そこに対して私たちはこういう仮説を立てましたとか、こういう問題意識を持ってますみたいなのがあって、
その後やったメソドロジー、こういう実験だったらこういう実験しました、モデルだったらこういうモデルですみたいなのを書いて、
データ、分析結果、仮説のどうだったかという検証っていうまでがワンセットであって、一番最後に議論っていう項目があるんですよ。
何かっていうと、その結果をどう解釈するかみたいな。
なんでこの仮説が合っていたのか、なんで間違ってたのかみたいなことを書くんですけど、
さっきのカヤみたいなところでいうと、いや変わるんじゃないかなと思ってたんですけど、変わりませんでしたっていうので一応論文にはなるんですよ。
カヤの研究がこう、カヤのプログラムがあって、過去こういう研究がありました、けどこういうのはないのでやってみましたみたいなのがあって、
こういう条件でカヤをこうやって配布したらこうでした、変わりませんでしたみたいなのがあって、一番最後にそのディスカッションっていうのがあるんですけど、
なんでそういう結果になったのかっていうのを言ったら、仮説みたいなのを書いていくんですよ。
さらにこうじゃないかと思いましたとか、こういうことが起きてるんじゃないかなと思うんですけど、
それは今回の論文の中では検証できなかったので、未来の皆さんよろしくお願いしますみたいなふうにしてまとめていくっていうのがあるんですけど、
まさにゆきさんがおっしゃってたみたいに、66パーなんだみたいな。
使って保つって人って結局なんで言ってんだろうなとか、嘘ついてる人いないかなとか、
回答してくれてる人が物事を正しく把握できてない可能性はないんだろうかみたいなことをいろいろ考えるじゃないですか。
そのディスカッションが豊かな論文ってやっぱり読んでて楽しいんですよね。
そういうこと確かにありそうだなみたいなのがあるので、この人たちのこういう実験系の論文って楽しいんですよね、読んでて。
なるほどね。
なんか、すごく知識を得ることとか、勉強することって大事なんだなみたいな当たり前のこととかも気づかされますね、私は。
いい気づきを得ている。
そういえば思い出しましたけど、結構初め読んでて、教育を受けた方がいいっていうのは当たり前だと思ってたんですけど、
そもそも貧困であるってことは教育を受けることが当たり前で、教育を受けた方がいいとすら思ってないことから始まるんだみたいな。
なんかそれやっぱり自分の貧困への解像度がけっこう乏しいことも自覚しましたね、その本を読みながら。
自分の中の日本バイアスみたいな。
外国まで行く方がいいに決まってんじゃんみたいな、なんか思ってたから。
そうね、確かにね。
行けるならみんな行くでしょみたいな、って思ってたから全然そう思ってない。
行けたとしても行かなくていいと思ってる人とかがいるみたいなこととかを知らなかったなって思いました。
考えない。国としてどっちの方が成長できるかっていうことを考えるんですけど、一定の条件下では全然保護しない方が国としては成長しますよっていうのが確か論文になってたんですよ。
でもなんかそれはさ、新興国ではっていうふうに区切ることに意味もある。
特許を保護しない方が先進国であろうと新興国であろうと国は成長しそうじゃない?
