さて、今回は、話題沸騰の低予算映画2本をお届けしたいと思います。
1本目が、バックルームズですね。こちらは、2026年アメリカの映画です。
監督がケインパーソンズ、出演がキュエテル・イジョフォー、レナーテ・レインスウェイ、フィン・ベネットが出ております。
世界的に話題沸騰のこの映画、楽しみにして見てきました。
ストーリーなんですが、売れない家具屋を経営しているクラークは、ある時、地下の壁に隙間があるのを発見しました。
その壁の付近を調べてみると、なんと壁をすり抜けて、見たことのない黄色い壁紙の空間があったんです。
その奥を探索してみると、体の知れない存在が近づいてくるんですね。
さて、この部屋は一体何の部屋なのか、そして部屋に入ったものはどうなってしまうのか…という映画です。
この映画、前半はですね、地下の壁を見つけるための過程なので、あまり面白くないなぁというふうに思ったんですが、
クラークが壁をすり抜けて黄色い部屋に入ったあたりから、恐怖感と異様な雰囲気に心臓がずっとバクバクしていたのを感じました。
その様子は、まるで異次元へのポータルをすり抜けたようで、非常にワクワクさせられる部分もありました。
そして黄色い空間が明らかに普通と違うのは、その空間の雰囲気なんですね。
ただの大きな空間というのではなく、何かしら異常な空間、異様な雰囲気を感じさせられるんですね。
この雰囲気作りがとても上手だなというふうに思いました。
単純に真っ暗な部屋でもないし、異様な壁紙でもない、むしろその空間は明るくて恐ろしいものが出てくるような場所ではないというのも特徴的だなというふうに思いました。
そして壁紙は特に変哲もない黄色い壁紙なんですが、黄色だからこそ異様に感じるところがあって、
そういう空間の雰囲気、そしていろんなオブジェがあちこちに並んでいる様子などが非常に異様さを感じさせるんですね。
そしてその異様な空間に何かしらの存在を感じさせます。そこに大きな足音が近づいてくるんですね。
自分の予想が当たってしまって、戸惑いと恐怖感に緊張感は最高潮に達するんです。
その空間は部屋というより通路というより、だだっぴろい空間なんですね。
しかも決まった感覚で壁があるのではなく、まばらで不規則な壁が続いていたり、
時には階段があったり、時には四角い穴もあったり、どこをどう動いたら出口にたどり着けるのか、それがわからないんですね。
そんな迷宮をさまよう映像は、まるでゲームをしているかのような感覚でもありました。
この世界観は非常に面白く、また恐ろしくもあったと思います。
一番印象に残ったのは、恐怖感よりもその空間にあるもののデザインなんですね。
どこにでもある家具などが並んでいるんですが、それらの配置や大きさ、組み合わせなどがとても新鮮で、
デザイナーがデザインしたものかと思うぐらい、どこかの美術館で芸術作品を見ているような感覚に陥りました。
これはホラー映画なのかわからないんですが、この映画もお化けが出るわけでもなく、殺人が行われるわけでもないんですね。
ただ単に異様な空間に入り、何があるかわからない不安、何がいるかわからない恐怖、
どこに行けばいいのかわからない焦りが、見ている人の不安感を増大させているんだと思います。
そしてその空間にいるものの正体は何か、この空間にそれを持ってくるのは考えつかなかったなというふうに思います。
ただ、結末がちょっとおろそかだったかもしれないというふうに思いました。
あのまま恐怖感が残ったまま終われば良かったのに、ちょっと終わり方が中途半端な感じだったと思います。
はっきりとした原因を示すより、理由がわからない状態のまま終わっても良かったかもしれなかったというふうに思いました。
そのせいか、途中まであった緊張感が最後の方で突然切れてしまったような、そんな感覚で終わってしまった感じでした。
それでも、この映画の不気味さ、空間の異様な雰囲気さは感じられて、そこに迷い込んだものを恐怖に陥れてしまうところ、
そして異様な空間なのに、異様にデザインが素晴らしかったり、そこにいる何者かはそこで一体何をしているのかなどわからないことだらけで、それが一層恐怖感を与えてくれたことは確かです。
思ったのは、あのバックルームに入れる人、入る人は何かしら精神的に病んでいたり、トラウマを抱えている人だけが入れるのかもしれないというふうに思いました。
恐怖感の中に人間の真相心理も描かれていて、今までにない感覚で、そのコンセプトは非常に見応えがある映画でした。
監督のケインパーソンズはこれからもっと磨かれて良い監督になっていくと思います。
