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2025-05-23 27:12

Ep.117 鍋にまつわるエッセイ/推し出版社「夏葉社」の本

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季節はそろそろ梅雨、ですが、今回は鍋にまつわるエッセイをご紹介。後半ではさとぅの推し出版社「夏葉社」の小説と詩の本について語っています。


【紹介した本】

石井好子、岸本佐知子、山口瞳 「ぐつぐつ、お鍋」河出書房新社

バーナード・マラマッド(著)小島信夫、浜本武雄、井上謙治(訳)「レンブラントの帽子」夏葉社

ヘンリー・スコット・ホランド(著)高橋和枝(絵)「さよならのあとで」夏葉社


【よりぬき】

・たくさんの鍋にまつわるエッセイをまとめた本

・さとぅの推し出版社

・解を明示しない本

・夏葉社誕生のきっかけ

・別離の悲しみに寄り添ってくれた本

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生物学者と書店員のインターネットラジオ、本の虫のススメ。
本を偏愛する生物学者の椿と、書店員の佐藤が、本にまつわるアレやコレやをゆるっとお届けします。
あっという間に5月ももう、終盤に差し掛かってまいりました。
ねえ。もう、ねえ、言うてそろそろ梅雨に差し掛かるぐらいですよね。
おばあちゃんみたいに、あらー。湿気がやーねーみたいな。
いやでも、本当に暑いのは困る。
本当にね。
ねえ、まだ私たちは、その時期に達してない時に収録してるけど、暑いんでしょうな、もう。
なんかさ、90、違う、2000年代ぐらいの曲でさ、39度のとろけそうな日、知ってる?
知らん。
なんだっけ、ちょっと忘れた。なんか、とにかく、女の人がボーカルのバンドがあって、それで、39度のとろけそうな日っていう、歌詞から始まる歌詞から歌わないけど、その当時はさ、39度っていうのが、ありえない気温みたいなニュアンスで、言われてたんやけど、今さ、別になんか、ああ、39度で、みたいな。
最悪暑いな、ぐらいの。
そうそうそうそう。
そうやんね。
だから、もう本当に、その温度の感覚が変わってしまったなっていう、ここ20年ぐらいで。
ねえ、そうだね。
ふと思ったりしましたね。
あんまり暑くないといいな、今年は。
本当だね。
うん、程よくね、暑く。
ほんと。
ね、なっていただけたらいいですね。
ほんとほんと。
うん。
さとぅさん、最近は本読んでますか?
なんかね、小説ばっかり読んでたみたい。
わかる、そういうのあるよね、周期みたいな。
うん、あるある。
なぜか小説読めない時期とかあったりせえへん。
あるあるある。
あるないやろ。
私、結構、今、あんまり小説はって感じ。
それは、あの、物語の摂取量がニンタバでもオーバーしてるっていうのはあるかもね。
そうかも、でもそうかも、ほんとに。
なんか、うん、読み始めた小説何個かあるんやけど、
ああ、へえ。
全部投げ出してる。
なんか、まあ、だから、許容量がオーバー。
そうやね、どうなるにゃろうって思いながら投げ出してる。
投げ出してる。
なるほどね。今はそういう時期なんでしょうね。
そうそう。
で、さつーさんは小説の時期と。
そうなんです。あ、って言いながら、小説じゃないのを一冊紹介したいんですけど。
ぼいー、自由だ。いいやん。
そう、これ、あの、一冊だけね、ちょっと今日、あの、紹介したいので、エッセイがあって。
よろしいやん。
そうなんですよ。ちょっと時期的に、ちょっと、時期じゃないんですけど、ぐつぐつお鍋っていう。
ええ、いいやん、別に。あたし、365人してお鍋食べるやん。
03:00
うそやけど。
ほんま?夏でもお鍋食べる人?
ええ、食べるよ。全然食べる。
ほんま?
洗い物も少ないしさ。
確かにね、楽でいいよね。
楽。
野菜とれるしね。
そう。で、肉も食べたかったら食べたいだけ。
食べてもいいし。
入れたらいいし。
魚も食べれるし。
山椒入れたけ、入れたらいいし。
なんだっけ、柚子胡椒とかね、なんか好きなアレンジできるしね。
自由やからな。
ね。
だから大丈夫。
大丈夫。
この時期でも全然大丈夫。
そう、なんかグツグツお鍋っていう、川出書房から出てるやつ。
え、それ川出?
そう、川出さんから出てるやつで。
あのね、著名な小説家だったりとか、女優さんだったり、いろんな方のエッセイをまとめた本で。
へえ。
結構有名な人がいて、そうね、例えば。
なんかめっちゃ多くない?