一応なんていうんだろう。なんでかっていうと新興国の方が自国の中にあるテクノロジーの水準が低いっていう前提がある。
あーなるほどね。
アメリカとかだったらパクれるものもあるけど自国の中にたくさんあるものもあるから、
言ったらこう、何て言うんですか。
織田英一郎先生がパクる。誰か他のやつをパクるっていうのと、
ポッとでの人がパクるっていうと、織田英一郎先生ってどっちかっていうとパクれるけどパクられる側じゃないですか。
っていうのとポッとでのやつだったらパクり放題じゃないですか。
そうしたらパクることの弁役って当然織田英一郎先生以外の人の方が大きいわけですよね。
なので新興国ってそういう立場にやっぱりいるから、保護っていうことをあんまりしない方が合理的になるっていうワークロン研究をやってるっていう。
限定しているわけじゃないけど、そういう立場にいる人がいる国っていう研究をしてました。
彼は別にそういうことを推奨したいってわけではなくて、そういうインセンティブにある国にも特許保護をしてもらうとしたらどういうふうにしなきゃいけないのかっていう。
ハードルがもっと高いわけじゃないですか、新興国に守ってもらうっていうのは。
じゃあどうするんだっけっていうのをガバナンスって簡単に研究するとかそういうことをやってるんですけど、もうねえぐいぐらい論文出てるんですよね。
おじいちゃんだけどな、そこそこの。
みんなちょっとあれですね、若い頃の写真載せがちですよね。
それはそうね。それは潜在写真あんまり撮り直さないんじゃないですか、やっぱり学者は。
本質的じゃないもんね、そこが最新かどうかって別に。
まあそうね。
論文が最新であればいいから顔は見せる途中でも。
顔写真論文に載らないしね。
確かに若い頃のやつ載せがちはありそうな気がするな。
話があれになっちゃいますけど、クライアント先とか行った時にたまに首から顔写真付きの社員証とかかけてる人いるじゃないですか。
その人だいたい新入社員の時に撮った写真をそのまま社員証とかにつけてるから全然一致しないっていうのが毎回あって爆笑してしまうんですよね。
たまに男性社員とかで坊主で撮っちゃうみたいなおふざけをする人がいて。
私入社した時しか撮ってないな。
俺嘘かも。
一応BCGの時にも社内ネットワークみたいなのがあって、社員検索みたいなのができるんですけど。
日本の東京オフィスは大きい会議室でこれくらいの画素数いくらやねんみたいなやつで適当にパシャっと撮っちゃう。
経済学やってますっていう、やってましたっていう時に、
私が大学院の時やってたのも、こういう系ってちょっとおかしいんですけど、
開発金融っていう分野の研究をやってたんですけど、
全く経済学のものだとあんまり認知されないんですよね。
開発金、こういう金融ファイナンスってこと?
私がやってたようなやつは、こういうアメリカとか日本ではないような国における企業ってのがあるわけじゃないですか。
例えばフィリピンの会社、インドネシアの会社、マレーシアの会社とかいろいろあると思うんですけど、
そういう会社の資金調達ってどうやってるんだっけっていう研究をやってたんですよ。
貧困っていうテーマではないんですけど、開発っていう分野には一応入るっていうテーマの研究をやってたんですけど、
一般にイメージする経済学ってなんだっけっていうものとはちょっとイメージが遠くてですね、
なかなか理解してもらえないっていうのがあったんですけど、
こういうあれですね、リュフロ頑張ってみたいな、こういう研究私も好きだよっていうのをやると、
良心とかに説明がしやすくなるっていういい効果がありますね。
こういうのも私は何も知らなさすぎて、こういうのも経済学なんだ、へーみたいな感じで読んでたんですけどね。
でもそうですよね、イメージそうなりますよね。
経済学の知識がなさすぎたから、なるほど、こういうのがあるんだ。
でもすごいあれだったんですね、インターンというか、従来的なアプローチじゃないアプローチで切り込んでいく方だったんですね。
そうね、面白い。やってることは超真っ当なんですけど、今見ると真っ当に見えるんですけど、
当時としてはあんまりこういうことをやってる人って、さっきもおっしゃったみたいな実験っていうもののハードルがあったりして、なかなか手を出す人がいなかったっていう。
あとなんか実験的である、誰かを下品してる感覚があるっていうこともあるけど、普通に大変ですよね、これ。
そう、みきさんそれね、超いいことを言って、めちゃめちゃいいことを言ってます。
そう、大変。金かかるし、時間かかるし、大変なんですよ。
え、なんかこういう実験のスポンサーみたいなのが本当に見つかるもんなんですか?
みきさん、超グッドポイント。超グッドポイントだよね。いないんですよ、金出してくれる人は。
あ、やはり?
