2025-05-28 17:51

#1459. 音変化のミステリー --- ゆる言語学ラジオの水野太貴さんの『中央公論』連載「ことばの変化をつかまえる」より

▼緊急告知! 2025年6月18日に本が出ます


📙唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.


- ぜひ Amazon よりご予約ください:https://amzn.to/4mlxdnQ

- 詳しくは研究社のHPをご覧ください:https://www.kenkyusha.co.jp/book/b10135166.html


▼パーソナリティ,堀田隆一(ほったりゅういち)の詳しいプロフィールはこちらの note 記事よりどうぞ.


- https://note.com/chariderryu/n/na772fcace491


▼heldio のビデオポッドキャスト版を Spotify で始めていますので,そちらのフォローもよろしくお願いします.


https://open.spotify.com/show/0xOyOIXBUrIZbnwSLeJsSb?si=zH5V2CjkS0ekqNz5ro7caw


▼helwa リスナー有志による月刊誌「Helvillian」が2024年10月28日に創刊しています.第4号まで公開されています.


- 創刊号(2024年10月28日):https://note.com/helwa/n/ne2b999d5af72

- 第2号(2024年11月28日):https://note.com/helwa/n/n94e9d9a74706

- 第3号(2024年12月28日):https://note.com/helwa/n/na7394ab1dc4c

- 第4号(2025年1月28日):https://note.com/helwa/n/nb6229eebe391


▼2024年12月30日に『英語史新聞』第11号がウェブ発行されています.


khelf(慶應英語史フォーラム)による『英語史新聞』第11号がウェブ公開されています.こちらよりアクセスしてください


- 第11号:https://keio.box.com/s/kk0jss15l22pz1rpuysa0ys4nkpc3lwr


第11号公開については,khelf 公式ツイッターアカウント @khelf_keio (https://x.com/khelf_keio) を通じても案内しています.

リツイートなどを通じて「英語史をお茶の間に」の英語史活動(hel活)にご協力いただけますと幸いです.


▼2024年第3四半期のリスナー投票による heldio 人気配信回


- 第1位 「#1219. 「はじめての古英語」第10弾 with 小河舜さん&まさにゃん --- 「英語史ライヴ2024」より」 https://voicy.jp/channel/1950/6049608

- 第2位 「#1212. 『英語語源辞典』の「語源学解説」精読 --- 「英語史ライヴ2024」より」 https://voicy.jp/channel/1950/6052858

- 第3位 「#1139. イディオムとイディオム化 --- 秋元実治先生との対談 with 小河舜さん」 https://voicy.jp/channel/1950/1298775

- 詳しくは hellog 記事「#5645. リスナー投票による heldio 2024年第3四半期のランキング」をどうぞ http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/2024-10-10-1.html をどうぞ


▼2024年9月8日(日)に12時間連続生放送の「英語史ライヴ2024」を開催しました.英語史界隈では前代未聞のイベントとなりました.詳細は以下の配信回,あるいは khelf の特設ページを! イベント後は,数ヶ月間かけて各番組をアーカイヴで通常配信していきました.


- heldio 「#1119. 9月8日(日)「英語史ライヴ2024」を開催します」 https://voicy.jp/channel/1950/1296042

- khelf 特設ページ: https://sites.google.com/view/khelf-hotta/英語史ライヴ2024特設ページ


▼2024年8月26日より特別企画「helwa コンテンツ for 「英語史ライヴ2024」」が始まっています.ぜひ特設ホームページに訪れて,ライヴ当日まで毎日1つか2つずつ公開される helwa メンバーによる英語史コンテンツをお楽しみください.


- http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/etc/helwa_content_for_hellive2024/


▼X(旧Twitter)上で「heldio コミュニティ」が開設しています.


Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」のリスナーさんどうしの交流と情報発信の場です.heldio やそこで配信された話題を「待ち合わせ場所」として,英語史やその他の話題について自由にコメント・質問・議論していただければ.heldio が広く知られ「英語史をお茶の間に」届けることができればよいなと.今のところ承認制ですが,お気軽に申請してください.

https://twitter.com/i/communities/1679727671385915392


▼「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む」シリーズ(有料)を展開しています.


