですけど。
でも世の中にある経済学の、わかりやすいですよこの本って言ってるやつもだいたいゴミみたいな本しかないので。
やるととっても奥深いテーマなんですけど。
スピードとかコスパっていうところを超えてこういう変動、例えば200個の金融商品があるときにそれをどうやってやると最適にできますかっていうときに
とりあえず利回りが一番いいですからやっていきましょうとかなるとアホじゃないですか。
それが一番コスパが高いとかなるとアホってなるので。
リスクだったりことを考えるっていうのは最適化の要素としてあるんですけど。
そこからさらに金融の世界からもうちょっと生々しい交渉の現場とかM&Aの交渉とかっていうのを分析する学問もあるんですけど
そうなるともっと身体制っぽくなってきますよね。
こういう動きしてるとか相手がこういう手を打ってきたらこういうふうに反応するみたいなのを考えたりするようになるので。
学部1年生の経済学みたいなことのスピードコスト感覚とかで考えるところから離れられると
自分としては離れたいなと思ってるし、そういう人がいたとしたらうまく付き合わなきゃいけないなっていうのが感想。
なるほどね。経済学に対するイメージがすごい変わりました。
悪の言言みたいな学問でよく扱われてますからね。
合理的な個人をシミュレーションする学問みたいな感じのイメージかな。
全然元々の話に戻っちゃうんですけど
元々の話というか時間が過ぎた中で本論からずれちゃった。
私は大丈夫ですよ。テニスだっけ?
経済学の祖と言われるアダム・スミスってよく見えざる手。
最近もアダム・スミスの奥さんが料理がどうこうみたいな本が出てたんだよな。
あったあった。アダム・スミスの奥さんはどんな料理を作っていたのかみたいな本ですよね。
そうそうそうそう。経済だけじゃないよねみたいな。アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か。
これからの経済と女性の話ってやつですね。
この本自体私読んでないので何も言えないんですけど、このようにアダム・スミスって経済学の見えざる手、合理性の権限みたいな人だって言われてるんですけど
この人はもともと哲学の人なんですよ。
この人って伊藤の青さんが言うところの、ままならなさみたいなものとど真ん中向き合ってたおじちゃんって
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スコットランドの人なんですけど、この人が生きてた時のスコットランドってもうくそほど貧しいんですよ。
ジャガイモみんな食べて死んでいくみたいな時に、どうしたらみんなよく生きられるんだろうかっていうことを考えていて
そう考えると、人間っていうのはあまりに多様だと。
人間がもう画一化された人であれば、統制されたものをみんなでジャガイモ作ろう、服は一種類とかできるんだけど
みんな一人一人ここで言うとリスクの考え方も違うし、死に方も違うし、考え方も違うし
そういうふうになった時に一番いい形って何だろうねっていうのをシステムっぽい話として、この資本論っていう話
そういう社会の中でどうやって生きてたらいいんだろうかっていうのをもう一つ、道徳感情論っていう本
2冊しかこの人書いてないんですけど、2冊並行で書いていて
この人は合理的に考えれば全てがうまくいくっていうことは一回も言っていないし
神の見えざる手っていう表現も本のすっげー長いやつの1回しか出てこないっていう
そうなんだ
この人、幽霊とかで生きてたら、いや俺マジでそういうやつじゃないんですけどって、毎日言ってそうだなっていう
そうなんだ。のどめさん、ゆる経済学ラジオやったほうがいいですよ。こういうことを教えてくれる
いやいや、経済学ガチ勢多いんだよな。ガチ勢が悪いんだよな
ゆる経済学ラジオ
それはガチでしょ。ゆる経済学ラジオをやってそういうことを教えてくれるやつやったら、へーってなりますよ
確かにね。ちょっと考えておこう。ゆる経済学ラジオ
ゆる経済学ラジオお願いします
アダムスビス
へー、そうなんだしか言わない
確かにそれは良さそう
じゃあ今日もありがとうございました。すごく良い本でした。三木さん紹介してくれた
他社と生きる
そう、磯野さんも素晴らしい方なので、応援していきましょうこれからも
ぜひぜひ
じゃあ今日はそんな感じでありがとうございました
ありがとうございました
次回どうします?
次回は私の本紹介ターンですね。三木さんどんな感じのやつが良いとかってありますか?
なんだろう?どんな感じのやつが良い?
今結構じっくり味わえる時期なんですよ。いろんなこと。だからちょっと
結構読み応えあるぞみたいなやつが良いかもです
読み応えか。なるほど。読み応えか
2月、3月がいいから今がチャンス
味わいながら読みます
読み応えっていうか、味わうことに適してるやつが良い
1ページ30秒で読み飛ばさなきゃいけないっていうタイミングじゃないからってことですよね
そうそうそうそう
なるほどな。ちょっと文章を噛んで読めるタイミングだっていうことか
なるほどな。なるほどな。何が良いかな
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テーマとして古い本にしようっていうところから早速ずれちゃいますけど
リュウジキンの去年出た短編集はどうですか?
良いですね。買ってまた読んでなかった
縁にしましょうか。次は縁で
次は縁でお願いします
今日はありがとうございました
ありがとうございました。テニス頑張ってください
行ってきます
行ってらっしゃい。お疲れ様です
お疲れ様でした
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