星3.9を付けたいと思います。
さて次の映画も話題沸騰の低予算映画です。
オブセッション最愛ですね。
こちらは2026年アメリカの映画です。
監督がカリー・パーカー、出演がマイケル・ジョンストン、インディ・ナバレッテが出ております。
この映画もですね、海外での評判も良く、ここオーストラリアでも週末は全ての上映でほぼ満席で非常に人気の映画でした。
ストーリーなんですが、
栽培店員のベアはカフェで働く同僚のニキに密かに恋心を持っていました。
彼はある怪しいスピリチャーのお店でワンウィッシュウィローという小道具を使ってニキが自分を好きになるように願いました。
その願いは見事に叶いニキはベアに強く惹かれるようになるんですが…
さてニキの異様なほどの行為に対してベアはどう対応していくのか、
そしてベアとニキは最終的にどうなってしまうのか…という映画です。
この映画のストーリーは特にひねったところもなかったんですが、
誰もが興味を抱くような内容で興味をそそられました。
そしてニキ役のインディーナバレッテは新人ながら演技が非常に素晴らしく、
この映画は彼女の演技力に支えられたと思います。
彼女の異常なほどのベアに対する情熱、何かがおかしくなっていく様子、
普段のニキがガラッと変わってしまう雰囲気、
頭がおかしくなったのではないかと思われるような異常な行動や顔の表情、
そしてそれに相反する静けさの演技など、
非常に才能がある演技の達人だというふうに思いました。
きっと彼女はこれからあちこちの映画で引っ張り高になるはずだというふうに思います。
そして監督のカリーパーカーも初めての映画監督をしたYouTuberと聞いて、
その才能の素晴らしさを感じました。
特に撮影方法では影を上手に使っているなというふうに思いました。
例えばニキの姿を映す時に背景の光を強くしてニキの姿がシルエットになっている姿とか、
夜に話すニキの顔が暗すぎて見えないとか、
そういう心理的不安感を煽る方法を使っていて、
見ているものを不安にさせる要因となり、さらに恐怖感を煽っていたと思います。
男性のベア役のマイケル・ジョンストンもとても上手な演技をしていたと思います。
どんどん状況が悪くなっていき、手のつけられない状態になっていく様子、
崩れ落ちていく展開、そして何をしても執着してくるニキに
自分だったらどう対応していくべきなのかを考えさせられるような
そんな不安感を与えてくれて、それもまた不安定さを与えてくれたと思います。
この映画はホラー映画ですが、幽霊や斬殺シーンがあるわけでもなく、
ひたすらこのニキの異常性を見せられて、普通のホラー映画とは違った恐ろしさを感じました。
また恐ろしい場面だけではなく、異常な行動の中に面白く感じるおかしさがあり、
恐ろしいのだけれど笑ってしまうというような場面もあって、
映画館で見ている若い女性たちもキャーキャー言いながら見ていました。
そういうシーンは正面から恐怖感を煽るのではなく、
人間味を失った異常な行動で恐怖感を煽るという、
今までにあまり見たことがなかった恐ろしさを感じました。
この映画のタイトルオブセッションとは、
執着とか取り憑かれることという意味があるんですが、
このニキが取り憑かれたようにベアに執着するという、本当に恐ろしい映画でした。
ベアの願いは叶ったものの、あまりにも執着が強すぎて、
想定外の方向に向かっていってしまい、手が付けられなくなってしまうという、
見ている方も早く何とかしなくちゃという焦燥感にも似た感情を感じざるを得ませんでした。
そして、こんなストーリーだと結末がどうなるのか分からなくて、
この2人の状態をどう解決していくのかがずっと気になっていたんですが、
その結末は何とも言えない想定外でした。
誰かに願いをかけるときは気をつけろというセリフもあったんですが、
叶わない願いを叶えるためには何かしらが犠牲になってしまうんだろうなというふうに思いました。
つまり、結局は現在の状態が一番あらゆるものが釣り合っていて、
心地よい状態なんだということをこの映画は描いているのかもしれないと思いました。
叶わない願いを叶えようとせず、今の現状に満足し、感謝し、流れに身を任せていくのが、
人生をうまく乗り越えていくことなのかもしれないというふうに思いました。
誰もが憧れる題材を利用し、そこから突き落とされる恐怖を描いた非常に優秀な映画だと思いました。
何億ドルもかけた映画よりも低予算のこの映画の方が断然面白いと思いました。
星4.2をつけたと思います。