少年院は、非行少年たちが罰を受ける場所ではなく、教育の場。
法務教官として9年間務めた「へいなかさん」こと安倍さんに、知られざる塀の中の教室について教えてもらいます。知らないことばかりの前編!
《 ゲスト:へいなかさん 》
本名:安部顕(あべあきら)さん
放デイ指導員兼広報。38歳一児の父。大学卒業後、教員になる前の社会勉強として営業マンに。教採直前に法務教官を知り、並行して受験。2012年4月から少年院で矯正教育に携わる。2021年3月に退職後、現職。発達支援の現場で働きながら、個人事業として教育現場や企業向けの研修・セミナーも行っている。(こども発達支援研究会 機関研究員)
《 つぼけん 》
1982年生まれ。東京都出身。 大学の自主映画サークルで映像制作の面白さを知り、2005年に映像の制作会社に入社。カメラマンディレクターとして多くのテレビ番組に携わる。 子どもが小学校に入ったことがきっかけで、日本の学校教育に関心を持つ。人生の目標は「Happiness Creactor」(=自分も他人もしあわせにできる創造力をつくる)
《 大ちゃん:大野大輔 》
1991年生まれ。東京都出身。共育ファシリテーター。
学校と自分が嫌いだった学生時代を、ある恩師が幸せに変えてくれたことがきっかけで教師の道を志す。10年勤めた公立小学校を退職し、現在は(株)先生の幸せ研究所のコンサルタントとして全国の学校の伴走支援を行うなど、「教育をもっと自由に」をテーマに活動している。
○(株)先生の幸せ研究所 コンサルタント
○(社)教育の窓口 共同代表
○社会教育士
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【つぼけんTwitter : @tsuboken_mol】
00:08
こんばんは、ほぼ教育最前線あなたにかわって、私が聞きます。始まりました、つぼけんです。
大ちゃんです。この番組は教育ファシリーテーターの大ちゃんとつぼけんの2人でお届けする番組です。
学校教育をはじめ学びの最前線にいるゲストとともにほぼ最前線に迫っていこうと思います。
つぼけん大ちゃん、よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
久々のオンライン収録ですけども。
そうなんですよね。最近リアルで集まって収録してたから、ちゃんとレコーディングできてるのかな?
確認して、ちゃんと確認して。
取得、取得。最初の5回ミスってるから。
苦手分野だからね。
苦手分野。
バックアップ回っておりますんで。
前回なんですけど、前回は双川先生に出ていただいて、週刊から話をしてもらいましたけど、どうでした?
めちゃくちゃ種育ちましたよ。
双川さんの話がね、週刊回はいかにデカくドカンと始めるんじゃなくて、小さく種から始めて育てていく話だったじゃないですか。
僕その英語のね、2万円のアプリを取って一切やってなかったやつが、双川さんとの収録とかもいろいろあって、それでやって続いてんだよね。
朝起きたらその通知でピコンって来てくれて、横になりながら一回それやるんだよね。
それ今連続記録ずっと続いてて、でもほんと5分くらいで終わるから、続けられちゃうし、なんと育ちまして、今寝る前にもやれてるんだよね。
一日2回?
すごい育った。
双川さんありがとうございます、ほんとに。
すごい。
あと双川さんのコーチングの中で、僕研修講師行った後に、カフェとか、もしくは帰りの新幹線とかで振り返りをやってみたらどうかってアドバイスをもらいまして、それでね、それも続いてる。
毎回やって、それを双川さんに送るってなって、双川さんがいいねって言ってくれるっていうね。
素晴らしい。
やっぱ習慣化って、一緒に伴奏してくれる人がいて、ちっちゃく始めていく、それを育てていくってすごい楽しいなって分かった。
壮健どうですか?壮健は。
いや僕も、まず早起きいいなっていうのがあったわけですよ。早起きやっぱしたいなと思って、我々の共通の友達に早起きしたいんですよねって話をしたら、そっからどんどん転がっていって、なんと新ポッドキャストが爆誕いたしました。
マジですか?