英語史の古典的名著 Baugh, Albert C. and Thomas Cable. *A History of the English Language*. 6th ed. London: Routledge, 2013. のオンライン講座です.毎回1セクションンずつゆっくりと進んでいき,内容について縦横無尽にコメントしていきます.シリーズについて自由にご意見,ご感想,ご質問をください.皆さんで議論しながら読んでいきましょう.1回200円です.

https://voicy.jp/channel/1950/570931


▼プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」 (helwa) も毎週火木土の午後6時に配信しています


「英語史の輪」にこめる想い


1. レギュラー放送は,これまで通り,最大限に良質な内容を毎朝お届けしていきます.プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」のための課金の余裕がない方々(例えば中高生や英語史を真剣に学びたい苦学生など)は,無料のレギュラー放送のみを聴き続けていただければと思います.レギュラー放送では,皆さんに最良の放送をお届けし続けます.


2. プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」で得た収益の一部は,レギュラー放送の質を保ち,毎日円滑にお届けするための原資とします.


3. また,収益の一部は,Voicy 以外でのhel活をさらに拡大・発展させるための原資とします.


4. ときに khelf(慶應英語史フォーラム)やプレミアムリスナーにも協力していただき,hel活の新機軸を打ち出していきたいと思っています.企画本部としての「英語史の輪」です.

5. ぜひとも「英語史の輪」のプレミアムリスナーになっていただきたい方


 ・ hel活を応援したい方(資金援助,広報支援,盛り上げ係りなど.研究者,学生,一般の社会人など職種や専門は問いません.)

 ・ 毎日もっともっと英語史に触れたい方,レギュラー放送では足りない方

 ・ 私(堀田隆一)の話をもっと聴いてみたい方

 ・ レギュラー放送のような一般向けの話題にとどまらず,もっと専門的な英語史の話題も聴いてみたいという方

 ・ レギュラー放送で言えない/配信できないような「低い」話題(対談のアフタートークや飲み会での雑談など)も聴きたいという方

 ・ パーソナリティおよびリスナーさんどうしで,もっと交流したい方


以上,よろしくお願いいたします.