そう。で、金かかるっていうスポンサー見つけるのが大変っていうのもあるし、さらに何が大変かっていうと、
経済学者の就職事情みたいなことを考えると、生々しいところを考えると、彼らって言ったら博士号をまず取って就職をしていくってことをやるわけですよね。
で、その時には一定の論文何本とかクオリティが高いものっていうのを一定持ってなきゃいけないんですよ。
で、実験って金かかるし、これ中にもみきさんさっきもおっしゃってくれましたけど、実験2年3年普通に続くみたいなやつあるじゃないですか。
だから時間もかかるんですよ。で、実験なんで失敗する可能性もあるんですよね。結果出ませんでしたみたいな。
っていうのを若手の時にやれるかってことなんですよ。
やれないよ。
博士課程で、もう金ない、就職しなきゃまずい、論文たくさん出さなきゃいけないっていう時に、1本論文書くためにめちゃくちゃでかい金かけて時間かけて実験の分野に踏み込んでいくかっていうと、やれないわけですよ。そんなことは。
リファとバナジーは本当に情熱の人なんだね。それでもやりたいっていう。
そうね。だし、もしかしたら違うスポンサーが実はいてとか。
売れてるしね。
他のところで論文出せてるからみたいなことあったのかもしれないですけど、若手の時に担当教官みたいな上の人たちに、実験のこういうことやりたいんですけどって言ったら間違いなく止められると思います。
指導教官の人からしても、自分のところからそんなやつを出すわけにはいかないわけですよ。
就職できませんでしたってなると、研究室に出しちゃうと大変になるので。
どの分野でもそうなんですけど、時間かかるお金もかかる実験系の、心理学とかでもそうらしいんですけど、でかい研究を若手がやりに行くことのリスクっていうのは相当あって、
なかなか周りとしては進めづらいから、そういう研究は出てこないし、例えばそういうのをやらずに40になったとするじゃないですか。
そうするとその人の研究スタイルってもう確立しちゃってるわけですよ。
実験を使わない方法でね。
そうするとその人のモチベーションとしては、そんなもう40になって、そんなことをやろうとは思わないじゃないですか。
自分がやってきたことと違うんで。キャリアが違うんで。
そうなると実験っていうのは若かりし頃はやりたかったけど、今やってることとは違うなっていう中でもやらずに終わっていくっていう。
演劇の道に進みたい若者みたいな構図はらんでるじゃないですか。
まったく同じ構図。演劇の世界の構図はどういう構図になってますか。
単純にお金がかかるんだけど、そうじゃいなくて、自分でバイトとかしながら演劇の俳優とかの訓練しなきゃいけないんだけど、
そうするとバイトするうちに疲れちゃって、俳優業になるんだからなくなって、
っていうのをたくさん見てきてるから、自分は才能あってもちょっと自分は違うかなと思って就職しちゃって、
そのまま40歳とかになったときにやっぱり役職やりたいとか思っても、変な役職とかしかない。
そうなるわなぁ。そうなるわなぁ。そうなんすよ。
国が俳優とか、ニューヨークだと結構演劇の仕事とかにもユニオンとか最低賃金とかあって、
割と送ってきるような制度があるんですけど、日本は制度がないから、自己正規にみたいになっちゃう。
しんどいねー。
みたいなのとちょっと違うけど、でもそういう本当はやりたいかもしれないのに、
研究スタイルが確立する時期のうちにやりたいかもしれないのに、時間とか金がかかりすぎてできないっていう。
本当にやりたいのに外部的な要因でできないっていうところだけが出てるんですけど。
そうね。そういうのってこう言ったら意思決定の、もうちょっとメタにすると意思決定の問題じゃないですか。
そのときになんでそういう意思決定をしてしまうんだろうか、個々人はっていうテーマだと思うんですけど、
そういうものってあらゆるものが経済学の研究のテーマになるんですよ。
なるほどね。
労働経済学っていう分野もあるし、19のマッチングみたいなこともいろんなテーマがあるんですけど、
たぶんみきさんが言ってくださってるみたいなところは、研究してる研究者いそう。
どういう制度にしたらアーティフティックな分野に行きたい人が行けるようになるかとか、
それから現実的にどういう制度設計をすると持続可能なのかみたいなことを研究してる人は絶対にいる気がしますね。
経済学者の分野でもいるんですかね。これから生まれていくんですかね。
若い経済学とか長期的な研究、長期的なコストのかかる研究とかに若いうちから時間を費やせるようにするためにはどういう制度が必要かっていう。
たぶんめちゃくちゃいると思います。そういう人。
そうなんだ。
まず実験のコストっていうのが一昔前より圧倒的に下がってるんだと思うんですよ。デジタル環境をうまく使えるんで。
そういうのでシミュレーションで解きますみたいな人たちも増えているし。
プラス、実験の手法を確立するといったらこういう人たちが実験っていうのって必要だしインパクトでかいよねっていうことをやり続けると、
結局そういうのをやっても良い論文の良いインパクトファクターを取れるんだっていう実績が積み重なっていくじゃないですか。
そうするとその道を取りやすくなるっていうのは側面は明らかにあるので。
若手、今これやる人たちは結構実験やりたいっていう人は多いっていうのは聞きますね。
本当に期待ですね。
余談中かあれですけど、さっきのエステル・ディフロンもさっき紹介したダロン・ワンセン・ボーグルもみんなMITの経済学者なんですけど、
MITの経済学者ってよく演劇とのダブルメジャーって人いるんですよ。