そうそう。そうなのよ。今朝もね、午前6時から初めての収録をしまして。
すごいですね。
二河さんのお話のきっかけで新ポッドキャストがスタートしようとしております。
03:04
本当クリエイティブですよね。こうやって習慣化すると時間が生まれてね、新しい自分に出会えるっていう良さを知っちゃったよね。
知っちゃった。日記もね、再開しちゃったアプリの日記。
マジですか。
日記につけてますね、日々の。
本当なんかちょっとお話ししただけで、習慣のある人生の方がいいよねって思えたもんね。
思えたね。なんか習慣ってガチガチになるイメージ僕当初持ってたんですけど、習慣化する場所ができるだけで、むしろ他がこう自由に使えるようになるっていう、まさかの自由になるっていう、なんかね、すごいパラドックスがありましたね。
そうですね。そんな自由になった前向きな我々ですけれども、今日のテーマ行っちゃいますね。
お願いします。
今回のテーマはこちら。少年院の中にある好奇心を取り戻す教育。
はい、というわけで今回は法務教官、少年院の中にある教室をテーマにするということなんですけれども、だいちゃん、法務教官の世界ってそもそも知ってました?
いや、なかなかね、知りたいけど知れない世界だったと思うんですね。やっぱりそこに近いところに僕も行ったこともあって、行かせてもらったこともあるんですね。
あとはそこにいた子供たちも何か知っていて、なかなか知りたいけど知れなかったというところがあったんで、今回ね、たまたまイベントでお会いしたんですよね。
そうなの。
そう、めちゃくちゃ素敵な方をお会いして、2人でね、声かけに行って、同時に声かけに行って、僕とツボケイに仲いいねって言ったら、ツボケイにね、いや俺の方が先に行きましたみたいな。収録が。
僕の5分早かったですね。
マウント取られるっていうのがありましたけどね、本当に素敵な方で。
いや僕としてもすごく知りたいっていうか、やっぱりテレビでニュースに触れている中で、少年犯罪とか子供のネグレクトの問題とか、持って生まれた環境とかがかなり影響している事件ってたくさんあるんですよ。
でもそれって今までニュースで触れている中で、じゃあどうすればいいのにあまり答えられてなかった部分だったと思うんですよね。
わかるわかる。
で、実際お話を伺ったり、著書を読んだりとかしている中で、あ、知らなかったなーとか、こっちの方向に向かえばいいんだってことがすごくありますし、
ちょっともっと話聞いてみたいなと思ったので、今日はもう詳しくお話を伺っていきたいなと思っております。
というわけで、じゃあ今日のテーマは少年院の中にある好奇心を取り戻す教育ということで、法務教官の世界に行ってみましょう。
それでは本編です。今回のテーマは少年院の中にある好奇心を取り戻す教育ということで、ゲストは平仲さんです。よろしくお願いします。
06:24
平仲 よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
平仲です。
平仲 よろしくお願いします。
平仲 よろしくお願いします。
嬉しい、楽しい。
いやー嬉しい。なんかもうポジティブなエネルギーをもらってますけど。
これね、ラジオだからこそ伝えたいこと言っていいですか?