あ、そう、すごい多いよ。
何人?すごいね。
何人やろな。40人ぐらいあるんかな。
確かになんか出席本みたいな名前の並んでる様が。
あの、書影っていうか本の表紙のところに、ガーって名前が、著者がね、載ってるんですよ。
え、なんか字合いが全然違くない?だって坂口安吾と中村うさぎさんが一緒にいるよ。
うさぎさんが一緒にいるよ。
いや、でもこれは面白くて、この本。
へえ。
そう、だからその、北王子ロサンジンさんの書いてあってさ。
あー、古名で有名な。
そう、で、この人の文章は、だから昔の文章ってこともあって、すごいかっちりして、重厚な感じのさ、文章なんやけど、
中村うさぎさんなんかさ、結構こう、ライトなさ、文体の人やんか。
だからなんか、笑いみたいな感じのノリなわけよ。
だからそれが一緒に、一緒くたに。
え、でも面白いね。こったにお鍋って感じやな、タイトル通り。
いや、そう、それがまた、それがすごい面白くて。
へえ。
で、この本なんで手に取ったかって言ったら、まあそういういろんな方が載ってる中に、
岸本さわ、え、幸子さん。
はいはいはい。
あの、翻訳者さんの。
英語翻訳者。
英語翻訳者さんの、そうが載ってあるのと、杏野茂子さんっていう漫画家さんがいるんやけど、
あー。
働きまんとか、あと、ハッピーマニアとか、
いろいろ書いてあるよね。
いろいろ、うん、書いてある。杏野茂子さんっていう、まあ女性系かな?
デリースというか、20代、30代ぐらいの方対象にした女性漫画が書かれている。杏野茂子さん。
えぐにかおりさん。
えぐにかおりさんとか、川上博美さんとか、前小説紹介したんですけど、とか、
椎名誠さんとか、生二沙太夫さんとか、
あと本庄真奈美さんって女優さん。
あ、知ってる。おでん君のこうやってる人やろ。
え、そうなんや。知らんかった。知らんかった。
え、なんか本庄真奈美さんのイメージが変わったな、今。そうなんや。
私、おでん君めっちゃ好きやったから。
えー、知らんかった。まさかの。
いや、そうそう、なんか、なんか、全然そんなに詳しく存じ上げなかったんで、
06:02
すごい、あの、こう、きれいな方やな、ぐらいしか思ってなかったんやけど、
結構、この文章が面白かったから。
そうなんや。
なんか結構、意外と砕けてる方なんやなと思ってたんやけど、
おでん君の声優さんやってるっていうので、なんかすごい、
あーってなった。
なんかおでん君の声優さんが美しいっていうので、なんか私は知って、本庄真奈美さん。
そっちから知ったんや。おでん君経由で。
なるほどね。そうなんや。
そうなんや。いや、そうそう、だからそのすごいさ、いろんな方のいろんな文章の、
自分でお鍋を作るのでどういう風に作ってるかとか、
あとはお店、フグ料理のフグ鍋を食べに行く、
ペスタとか、
ペスタちゃうな、ペッチリやもんね。
ペッチリを食べに行くのにここが美味しかったとか、
だからいろいろそういうお鍋にまつわるエッセイなんですよ。
へー。
で、見開き1ページとか、長くても2、3ページぐらいで完結するような。
へー、なんか電車移動とかの時に良さそう。
そうそうそう、ちょっと10分読めるとか、5分読みたいみたいな時にいいんですよね。
それで庵野もよ子さんと岸本沢子さんが載ってるので読んだんですけど、
岸本沢子さんのエッセイが、実はエッセイの名手っていう、
エピソード何本やったかな。
あれ結構人気会やったよね。
そうやね、あれ結構再生されてますね。
上位会、再生数上位の会があったんですけど。
女虫のすすめは結構、そんなにメジャーな人取り上げないかもね。
確かに。
だから余計に人気がある岸本さんの会っていうのは。
そういうのもあったんかな。
出会いやすいのかもしれない。少なくともタイトルにはあんまり入ってない。
タイトルにあんまり著者を入れないよね、私たちね。
別に意識はしてないんだけど。
そうそうそう、わざと入れてないわけじゃないんだけどね。
そう、タイトル、なんていうのかな、話が転がっていっちゃうから。
そうそうそうそう。
92回ですね。
そんな前か。
結構前やね、なんだかんでで。
実はエッセイの名手岸本幸子さんっていうので、
結構主に椿さんが岸本幸子さんのエッセイがすごい面白いんだよっていうことを、
いろいろな本を紹介してくれて、お話ししてる会があるんですけど。
それでエッセイかかるんやと思って気になってて。
この本で簡単に読め、簡単にっていうか手軽に読めるからさ。
読んでみようと思って読んでんけど、面白いね岸本幸子さん。
それ読んでないけど面白いよね。
全然面白い。