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おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語詩ブログの管理者、英語のなぜに答える初めての英語詩の著者、そして、2025年6月18日に発売予定の英語語源ハンドブックの著者の、ほったりゅう一です。
英語の語源が身につくラジオheldio。英語詩をお茶の間にをモットーに、英語の歴史の面白さを伝え、裾野を広げるべく、毎朝6時に配信しています。
本日は5月28日水曜日。 英語語源ハンドブック発売まであと21日。3週間となりました。
おかげさまで、アマゾンランキングでは上位をキープしております。 英語部門のランキングで未だに1位ということでですね、皆さんのご指示いただいております。どうぞよろしくお願い致します。
さて今日の話題なんですけれども、音変化のミステリー。 ゆる言語学ラジオの水野大輝さんの中央口論連載、言葉の変化を捕まえるより、と題しましてお届けいたします。
今年度4月より中央口論にて、ゆる言語学ラジオでおなじみの水野大輝さんがですね、言葉の変化を捕まえるという連載をお書きになっています。
毎回専門家、言語学者にインタビューしながら言葉の変化について考える。 これを水野さん流のヒッチで2ページに渡って連載を繰り広げるという、そういう企画なんですよね。
これ私、今年度の最大の楽しみの一つということで、毎月ですね、 中央口論が出るのを心待ちにしているということなんですね。
これですね、中央口論を毎月楽しみにしているというのはですね、私の人生今までなかったですね。 はい、そういうことですね。
水野さんが言葉の変化を扱うという、この企画を始められたということが本当に嬉しくて、毎月追っかけておりまして、そしてこのヘルディオでもですね、必ずですね、ご紹介してですね、コメントしたいなということで続けてきた企画なんです。
今回もですね、めちゃくちゃ私の心にグサッと刺さったんですよね。 私も言語変化の研究しておりますが、形態とか音韻とかどちらかというと、そういう小さい単位の変化というのに注目してきたんですね。
私のフィールドは英語なんですね。英語の歴史ということなんですが、今回水野大輝さんがインタビューされたのは、日本語、日本語の方言研究ですね。
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歴史言語学者平子達也先生。 インタビューされた上でまとめられた今回の連載も非常に楽しく私読ませていただきました。
私、音変化ということにですね、こだわりを持って研究してきたんですが、今回まさにその話なんですね。
音変化というのはなかなか抽象的、いや本当は具体的なんです。音の変化ですから具体的なんですが、一般的に言うとちょっと捉えがたい、遠くにあるような抽象的な存在のように見られてるんではないかなと思うんですよね。
ですが言葉の変化って究極的には音の変化に遡ることが多いんですよね。ここからスタートして、他に形態的、統合的な変化へと、あるいは語彙的な変化へと波及していくっていうケースが、少なくとも英語史を見る限り非常に多いんですね。
そして日本語史にもそのような事例がおそらく非常に多いんではないかと思うんですよね。
この辺りの事情について、今回は取り上げられているということで、この3回の中でもですね、いずれも非常に面白い回なんですが、とりわけ私の専門分野、関心分野に近いということで、大変楽しく読ませていただきました。
ということで今回はですね、この記事の紹介ということになります。ぜひですね、皆さん、中央口論の6月号、お読みいただければと思います。
それでは行ってみましょう。どうぞお聞きください。
2025年度の中央口論にて、言葉の変化を捕まえるという連載が始まっております。
水野大輝さん、ゆる言語学ラジオのパーソナリティ、水野大輝さんが書かれているシリーズなんですよね。
こちら、毎回専門家、言語学者にインタビューしながら、その知見をもとに水野さんが文明をまとめられているという、そういうシリーズなんですね。
言語変化を話題とするということでですね、今回も8ページにわたって音変化の話題に注目されているんですね。
インタビューのお相手は南山大学純教授の平子達也先生です。
音変化、私も非常に関心が深いということで、本当に楽しく読ませていただきました。
というのはですね、こういう音変化という、ある意味言語変化の中でもニッチですよ。
06:03
言語学の中でも、つまりニッチのニッチの領域なんですけれども、専門的すぎてですね、なかなか
一般には伝わらないという分野なんですが、これをなるべく優しく伝えようという意気込みが伝わってくるような、水野大輝さんと平子達也先生の対談、そしてそれに基づいた記事になっていると思うんですよね。
これ本当に私としてもありがたくてですね、この音変化って最大のミステリーだと私は思っているんですね。
もちろんですね、他の文法変化とか語彙変化も面白いわけなんですが、そして私もそのあたりも研究しているんですが、一番謎なのは音変化だと思ってるんですね。
その難しさと魅力ということが余すところなく、この短い、比較的短い文面、8ページほどの、今回の連載シリーズの1編ですよね。
この中で表現されていると思うんですよね。これは本当に保存版というべきもので、ぜひこのヘルディをお聞きの皆さんに読んでいただきたいんですね。
今日はご案内ということに過ぎません。ある意味ではですね、私としてはこの雑誌記事ですね、読んでくださいという、そこに尽きるわけなんですけれども、
本当にですね、ぐさっと刺さった言葉が多かったんですよ。なので本当に皆さんに読んでいただきたいというところなんですね。
でですね、これ本当に巧みな編集技術と言いますかね、水野大輝さんが言語変化について、今回は音の変化についてなんですね。
これを語りながら、あそこにですね、平子先生のコメントが差し挟まれているという形で、話が紡がれているんですよ。
今回の記事についたタイトルは、発音とアクセントはどう移ろうか、歴史言語学者平子達也さんに聞くという、こういうタイトルなんですけれども、
これはですね、どうやってご紹介しようかというところなんですが、本当に水野さんが上手くですね、平子先生の言葉を拾って、それで8ページの記事をまとめられるというところなので、これはですね、
どこまで公開していいのかわからないんですけども、読んでくださいというところなんですが、部分的にご紹介したいと思うんですね。
まず音が変わるというのは、ある意味では、世代間でですね、差が生じてしまうということなので、コミュニケーションが取れなくなる。
少なくとも取りづらくなるということで、言語においてあまりない方がいいんではないかと考えられるわけですよね。