このオープニングの収録も平仲さんね、同じ画面で見てくださってて、めっちゃニコニコしながら頷いてくださってて、拍手とか。
これね、ラジオだからこそ伝えたいよね。
平仲 そう、嬉しい。
嬉しいですよね。ありがとうございます。
平仲 ありがとうございます。こちらこそ貴重な裏側を。
本当に楽しい。
じゃあまずは平仲さん、自己紹介をお願いしてもいいでしょうか。
平仲 はい、かしこまりました。お聞きの皆さんも初めまして、よろしくお願いいたします。
平仲こと本名は阿部昭と言います。現在38歳で茨城県で娘を育てながらあれやこれややってます。
2021年の3月まで少年院で教官をしていました。そんなことで今日はお呼びいただきました。よろしくお願いいたします。
平仲 よろしくお願いします。
嬉しい。オープニングでも大ちゃんからお話があったけど、我々6月の教育のイベントでね、お会いしたんですよね。
そこに登壇されていた方とはまた別で、最後に一言ある方っていうことで20人ぐらいかね、いろんな先生方とか教育関係者の方が出てきて、
一言ずつお話しされていたんですが、その中でもひときわ、お、この人話したいって思った。僕と大ちゃんとがその後話しに行ったっていうことなんですけど。
僕から先に声にかけに行って、つぼけよりも先に。
いやいやいや、僕の方が5分早かったよね。
一個でいいか、これでいらないか。
本当そうですよね。話したいって思ったんですよね。
いやー嬉しい。ありがたいです。
変異なか町できてましたもんね。変異なか町できてて。名刺持ってね。
いろんな人に声かけていただいて、とっても嬉しかったですよね。
その時に短い時間の中で言ってくださったことが、背中が一番有名なんだぞ。大人こそ背中を見せていこうよっていうような話だったんですけれども、
どんな意図でどういうお話をしてくれたかもう一回聞いてもいいですか?
ありがとうございます。あれなんか45秒って言いながらね、みんなでいっぱいお話をしてたんで、
これはちょっと僕は巻き担当だと思って30秒一発勝負しようと思って。
それで適当なこと喋っただけなんですけど。
教育環境の話がたくさん話題になっていて、その中でもちらっと最大の教育環境ってその場にいる大人だよねっていうお話があって、
09:12
僕も登壇者のそういうお話を聞いて全くその通りだなっていうふうに思っていたので、
最大の教育環境である大人、学校で言えば先生が一番子どもたちに影響を与えられるのは果たしてどこなのかっていうことを言ってみようかなということで、
目は口ほどに物を言うって言うけど、目よりも口よりもその大人の生き様というか背中の方が有名だよねっていうお話を
30秒ぐらいでさせていただきましたね。
確かにすごい短かったのにね、カーンってキラーフレーズみたいな感じで僕残ったんですよね。
確か未来の教育とはってテーマでしたよね、最後話したかった時に。
未来の教育って聞くと多分すごいテクノロジーとかね、これまでにない何か教育って感じに捉えられがちなところを背中ってところで、
なんかすごい原点に戻った感じがしたんですよね。
すごい残ってますね、やっぱり。
嬉しい、ありがとうございます。
実際本当に背中が広いんですよね、単純に見た目として。
僕の?
そうそう、フォルムからして覚えてますよ。
そうなんですね、ありがとうございます。
ぐっときました。
でもなんか多分僕自身の経験もあって、少年院で教官になった年、1年目で少年院の教官になった年に、経歴で言うと5年ぐらい上の先輩がいて、その先輩が集団寮の中を歩いていく背中がすごいかっこよかったんですよ。
うわーこれはかっこいいなーって思った記憶があったんで。
で、そういう先輩たちのそれこそ背中を追って、自分自身も勉強しながら子どもたちと向き合う日々を9年間送らせていただいたので、
僕自身も先輩の背中を見て育ったし、そういう背中を子どもたちに見せられたらいいなっていうのも、やめた今でもそう思ってますよね。
ありがとうございます。
では早速その法務教官の世界について伺っていきたいなと思うんですけれども、今おっしゃった通り、9年間少年院の中の法務教官としてお勤めだったということなんですけれども、
具体的にはどういう対象にどういう教育を行っているのかっていうのが、なかなかあまりわからない部分なので、どんな形なのか、どこの所属なのかとか、そんなことも伺ってもいいですか?