なんかすごいさ、なんてことない話なんよ。
悪鳥の。
09:00
読んだわ。
読んだ?読んでた。
他のに収録されてるはず。
そうなんや。
悪鳥のお玉みたいなやつをなくしたっていうだけの話なんやけど。
なんかそれの書きぶりがすごい面白くて。
そうやんね。
なんか私はその悪鳥と悪鳥と過ごした日々を思ったとか。
そうそうそうそう。
なんかひょうひょうとおもろいこと言う人いるやん。
そういう感じに近くて。
そうやんね。
淡々としてんねんけど。
真似できない。
面白さが。
面白さがあるよね。
そうそうそう。
ずっとそういう感じでひょうひょうと、面白さをどう説明するかって難しいんですけど。
そうやね、難しいね。
岸本さんは特にそう。
ねえ。
でも岸本さんにしかこう、絶対、
これこれ、私と悪鳥との楽しかった日々が相馬灯のようによみがえった。
しゃぶしゃぶの悪を救ったこと。
何々の悪を救ったこと。
何々の悪を救ったこと。
失って初めて私は自分の人生に悪鳥が占める意味の大きさに気づいた。
みたいな。
そうそうそう。
こういう感じの書きぶりがずっと続いてて。
すごい面白いよな。
ぜひぜひ単行本も読んでほしい。
ねえ、読みたいなと思いました。
そう、この本はすごくいろんな人のいろんな文体といろんな表情が見られるので、読みやすいしすごくおすすめですね。
お、変じゃの腕も。
すごいあるんだと思うよ。
何十人っていうものを一つにまとめ上げるってだけですごいね、手間と技量というか技術がいるんやと思うので。
順番一つ変えるだけで読み口もだいぶ変わるしね。
全然違ってしまうからね。
岸本幸子さんが結構最後の方にあって、これを最後の方に、一番最後かな。
持ってくるっていうので、食語感とか読語感というかがすごくまたいい本でしたね。
なるほど。
短いっていうのも良さそうな、読みやすそうな本ですね。
で、最初、さぁとぅさん最近小説のタイミングやってて、結局エッセイを紹介して。
おかしいな。
いいんやね。
あれあれ。
いいんやけど、小説はどんなん読んでるんかなと思って。
小説はですね、いろいろ読んでるんですけど、実は私すごい好きな出版社があったんやけど、いろいろあるけど。
過去形?
いやいや、現在進行形は。
良かった良かった。
出版社に何か振りかかったんかと思って。
ないないないない。
心配しちゃった。
ずっと好きな出版社がありまして、紹介したことなかった気がするんですけど、夏葉社っていう出版社。
全然知らない。
そっか。一人出版社って最近結構いろんなところで出てきてると思うんですけど。
増えてるよね。
増えてるよね。それの結構。
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草分け的な?
草分けってことではないんやけど、なんかブームになる日付役って言ったらなんか軽い言い方になっちゃうけど、になったような出版社ですね。
どういう字?ひらがな?
漢字で、サマーの夏に葉っぱ?で夏葉社っていう出版社がすごい好きで。
その出版社から出てる小説っていうので気になって読んだ本が、レンブラントの帽子っていう小説ですかね。
なんか聞き覚えはあるな、それ。
バーナード・マラー・マットさんっていう方が書かれてて、役が小島信夫さんと浜本武夫さんっていうのかな。
井上賢治さんってお読みするのかな?っていうお三方が役を書かれている本ですね。
夏葉社さんって結構、絶版になった本を復刊して書くような、本を出すようなこと結構多い出版社さん。
なるほど、そうなんだ。
そうなんですよ。
このレンブラントの帽子も、確か70年代とかやったかな?結構前に出版されてて。
このバーナード・マラー・マットさんは全然日本で読めなくなってたんですけど。
そうなんだ。
レンブラントの帽子がもう一回夏葉社で出たことで読めるようになったっていうような話だったんですが、
もしかするとこれちょっと今絶版になっている可能性があるかも。
夏葉社でももしかしたらないのかもしれない。ちょっとわからないけど、かもしれないです。
っていう本を読みました。
なんかこの本の本というか、この物語が短編集というか、短編が確か3作品ぐらい入っている本でなんですけど、
なんかね、なんていうのかな、こう全てを解決しない物語なんですよね。
例えば謎が提示されてて、だんだん明かされていくみたいなのってよくある形だと思うんやけど、その謎も100%は解決しないで、むしろ謎を明かさないまま終わることもあったりする。