09:08
そのあたりから水野さんも議論を解き起こしているんですが、ただ、現実にはどんどん変わっていくということなんですね。
なので、なぜ変わるのか、発音が変わる理由ということがですね、問題になってくるんですね。
そこで平子先生はこのようにおっしゃっています。 発音には超音期間のスムーズな運動が要求されるわけですが、次第に先取りしたり省略したりするようになるんです。
これをですね、車の運転に例えていらっしゃいまして、どんどん省略したくなるのが人間なんだと、簡単に言ってしまうとそういうことなんですよね。
これはですね、言語変化の世界では、the principle of least effortなんて言いますね。
最小努力の原則、つまり人間は楽をしたい生き物なので、発音、コミュニケーションを取るための言語ですらですね、どんどん発音を省略して楽にしたいという方向に流れるんだということなんですね。
これがまず第一の原理として、音変化の背景にあるということなんですね。
これは受け入れられるんですが、ただですね、これがどんどん進んでしまうと、楽ばっかりして発音が聞き取れなくなるぐらいに弱化してしまう。
あるいはですね、すべて母音であれば曖昧母音に集結してしまうということになって、これコミュニケーションの道具としてですね、役に立たなくなるわけですよね。
なので、そこまで行ったらコミュニケーションの道具として役に立たなくなるので、そこまで行かないような歯止めもあるっていうことなんですよね。
言語体系がですね、これ自身を維持するためにそこまでボロボロにはさせないというような、そんな力が働いているっていうことなんだと思うんですよね。
で、この辺りについて、ひなこ先生、やはり述べていらっしゃいます。
様々な原因が考えられますが、まず言語というのは音だけでなるわけではありません。
単語や文法など他の体系と密接に関わっていますから、それらとの兼ね合いで一方向には進まないという事情があります。
そうなんですよね。
The principle of least effort 最小努力の原則ということをどんどん押し進めていくのであれば、
楽な方に楽な方にといって、しまいにはコミュニケーションが取れなくなるぐらいに、母音で言えば例えば曖昧母音にすべて集結してしまう、こういうことになるわけですが、そうなってないわけですね。
12:00
歯止めとなる力もまた働いているというふうに考えられるわけですね。
この辺りから議論が面白くなっています。
The principle of least effort これだけではないっていうことがわかってくるわけですよね。
この、じゃあアンチの力ですね。この楽をしたいに対してまた別の反作用的な力が働くということなんですけれども、
今回の記事の後半ではそのあたりに注意が払われているんですね。
平子先生、このようにおっしゃっています。 つまり、発音の変化は調音上の都合で楽したいという動機と、その他の構成要素の制約の間で緊張関係を保ちながら起こるわけです。
言葉が違えば音以外の体系も全く異なるので、世界の言語の音が修練するという単純な見方は成立しないわけですね。
この辺りはですね、見事なストーリーラインで論を展開されているんですね。
音の変化というのはその理由、動機づけ、単純じゃないっていうことなんですね。
これはですね、音変化を専門とするものにとってですね、まずわかっていただきたいポイントなんですが、これ伝え方が難しいんですよ。
それが今回このようなわかりやすい形でですね、議論されているこれがですね、この6月号の記事の最大のポイントじゃないかなっていうふうに思っているんです。
もちろんその後ですね、平子先生の日本語の出雲方言のアクセントに関する議論、これもですね、本当に終局なんですけれども、
音変化という極めて専門的な話題をここまでわかりやすく、そして掘り下げて解説した文章っていうのは、あまり今までなかったんではないかなと思うほどなんですよ。
これ本当です。 最後の最後の方ではですね、方言学者の生態みたいなフィールドワーカーとしての生活、このような部分にも触れられておりまして、
本当に読み応えのある8ページとなっています。 このヘルディをお聞きの皆さん、ぜひですね、中央口論のこの連載、追いかけていただければと思います。
4月号から遡ってぜひ追いかけていただければと思います。 言語変化についてまともに向き合った記事としてはですね、本当に稀有なシリーズになっていると思います。
私は興奮して毎月追いかけております。 ぜひ皆さんも一緒に
15:05
この中央口論のシリーズ、 並走していきませんか。
エンディングです。今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。 中央口論毎月の連載となっております。
言葉の変化を考える。 ゆる言語学グラジオの水野大輝さんによるシリーズということで、皆さんご注目いただければと思います。
さてもう一つ広報しなければならないのが、 6月18日に発売予定の英語語源ハンドブックです。
こちら皆さんにご指示いただきまして、 まだ発売前なわけなんですけれども
1週間前にですね、告知会としまして緊急生配信というちょっと大げさな企画で、 協調者ら5人がこのヘルディオで生配信したという盛り上げ会をですね実施したんですね。
それから1週間経ちました。 そしてですね、少しほとぼりが冷めてきたということもありまして、もう1回ですね
まあいわば盛り上げ会を作りたいということで、来週あたりに企画しております。 これ収録になるか生配信になるかということはですね、ちょっとこれから考えることなんですけれども
またこの英語語源ハンドブックに関する情報、 最新情報と言いますか、発売前情報ですね。
協調者とともに配信する会を設けたいと思っております。 こちらもですね、近々にお届けしますので、ぜひご期待いただければと思います。
とにかくですね、この英語語源ハンドブック。 このヘルディオでずっと推し続けています、英語語源辞典
KDEEと呼ばれるものですね。これに基づいて書かれたハンドブック。 非常にアクセシブル、リーダブルな本となっておりますので、ぜひご期待いただければと思います。
このチャンネル、英語の語源が身につくラジオヘルディオでは、 あなたからのご意見ご感想をお待ちしています。
Voicy のコメント機能を通じてお寄せいただけますと幸いです。 SNS でのシェアもよろしくお願い致します。
それでは今日も皆さんにとって良い1日になりますように、 英語子研究者のホッタリウチがお届けしました。
また明日!
17:51

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