はい、かしこまりました。本当に極めてざっくりお話をしたいなと思うんですけど、
少年院っていうのは、非公をして、家庭裁判所の審判で、今いる社会環境から一旦切り離して育て直しをした方がいいと判断された子たちが、少年院装置として送られてくるんですね。
12:08
だから、罪に対する罰として少年装置があるんじゃなくて、この子が健全な大人に育っていくために、一旦社会から切り離して、保護して教育を授けましょう。
少年院ってのはそもそもそういう教育機関なんですけど、法務教官っていうのは、その少年院の教育を含めた施設運営をすべて担う職員で、法務省の共生局っていうところの所属になる。
教員免許は必ずしも必要じゃないんですけど、少年院の中では学習指導もあるし、体育や行事もあって、
僕は担当しなかったですけど、全寮制の学校みたいなところなので、子どもたちの食事を作る担当の法務教官もいたりするんですね。
なので、極めてざっくり言うと、まず少年院って何なのかといえば、全寮制の職業訓練校みたいなイメージを持っている。
中の構造は、体育館とかグランドもある、本当に全寮制の学校みたいなところで、合宿所みたいな感じで子どもたちが集団生活をしている。
中で行われてることは、まさに職業訓練、学習指導などいろいろあるんですけど、それらを全部回していくので、
法務教官の仕事っていうのは、昔の言い方かもしれないけど、寮婦さん、寮母さん、寮で生活を管理をする人と、
学校の先生と、警備法案の夜間巡回とか、みたいな教員と寮婦さん、寮母さんと警備員を足して3で割ったような仕事が法務教官ですね。
わかりやすい。わかりやすいけど、すごいハッとしたかも。
その罰を受ける場所っていう認識って、そんなことは思ってないにしろ、もしかしたらそういうイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれないっていうのも考えて、
今のを聞きながら、わかりやすいけどハッとしたなって思いました、今。
確かに、少年院は教育機関って、イコールにあんまなってなかったかもしれないですね。
やっぱり、僕も少年漫画とかを読んできたので、ヤンキーが出てくる漫画とかがあって、
そういう、やんちゃをしている暴走族の子とかが少年院に入って、そっから出てきて、みたいな、そういうイメージだったんですけれども、
そういう、いわゆる、やんちゃな男の子が入る場所っていうイメージを持ってるんですけど、それってどうですか?
少年院掃除になる決め手って、非公の事実と要保護性っていう2つの概念の総合判断になるんですよ。
15:01
非公の事実って、確かにその子が非公をしたと。
その非公って、いろいろあるわけですよね。
障害とか、道路交通法違反とか、窃盗とか薬物とか、いろんなことがあるわけですけど、確かにこの子がこれをやった。
それとともに、要保護性、保護がどれだけ必要なのか。
だから、一番わかりやすいところで言うと、家庭環境が良いか悪いかで、少年院掃除のリスクが変わってくる。
だから、2人で同じ日に共犯関係として、同じ犯罪を2人でやったとして、
すごい極端な例を挙げると、家庭が円満でその日たまたま思いつきで非公したA君と、
例えばシングルマダーで晩御飯はいつも1人で食べていて、毎日非公を繰り返しているB君と、
非公に対する責任の度合いが仮に同じだったときに、家庭環境の悪いB君だけが少年院掃除になる可能性がある。
なるほど。
同じことやったのにそれって不公平じゃんって、罰っていう観点ではそう思っちゃいますけどね。
そうですね。でも、その環境から切り離されて、生活も安定した状態で教育を受けられるというふうに捉えると、
必ずしもどっちがある意味で得をしたのかっていうことだったりはしますよね。
どっちの捉えかによって全然見え方が変わりますよね。その子の社会的な自立を目指していくっていう、
その子のこれからを考えてっていう視点はハッとしたので。
だからそもそも誤解してる方が多いんですけど、少年院と別に少年刑務所っていう罰として働かせる場所もあるんです。