人物が取った行動の理由を最後まで明かさないとか、何か不可思議な行動を取ったけど、その行動の理由はわからないけど、物語として終わってるみたいな感じで、畳まない畳み方をするというか、それが面白いなって思って。
ちょっと読者に開かれたみたいな。
15:01
そうですね、そういう感じですね。
表題作のレンブラントの帽子っていうのは、美術教員をしてる主人公と同じく彫刻家の美術教員っていうのかな、されてるのかな、友人がいるんやけど、
その友人がかぶってる白い帽子に対して、それレンブラントの帽子みたいですごくいいねって言った言葉によって、友情関係にひびが入っちゃって。
嫌やったんやな、言われた。
なんで嫌やったかっていうのは明かされへんねんけど、最後まで。
私、レンブラントの帽子が原因だったのかっていうことも明示はされてないねんけど、
でも多分、レンブラントの帽子みたいでいいねって言った日から、自分のこと避けるようになったから、おそらくそれが原因だろうみたいな。
主人公の。
結局、よくわからんままどうなっていくかわからんまま、最後の落ちは言わないけど、そういうふうに展開していくんですよね。
だから、なんだろう、全部に解決して、すっきりしたいっていう時に読む本ではないけど、でもなんかこうだったのかなーだったのかなって想像したりとか、
したい時に読むにはすごくいい本だなって、向いてる本だなって思いました。
なるほど。
何ペンぐらい入ってんの?
確か3ペンぐらいだったかな。
じゃあ長めなんだそれなりに。
そうそうそう、まあまあのね。
でもそんなにその本自体が分厚い本ではないので、まあまあ軽めに読めるかな。
なるほど、なるほど。
で、この著者さんの出自というかに理由があるのかもしれないんですけど、
このバーナード・マラーマントさんの、生まれ育ったのはアメリカなんですけど、ご両親がロシア系のユダヤ人でアメリカに移民してきたっていう経緯があるみたいで、
なんかその成果ソ連っていう国、ロシアじゃない前のソ連が結構取り上げられてるんですね、物語の中に。
だからもう社会主義で独裁の体制にあるような国っていうのが舞台になってる物語もあって、
これはもうソ連のそれとも架空のソ連をモデルにした。
架空ではないソ連、実際のソ連だろうなっていう舞台になってるんだけどね。
そこでちょっと反体制的かもしれないっていう物語を書いてる、
18:03
けど車の運転手、タクシードラバーやったかな、こうしてる人が、
僕の小説をアメリカに持ち込んで売りたいからお願いしますって言ってくんねん。
でもそれをさ、その主人公は編集者やから、出版社の、確か編集者やから権限はあるんやけど、
でもそれで自分がさ、ソ連に名をつけられたら危ないから、
だからそれをすごい葛藤するわけ、そんな絶対無理絶対無理って跳ね抜けるんやけど、
タクシードライバーの方はすごいこうお願いしますよって、ひどいじゃないかみたいな、めっちゃ言ってくるみたいな、
で自分のその泊まってるホテルまで追っかけてきて、
それはすごい情熱やね。
そうやね、どうかお願いしますみたいに言ってくるって。
確かにそれをアメリカに出したらすごい物が良くて、
あー良く書けてて、読みは支配ったんやと思う、主人公は。
読むだけですよとか読んだら良い本で、
これは出してあげた方がいいよな、でもそこまでのリスクを得ないよな、
すごい葛藤するみたいな話があって。
なんかその、自分を守りたい気持ち?自己保診というか、
みたいな気持ちっていうのは自分のね、誰しもの心にあったりはすると思うんですけど、
そこのなんかこう、なんていうのかな、ちょっとこう人間臭さというか、
なんかこう、自己保診って言葉が一番良いのかな。
そうなんか、人のためにそこまでしてやる義理はないぞと、
自分を守りたいみたいな、でもちょっと罪悪感あるみたいな。
なんかまたやることがさ、なんていうか、
保診って言うと結構、汚職隠しみたいな、そういうイメージになるけど、
というよりももっとなんか、マイナスをゼロにする行為をしないための理由じゃなくて、
ゼロをプラスにするための行為をしない。
そうやね、そうやね。
なんかちょっとあれやな、またその、やらんでも生きていけるっていうのがまたなんかその、
生々しい葛藤かもね。
そうなんや、そうなんや、そうなんや。
やらんでも何も悪いことしてるわけじゃないんやけど、みたいな。
今日なんかそう、もう知ってしまった、触れてしまったら、なんかそれによってこう、
自分が嫌をなしに巻き込まれていくっていうかね。
っていうなんかこう、嫌なちょっと気持ちになるというか。
そうやね。
そうそうそう。
あー、でも自分にもそういうとこって身に覚えあるかもって。