そうなんですね。
そうなんですか。わからなかったんですか。
時々、いわゆるやんちゃな子たちが自分たちの正当性というか有利さを保つために、
俺ら未成年で少年法に守られてるからとかって言うけど、
少年法っていうのは、その非公があった時に、
罰を与えるより優先的に教育の可能性を探りましょうということを決めてるだけなので、
刑務所に行かない法律じゃないんですよ。
なるほど。
教育じゃダメだ、すごいざっくり言ったら、教育じゃダメだこれはっていうことが総合的に判断された時には、
刑務所に行くこともあるんです、未成年でも。
これ初めて知りました、それ。
その時少年刑務所に行くんで、少年刑務所ってこの国にちゃんと存在してるんです。
そうか。少年刑務所は教育機関ではないと。
ないと。
罰を受ける場所。
いわゆる刑務所です。
なるほど。
大人も含め刑務所でも改善教育。
ただただ罰を与えるだけじゃダメだから、教育をしようねっていう動きは、
18:00
大人も含めて刑務所の中では増えてきているので、
少年刑務所でももちろん教育をやってるんですけど、
本来の目的というか、どっちがメインディッシュかっていう意味でいくと、
教育機関としての少年院と、罰を与える機関としての少年刑務所っていうのは別々の組織なんですよね。
これ、ちゃんと知ってるか知らないか全然違いますね。
本当に知らない。
これ知ってるとね、社会から多数の見方も全然変わってきて、
接し方もね、皆さん関わってくる、あり方も変わってくるなと思いました。
そういうことをきちんと発信しようっていう。
少年院が教育機関なんだよとか、少年法ってちょっと誤解してないとか、
少年院に入って出てきた子は、罰を受けたんじゃなくて教育を受けた子なんだよっていうことを、
きちんと発信して世間が知っておくことが、
その子たちの再犯防止にもつながるなっていうふうに思って、
それを伝えたかったので、2018年から閉の中の教室、
閉の中は教育機関なんだよっていうことを言いたくて、
閉の中っていうアカウントを作ったんですよ。
なるほど。
道理で背中に僕たちは引き寄せられたわけだっていう。
本当ですよ。
まさに今のね、僕たち知っただけでもね、全然変わってくるじゃないですか。
それを広めようってことで今動かれてるんですもんね。
すごいわ。
知らなかった少年院は教育館。
じゃあその少年院は教育館の教育の部分にもうちょっとフォーカスしてみたいなと思うんですけど、
普通の中学校、高校だったら3年間、4月で始まって3月で終わる3年間って決まっていて、
借りくらいもあってってことじゃないですか。
少年院ってなってくると、別に4月に入ってくると限らないですし、
3年とは限らないですし、
どうやって教育の成長をもたらしているのかなっていうふうに思うんですけれども。
ありがとうございます。
おっしゃる通りで、少年院は逮捕されて家庭裁判所が少年院装置を決定した後随時送られてくるので、
本当にさみだれ式に入ってきてさみだれ式に出ていく。
学年っていう考え方がない学校ですよね。
具体的な教育内容っていうのは、全国今45ぐらいある少年院でそれぞれ違うので、
細かいことはともかくなんですけど、
その少年院の中でどういう過程を経て出院までたどり着くのかっていうのは、
実は個別の教育計画っていうのを本当に一人一人別々に作る。
そうなんですか。
少年院に送られてくると、その子の生い立ちとか特性、犯罪、非公の内容とか家庭環境とかいろんなことを総合的に判断した上で、
この子が出てから健全に生活していけるようになるために、
この定められた教育機関の中でどのプログラムをどの段階で受けるかみたいなことを、
21:02
本当に綿密に4段階ぐらいに分けて計画を立てる。
機関もバラバラですけど、その中でも出る機関も考えてステップを踏んでいくっていう形なんですね。
少年院装置って基本的には短期と長期っていう2種類しかなくて、
短期って半年ぐらいなんですけど、長期だと、長期って言いながら基本は1年なんです。
1年か。
そうなんですね。
長期少年院装置って言われた基本的には1年。
厳密には11ヶ月とか12ヶ月とか、施設によってちょっと差があるんです。
例外的にこの子は特に教育が重点的に必要だ、もしくは機関が長めに必要だって思われると、
家庭裁判所の判断で処遇勧告で、
強制教育の期間を18ヶ月とか24ヶ月とかって指定される子もいるんですけど、
僕がいたところは11ヶ月が標準期間の施設だったので、
この11ヶ月っていうのを4段階に区切って、
まずここから始めましょう。
最後はこうしましょう。
だから間はこういうふうにステップ踏みましょうっていうのを、
僕なんかも本当に単に持った子は全部僕が自分で作ってたので、
いろんなその子に合わせて計画作ってましたね。
例えばその11ヶ月のゴール、
いろいろあるとかと思うんですけれども、
別に計算ができるようになるとかじゃないじゃないですか、ゴールっていうのは。
例えばどういうゴールがあるんですか。
3つ目標を立てるんです、基本的には。
その3つっていうのももちろんその子によって違うんですけど、
大体は非公に対する反省とか被害者に関する問題が1つ目。
2つ目は就労とかに関する目標。
3つ目が家庭環境とか交友関係に関する目標みたいな感じ。
だから身の回りのこと、今後の生活のこと、
それから自分の犯した非公に関することっていうのを
3種類ぐらいに分けて目標を立てていくんですけど、
例えば反省する、被害者に対する謝罪の気持ちを持つみたいなのが
ゴールにあった時に、人に対する謝罪の気持ちを持つためには、
まず自分がやったことを正確に振り返るっていう段階があって、
その自分がやったことを振り返った上で、被害者に与えた影響を考える。
その被害者に与えた影響をもとに、
自分が受けたらどんな気分になるかを考えるみたいなのがあって、
最後に被害者に対する謝罪の気持ちを持つみたいなところにたどり着いたりする。
就労も同じで、出院後健全な就労生活を送る。
そのための準備を整えるみたいなのが最後の目標だとしたら、
自分が今までどうやって生きてきたのかを振り返る。
24:02
第一段階があって、将来的にどんな生活をしたいのかを考える。
そのために身につけなければならない技術や資格などがあれば具体的に検討するっていうのがあって、
院内で資格取得が必要だと思えば最後に資格を取得して、
出院後の生活に備えるみたいな目標があったりとか。
段階を踏んで、1年後に少しでも健全に生活できる可能性を高くして出院していく。
家庭環境も知りたいです。家庭環境って自分だけでは何ともならないと思うんですよね。
家庭環境も、例えば保護者との関係性がすごく良くなかった時に、
例えば今まで親からしてもらったことを冷静に振り返る。
それは良くも悪くもある。
それに対して自分が親にできたこと、かえって迷惑をかけたことを整理する。
考えて、自分の今後の理想の親子関係を具体的に検討する。
それを踏まえて出院後の家族関係について、
今後留意しておきたいポイントを具体的に整理し、計画を立てるみたいなのが最後になった。
みたいな感じです。すごいざっくり言うと。
でもゴールを定めて、その間のショートステップを設定して一個ずつ達成していくって、
社会でやっている、会社でやっていることとほとんど一緒な感じもしますもんね。
そうですね。だからある意味では、その計画は僕らが立てるんですけど、
理想としては子どもたち自身が目標を設定し、
自ら計画を立てて実行する力をつけるみたいなのが目標になる子もいるんですよね。
薬物の子だったりすると、自分と薬物の関わり方、これまでの接し方を振り返るみたいなところから始まって、
出院後、薬物を使いたくなった時の具体的な対策を考えるみたいなところがゴールになって、
その子の問題性とか非公の内容に応じてプログラムをオーダーメインで組み替えていく。
そのためにじゃあこの段階でこの実習を受けようとか、
この資格をこのタイミングで取ってみようとかっていうのを考えるんですね。