なんかちっちゃいこと、すごいちっちゃいことなんですけど、
例えば電車に座ってるときに、目の前に立ってる人が結構年配の方で席を変わってあげたらいいよなって思いながら、
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すごい疲れてるからちょっとなって、今は立てない、立ちたくないなって。
でも立ってあげた方がいいよなっていうときにちょっと罪悪感覚えるとか。
なんかそういうような、なんかどこかしら身に覚えのある、こうチリチリとした罪悪感をこすぶられるような、
そういうのがすごい書きぶりとして上手いなって思って。
で結局どうなるかっていうところも、こう、はっきり解を明示しないところがこの本の面白さだなって思いますね。
というわけで今回は佐藤さんが、結構また毛色が違うね。
そうやね。
2冊を紹介してくれました。
ごめん、もう1冊だけ紹介していい?
ほいほい。
あ、そうそう。で、なつはしゃといえばなんですよ。
これをちょっと軽くですけど、言っときたかった本があって。
はいはい。
なつはしゃから最初に出てる本があって、さよならのあとでっていう本なんですけど。
これは、著者がヘンリー・スコット・ホランドさんっていう方が書かれてて、
高橋一恵さんという方が、これはイラストを書かれてるのかな。なつはしゃバージョンで。
絵本みたいなこと?
あ、いや、写真やね。詩集というか。
あ、詩集。
うん、詩の本やね。
なるほど、そうなんだ。
そうで、この本すごくいい本で、っていうとなんか語彙力がないんですけど。
なつはしゃの一人出版社なんで、お一人で、島田純一郎さんという方が、編集者というか出版社というかをやってはるんですね。
で、この島田さんが結構個人的な事情があって、この本を出版して出版社を始めることになったんやけど、
それが若くして、自分のいとこやったかな、近しい親戚を亡くしたんよね。
親友同然というか、家族というかみたいに思ってた人を亡くしてしまって、
で、その悲しみとかから、そのいとこの親御さんに対して送りたかった本っていうので、
作ったっていう本、経緯があって、このさよならの後でっていうの。
だから一番大きな悲しみにっていう、確か帯文のキャッチコピーがついてたんやけど、
大事な人を亡くした後、さよならの後で、でも実際はその人が亡くなるってことは、
ただそっと隣の部屋とか違う部屋に移っただけなんだっていうような、
死ぬっていうのはそういうことなんだ、みたいなことを書いてる詩の本なんですよね。
24:06
だから当時、私がこの本に出会った時は、ちょうど赤銭インコを飼ってて、8年ぐらい。
で、その赤銭インコがちょうど死んでしまった時で、
つらいね。
そう、つらかったんよね。
まあその、なんやろな、動物を飼ってる人やったらわかると思うんやけど、
本当に家族だったんですね、自分の中でその赤銭インコが、ただのなんかペットみたいな、
ただのペットって言うとあれやけど、家族やったんやな、そうそうそうそう。
だから、すごいつらいなって思ってた時に出会って、本当にこう、
なんかともしびになってくれた本で、そういう経緯もあって、夏葉者がすごい好きな出版社なんです。
なので、まあそうですね、そういう、誰かを亡くされた方っていうのは一番、この本を読んでほしい人だけど、
まあその、お別れとか、ちょっと悲しみを別離っていうのを経験した人に、この本は読んでほしい。
想定もめちゃくちゃ素敵なんで、白押しの想定になってて、大事なところとか確か白押しになってて。
本文がってこと?
表紙?表紙の部分が。
確か遊び紙が、エメラルドグリーンみたいな、ちょっとペールブルーみたいな、ちょっと綺麗な色の遊び紙が挟まってた記憶があるんですけど、
すごいね、いろんなものを覗いて覗いて、極限までシンプルにしたら、こういう美しさになるのかなっていうような。
複雑な装飾とかはなくて、結構シンプルな想定なんですけど、すごくね、大事に余れたのがわかる素敵な本なので、これもぜひお勧めしたい本ですね。
なるほど。
はい。
というわけで、経緯が全然違う3冊、今日はさつさんに紹介していただきました。
はい。
また暑くなってきますが、手に汗握りながら読書を楽しんでいきましょう。
いきましょう。
では、良い読書体験を。
良い読書体験を。
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27:12

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