これすごい今聞きながらいいなと思ったのが、
全部振り返るも気づくも計画立てるとかも子ども主語ですよね。
そうですね。
それがものすごい、出発点が振り返るからだったっていうところが、
なんかこっちからね、大人からお前らダメだって言って変われって言うじゃないんですよね。
自分で振り返って気づいて、自分の自己変容を促していくっていうような、
あり方っていうのがすごい素敵なんだなっていうのを聞きながら思ってました。
そうなんです。
少年院はやっぱりどの施設に送られるかっていう子と、
その子の資質とかによって、あと年齢とかによって分かれていくので、
27:02
必ずしもこういう段階を踏めない段階の子っていうのかな、
もっと例えば知的に能力が低い子ばかりが集まってくる施設だったり、
あと僕のいたとこは大学生ぐらいの、高校生大学生ぐらいの子が来るんですけど、
もっと年齢が低い子ばかりの施設もあったりするので、
その辺だとやっぱりちょっと考え方変わってくるんでしょうけど。
でもどこでもとにかく目の前の入ってきた子の出院後の生活に向けて
プランを立てるっていうことはやっていて、
それに基づいて彼らが中で教育を受けたり、
その進捗具合をいろんな角度から判断して成績がつけられたり。
成績が悪いと出院が伸びるんです。
なるほど。
かなり子どもたちファーストな感じを僕は受け取っていて、
結局ここではこういうふうな、例えばカリキュラムと呼んでいたとしたら、
カリキュラムがあるから皆さんこれで学んでくださいっていうような形じゃなくて、
いわゆる個別体的なあり方になっていて、
その子に応じてこちらもプランを立てるっていうような、
そのあり方はすごいなと思いましたね。
だってかなりたくさん数もいらっしゃると思うんですけど、
その中で大変じゃないのかなとか、実際にどうなんですか。
でも本当におっしゃる通りで、やっぱりなかなか簡単なことではないですし、
ただ本当に今きれいに説明してしまいましたけど、
実際には少年院の中で完結しなければいけないっていう制約は本当にとっても大きくて、
少年院の中って外の世界と隔離するためにその閉があるので、
子どもたちは当然スマートフォンも触れないし、
基本的にはインターネットにも触れないんですよ。
インターネットにも触れない状況の中で、
例えばSNSの活用方法についてをこういう関係指導で扱うことは難しいし、
生活を回していかなきゃいけないということは、
お風呂の時間も確保しなければいけないし、
という限られた状況の中でどこまでやれるかっていったらやっぱりかなり難しい。
大事になってくるのはそういうカリキュラムだけではなくて、
それ以外の生活の時間の中で、
僕たち現場の法務協会が子どもたちとどうコミュニケーションを取っているかというところの方が、
実はその子たちにとって一番大きな部分だったりするんですよね。
それは確かに背中を見せていかなきゃダメだわ、本当に。
だから本当に最近、ケーキの切れない飛行少年たちっていうやつが、
漫画になったりドラマになったりしてるんですけど、
あそこで描かれてる少年院の教官の姿は実に印象が悪くて、
僕もそう思いました。
30:01
あれはもう恣意的にそうしてるんだと思うんですけど、
体育の授業で腕組みしながら、はい腕立てあと50回みたいな、
言ってるやつあんま見たことない。
どっちかっていうと、
手空いてる法務教官はジャージ着て一緒にやるっていう。
そうなんだ。
そうですそうです。
一緒に腕立てて。
一緒にやるんだ。
なんなら1500mも一緒に走るし。
これは伝えたいな。
僕のいた施設では基本的に子どもたちは大人が嫌いなんですよ。
社会が嫌いだし。
嫌い以前に不信感がすごいし。
その子たちと腹割って話せる関係を作るには、
共有できるものを共有するしかないと思うんですよね。
そこ行くと汗もかかずに、
1500m速い走ってこいって言ってる先生と、
遅かろうが速かろうがひしごいて一緒に走ってくれた先生では、
当然その後の言葉の届き方は違うっていう。
もう単純にそこなんですよね。
間違いないですね。
だから僕のいた少年院だと、
球技大会とかバレーボール大会とかってあったんですけど、
バレーボール大会職員チームも出るんですよ。
職員チームを組んで、
本当にトーナメントに3両AチームBチーム、
4両AチームBチームとかで出てくるところに職員チームって出てきて、
一緒にトーナメント戦ってて、
普通にガチンコ勝負するみたいな。
本当な本気。
子供たちはその大会に向けて体育の授業でバレーボールの練習とかするわけですよ。
1ヶ月2ヶ月。
それに負けないようにするために、
僕らアフターファイブに、
よし、若手集合。
5時半体育館に入って、
体育、バレーボールの練習をみんなでしたりとかして、
それも全然勤務外だから、
いわゆるブラックな労働環境だと言われるのはその通りなんですけど、
ただ楽しんでますよね。
だから1500m走とか、
駅伝大会も職員チームで走るし、
基本どの行事も出れる限りは職員チームが出て、
手抜いて勝たせてやるなんてこと1ミリも考えてないんで、
本気で勝ち抜いて。
本気で。
でもその姿勢がいいんだな。
いいよね。
スポーツテストもやってました一緒に。
そうなんですね。
スポーツテスト全種目一緒にやって、
ランキング一緒に張り出したこともあるし。
若い時は。
すごい。負けないんですね。
人によるけど学力テストも一緒に受けますよね。
月に1回計算テストとか漢字テストあるんですけど、
僕もゆとりのある時は、
じゃあ今日は俺も受けるわ。何級受けたらいい?とか言って、
子供たちに、じゃあ何級と何級お願いしますとか言われて。
抵抗少年は60分で自分の級のテストを受けるんですけど、
33:01
僕はじゃあお前らに半でやらなきゃいけないから、
俺は30分で一つずつやるから、
2つ言って。
じゃあ2級と3級お願いしますとか言われて、
分かった。じゃあ今から受けるわ一緒に。
60分で3級と2級両方ちゃんと合格点まで行く。
そんな大人だったら話してみようかな、
こいつだったら話してやってもいいかなってなるかもしれないですね。
分かる。本気なんだもん。
ずっとそんなんですよ。
それって義務じゃないんで、
法務教官たるもの構成みたいなのじゃなくて、
それこそ先輩たちがそうやってきたから、
俺もそうしようって思うし、
個人の裁量だし、
でもそこが一番面白いところですよね。
面白いんだ。
でも一般の学校だったら、
子供たちの成長以外にも、
保護者の方に先生ありがとうございますとか、
別の評価もあったりするじゃないですか。
でも法務教官さんすごい一生懸命頑張って、
子供の成長はもちろん同じく、
実感が湧く部分かもしれないですけど、
保護者の方からね、
いやー本当に一緒にバレーボールやってくれて、
いいですね田中さんとはなかなかならないわけじゃないですか。
知らないし。保護者ならまだ近いかもしれないけど、
もっと他の少年院の中って何やってるの?
我々も全然知らないし、
そんなふうに、
努力もしながら楽しみながら向き合ってるって、
知らなかったっすね。
知らないですよね。
本当に知らない人が多いなと思うし、
僕も知らなかったんですよ。
僕も知らなかったから、
これは知ってもらった方がいいなって思ったっていうのが、
だから本当にこの平中っていう名前を作った時の、
本当にスタートだったんですよね。
このストーリーをね、
ここのトゥービューを持って平中さんっていう名前をまたね、
改めて呼んでみるとちょっと違いますね、やっぱね。
確かに。
嬉しい。
ありがとうございます。
ではちょっと前半以上とさせていただきます。
平の中、少年院の中がどんな形なのかっていうのが、
本当に知らなかったので、
たくさん知れて嬉しかったです。
後半もよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
35:49
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